検証40

このページでは以下を検証しています。

●Silver Wave Energy Token [シルバーコイン] (シルバー ウェーブ エナジー トークンsweproject.org/)
●SILVER WAVE ENERGY SPC (シルバー ウェーブ エナジーSPC www.silverwaveenergy.org/)
●Bit Style Club (ビットスタイルクラブ bit-style-club.info/maina/)
●RS Chain (RSチェーン 公式サイトなし?)


まずSWE トークン、SWEコイン、シルバーコインなど複数の名称が使われている仮想通貨のICO案件について検証します。

●Silver Wave Energy Token [シルバーコイン] (シルバー ウェーブ エナジー トークンsweproject.org/)
●SILVER WAVE ENERGY SPC (シルバー ウェーブ エナジーSPC www.silverwaveenergy.org/)

シルバーコイン、SWEトークン (シルバーウェーブエナジートークン)など複数の名称が使われていますが南アフリカの油田の権利収入で価値が担保されるという仮想通貨のようです。Twitterで右のキャプに示すような宣伝投稿が行われていたので検証することにしました。

1つ目のTwitter投稿のリンクは最終的に以下の勧誘ブログに繋がっています。

Business Infinity

シルバーコイン(SWEトークン)は原油(石油)に価値が担保された新しい仮想通貨!ICOでの購入方法や価格なども紹介。

投稿日:2018/05/06

他にも勧誘目的と思われるブログが存在するようです。

はじめての仮想通貨投資.com

【ICO】SWE(シルバーウェーブエナジー)トークンを購入すると南アでの石油開発に参画できる?!

投稿日:2018.06.05

クリソク【クリプト大王の仮想通貨ユニバー】暗号通貨ICO極秘情報速報

仮想通貨SWE(シルバーウェーブエナジー/Silver Wave Energy/シルバーコイン)ICOの価格は上がる?上場は?

投稿日:2018.06.12

本項冒頭で引用した2つ目のTwitter投稿にあるリンクはYoutubeに投稿された以下の宣伝動画に繋がっています。

【仮想通貨ICO】SWEト―クン(シルバーコイン)関係者に独占インタビュー

投稿者:マネーライフプランニング協会

公開日:2018/06/09

この動画の脚注にはLINE登録の勧誘と日本語版プレゼン資料へのリンクがあります。

この動画と同じ投稿者がさらに以下の2つの動画でもシルバーコインを有望案件として取り上げています。

【仮想通貨】7月爆上げ期待のコインとICOを紹介!

投稿者:マネーライフプランニング協会

公開日:2018/06/04

【仮想通貨ICO】SWEトークン(シルバーコイン)のQ&Aに答えてみました!

投稿者:マネーライフプランニング協会

公開日:2018/06/14

これらブログなどから表題の2つのサイトが見つかりました。そしてブログからのリンクはアフィリエイトリンクになっているようです。例えばBusiness Infinityというブログにある「シルバーコインの公式サイトはこちら」というリンクのURLアドレスは

https://sweproject.org/c/●●●●●●/ (●●●●●●の部分は伏字)

という形になっていて「c/●●●●●●/」の部分は削っても同じサイトに繋がるのでこの部分がアフィリエイターのIDになっていると思われます。3つの動画をアップしている「マネーライフプランニング協会」についても動画の中では「私は代理店やアフィリエイターではない」と主張していますけど動画の脚注にリンクのあるプレゼン資料の中にあるリンク(下のキャプ参照)はやはり

https://sweproject.org/c/●●●●●●/

の形になっていて伏字の部分はBusiness Infinityというブログにあったリンクとは異なります。やはり伏字の部分はアフィリエイターのIDとしか思えません。

アフィリエイト報酬目的のサイトや動画、プレゼン資料については内容を鵜呑みは出来ませんが、表題の2つのサイトは共に英語表記しか出来ないですし、表題の最初のサイト (sweproject.org/)に用意されているホワイトペーパーも英語版のみのようなので日本に向けての勧誘を主に担っていると思われるこれら日本語の情報源の内容も以下の検証の対象にすることにします。

まず以下のキャプは複数の勧誘動画をアップしていた「マネーライフプランニング協会」によるプレゼン資料のまとめの部分です。

これらのまとめ項目の幾つかについて表題の2つのサイトやホワイトペーパーと比較して妥当性を検証します。まず最初の「信頼できる発行元のICO」という項目ですが、かなりの問題があります。

勧誘動画によれば発行元であるSILVER WAVE ENERGY社は「2005年5月創業のグローバル企業でミャンマーの国営企業と仕事をするなど、信頼と実績がある中堅石油会社」であると説明されています。ところがこの発行元に関する情報が表題の最初に掲げたICOのサイト(sweproject.org/)に全く見当たりません。辛うじてICOのサイトからダウンロード出来るホワイトペーパーの最後に以下に示す連絡先情報だけ見つけましたがシンガポールの住所だけで電話番号がありません。

またこの連絡先情報はSILVER WAVE ENERGY E&P INC.の連絡先情報なのかその親会社とされているSilver Wave Energy Pte. Ltdの連絡先情報なのかあるいは両社に共通した連絡先情報なのか曖昧です。同時にこの2つの会社の役割分担とか責任の所在についても明確ではありません。

また表題の2つ目のサイト(www.silverwaveenergy.org/)はSILVER WAVE ENERGY SPC (シルバー ウェーブ エナジーSPC)のサイトとなっていてまた微妙に社名が異なります。そしてこちらのサイトにある連絡先情報は全く異なり、租税回避地のケイマン諸島とイギリスのロンドンになっています。ケイマン諸島、ロンドンのいずれにも電話番号だけでなくメールアドレスさえありません。またケイマン諸島の住所はWALKERSという法律事務所の拠点の住所と一致します。ロンドンの住所もc/o Core Capital Advisors Incから始まっています。「c/o」は「気付」の意味であり、この住所にあるCore Capital Advisors (コア キャピタル アドバイザーズ)社に郵便物を送ればシルバー ウェーブ エナジーSPCの運営者の手元に届くにしてもこのロンドンの住所にはシルバー ウェーブ エナジーSPCの企業の実体が存在しないということです。

ところがこのコア キャピタル アドバイザーズ社の社名を検索して見つかってくるサイト (www.corecapitaladvisors.org/)を見るとその連絡先情報は右のキャプにあるようにケイマン諸島とロンドンの計2か所というシルバー ウェーブ エナジーSPCのサイトにある連絡先と同じ住所になっているようです。さらにシルバー ウェーブ エナジーSPCのサイトとコア キャピタル アドバイザーズ社のサイトには右のキャプに示す連絡先情報の部分だけ見ても明らかにデザインや構成に共通性があります。シルバー ウェーブ エナジーSPCとコア キャピタル アドバイザーズ社は同じグループによって運営されている可能性が高いとしか思えません。何故こんなことになっているのか理解が困難であり、かなりの違和感を感じます。


さらにシルバー ウェーブ エナジーSPCとコア キャピタル アドバイザーズ社に共通するロンドンの住所はバーチャルオフィス・レンタルオフィス業者であるRegusの拠点の住所と酷似しています。この拠点ではバーチャルオフィス業務を取り扱っておらずレンタルオフィスのみらしいですが、この住所には不審を抱かざるを得ません。そもそもシルバー ウェーブ エナジーSPCという社名の最後に付いている「SPC」とはSpecial Purpose Company (特別目的会社)の意味だと思われ、書類上だけのペーパーカンパニーである可能性が社名だけからも予測されます。シルバー ウェーブ エナジーSPCのサイトには以下の様な記述があります。

>Silver Wave Energy SPC is an exempt closed-ended fund.

(シルバー ウェーブ エナジーSPCは非公開型のクローズドエンドファンドです。)

つまりシルバー ウェーブ エナジーSPCは会社自体が少数の投資家によって所有されている会社型投資信託(投資法人)だと解釈されます。クローズドエンドですから一定期間後には清算されて投資した人たちに資産が払い戻されることになるでしょう。シルバー ウェーブ エナジーSPCは明らかに経営者がいて社員が働いているような普通の企業ではありません。"SILVER WAVE ENERGY"をGoogle検索してみても該当はたったの2270件。シルバー ウェーブ エナジーSPCのサイトへのアクセス状況をアクセス解析サイトで調べてみても1日当たりの訪問者数は平均たったの5人だけです。

上で引用した「マネーライフプランニング協会」による勧誘動画にはシルバー ウェーブ エナジーSPCの説明として「中堅の石油会社」であるとか「デヴィ夫人が投資している」とか「ドイツのフランクフルト証券取引所に株式上場予定」といった説明が出てきます。

確認は出来ませんがお金持ちのデヴィ夫人が投資していることは有り得る話かもしれませんけど、企業実体のない特別目的会社、会社型投資信託であるシルバー ウェーブ エナジーSPCが「中堅」と呼べるような規模の石油会社であるとか近い将来に証券市場に上場するという件については有り得ないことではないかと考えざるを得ません。フランクフルト証券取引所に上場といった説明は勧誘動画にしか出てきていない、公式サイトやホワイトペーパーでは確認出来ない話しですから一部のアフィリエイターが暴走しているだけなのかもしれませんが、不審を感じずにはいられません。

また先に引用した「マネーライフプランニング協会」によるプレゼン資料まとめの第2項と第7項に該当しますが「シルバーコインの価値は油田鉱区への投資によって担保されており、石油の産出が実現すれば得られる利益の50%をシルバーコインの保有者に分配する」という説明については公式サイトやホワイトペーパーでも確認することが出来ます。例えば以下はホワイトペーパーの6ページ目からの抜粋です。

>Once SWE begins the production phase, holders of the SWE token will benefit from 50% of the profits generated by oil extracted from this area---which SWE calls Area 1.

(シルバー ウェーブ エナジー社が生産期間に突入すればシルバーコインの保有者はシルバー社がエリア1と呼んでいる鉱区から得られる石油採掘利益の50%を得ることになる。)

しかしここで重要なのは実際に利益が得られる可能性はどれほどあるのか、利益が得られるまでどれほど時間が掛かるのかという問題です。この案件では仮想通貨を名乗りながら投資の面ばかりが強調されており、シルバーコインを決済手段として普及させる計画とか意図については全く触れられていません。決済手段として普及させるつもりがないとすれば仮想通貨を名乗って良いのかという疑問を感じますし、原油採掘事業に失敗すれば仮想通貨は価値が上昇するどころか無価値に転落してしまう可能性さえ有り得るでしょう。

原油採掘事業成功の可能性について評価することは原油採掘の専門家でもない私には出来ないことですし、仮に専門家が居ても充分な資料開示がなければ無理なことでしょうが一般論として百発百中に近いような確率の高いものではないはずです。例えば石油鉱業連盟という日本の業界団体の公式サイトには以下の様な記述があります。

>大規模な資金を投入して探鉱を行っても、採算のとれる規模の油田・ガス田を発見できるケースは非常に少ないのが実態です。

さらに問題なのは石油採掘に成功したとしても実際に利益が出てシルバーコインに投資した人たちに利益が分配されるのにどれほど時間が掛かるのかという問題です。この点に関してホワイトペーパーには以下の様な計画が示されています。

>2018年 二次元・三次元的鉱区/地層の調査

>2019~2022年 試掘

>2023年 石油プラットフォーム(油井施設)の構築

>2024~2033年 生産

事業計画が順調に進んだとして原油生産が開始されるのは2024年、つまり6年後です。シルバーコインに投資する人たちはこれだけ長期間の投資であることが分かって投資しているのでしょうか?少なくとも個人的印象としてこのICOではこれだけ配当が出るまで長期間を要する、リスクの高い投資であることの説明は不充分だと思います。情報開示にも不審を感じますし、そもそも決済手段として普及させる努力について何も説明されていないような仮想通貨のICOには欺瞞を感じて高く評価する気になりません。投資は推奨しません。


※付記

2019年7月に大阪観光大学などを運営する明浄学院という学校法人が運営資金1億円を仮想通貨投資に流用してその大半を失ったという報道が出てきました。

明浄学院、法人資金で暗号資産購入か=前理事長が指示-大阪 (時事ドットコム、2019年7月2日)

前理事長が学校運営資金1億円で仮想通貨購入か 大阪・学校法人明浄学院 (毎日放送、2019年7月2日)

前理事長が1億円流用か 大阪観光大、仮想通貨に ( 神戸新聞NEXT、2019年7月2日)

神戸新聞の記事によれば1億円投資した結果として

>仮想通貨は暴落し、現在は約20万円の価値しかなくなった。

ということですからほぼ全損です。但し大阪観光大学が公式サイトに出した発表によれば学校法人が直接仮想通貨投資をしたわけではなく、株式会社明浄という関係会社 (?) から1億円の内、9000万円は既に返済されたということにもなっています。

とにかくこの件について投資対象となった仮想通貨が何だったのかが気になっていましたが毎日放送の記事に埋め込まれている動画に仮想通貨を特定する情報があるようです (以下のキャプ参照)。

「(株)グランドスラム /仮想通貨SWE取得のため」と書いてあるのが読み取れます。(株)グランドスラムが何を意味するのか分かりませんが、SWEという仮想通貨は検索しても他に出てこないようなのでここで検証したシルバーコイン (シルバー ウェーブ エナジー トークン)への投資であった可能性が高いように思われます。先に引用した大阪観光大学からの発表には

>元本保証の仮想通貨に投資していた

という一節がありますが実際には元本保証ではなかったことは明らかでしょう。


●Bit Style Club (ビットスタイルクラブ bit-style-club.info/maina/)

この項目はYahoo知恵袋での質問への回答として書いたものです(質問はその後削除された模様)。

>小沢恭介 Bit Style Club(ビットスタイルクラブ)というコミュニティ?の様なものを紹介されました。

>紹介してくれた方はもうすでに加入している様で参加をいま催促されています・・・

ネズミ講方式での勧誘が行われている疑いがあるように思われます。早速「ビットスタイルクラブ」を検索してみるとランディングページが2つ見つかりました。

これらのランディングページを見ると仮想通貨投資の投資顧問のようなものかと思われます。紹介する有望なICO案件に投資すれば3ヵ月で数百倍といった驚異的な勢いで資産を増やせるとなっています。無料であると書いてありますが、本当に全てが無料であるかどうかは危ういでしょう。この手のランディングページで紹介されているのは最初は無料と称しながら、結局は高額の商材とか情報料を請求してくる場合が多いです。

最初のランディングページによれば以下のキャプに示すようにLINEに登録して動画を見て「特別キーワード」を確認すると「本ページ」を見ることが出来るという3つのステップが説明されていますからランディングページ以外に「本ページ」が存在しているのかもしれませんが公開はされていないようです。

何故「本ページ」を一般公開しないのか不審を感じずにはいられません。

そしてまず例によって連絡先情報ですが、2番目のランディングページに「特定商取引法に基づく表示及びプライバシーポリシー」へのリンクがあります。

>第1条(販売会社)

>1. 合同会社CREATE FUTURE

>第2条(販売責任者)

>1. 小沢恭介

>第3条(メールアドレス)

>1. info@bit-style-club.com

>第4条(所在地)

>1. 大阪府大阪市阿倍野区松虫通二丁目2番29号

連絡先情報は住所とメールアドレスだけで電話番号がありません。違和感を感じざるを得ません。

国税庁のサイトで法人登録を探すと販売会社名と住所が一致する法人登録が確認されます。

しかしこのランディングページと法人登録で一致している住所が問題です。この住所をGoogle Mapで確認すると該当の住所がピンポイントでは示されずに赤線で囲った「領域」で示されます。

どういうことかと思って調べてみるとどうやら「大阪府大阪市阿倍野区松虫通二丁目2番29号」という住所の最後の「29号」の部分は実在しない欠番になっている為に「大阪府大阪市阿倍野区松虫通二丁目2番」が領域としてMap上に示されることが判明しました。Yahoo地図でも「大阪府大阪市阿倍野区松虫通二丁目2番」を調べてみると松虫通二丁目2番25号の次は31号になっていて「29号」が欠番になっていることが分かります。

ランディングページだけなら書き間違いということもあるかもしれませんが法人登録まで実在しない欠番の住所で登録されているのは大問題です。これでは全く信用出来ません。この住所はデタラメである可能性が考えられます。

さらに法人登録をよく見ると法人番号指定年月日が平成30年(2018年)2月28日になっています。ランディングページのWho Is情報を見てもサイトの開設日(Creation Date)が2018年5月25日になっています。

ところがランディングページによればBit Style Clubに加入して「億り人」になった「橋本さん」は2017年12月3日にBit Style Clubにて仮想通貨投資をスタートし、2018年3月2日に資産が1億円を超えたことになっています。

「橋本さん」が実在の人物かどうかも分かりませんが、Bit Style Clubが法人登録するよりずっと前に「橋本さん」はBit Style Clubに加入したことになります。しかも仮想通貨投資を始めたのはビットコインを始めとする仮想通貨の相場が最も加熱していた2017年の12月です。この時期に仮想通貨投資を始めた人たちの多くはその後の相場の下落によって大損しているはずでこの時期に仮想通貨投資で3カ月間で資産が数百倍にもなるような驚異的な投資パフォーマンスを記録したという主張をにわかには信用し難いです。特にICOへの投資ならばICOで仮想通貨を購入してから何処かの仮想通貨取引所に上場されて利益を確定出来るようになるまで少なくとも数カ月単位で時間が掛かることを考えると3ヵ月という短期間で資産を数百倍単位で増やすなんて現実的ではないと思います。

そして1つ目のランディングページには勧誘目的の動画が埋め込まれていてビットスタイルクラブの主催者を名乗る小沢恭介という人物を高野勇樹という人物がインタビューしています。

主催者の小沢という人物については検索してもビットスタイルクラブ以外の情報が出てきませんが、高野勇樹という人物については検索すると2017年の夏頃に生涯永続報酬・毎月30万円を保証するというMy Life Project (マイ ライフ プロジェクト)なる案件を主導していたようです。但し「生涯永続報酬」を保証していたはずなのにマイライフプロジェクトのサイト(http://mylife-project.info/main/)は既に閉鎖されているようです。生涯永続報酬が本当に得られたとは到底思えませんし、ネット検索して見つかる評判は悪質なネズミ講といった非常に厳しいものばかりです。厳しい評価の最たるものとしては「My Life Project 高野勇樹 被害者の会」と題する掲示板まであって被害者が対処を相談しているようです。信用に値する人物とは到底思えません。

さらに既に触れたランディングページの「特定商取引法に基づく表示及びプライバシーポリシー」には以下の様な記述があります。

>お客様からウェブフォームへの入力によりご提供いただいた氏名、年齢、電話番号、メールアドレス、住所等の個人情報は、お客様へのご連絡は、CREATIVE FUTURE、副業life、仮想通貨情報局及びアフィリエイトセンターのサービス等のご案内、今後のサービス向上のための統計データの算出と分析、アンケート等の依頼、アクセス情報の分析、その他これらに関連する目的に使用するために、口頭、書面、メールその他の方法により第三者に提供させていただきます。

入力した個人情報を「副業life」というサービス等のご案内に使うと書いてあるのですがこの「副業life」を検索してみるとこれも非常に評判が悪いです。「1日10分のスマホチェックだけで毎月60万円稼げる」とかいう怪しげな勧誘が来るようですが明らかに危険な臭いがします。

総合的に判断してビットスタイルクラブは信頼出来るとは思えません。さらに法律のグレーゾーンかもしれませんが、こういった業務を行うには金融庁に投資顧問代理業の登録が必要である可能性もあるものと思われます。登録は推奨出来ません。


●RS Chain (RSチェーン 公式サイトなし?)

複数のTwitterアカウントから宣伝投稿が行われているので検証することにしました。右に示した2つ目の投稿を投稿している楡井という投稿者は以下で触れますがYoutubeに動画を投稿している他、ブログでも勧誘を行っています。

誰もが知る大企業・本田技研が関係しているような宣伝が行われているようですが結論から言えば運営元に関する情報も乏しく、ホワイトペーパーも公式サイトも存在しないようです。大企業の名を前面に押し立てている割に雑な案件としか思えません。

まず上で触れた楡井という名義で投稿されているものも含めてこの案件を宣伝している動画やブログなど検証対象にしたものをリストしておきます。動画の全てに共通していますが動画の脚注には投稿者のLINEに登録するようにという勧誘の文章が書かれています。以下の最初の3件の動画がTwitterでの宣伝投稿も行っていた楡井慎也という名義で投稿されているものです。

【超優良ICO】元本田技研社長と年間売上15兆円のJV組織が仮想通貨に進出!リバースICOとは?RSチェーン(RS Chain)

投稿者:【ICO販売中】楡井慎也の仮想通貨&副業ビジネス情報

公開日:2018/06/20

【リバースICO】7月末上場確定!元ホンダ社長と年間売上15兆円のJV組織!ガチ手堅い仮想通貨RSチェーン!

投稿者:【ICO販売中】楡井慎也の仮想通貨&副業ビジネス情報

公開日:2018/06/21

【Q&A】質問に答えます!15兆円規模のJV組織が仕掛けるリバースICOのRSチェーン!ガチ手堅い仮想通貨!

投稿者:【ICO販売中】楡井慎也の仮想通貨&副業ビジネス情報

公開日:2018/06/22

これら3本の動画は全て楡井名義によるもので2018年6月20~22日の3日間に毎日1本ずつ投稿されています。

これらの動画の脚注にリンクがありますが楡井という名義ではブログも存在します。

楡井慎也のブログ (RSチェーン(RS Chain)詳細&購入ページ)

最初に書いたようにこの案件では公式サイトもホワイトペーパーも存在せず、公式の情報源ではないものの最も具体的情報が多いこのブログを検証の重要な対象とせざるを得ません。

以下の2つの動画は「太助」という名義で投稿されています。

【ICOの歴史が塗り替えられる】本田技研、中国人民保険参戦!!!ヤバすぎるリバースICO遂に上陸!!!

投稿者:太助の仮想通貨厳選ICO情報

公開日:2018/06/19

▼【バリュー株】全然間に合う億り人!下落に超強い仮想通貨!これからのキーワードはリバースICO!!

投稿者:太助の仮想通貨厳選ICO情報

公開日:2018/06/22

この動画の中で公式サイトやホワイトペーパーは「大人の事情」によりギリギリまで公開出来ないといったことが述べられています。何が「大人の事情」なのか理解出来ません。

そしてこれら「太助」名義で投稿された2つの動画の脚注にはかなり長文の説明が付いており、その内容は楡井名義のブログの内容と基本的に一致しているようです。この長文の説明も以下の検証対象にします。

日本が誇る本田技研のRSチェーン(仮想通貨) 今後のICOの流れを大きく左右する◯◯ICOについて解説

投稿者:仮想通貨LABO CCL

公開日:2018/06/22

これはまた別の名義で投稿された動画です。この動画については情報量も少ないので殆ど今回の検証の参考にはしていません。

まず以下は楡井慎也のブログから「プロジェクト概要」という部分の抜粋です。

仮想通貨を発行して集めたお金で本田技研を中心としたJV組織(ジョイントベンチャー)で電気自動車を開発、販売するという事業計画のようで、既に確立した事業なので集めた資金で新しい事業を行う通常のICOと違って失敗の可能性がないと主張し、こういった確立した事業に投資する為に仮想通貨で資金調達することを「リバースICO」と称してこの事業は「リバースICO」に相当するという主張をしています。しかし電気自動車を開発販売している自動車メーカーは例えば日本なら日産自動車、アメリカならテスラモーターなど他にも有力な企業があり、本田技研の電気自動車分野に特に力を入れている自動車メーカーとは言えないと思います。本田技研の電気自動車開発事業が失敗する可能性の無いとは思えません。

さらに楡井という人物による2つ目の動画には右のキャプに示した電気自動車の売上計画なる表が出てきます。そして1年目から5~10万台の電気自動車を販売し、2年目には10~20万台、3年目には20~30万台となっています。現状でどれほど電気自動車が売れているのか検索して見つけた兵庫三菱自動車のサイトによれば2017年の電気自動車/プラグインハイブリッド車の車種別売上上位は以下のようになっています。

1.北京汽車 EC-Series 78,079台

2.テスラモーター Model S 54,715台

3.トヨタ自動車 Prius Prime/PHV 50,830台

4.日産自動車 Leaf 47,195台

5.テスラモーター Model X 46,535台

1年目で5~10万台の販売計画となればいきなり電気自動車の売上最上位を争わなければならないことになりますし、3年目で20~30万台も販売するとなれば短期間で電気自動車市場を席巻しなければなりません。電気自動車で実績が乏しい本田を中心にした事業計画として現実味が薄いと考えざるを得ません。

またそもそも本田技研がこの仮想通貨発行/電気自動車開発事業に本当に関与しているかどうかが問題です。本田技研の公式サイトを見ても仮想通貨で資金調達するとか企業連合を作って電気自動車開発に本格的に取り組むとかいった情報は全く見つかりません。また本田技研ほどの大企業が仮想通貨で資金調達するというならおそらく日本で初のことでしょうから必ずやマスコミに取り上げらえられているはずですがそんなニュースは検索しても全く見つかりません。本田技研が公式発表も行わず、秘密裏に仮想通貨での資金調達計画を進めていて、数人のYoutuberに資金調達の実行部隊という極めて重要な役割を担わせるなんてことがあるとは到底思えません。

また本田技研がこの事業に参画しているというのは元本田技研の鈴木克郎氏がプロジェクトに参加しているということのようですが、この鈴木克郎氏に関する記述に明らかに矛盾があります。上で引用した楡井という人物の動画のタイトルには「元本田技研社長」とか「元ホンダ社長」という言葉が出てくるし、楡井慎也のブログにも鈴木克郎氏を「元社長」と紹介している部分があります。

ところが同じブログの中で鈴木克郎氏を「元代表取締役専務取締役」と紹介している部分もあるのです。

そこで本田技研の歴代社長を調べてみるとWikipediaで歴代社長のリストを見つけることが出来ましたが鈴木氏の名前はありません。

初代:本田宗一郎 (1948-1973.10)

二代:河島喜好 (1973.10-1983)

三代:久米是志 (1983-1990.6)

四代:川本信彦 (1990.6-1998)

五代:吉野浩行 (1998-2003.4.23)

六代:福井威夫 (2003.4.23-2009.6.23)

七代:伊東孝紳 (2009.6.23-2015.6)

八代:八郷隆弘 (2015.6-現職)

鈴木克郎氏を本田技研の元社長とするのは明らかに誤りとしか思えません。また鈴木氏について検索すると2014年に雪国まいたけの会長兼社長に転じた経歴があり、この時期より以前に本田技研は退任していたものと思われます。また2002年05月24日付の記事で本田技研の専務で61歳となっていますから2018年現在の年齢は77歳前後かと思われます。そして本田技研の現職の役員リストには名前がありません。かなり前に本田を退任したと思われる人物が仮にプロジェクトメンバーに含まれているとしても本田技研という会社がそれだけでこの案件に積極的に関与しているというのは明らかに適当とは思えません。

ちなみに鈴木氏を本田技研の元社長とする記述は楡井慎也のブログだけでなく、「太助」名義で投稿された動画の脚注にもあります。

鈴木氏を本田技研の元社長とする間違いはこれらYoutuber個人の間違いではなく、Youtuberが得ている情報源からの間違いとしか思えません。こういう根本的な部分で間違いとしか思えない部分があるとプロジェクト全体の信頼性を疑わざるを得ません。

さらに楡井慎也のブログからの抜粋引用を続けます。以下は「RSチェーンの詳細」と題する部分でです。

ここにある記述によれば基本的に最小投資額1000万円の大口投資のみだがこの楡井という人物を含む数人だけから購入する場合に限って特別に1イーサリアム(現在の相場で4万7000円前後)からの投資が可能となっています。何故本田技研の様な大企業を含む巨大なプロジェクトの資金調達が何処の誰とも分からないYoutuberに委任されているのか非常に強い違和感を感じざるを得ません。またこのサイトの検証で散々指摘していますが、仮想通貨の売買仲介は改正資金決済法により、金融庁から仮想塚交換業者の登録を得ていなければならない事業のはずです。少なくともこの楡井と名乗るYoutuberは仮想通貨の売買仲介を行っているとしか思えませんし、仮想通貨交換業者の登録を持っているとは思えません。無登録で仲介を行えば違法行為のはずです。

本田技研の様な日本の大企業が仮に仮想通貨で資金調達を行うとしてもこんな違法な方法での資金調達は行わず、きちんとマスコミへの発表を行い、ホワイトペーパーを公表し、認可を得ている仮想通貨交換業者を通して資金調達を行うでしょう。この案件はとてもではありませんが信用出来る、投資に値する案件とは思えません。投資は推奨しません。

※付記

「楡井慎也」をネット検索するとこの人物は複数の怪しげな情報商材ビジネスに関わってきた経歴があることが分かりました。例えば右のキャプに示したドリームナインビジネスというバイナリーオプション絡みの案件では詐欺被害が違法な無登録のバイナリーオプション業者で出金出来ないなどの被害が多数出ているハイローオーストラリアなどのバイナリーオプション業者を運用先として指定していたようです。

ちなみにハイローオーストラリアについては姉妹サイトに検証と被害報告をまとめてあります。

そしてこのドリームナインビジネスのサイト(dream9ine.com)は既に閉鎖されているようです。それ以外にもBinary 5ive (バイナリーファイブ niresin.com/)というやはりバイナリーオプション用の情報商材販売など複数の案件に関わっていたようですがいずれもサイトは閉鎖されているようです。そして楡井某に関するネット上の評判は非常に悪いです。このサイトでは怪しげな案件の広告塔的な役割を果たしている怪しげな人物が多数登場していますが楡井某についても紹介している案件には厳重な注意が必要かと思われます。