検証76
本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。さらにビットバンクというサイトは日本の仮想通貨交換業者の名称やロゴを盗用した偽サイトの疑いが濃厚です。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証14ページ目です。「検証77」、「検証78」、「検証79」、「検証80」、「検証81」、「検証82」、「検証83」、「検証84」 、「検証85」、「検証86」、「検証87」、「検証88」、「検証89」、「検証90」、「検証91」、「検証92」、「検証93」、「検証94」、「検証95」、「検証96」、「検証97」、「検証98」、「検証99」、「検証100」、「検証101」、「検証102」、「検証103」、「検証104」、「検証105」、「検証106」、「検証107」、「検証108」、「検証109」、「検証110」、「検証111」、「検証112」、「検証113」、「検証114」、「検証115」、「検証116」、「検証117」、「検証118」、「検証119」、「検証120」、「検証121」、「検証122」、「検証123」、「検証124」、「検証125」、「検証126」、「検証127」、「検証128」、「検証129」、「検証130」、「検証131」、「検証132」、「検証133」、「検証134」、「検証135」、「検証136」、「検証137」、「検証138」、「検証139」、「検証140」、「検証141」、「検証142」、「検証143」、「検証144」、「検証145」、「検証146」、「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。検証項目は順次追加の予定です。
●bitbank.land (ビットバンク www.bitbank.land/#/)
●OKEX (www.okexfspk10.com/#/)
まず以下を検証します。
●bitbank.land (ビットバンク www.bitbank.land/#/)
これは結論から言えば日本の仮想通貨取引所であるbitbank (ビットバンク bitbank.cc/)と誤認させる意図で立ち上げられたと思われる中国系の詐欺サイトと思われます。これもYahoo知恵袋に出てきた以下の質問投稿で知ることになりました。
この投稿だけでは「マッチングアプリで知り合った方」とあるだけで中国系の美女による勧誘だったかどうかは不明ですが後述するようにこのサイトを作ったのは中国系のグループである可能性が高いです。「検証63」以降で検証してきた中国系のグループによると思われる詐欺サイトに連なるサイトであるものである疑いは濃厚です。まず質問にあった情報からサイトにアクセスしてみました。以下がサイト冒頭部のキャプです。
表示言語の選択肢は英語、日本語、中国語の3つになっています。しかし日本語は不自然な部分があるように思います。例えば上のキャプの右下に
>ブロック技術、安全加持
とありますが意味がよく分かりません。日本語が不自然と感じる部分はこれだけではありません。以下はサイトの特長、4項目をイラスト付きで説明している部分ですが、この部分の日本語はかなり不自然です。
例えば「ワイドレンジ」ではなく「ワイドレンージ」は見たことがありませんし、読むのも難しいです。
>一般住民は取引市場に参加するで収益を得ます。
>ユーザーのために安定くて、
>優質保証
>高質量プロジェクトのスクリーニングに標準として審査します。
など相当に不自然で日本人が書いた文章とは思えません。それなのに脚注部分には以下のキャプに示したような記述があります。
活字が小さくて見にくいので書き出します。
>Twitter:@BITBANK
>市場のリスク投資は慎重でなければならない
>リスク提示:デジタル資産の流通は元金より大きな損失を招く可能性があります。リスクを十分に理解してください。
>© 2019 BITBANK FOUNDATION LTD All Rights Reserved
>暗号資産交換業者 登録番号 第00004号 一般社団法人 日本暗号資産取引業協会 加入
最後の一行によればこの日本語が不自然なビットバンクは日本で暗号資産交換業者の登録を得ていて暗号資産交換業者の業界団体、日本暗号資産取引業協会に加入しているとなっています。確かに金融庁のサイトで公表されている暗号資産交換業者の登録リストや日本暗号資産取引業協会の会員リストにはビットバンク株式会社が含まれていて暗号資産交換業者の登録番号は「関東財務局長 第00004号 」となっています。しかしこれらの登録、会員になっているビットバンクのサイトは以下に示す2つのサイトであり、ここで検証している日本語の怪しいサイトではありません。まず日本暗号資産取引業協会の会員リストからリンクされているのが以下のサイトです。それぞれ冒頭部のキャプを示します。
▼bitbank (https://bitcoinbank.co.jp/)
一方で「bitbank」をGoogle検索して検索結果の筆頭に挙がってくるのは以下のサイトです。
▼bitbank (https://bitbank.cc/)
2つのサイトがどのように使い分けられているのか分からないのですがビットバンクから出ている2017年3月1日付のプレスリリース記事では後者のサイトが後から出来たようです。そして本項で検証対象としているサイトは色使いなど見かけが後者のサイトと似ているように思いますし、何よりロゴが酷似しています。3つのサイトでロゴを比較してみます。左から本項の検証対象であり、中国系の詐欺サイトと思われるビットバンクのサイト (www.bitbank.land/#/)、日本のビットバンクの2つのサイト (bitcoinbank.co.jp/ と bitbank.cc/)からのロゴのキャプです。
並べてみると渦巻き状のロゴやフォントが検証対象のものについてはやや細身であるのが分かりますが、一見したところではほぼ区別出来ません。特に左の本項の検証対象のサイトと日本のビットバンクの新しいサイトのロゴは色使いもほぼ同じで区別が難しいです。これはビットバンクのサイトと誤認させる悪意があって作られたサイトしか思えません。
表題のサイトに戻りますが連絡先情報をさがしてみたものの一切見当たりません。メールアドレスさえ開示されていません。上の脚注にはTwitterのアカウント (https://twitter.com/BITBANK) が書いてありますがこのアカウントにアクセスしてみたところ、bitbanksoftware (www.bitbanksoftware.com/) という会社のLarry Bankという個人のアカウントであることが分かりました。日本の仮想通貨取引所・ビットバンクのTwitterアカウントのURLは以下のキャプにも示しましたが「twitter.com/bitbank_inc」になっています。
サイトには連絡先情報が一切見当たらないと書いたばかりですが、Who Is情報にはサイト運営者の所在地に関すると思われる断片的情報が見つかりました。以下のキャプに示したWho Is情報で赤枠で囲んだ部分が重要です。
>Registrant Country: CN
というのは登録者の国がCN (中国)であることを意味します。さらに
>Registrant State/Province: Hubei
というのは登録者の所在がHubei、すなわち中国の湖北省であることを意味します。この湖北省というのは新型コロナウイルスで有名になった武漢市を州都とする中国中部の州です。「検証75」で検証した77EXというサイトでもWho Is情報に中国湖北省という所在地情報が出ていたことが思い出されます。その後に「検証78」で検証したORIONLBTというサイトでもやはりWho Is情報に中国・湖北省という地名が出てきます。77EXやORIONLBTとここで検証しているビットバンクの偽サイトには特に目立った関連性は感じませんが、同じグループによるサイトなのかもしれません。
さらに上のWho Is情報で青枠で囲った部分を見るとサイトが登録されたのが2020年6月20日であることが分かります。この検証を書いている2020年9月上旬の時点でまだサイト開設以来3ヶ月も経過していない新しいサイトであることになります。
取引されている仮想通貨についても書いておきます。右のキャプがこの偽のビットバンクのサイトで取引されている仮想通貨です。
ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ (BCH)、ライトコイン (LTC)、イーサリアムクラシック (ETC)、イオス (EOS)、リップル (XRP)、ビットコインSV (BSV)までは聞きなれた仮想通貨ですが、最後のNOCという仮想通貨が謎です。このNOCについては仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探しても該によれば当が見つかりません。
ちなみに金融庁のサイトで公表されている暗号資産交換業者の登録一覧によれば日本のビットバンクで取引されている仮想通貨はビットコイン、イーサリアム、 リップル、ライトコイン、モ ナコイン、ビットコインキャッシュの6種類となっていてNOCという仮想通貨は見当たりません。
ともかくNOCという仮想通貨のチャートを確認しました。以下は日足チャートのキャプです。
このチャートで気になるのは一番下の棒グラフに示されている出来高です。このチャートでは2020年8月下旬から9月上旬にかけて出来高が急増して連日500万枚超え、最大では2020年8月26日に1400万枚ほどの出来高があったことになっています。さらに以下は15分足チャートですが、絶え間なくローソク足が出ているということは15分の間に複数の取引が成立しており、時として15分の間に3万枚を超える出来高となっています。
しかしこんな何の情報も見つからない謎の仮想通貨でこれほど盛んに取引が成立しているかどうかについては疑問を感じます。アクセス状況を解析出来るサイトで解析してみると以下のキャプに示したように検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。
訪問者が相当に少ない仮想通貨取引所のサイトで情報が全く見つからなに謎の仮想通貨を頻繁に取引しているのは誰なんでしょうか?チャートは取引の実態を反映していない可能性が高いです。
結論としてこのサイトは日本の仮想通貨交換業者、ビットバンクの名前を語り、ロゴなども盗用して誤認させる悪意があって立ち上げられた中国系の詐欺サイトである可能性が極めて高いです。有名な仮想通貨取引所と酷似した偽の仮想通貨取引所サイトについてはいずれも既に閉鎖されていますが「検証66」で検証したHuobi.Vip (www.huobivip.net/)、Huobtc (huobtc.vip/dist/#/)、Huobtc (huobtc.top/)といういずれも大手取引所のHuobi (フォビ www.huobi.co.jp/)と誤認させる悪意があると考えられた3つのサイトがありました。 さらに「検証75」で検証したRMIEX (www.rmiex.com/#/) というサイトも運営会社がアメリカのネット証券会社・Robinhood Markets Inc. (ロビンフッド・マーケッツ robinhood.com/us/en/)であるとしていましたがこれも真実とは思えませんし、以下で検証しているOKEXというサイトも別のOKEXという仮想通貨取引所の名前やロゴを借用した偽サイトの可能性が高いです。それぞれ参照してください。
特に今回、名前やロゴを無断使用されたと思われるビットバンクは日本の仮想通貨取引所ですからここで検証した偽のビットバンクのサイトは日本人を主な標的としたものと考えられます。日本人にとって非常に危険な状況と考えざるを得ません。取引は絶対に推奨出来ません。
●OKEX (www.okexfspk10.com/#/)
これも上で検証したビットバンクの偽サイトや「検証66」で検証したHuobi.Vip (www.huobivip.net/)、Huobtc (huobtc.vip/dist/#/)、Huobtc (huobtc.top/)の場合と同様に既に存在する仮想通貨取引所と似せた名称やロゴを使っている偽サイトの疑いがあるサイトです。このサイトについてもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたことで知ることになりました。
とにかくこれらの投稿にあったリンクからアクセスしてみました。以下がそのリンク先のサイトの冒頭部のキャプです。
表示言語は英語と中国語の二択です。まず左上に「OKEX」というサイトの名称と四葉のクローバーみたいなロゴがありますがこの名称とロゴについては後述します。
上のキャプの中央には「Virtual currency Trade anywhere (どこでも仮想通貨の取引を)」と書いてあって仮想通貨取引所の機能も持っていると思われるのですが、それ以外にもメニューバーにはLottery (宝くじ) とかGamesといった仮想通貨取引所のサイトとは思えないような項目があります。さらにこの冒頭部に続く部分のキャプを以下に示します。
Lottery (宝くじ)、Live Casino、Sportsといった項目が並んでいてこのサイトは仮想通貨取引所以外に宝くじの販売所とかオンラインカジノとかブックメーカーの機能を兼ねたようなサイトであると考えられます。むしろ仮想通貨取引所としてどれほどの機能があるのか全く分かりません。例えばどんな仮想通貨の取引が可能なのかといった基本的な情報さえ全く見当たりません。登録してログインすれば見られる情報が増えるのかもしれませんが、むしろ宝くじやオンラインカジノやブックメーカーで賭ける資金を入金する手段のひとつとして仮想通貨での入金を受け付けているという入金手段としての仮想通貨取り扱いが種ではないのかという印象を持ちます。最初に引用した2つのYahoo知恵袋への質問投稿でも1件目の投稿ではこのサイトで「暗号通貨取引」をしていたとありましたが、2件目の投稿では「レーシングカーのレース結果に賭けて、儲ける」といったことが書かれているので仮想通貨取引とギャンブルの両方を扱うサイトということで間違いないと思います。
次に連絡先情報を探しましたが全く見当たりません。メニューバーから「Service」という項目を選択すると以下のキャプに示した「Online chat」「WhatsApp」「Line」という3項目が出てきます。どうやらオンラインチャットやメッセージアプリで連絡するしかないようで住所、電話番号、メールアドレスといった通常開示されるべきような連絡先情報は開示する気が無いようです。
連絡先情報についてはどれほど信頼出来るかはともかくとして以下にキャプを示したWho Is情報に断片的な情報が見えています。
このWho Is情報で赤枠で囲った部分に登録者の情報が出ています。
>Registrant Organization: Xin Xin \u6578Wei Gu Fen You Xian Gong Si
>Registrant State/Province: Tai Zhong Shi
>Registrant Country: TW
登録団体名は「Xin Xin \u6578Wei Gu Fen You Xian Gong Si」となっていてどういう意味なのか検索してもよく分かりませんがそれに続く住所と思われる部分は台湾の台中市と書かれているようです。
次に上で後述すると書いておきましたがOKEXというサイトの名称と四葉のクローバーみたいなロゴについてです。左下にそのロゴとサイト名の部分の拡大のキャプを示します。そしてOKEXについて検索していて気が付きましたが同じOKEXという名称でしかもロゴがそっくりな仮想通貨取引所のサイトが存在することに気が付きました。右下がその検索で見つかってきたOKEXのサイト (www.okex.com/) のロゴ部分のキャプです。背景の色は異なりますが、四葉のクローバーみたいなロゴやOKEXのフォントまでそっくりで見分けがつきません。
2つのサイトは同じグループによって運営されているのかもしれないと思いましたが2つのサイトで仮想通貨取引所の機能は重複していることになりますし、互いのサイトにリンクもありません。調べてみるとOKEX (www.okex.com/) は仮想通貨データーベースのCoinMarketCapにも登録情報があり、取引所の出来高ランキングでもこの検証を書いている2020年10月時点で33位という取引所です。アクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると以下のキャプに示した通り、1日の独立訪問者数が99万3438人という結果が出ます。
これに対して本項で検証対象としているOKEX(www.okexfspk10.com/#/) はCoinMarketCapに登録がありませんし、アクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると独立訪問者数が検出限界以下という結果になります (以下のキャプ参照)。
ここでの目的はOKEX (www.okex.com/) が信頼出来るかどうか判断することではありませんし、アクセス数が多いサイトならば信頼出来るとも言いませんが本項の検証対象であるOKEX (www.okexfspk10.com/#/) については上で検証したビットバンクの偽サイトと同様にアクセスの多いOKEX (www.okex.com/) の社名やロゴを盗用した偽サイトではないかと疑わざるを得ません。
最初に引用したYahoo知恵袋の投稿では出金出来なくなっているという情報もありましたし当然ですがここで検証しているOKEX (www.okexfspk10.com/#/) での取引は全く推奨出来ないという結論にならざるを得ません。
※付記
Yahoo知恵袋にこのサイトに入金してしまったという被害報告が出てきました。以下に投稿の一部のキャプを示します。
さらにTwitterにOKEX (www.okexfspk10.com/#/) についての警告の投稿が出ていることにも気が付きました。OKEX (www.okex.com/) に問い合わせたところ、本項の検証対象である方のOKEX (www.okexfspk10.com/#/) は詐欺サイトであるという回答を得たようです。以下にTwitter投稿のキャプを示します。