検証18

このページではWAZA Coin (WAZAコイン)という仮想通貨およびトレードコインクラブという投資について検証しています。

●合同会社スマイル (whiteishibashi.com/front/)

●株式会社CryptoPie [WAZA COIN WAZAコイン] (旧社名 Sekinet セキネット sekinet.biz/wazacoin/)

●Trade Coin Club (トレードコインクラブ www.tradecoinclub.com/)


それではWAZAコインに関する2つのサイトから検証を始めます。

●合同会社スマイル (whiteishibashi.com/front/)

●株式会社CryptoPie [WAZA COIN WAZAコイン] (旧社名 Sekinet セキネット sekinet.biz/wazacoin/)

Twitterで300万円分の仮想通貨が貰えると称する以下の様なステマが繰り返されているので検証してみました。

WAZA Coin Twitter ステマ.PNG

リンク先を見ると以下に示すような見るからに胡散臭いサイトに繋がります。これが表題の一つである合同会社スマイルのサイトであり、「石橋孝明 全自動システム ホワイトケルべロス」と称するソフトを販売しているようです。300万円分の仮想通貨が貰えると書いてありますが仮想通貨の名称は出てきません。

WAZA Coin ホワイトケルベロス 300万円.PNG

「ホワイトケルベロス」は「仮想通貨アフィリエイト」であり、「1件成約で最低2万円」の報酬が得られる、この「新仮想通貨」は最低2倍の価値になるといった記述も出てきます。要するに「新仮想通貨」を売ることによって得られる最低2万円の報酬を積み重ねると月収900万円になるということらしいですが眉唾としか思えません。最低2倍の価値になるという根拠は何なのでしょうか?

WAZA Coin 成約2万円&最低2倍.PNG

さらに同じ合同会社スマイルのサイトの中で以下に示すキャプのページを見ると無料配布される新仮想通貨が「WAZA COIN」という名称であるが分かります。但しプレゼントされる仮想通貨は300万円分ではなく、先着10名限りで30万円分、それ以降は10万円分となっています。

WAZA Coin ホワイトケルベロスとの結びつき.PNG

そして合同会社スマイルの「特定商取引法に基づく表示」は以下の様になっています。

WAZA Coin 合同会社スマイル特定勝取引.PNG

>販売業者 合同会社スマイル

>住所 〒 106-0032 東京都港区六本木四丁目3番11号 六本木ユニハウス223

>電話番号 050-5305-6720※お問い合わせはメールにてお願いします。

>メールアドレス support@whiteishibashi.com※お問い合わせはEメールでお願いいたします。

>表現、及び商品に関する注意書き 本商品は必ずしも利益や効果を保証したものではございません。

>販売ページ http://whiteishibashi.com/front/

(中略)

>返金に関して お客様都合での返金はお断り致します。

>個人情報について お客様の個人情報を第三者に開示することはございません。

>決済方法 銀行振り込み・カード払い

>販売価格 297,000円

「ホワイトケルベロス」の価格は29万7000円だそうです。港区六本木の住所を検索してみると「六本木ユニハウス」というのは1部屋が18.47m2という狭小のワンルームマンションのようです。さらに223号という部屋番号まで一致する住所が複数の会社の会社所在地となっているようです。例えば雑貨を販売する「ティレックス株式会社」という会社が部屋番号まで同じ住所に法人登録されているようです。どうやらこの住所はワンストップビジネスセンターというバーチャルオフィス業者の拠点の住所と思われます。つまりこの住所に「合同会社スマイル」が実在するとは思えません。電話も050から始まるIP電話の番号ですから日本の何処に会社が存在しているのか全く分かりません。

またこの石橋某という人物や「ホワイトケルベロス」について検索すると大量の悪評がネット上に見つかります。「ケルベロス」はギリシャ神話に登場する冥府の入り口にいる番犬のことですが、「ホワイトケルベロス」はそんな大層な名前には釣り合わないSNSに大量のアフィリエイト広告を自動的にまき散らすだけの非常に迷惑なソフトのようです。しかも販売の対象が怪しげな「新仮想通貨」ですからこれで「月収998万円」が実際に可能とか30万円近い価格に見合う商品だとか到底思えません。ハッキリ言って程度の低い詐欺と思いますが、既にネット上に幾つも検証がある上にこのサイトの目的からは外れますのでこの件はこれ以上追求しません。

ここで追及したいのは撒き餌として無料配布され、広告の対象でもある仮想通貨、WAZAコインの方です。 そこでWAZAコインを検索して引っかかってきたのが表題の2つ目のサイトです。このサイトは以前に「検証10」で検証したWorld Peace Coin ワールドピースコイン (WPC)という仮想通貨の発行元として登場したSekinet (セキネット)という会社のサイトです。セキネット及び関根義光と名乗る経営者に関する以前の検証も以下と併読してください。

まず株式会社セキネットは2017年4月から会社の名称を株式会社CryptoPieに変更するとあります。

WAZA Coin セキネット社名変更.PNG

以前のWorld Peace Coin ワールドピースコイン (WPC)の検証を行った時と比較すると会社の所在地も変わったようです。

旧住所:東京都港区東麻布1-5-3 パシフィックビル2階

新住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビル401号室

渋谷への転居は経営者の関根某のブログによれば2017年3月のようです。

しかしこのサイトでも業務内容の一つとして登場する仮想通貨事業の記述に登場するのは大半が以前に検証済みのワールドピースコインに関するものです。わずかに「NEWS」の項目の中に

>新仮想通貨WAZA COIN 本日11時上場&オリジナルプラットフォーム同時公開>Posted on 2016年11月25日

という記事があります。

それ以外にトップページからのリンクが見つかりませんがWAZAコイン専用サイトらしきものが検索で見つかります。情報として充分とは言えませんがこれらの記述を主な検証の対象にします。まずNEWSの項目にある「WAZA COINの概要」は以下の様になっています。

>・通貨単位:WZC

>・開始時期:2016年11月25日

>・発行上限枚数:5000万枚

>・採掘:可能(PoSマイニング)

マイニングが可能となっているのにマイニングに参加する方法については示されていないようで矛盾を感じます。2016年の11月に既に「中国の19800.comという仮想通貨取引所に上場」が完了済みとなっています。この上場先については後述します。さらにWAZA Coinについて以下の様な説明があります。かなり長くなりますが抜粋引用します。

>今までの暗号通貨は価値が担保されていないのが問題でした。

>人民元なら中国政府が価値を担保している。不動産は土地が担保になる。

>しかしBitCoinには価値が担保されていない。

>そこで、「日本の伝統工芸品の価値とリンクする暗号通貨、WAZACOIN」が誕生しました。日本の伝統工芸品は価値が衰えません。伝統工芸士達が作り出す品々は一つ一つが世界でたった一つだけのもの。WAZACOINでしか購入できない伝統工芸品があれば、WAZACOINの価値は担保されます。WAZACOINを購入する投資家は1WZCの価値が上がれば上がるほど利益を得られます。

>日本の伝統工芸士達も売上が上がることによって、安定的にまた新しい伝統工芸品を作り出すことができます。

正直言って説得力皆無の説明としか思えません。こんな説明で納得する人はいるんでしょうか?そもそもこの仮想通貨でしか購入出来ない伝統工芸品とは具体的に何なのか一切の説明がないのです。多くの人が争って購入したいと希望し、その為にWAZAコインという聞いたこともない仮想通貨を多くの人が購入するという状況は全く想像出来ません。これまで数多くの怪しげな仮想通貨について検証を行ってきましたが、この説明は説得力において最低だと思います。さらにサイトの説明から抜粋を続けます。

>中国最大級のネット取引企業アリババグループの最高顧問であり、中国と日本を繋いで様々なビジネスを手掛けるPAOSNETの代表 王 超鷹氏、日本全国の伝統工芸士、そして弊社でタッグを組み、『仮想通貨×伝統工芸』という新しいビジネスを提供していきます。

この「PAOSNETの代表 王 超鷹氏」について検索してみましたが、この人物は「トンパ文字伝説―絵のような謎の文字」という著作があるようでネット書店のサイトにある著者紹介の記述は以下の様になっています。

>王超鷹[オウチョウヨウ]

>1958年中国上海生まれ。1987年来日、武蔵野美術大学大学院修士課程修了(造形学専攻)。現在、PAOSNET首席代表

この人物は本人へのインタビュー記事などによれば仮想通貨の話など全く出てきませんし完全にデザイン系の人物ではないかと思われます。「PAOSNET」も検索して見つかる情報によればデザイン事務所のようです。さらにアリババグループの最高顧問という肩書を確認しようとアリババグループのサイトにある経営陣のリストを見ましたが最高経営責任者の馬雲(ジャック・マー)氏や大株主であるソフトバンクの孫正義氏の名前はあっても「王超鷹」の名前はアリババの経営陣リストに該当がありません。これはデタラメであるとしか思えません。王超鷹氏の連絡先を知っている人がいれば名前が勝手に使われているのではないかと確認するべきかもしれません。CryptoPieのサイトからさらに抜粋を続けます。

>これらを総合的に捉え、『仮想通貨×伝統工芸』としてWAZA COINを広めるには中国が最も適切であると判断し、本日の上場に至りました。

>また、上場と共にWAZA COIN独自のプラットフォームも『KAMIWAZA』も公開しました。(※運営開始は近日予定)

>専任で契約している伝統工芸士達の熟練された技術によって生まれた、最高級工芸品をいち早く購入することができるプラットフォームです。

どうやらWAZAコインは中国市場で上場されていてもWAZAコインのみが通用する伝統工芸品のショッピングサイトである『KAMIWAZA』はまだ運営が開始されておらず、仮想通貨としてはまだ機能していないようです。常識的に考えれば仮想通貨として通用していない仮想通貨なんて上場しても購入を考える人がいると思えません。上場よりもショッピングサイトの運営開始を優先するべきであって強い違和感を感じざるを得ません。

次にWAZAコインが上場されているという「19800.com」というサイトを調べてみましたが中国のサイトであるが故に基本的に中国語表記で英語表記を選んでも部分的にしか英語表記になりません。それでも以下のキャプに示す様にBitcoin(ビットコイン)とかEthereum (イーサリウム)といった有名な仮想通貨の他、全く聞いたこともないものが多いですが全部で25種類の仮想通貨が取引可能となっており赤枠で囲んだWAZAコインも確かに取引可能となっていることは分かります。

WAZA Coin 上場予定中国市場英語版赤枠.PNG

そこで現在のWAZAコインの相場を見ると以下のキャプに見られるように1枚の取引価格が直近で0.0794人民元となっています。現時点(2017年4月)で1人民元は15円77銭なのでWAZAコイン1枚の相場は1円25銭ほどということになります。またチャートを見れば明らかなように上場以来の相場は右肩下がりの下落傾向にあるようです。元の価格が分かりませんけどこれでは「1年で最低2倍の価値」が達成されるようには思えません。出来高もわずかであり、少なくとも中国の市場参加者はこの仮想通貨を有望な投資先とは考えていない証拠でしょう。

WAZA Coin 相場チャート.PNG

そしてCryptoPieのがWAZAコイン専用サイトには購入申し込みへのリンクがあって以下のような記述があります。

WAZA Coin 販売価格100円.PNG

>ご購入金額(現在は銀行振込のみ受け付けています。

>【最低購入金額:10,000円~】 ご購入金額を日本円でご記入ください。1WZCの価格は「100円」です。(例: 1万WZC希望の場合は「1000000」と記入してください。)

販売価格はWAZAコイン1枚が100円だそうです。上場した中国の市場で1円25銭ほどで取引されているものを100円で売っているのです。仮に記入例にあるように100万円も購入してしまったら市場価値は1万2500円ですから買った瞬間に98万7500円を失うことになります。明らかな詐欺と判断します。

※付記

知恵袋に被害者からの投稿が出ました。論外だと思います。


●Trade Coin Club (トレードコインクラブ www.tradecoinclub.com/)

この項目は知恵袋での質問への回答として書いたものです。自動売買ソフトを使って仮想通貨を売買し、日利0.8~1.5%もの配当を出すということですがこれは結論から言えばHYIP (High Yield Investment Program、ハイプ)と呼ばれるネットネズミ講です。まずHYIPと呼ばれる案件について共通点を並べておきます。

1) 1日に1%前後もの非常に高い配当を約束する。但し運用の実態があるかどうかは極めて疑問であり、単なるポンジースキーム(自転車操業)である可能性が高い。

2) ビットコインでの入金を要求する。(ビットコインの匿名性を悪用している。)

3) 主にSNSを使ったネズミ講方式で勧誘が行われている。セミナーなどでの勧誘も行われることがある。

4) 高い配当率から必然的に短期間で破綻に至ることになる。

5) 運営元に関する情報は極めて乏しい。

トレードコインクラブもまさにこれらのHYIPの共通項を備えています。

まず共通点の第5項に相当しますが公式サイトには連絡先情報が殆どありません。下のキャプに見えるようにメールアドレスがあるだけです。経営者情報もありません。この時点で話しになりません。

Trade Coin Club 連絡先情報.PNG

>Email: contact@tradecoinclub.com

>Website: www.tradecoinclub.com

次にHYIPの共通点の第2項(ビットコインでの入金)と第3項(ネズミ講の要素)です。以下のキャプに見えるようにまさに入会にはビットコインでの入会金支払いが必要なようです。そしてMembership (会員権)は支払うビットコインの額によってApprentice (初心者)、Trader(トレーダー)、Senior Trader(シニア・トレーダー)の3段階が設定されているようです。

Trade Coin Club Membership 3段階.PNG

そしていずれの会員権でも誰かを勧誘して自分の子ネズミとして登録させることに成功すれば10%の成功報酬が得られるようです。

一方で孫ネズミ以下からの間接報酬などに関しては会員ランクで差が設けられており、一番下の初心者レベルだと4段階下までしか報酬の対象にならないのに対してトレーダー会員なら8段階、シニア・トレーダー会員なら12段階まで報酬が支払われるということになっているようです。細かい報酬システムを全て整理する気にはなりませんが要するに有利な上級レベルの会員権を買いましょうということなのでしょう。これはまさにネズミ講システムそのものだと思われ、違法性が強く疑われます。

Trade Coin Club ネズミ講まとめ.PNG

そしてこの違法性を認識しているのかどうか分かりませんが、ネズミ講組織に積極的に参加して自分の子ネズミを勧誘しようとする為と思われる日本語のブログやSNSでの発信が多数あります。そして勧誘目的と思われるブログやSNSでの書き込みには例えば以下のキャプに見えるように

https://office.tradecoinclub.com/register/[勧誘者のID]

という形のリンクが用意されています。

Trade Coin Club Twitter ステマ.PNG

こういったリンクをクリックして登録するとこのリンクを設定した人物の子ネズミとしてネズミ講に登録されることになるのでしょう。ネット検索するとこれ以外にも子ネズミを集めるのが目的と思われるブログや動画が多数ネット上に見つかります。それらの多くには上に示したようなアフィリエイトリンク形式のリンクが用意されていています。

例えば以下のキャプは勧誘動画の一つ「TCC トレードコインクラブ ビットコイン投資」から撮ったものです。東京の神田で開催された説明会の記録動画であるとなっていて、こうしたセミナー形式でも勧誘が行われているようです。

Trade Coin Club 神田での説明会動画2.PNG

そしてこの動画の脚注にはネズミ講勧誘のリンクが用意されており、アップしているのは日本サービスシステム代表の江藤友紀となっています。

>日本サービスシステム

>運営者 代表 江藤友紀

>所在地 東京都町田市金井町2360-1

>事業概要 サービス業

>お問合せ LINE:swordfish777

>電話080-4365-9801

>URL http://event.support-club.jp/

ちなみにこの江藤と名乗る人物は他にも既に集団訴訟騒ぎになっているD9クラブへの勧誘動画などもYoutubeにアップしているようです。この人物のLinked Inのアカウントには経歴なども公開されています。

さらに勧誘目的と思われるブログの1つとしてTrade Coin Club Japan (tradecoinclub.tokyo)というブログがあります。さらに同じ名前のFacebookアカウントが存在します。そしてこのFacebookのアカウントには「TTC トレードコインクラブ CEOアルモンド・ファリア氏インタビュー」というタイトルの日本語字幕付き動画へのリンクが用意されています。

公式サイトには見当たらなかった経営陣に関する情報が得られるものと考えて早速動画を視聴してみましたが、この動画には突っ込みどころが満載です。ちなみにこの動画の脚注にもTrade Coin Club Japanへのリンクや子ネズミ勧誘用のリンクが用意されています。

ともかく動画を見るとトレードコインクラブのアルモンド・ファリア(下のキャプの中央の中年男性、CEO[最高経営責任者])とクラウディア・カベッロ(左側の女性)とそれぞれ名乗る2人の人物をビットコインマイナーと称するライアン(動画の字幕ではリアン)・コネリーという右側の男性がインタビューしています。インタビューの場所は会社のあるタックスヘブンで知られる中米のベリーズということになっています。自動売買でビットコインを中心とする仮想通貨を1日に1000回ほども売買してインタビュー前日の1日の稼ぎが3万ビットコイン≒3000万ドル≒(1ドル=100円として30億円)にもなったと誇らしげに語っています。

Trade Coin Club JAPAN リンク動画3千万ドルタイトル付き.PNG

そこで仮想通貨、ビットコインの短期売買で一日に3000万ドル≒30億円もの利益を上げることが実際に可能なのか考えてみることにします。まずビットコインは出納帳簿をネットワーク上に分散管理し、同じ帳簿の内容を複数個所に保存して取引がある度に複数の帳簿を照らし合わせるブロックチェーンという方式で帳簿の改竄を防いでいます。この安全度は高いけれども複雑な帳簿管理を行っている為に取引を完了する為には時間が掛かるという欠点を持っています。例えばビットコインを誰かに送金するとしても送金が完了するまでに1時間ほどの時間が普通に掛かったりするようです。だとすればビットコインを買っても帳簿上で承認されないとそれを売ることが出来るとは思えません。ビットコインのブロックチェーン管理技術が劇的に改善されない限り、短期売買を1日に1000回も繰り返すなんてことが出来るとは到底思えません。

さらにビットコインの1日当たりの取引量を調べてみると例えばBlockchain.info (https://blockchain.info/)というサイトで公開されている主要取引所でのビットコインの毎日のドル建ての取引量合計推移のチャートを見ると以下のキャプに示すように1日の取引量合計が3000万ドル以下の日も決して珍しくないことが分かります。

Trade Coin Club ビットコインドル建て1日当たり取引量.PNG

主要取引所での取引量合計がこの程度なのに短期売買で1日に3000万ドルの利益を生み出すなんて全てデタラメ、法螺話としか思えません。

そしてここで検証した動画にインタビューアーとして登場していたライアン・コンリー(Ryan Conley)という人物が登場している「Trade Coin Club Scam by J. Ryan Conley」と題する動画を見つけました。

Trade Coin Clubはポンジーbyライアンコーンリー.PNG

残念ながら全編英語なのですが、タイトルだけ見ても分かるようにトレードコインクラブはScam (詐欺)であるとして自分が報酬を受け取って詐欺の宣伝に加担してしまったことを謝罪しているのです。本編ではポンジースキーム(実際には運用を行っていない自転車操業)であるという言葉も出ており、自動売買システムで取引をしているように見せかけているだけと断言しています。何故この人物が詐欺を告発することになったのかはよく分かりませんが、この件が詐欺である疑いが益々深くなったと考えざるを得ません。

さらにYoutubeにはこれ以外にも英語ですがトレードコインクラブが詐欺であるという動画が複数アップされています。例えば「SCAM TRADE COIN CLUB EXPOSED! GOOBYE...」(トレードコインクラブが詐欺であることが暴かれた!)というタイトルの動画ではトレードコインクラブの会社登録や所在地について検証を加えています。これも全編英語の動画ですが脚注に概要がまとめられているので少し長いですが引用します。動画の公開日は2017年2月6日になっています。

>The company that only existed on paper AEGIS CORPORATE SERVICES LIMITED created in 2005 and the registery papers were bought in 2017 through the website for 6.000 USD. That website creates shelf companies and sell them later, most of them are bought by scammers.

>The office of TCC in Belize, it's a rented office for 5,330 USD per month. It was leased on this page

>Stay away from the scam Trade Coin Club and their bullshit!

要点は以下の2つです。

◆トレードコインクラブの運営会社となっている「AEGIS CORPORATE SERVICES LIMITED」は2005年にオフショア会社が登記したペーパーカンパニーであり、2017年になって現在の名目上の経営者に6000ドルで売却されている。同時に登記された多くのペーパーカンパニーの多くは詐欺師に悪用されている。

◆ベリーズの会社事務所は短期レンタル向けの貸事務所であり、不動産会社のサイトで家具付きで月に5330ドルで貸し出されていることが確認出来る。

要するにこれは実体の存在しないペーパーカンパニーであり、明らかな詐欺だから絶対に投資するべきではないという結論になっています。私も同意見です。

※付記1

エイダコインノアコインビットクラブ、D9クラブなど一連の検証で何度も登場している泉某氏がこの件を推奨する動画がYoutubeにアップされています。セミナーで自分の子ネズミを勧誘しているようです。

Trade Coin Club 泉忠司が推薦.PNG

※付記2

トレードコインクラブのサイトへのアクセスをアクセス解析出来るサイトで調べると日本からのアクセスが40%以上を占めて圧倒的1位のようです。日本人が最も多くカモになっている可能性が高いです。

※付記3

トレードコインクラブと同じグループによって運営されていると思われるAI Trade (AIトレード aitrades.org/ja/)という類似の案件が出てきました。「検証46」で検証しましたから参照してください。またトレードコインクラブの被害者が2つのサイトで集団訴訟の呼びかけを行っているようです。

enjinでの集団訴訟呼びかけ

誰が呼び掛けているのかも分からないので全てを鵜呑みには出来ませんが報告されている被害金額はかなりの巨額になっています。被害者が互いに情報交換もしており、ネズミ講方式での勧誘に関わった人物の情報も出ているようです。

またYahoo知恵袋のAIトレードに関する質問に対する回答としてトレードコインクラブで被害を受けたという人からの被害報告が出ています (以下のキャプ)。周囲にも多数の被害者が出ているとあります。

以下も被害報告と思われる投稿です。

2018年10月15日投稿