検証46

このページでは以下を検証します。検証項目は順次追加の予定です。

●AI Trade (AIトレード aitrades.org/ja/)
●AI Trade (AIトレード aitrade.me/ja)
●Bit-life (ビットライフ bit-life.net/ja)
●Crypto-Raising (クリプトレイジング crypto-raising.com/jpn.html)
●Chattiness [CHATTY チャッティー] (チャッティネス chattiness.net/)
●Chattiness Style  (チャッティネススタイル chattiness.style/)
●Bell Wood (ベルウッド bellwoodmalta.com/)
●QUOREA (クオレア quorea.jp/)
●efit (エフィット efit.co.jp/)


まず以下の案件から検証を始めます。

●AI Trade (AIトレード aitrades.org/ja/)
●AI Trade (AIトレード aitrade.me/ja)

2つのサイトがありますが、最初のサイトが最近アップデートと称して事実上閉鎖され、2つ目のサイトに活動が移行した模様です。この2つ目のサイトについてはこの項目の最後の「付記」で説明します。またさらに2つ目のサイトは次に述べるBit-life (ビットライフ)という案件に同じグループによって引き継がれつつあるようです。次項のビットライフの検証も併読してください。

まずこれは文字通りAI (人工知能)による仮想通貨のアービトラージ取引で高利回りを叩き出す投資ということになっており、SNS (Instagram)で偶然見つけたものです。検索してみると日本語の勧誘ブログやYoutubeに勧誘動画も存在しますし、海外の案件のようですが日本でセミナー形式で勧誘も行われていたようです。また表題の公式サイトは英語、ロシア語、韓国語などに加え、右のキャプに示したように日本語表記も選択出来るようになっています。残念ながら公式サイトには情報が乏しいので特にInstagramに掲載されているプレゼン用資料なども以下の検証の対象にしました。

Instagramアカウント

投稿者 ait2018.11.11

ブログ

『AItrades』投資メモ。

投稿者:ミサキ

公開日:2018/08/05

みぅのブログ

公開日:2018/10/14

ニゲドク@仕事辞めて仮想通貨

『AItrades』とかいうMLMの「アツい部分」と「不審部分」を考察

投稿者:わたなべりょうへい

公開日:2018/08/04

初めてでも安心投資

AIトレード、9月にジャパン・プレオープンイベントあり❗️

投稿者:masa

公開日:2018/08/24

仮想通貨投資ブログ

投稿者:銀ちゃん

公開日:2018/08/08

勧誘動画

AI Trade登録方法

投稿者:Mayuhime坂井増由美

公開日:2018/08/17

AI trade / AIトレード / AIトレードの登録方法と基本的な説明です^^

投稿者:AI Trade

公開日:2018/08/17

『AItrades』は9月以降オススメしない理由がこれ

投稿者:わたなべりょうへいch

公開日:2018/08/04

AITRADE BUNG NO TAI NHAT BAN は9月以降オススメしない理由がこれ

投稿者:Big AI System

公開日:2018/08/15

TEAM YES主催 AITrade 初コンベンション

投稿者:TEAM YES

公開日:2018/09/29

未来へようこそ! ようこそ AI Trade

投稿者:Al Trade 日本語

公開日:2018/07/28

AI.Trade(エーアイトレード)の収益と報酬システム解説

投稿者:AI.Trades-ENTRY

公開日:2018/09/21

これらのブログや動画の幾つかには以下の様な形式のアフィリエイトリンクが用意されています。

https://aitrades.org/r/●●●●●●

伏字部分はアフィリエイターのIDと思われる部分でこの形のリンクを踏んで登録を行うとアフィリエイターのマルチレベルマーケッティング、ネズミ講方式の子ネズミとして登録されることになると思われます。あるいはアフィリエイトリンクではなくLINEに登録するように書いてある場合もあります。これも子ネズミとして登録するように促されることになるのは同じである可能性が高いです。さらに勧誘動画などは数が多くてリンクもしませんが公式サイトが英語、ロシア語、韓国語などにも対応しているのを反映して日本語版だけでなく、世界各国の言語で投稿されたものが多数存在するようです。世界的に勧誘が行われれているということだと思われます。公式サイトへのアクセス状況を解析するとこの項目を書いている2018年10月現在ではエジプト、パキスタン、ベトナム、アメリカ、ミャンマーなどからのアクセスが多く、日本からのアクセスはランキング外です。

まず例によって連絡先情報を探しましたが全くそれらしき情報が見つかりません。勧誘ブログの1つ、仮想通貨投資ブログには「エストニアでライセンスを取得している」という一文がありますが住所は記されていませんし、エストニアで何のライセンスを得ているのかも分かりません。これは論外だと思います。経営者情報についても公式サイトには情報がありません。公式サイトには「チーム」という項目があるのですが、このサイトで検証してきたICO案件などならこの項目に並んでいるであろう運営陣の顔写真、名前や経歴などが一切ありません。

>私たちのプラットフォームは、異なる大陸から来た起業家、ITプロフェッショナル、プロト レーダーによって作成されました。

という意味不明な文章があるだけです。これも再び論外だと思います。

しかし上でリンクしたインスタの投稿やブログなどを見ていくとJoff Paradise (ジョフ・パラダイス)という人物がこの案件のトップであるという記述が出てきます。右の画像は勧誘目的と思われるインスタグラムの投稿からのキャプで日本で2018年9月に行われた勧誘セミナーに出席した時のジョフ・パラダイス氏ということになっています。

さらに上でリンクした勧誘ブログの1つ、『AItrades』投資メモ。には非常に気になる以下の様な記述があるのを見つけました。

>噂によると、TCC(トレードコインクラブ)の首脳陣が新たに立ち上げたサービスだそうなので、それが本当なら

「今後、数年間は安定した収入が期待できるのかな?」と思います。

TCC(トレードコインクラブ)というのは「検証18」で検証した仮想通貨の自動売買システムで高利回りを実現すると称してネズミ講方式で勧誘を行っていた案件のことと思われます。トレードコインクラブについて今回改めて検索してみると極めて評判が悪く、被害者がトレードコインクラブへの集団訴訟を呼び掛けている始末です。本当にトレードコインクラブとAIトレードが同じグループによるものならば大問題でしょう。

そこでJoff Paradise (ジョフ・パラダイス)という人物名とTCC(トレードコインクラブ)を組合わせて検索してみると確かにジョフ・パラダイスという人物がトレードコインクラブに関して主導的な立場で勧誘を行っていたという情報が大量にネット上にあるのを確認することが出来ました。例えば右はTCC Leadership Meeting with Joff Paradise in London by NKT」というタイトルでYoutubeにアップされているTCC(トレードコインクラブ)の勧誘動画からのキャプです。AIトレードの勧誘インスタグラムに登場しているジョフ・パラダイスと同一人物と考えて矛盾はないものと思います。

ちなみにジョフ・パラダイスという人物についてこの動画では広告塔的な役割を示すと思われるMaster Distributerという肩書になっていますがトレードコインクラブのFounder (創設者)という肩書が付いている場合もあるようです。

そして同じ人物、グループが運営しているとなれば当然かもしれませんがAIトレードとトレードコインクラブに共通点が多いです(トレードコインクラブについては「検証18」を併読してください。)。まず両方とも連絡先情報がありません。既に上に書いたようにAIトレードについては連絡先情報が皆無です。トレードコインクラブについてもメールアドレスが記されている程度で連絡先情報の開示が明らかに不充分です。

次に利益を生み出すビジネスモデルですが、AIトレードの公式サイトには表現が漠然としていますが以下のキャプに示す6つの運用方法が列挙されています。

トレードコインクラブはビットコインなどの仮想通貨の短期売買で利益を出すという収益モデルでしたが、AIトレードではICO投資とか仮想通貨を引き出せるATM事業なども加わって若干複雑になっているものの基本的には仮想通貨の短期売買で利益を出すとなっており、やはり互いに似ていることは間違いありません。そしてこういった取引で以下のキャプに示すような契約プランに従って毎日0.01~最大0.4%もの配当を出すということのようです。ちなみにこの契約プランの表はインスタグラムの投稿にあったプレゼン資料と思われるものです。

投資はビットコイン建てになっているようで最低投資額が0.05ビットコイン、5ビットコイン以上を投資すれば最も報酬が多いレベル4の契約になるということのようです。さらに50~200ドル (およそ5000円~2万円ほど)の契約手数料も必要となるようです。ちなみにビットコイン建てでの投資、さらに投資するビットコインの量によって配当が変化するというシステムはトレードコインクラブでも同じです。

仮に毎日の配当が最低の0.01%で1年間経過したとすれば年利回りがたったの3.65%にしかならないので最低50ドルの契約手数料や送金手数料、ビットコインの相場変動など考えると利益が出るのかどうかも分かりません。また最大の0.4%の割合で365日間配当が出れば年間配当率は146%という非常な高利回りということになります。これでは配当利回りに40倍もの振れ幅があるということになりますが公式サイトには「BitCoinリターン電卓」英語版では「Estimated ROIB calculator」という項目があって表題の意味はよく分かりませんが、右のキャプに示したような30%台の配当利回り、配当を再投資に回して複利運用した場合には40%近い配当利回りの見積もりをしているということになるようです。

さらに上の「契約プラン」の説明には1年の運用期間に満たなくても配当利回りが500%に達した場合にはそこで配当が打ち切りなどという注意書きがあります。

しかし提示されている運用方法で本当にそんな高利回りが実現する可能性があるのかについてはトレードコインクラブの場合と同じく疑問を感じざるを得ません。例えばアービトラージ取引(複数の仮想通貨市場の相場を比較して安い市場で買い、高い市場で売る取引)はわずかな市場間の相場の違いを利益に結び付けるものですから既に他のアービトラージで利益を出すとする投資案件の検証でも指摘したように1回の取引で得られる利益は大きなものにはなりませんし、多くの投資家から集めた巨額の資金を運用するのは不可能でしょう。仮想通貨の様な決して市場取引高が大きいとは言えない市場で大きな金額を注ぎ込めば自らの買い注文、売り注文で相場を動かしてしまうことに繋がるはずだからです。そうなれば異なる市場間での相場の違いなど直ぐに解消されてしまい、アービトラージで利益を得るのは無理になります。資金が集まれば集まるほど利益を出すのが難しくなるのが明らかなアービトラージ取引を運用方法の主軸に出来るとは到底思えません。

またICOも資金の運用手段として挙げられていますが、新規に発行される仮想通貨を購入しても市場に上場されて換金が可能になるまでには通常かなりの時間が掛かるはずですから毎日配当を出すといった投資案件では運用方法の主要な部分を占めるとは思えません。また仮想通貨を現金化するATMマシンを稼働させる事業を行っているという説明もあり、勧誘ブログの1つ、仮想通貨投資ブログには既にATMマシンが完成しているといった記述や動画もあるのですが一体何処に何台のATMマシンが設置されていてどれほど利用され、どれほど利益が出ているのかといった具体的な情報は何もありません。少なくともこの案件の運営者は日本で仮想通貨交換業者の登録を得ているとは思えませんから日本国内にATMマシンが設置されることはないでしょう。雲をつかむような話しとしか思えません。

それから1年間の運用実績として複利運用で39%といった実績があるような公式サイトの記述について紹介しましたが公式サイトのWho Is情報を見ると右のキャプに示したようにサイトの開設日(Creation Date)が2018年の5月9日になっています。AI (人工知能)で運用しているということになっていますが本当に1年間の運用実績があるのか疑問を感じずにはいられませn。

トレードコインクラブとの類似点に戻ると勧誘がマルチレベルマーケッティングの手法で行われていることはこの案件の合法性の観点からも重要でしょう。インスタグラムで公開されていたプレゼン資料には勧誘報酬に関する説明がとても多いです。例えば以下のキャプにあるプレゼン資料はそれぞれ直接紹介ボーナス、間接紹介ボーナスの率について説明しているようです。

誰かを勧誘して投資させることに成功した場合に紹介者に与えられるのが直接紹介ボーナスでその率は投資額の8~11%ということかと思われます。間接紹介ボーナスはネズミ講組織において子ネズミや孫ネズミが誰かを勧誘成功した時に得られるボーナスということでしょう。勧誘ブログの1つ、初めてでも安心投資にも以下のような勧誘報酬の説明があります。

><直紹介報酬>

>自分が誰かを紹介した時の報酬 例)レベル1に参加した人がレベル4の人を紹介したら11%が入る。

>レベル1:8%

>レベル2:9%

>レベル3:10%

>レベル4:11%

><間接紹介報酬>

>バイナリーではない。片伸びしてもレベルに応じた段数まで報酬がある。

>レベル1:3段まで2%

>レベル2:3段まで2%、5段まで1%

>レベル3:3段まで2%、5段まで1%、7段まで1%

>レベル4:3段まで2%、5段まで1%、7段まで1%、9段まで1%、10段で2%

この他にもプレゼン資料にはバイナリーボーナスとかマトリクスボーナスといった説明もあります。詳しく読んで理解する気になりませんが要するに典型的なMLM (マルチレベルマーケッティング)、ネズミ講組織の特徴を備えているのは確実です。こういった勧誘方法を行っていることがネズミ講防止法といった法律照らして合法かどうかはかなり疑わしいです。


また高額の勧誘報酬システムはAIトレードに投資した場合、その投資額のかなりの部分は勧誘報酬に振り向けられて消えることになり、人工知能による運用には回らないということも意味しています。勧誘報酬に空費される部分の割合を計算する気になりませんが、少なくとも「直接紹介ボーナス」という直接勧誘した人物に支払われる部分だけでほぼ1割 (投資額によって8~11%)が消えることになりますし、全ての報酬を合計するとおそらく2割とか3割は投資に振り向けられない勧誘報酬に消えてしまうものと思われます。最初からこれだけの大きな割合が投資に振り向けられることなく消えてしまうのだとすればその分を埋め合わせてさらに年率30%とか40%といった利回りを実現することが極めて難しくなるはずです。さらにこういった投資を勧誘するならば金融商品取引法に従って金融庁に金融商品取引業者の登録が必要になり、登録なしに投資目的での出資を集めれば出資法違反になっている可能性が高いです。

この案件は信頼性、合法性など多くの点で問題があります。特に既に被害者が出ていると思われるトレードコインクラブと同じグループによる同様の案件ともなれば非常に危険であると判断せざるを得ません。投資は推奨出来ません。

※付記1

インスタグラムへの投稿によれば2018年11月11日にウクライナ・キエフのホテルでGrand Launch Eventと称するイベントが開催されるとあります。このイベントには既に登場しているジョフ・パラダイスという人物がFounder (創設者)として登場する他、Co-Founder (共同創設者)としてMAYUMI & YASUYOSHIという日本人らしき名前の人物も登場するようです。

このMAYUMI&Yasuyoshiについておそらくトレードコインクラブについても関与していた人物ではないかと考えて調べてみるとMAYUMIというのは坂井増由美(まゆ姫)、YASUYOSHIというのは小石やすよしとかYasuyoshi Koishi(王子)となっている人物と思われます。例えば2017年5月21日付の広島の女性占い師のブログ投稿に「正しいお金の運用の仕方を教えてくださる」という説明付きでこの2名の人物の写真があります。上で示したキエフで開かれるイベントの参加者のMAYUMI & YASUYOSHIの写真と比較して矛盾はないように思います。そしてトレードコインクラブへの集団訴訟を呼び掛けているサイトでネズミ講方式で勧誘を行っていた人物として名前が挙がっている中にもこの2名の名前が出てきます。そして坂井増由美(まゆ姫)という人物についてはTwitterのアカウントMayuhime Diaryと題するブログが見つかります。上で引用した勧誘動画の1つ、AI Trade登録方法という動画の投稿者も「Mayuhime坂井増由美」となっています。他にMayuhime FXブログというものも存在するようです。これらのアカウントやブログを見ていくとAI Tradeの宣伝やジョフ・パラダイスと思われる人物との写真などが出てきますからこの坂井増由美(まゆ姫)と名乗る人物が日本での勧誘に参加していることは確実でしょう。

そしてブログからリンクされていたCoin MarketというサイトにはATトレードの勧誘セミナー日程が出ています。日本全国で頻繁に勧誘セミナーが開かれており、その講師あるいはゲストとしてMayuhime/小石という名前が見えます。以下はセミナー日程の表題部と10月29日に開催されるセミナーの案内事例です。

日本でもこれからこの案件の勧誘がさらに拡大する予定なのかもしれません。

※付記2

Yahoo知恵袋に相次いでAIトレードへの投資勧誘を受けた人たちからの質問投稿が出てきました。これらの投稿を見ると勤務先や大学などでのネズミ講方式で勧誘が行われているようです。

#2018年11月12日

※付記

2019年3月にYahoo知恵袋に以下の様な投稿が出てきました。サイトがハッキングされたと称して新しいサイト (https://aitrade.me/ja) に活動を移行するような告知がされたようです。画像に登場している男女は上の検証出てきた坂井増由美(まゆ姫)、YASUYOSHI (小石やすよし)の2名でしょう。

早速旧サイトと新サイトの両方にアクセスしてみましたが旧サイトは「アップデート中」という形になっているようです。

この旧サイトに書いてある告知の文章を転載しておきます。

>重要な会員に関するお知らせ

>Ai Tradesは現在、より高いレベルのセキュリティと機能を提供するためにシステム全体のアップデートを受けています。私たちの開発チームがこのアップグレードを行っている間、ご不便をおかけして申し訳ございません。私たちはあなたに私たちの進捗状況を知らせ続け、24から36時間で完了を推定します。ログインアクセスは完了時に復元されます。このアップデートの間、あなたのアカウントは安全であり影響を受けません。 AiTradesを成功させるための新しいツールが追加されました。しばらくお待ちください。

この告知を見ただけでは新しいサイトが出来ていることは分かりません。新しいサイトに活動を移したことを知られたくないと考えているように思えます。一方で新しいサイトは少なくとも一見したところでは旧サイトがそのまま転載されたような印象です。

そしてさらにこの項目の冒頭でも触れましたがAIトレードは全く異なる名前の一見新しい投資案件に衣替えをしたようです。それが以下で検証するビットライフという案件です。併読してください。

●Bit-life (ビットライフ bit-life.net/ja)
●Crypto-Raising (クリプトレイジング crypto-raising.com/jpn.html)

この検証は元々はYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプの質問への回答として書き始めたものです。

そして検証していく内に実は上で検証したAIトレードがおそらく拡がった悪評を避ける為に衣替えしただけの案件であることが判明してきました。そこでAIトレードと並べてこのページに検証を書くことにしたました。表題2つ目のクリプトレイジングはビットライフの親会社的な位置付けだと思われますが企業としての実体があるかどうかは疑問です。

まず知恵袋の質問から「bit-life.net」を検索してみると表題の公式サイトとさらに以下の勧誘サイトが引っかかってきました。

CoinMarket

Bit-life プラットフォームを公開 (投稿日:2019.3.19)

リニューアル後のBit-life.net 事業内容の詳細(暗号通貨ATM事業編) (投稿日:2019.3.20)

この勧誘サイトにあった以下の記述からビットライフの親会社(?)としてのクリプトレイジング社の存在が判明しました。キャプの末尾にある「公開されたBit-Lifeのフォームはこちら」というリンクがクリプトレイジング社のサイト (crypto-raising.com/jpn.html) に繋がっています。

ちなみに後述するようにクリプトレイジング社はイギリスの法人ということになっているのですが、この勧誘サイトにはCEOが「mayumi氏とyasuyoshi氏」という日本人らしき名前の人物であると書かれています。この件についても後述します。

またこの件に関しては勧誘サイトとは言えないかもしれませんが以前に怪しげな仮想通貨の案件を紹介していた「徹底比較!一番儲かる仮想通貨」というサイトにビットライフに関する以下の記述を見つけました。

>ビットライフ(BIT-LIFE)は、もともと「AIトレード」という名前でした。ただ不祥事が明るみに出て名前の印象が悪くなったのか、新しい名前に変更となりました。

>AIトレードのURL「https://aitrade.me/ja」にアクセスすると、ビットライフ(BIT-LIFE)のサイトに強制的に移動させられます。

そこでAIトレードのサイト (aitrade.me/ja) にアクセスしてみると確かにビットライフのサイト (bit-life.net/ja ) に強制的にリダイレクトされるようです。AIトレードとビットライフは同じ運営グループによるサイトであると考えて間違いなさそうです。

この時点で完全にアウトと結論しても良いくらいなのですが、一応ビットライフのサイトにある内容を検証してみます。まず以下はビットライフの公式サイトのメニューバーですが、日本語、英語、ロシア語、ポルトガル語、韓国語、中国語の6ヵ国語対応となっています。そして幾つかのメニューが並んでいますが、サブページなどは存在せず、並んでいるメニューの項目をクリックしても同じページの中に並んでいる項目の位置に飛ぶだけです。サブページもないということから分かるように非常に情報量が少ないサイトです。

そして非常に情報が少ないサイトであると書いたばかりですが、連絡先情報が何もありません。これは最初から論外だと思います。「チーム」という項目がメニューバーにありますが、その「チーム」の項目に記されているのは名前も役職も明記されていない6人人物の画像と非常に簡単な説明分だけです。

>私たちのチームは最高のITスペシャリストやプロのトレーダーとつながっているため、あなたの暗号通貨の安全性については心配する必要はありません。

と書いてありますが、この6名の人物は「最高のITスペシャリスト」とか「プロのトレーダー」なのでしょうか?それともビットライフの運営陣なのでしょうか?何の説明もないのでとりあえず画像検索を試してみたところ、これらの人物は「最高のITスペシャリスト」あるいは「プロのトレーダー」でもビットライフの運営陣でもなさそうだということが判明しました。

例えば左上の若い男性の画像を画像検索してみたところ、Unsplashという著作権フリー画像のサイトで左のキャプに示した様に同一と思われる画像を確認しました。画像のタイトルは「man wearing parka jacket (パーカージャケットを着る男性)」となっていて「最高のITスペシャリスト」とか「プロのトレーダー」とは全く無関係としか思えません。

同様にTeamの2番目にある画像も画像検索してみると同じ由来と思われる画像がネット上に大量に存在するようです。例えばアマゾン、Yahooショッピングなどの通販サイトでBluetoothイヤホンの商品紹介に同じ画像が使われています。他にも多数のサイトで同じ由来と思われる画像が多数見つかるので元はやはりフリー画像の類なのかもしれません。いずれにしろこれも「最高のITスペシャリスト」とか「プロのトレーダー」の近影とは思えません。

同様に他の4つの人物画像についても画像検索にかけてみると男性の画像3つは全てネット上に同じ画像が多数存在していることが確認出来ました。唯一、一番右にある眼鏡の女性の画像だけはネット上に見つかりませんが6人中5人がネットから拾ってきた画像となれば全く信用出来ません。

そしてこの案件ではどれほどの利益が得られるかについて再投資しない場合、する場合で以下の2つの数字が示されています。再投資しない場合でも24.1%、再投資すれば27.13%もの利益になるとしています。

しかしこれだけの高利回りを叩き出すのかについては説明が殆どありません。辛うじて右のキャプに示した様に、その筆頭として裁定取引 (アービトラージ取引)が挙げられています。

これまでこのサイトで検証してきた案件の中には裁定取引 (アービトラージ取引)で高利回りを実現するとした投資案件が幾つもあり、例えば上で検証したウィーンジーなどもその一例です。それらの案件でも指摘してきましたが、裁定取引 (アービトラージ取引)は大きな資金を運用するのに向いていません。大きな資金を動かせば相場を動かしてしまい、市場間のわずかな相場の歪みなど簡単に飲み込まれてしまうからです。特に仮想通貨市場は株式市場や法定通貨の為替市場と比較して出来高が圧倒的に少ない上に一般的にスプレッドが大きいので多くの投資家から大きな資金を集めてアービトラージ取引に投入するなんて非現実的としか思えません。

さらに次の「暗号通貨のペア取引」とか「取引所での証拠金取引」とはどんな取引なのか、それで本当に年利回り24.1%とか27.13%なんていう高利回りを実現可能なのかこれだけではさっぱり分かりません。過去の運用実績なども全く示されていません。

さらにこの案件は最初に引用した知恵袋の質問に「誘われている」とあることから、あるいは多数の勧誘されたという証言が出ているAIトレードの後継案件であることから推察されるようにネズミ講方式で勧誘が行われているようです。公式サイトには右のキャプに示した様に「友達を招待して、収入を得ながら心配のない生活をしましょう」という文章があり、友人知人を勧誘することで紹介報酬を受け取りましょうという意味である可能性が高いと思われます。ネズミ講防止法に照らして合法であるかどうか判断するのは簡単ではありませんが、違法の可能性は十分にあるものと考えなければなりません。

またネズミ講方式で勧誘する案件の場合、これまでの検証でも繰り返し指摘してきましたが勧誘報酬は投資したお金の一部が振り向けられるはずです。となれば例えば10%の勧誘報酬を払い、その分を埋め合わせてさらに20%の配当を出すには最低でも30%以上の運用利回りが必要になるはずです。この案件でどれほどの勧誘報酬が得られるのかについては全く説明、情報開示がないので不明ですが、勧誘報酬が高ければそれだけ破綻の可能性も高い、さらに危険な案件と考えざるを得ません。

次に親会社的なポジションにあると考えられるクリプトレイジングについて説明します。すでに説明した通り、クリプトレイジング社の存在は勧誘サイトの記述で知ることになりました。不思議なことにビットライフのサイトにはクリプトレイジングについて触れている文章とかリンクは見当たりません 。何故か表に出したくない意図があるのでしょうか?

クリプトレイジング社のサイトに行ってみるとまずサイトの冒頭に以下のような記述があります。

>クリプトレイジング社は英国ロンドンに拠点を置く暗号通貨関連企業です。

>世界初のユニークな暗号通貨企業として特徴のある事業を会員の方々にお届けします。

英国のロンドンに拠点があるとなっていますが、クリプトレイジング社のサイトには連絡先情報の類が一切ありません。そこでイギリスの法人登録を検索すると以下の法人登録が見つかりました。法人登録は2019年3月28日となっていてこの検証は2019年3月30日に書いているのでわずか2日前に出来たばかりの会社ということになります。

この法人登録によれば住所は以下の様になっています。

>37th Floor, One Canada Square, London, United Kingdom, E14 5AA

しかしこの住所を検索するとRegusというバーチャルオフィス/レンタルオフィス業者の拠点の住所と酷似していることが分かりました。

>1 Canada Square, 37th Floor, Canary Wharf, London, E14 5AA

これはバーチャルオフィス業者の住所を使った架空住所の可能性が高いと考えざるを得ません。これではイギリスに事業実態があるかどうかは疑問です。そしてこの法人登録の経営者情報は以下の様になっています。

3名の人物が登場していますが、いずれも日本人らしき名前です。連絡先住所も3名中2名が日本国内になっていますが最後の1名はドバイ在住となっています。そして最初のKANDA Kiyotoという人物の役職はSecretary (秘書?)となっていて経営の主導者ではなさそうです。残りの2名が問題で勧誘サイトでは「mayumi氏とyasuyoshi氏」とされていた人物でしょうがKOISHI Yasuyoshi、SAKAI Mayumiという名前には聞き覚えがあります。すなわち上で検証したAIトレードでも日本における主導的な役割を果たしていると考えられた人物の名前と一致しており、同一人物でしょう。このビットライフという案件がAIトレードを衣替えしただけの案件であると考えて矛盾はないと思われます。またこのKOISHI Yasuyoshi、SAKAI Mayumiという2人の人物はAIトレード以前にもトレードコインクラブという案件(「検証18」参照) でネズミ講方式による勧誘を行っていた経歴があることは既にAIトレードの検証で触れたことであり、信頼席は極めて低いとしか思えません。

そもそも関与している人物が3名とも日本人としか思えないし、クリプトレイジング社のロンドンの住所は架空住所の疑いが濃厚なので何の為に設立されたイギリス法人なのかよく分かりませんが、名目上だけでも海外法人の投資案件ということにして効果は疑問ですが、出資法とか資金決済法など日本の法律規制から逃れようとしているのかもしれません。

そしてクリプトレイジングの公式サイトには6つの事業が手書き風のアイコンと共に並んでいます。

▼暗号通貨トレーディング事業

▼暗号通貨ATM事業

▼暗号通貨カード事業

▼暗号通貨不動産事業

▼暗号通貨購入/売却事業

▼暗号通貨ビットビッディング事業

右上のアイコンは6つのアイコンの中の最初の2つですが、それぞれのアイコンには「もっと見る」というリンクが付いています。そして最初の「暗号通貨トレーディング事業」という項目からのリンクがビットライフのサイト (bit-life.net/ja) に繋がっています。ビットライフはクリプトレイジングの6つの事業の中で「暗号通貨トレーディング事業」を担う子会社的な扱いということになります。ちなみに他の5つの事業についてはリンクがクリプトレイジングのサイト自体に繋がっていて意味がありません。本当にこれらの5事業が動いているかどうかも疑問です。

実はクリプトレイジングのサイトを調べていて気が付きましたが、クリプトレイジングのサイト (crypto-raising.com/)とAI トレードのサイト (aitrade.me/ja)は同じサーバー上に存在しており、さらにもう一つ、クリプトマティックというサイト (crypromatic.us/) が同じサーバー上に存在しているようです。そしてこのクリプトマティックというサイトも現時点で非常に情報の乏しいサイトなのですが仮想通貨のATM事業を担うことになるのではないかと思われます。

いずれにしろクリプトレイジングのサイトで挙がっている6つの事業はビットライフが担っている「暗号通貨トレーディング事業」を含めて具体的情報に極めて乏しく、本当に事業として進行しているのか疑問があります。特にこれがAIトレードの看板を掛け代えただけの案件であるなら本当に利益が出るようなAIが存在して実際に運用が行われているかどうか疑問が大きいです。

この件への投資は全く推奨出来ないという結論にならざるを得ません。


※付記1

Yahoo知恵袋にビットライフの勧誘を受けたという質問投稿が出てきました。ビットライフという案件名を隠して勧誘を行っているようです。

※付記2

matomaというサイトでAIトレード/ビットライフに対しての集団訴訟の呼びかけが行われています (下のキャプ参照)。集まっている投稿でログイン出来ないといった状況にあることが報告されていたのでビットライフのサイトにアクセスしてみたところ、2019年7月末現在で閉鎖されているようです。

●Chattiness [CHATTY チャッティー] (チャッティネス chattiness.net/)
●Chattiness Style  (チャッティネススタイル chattiness.style/)
●Bell Wood (ベルウッド bellwoodmalta.com/)

Twitterで右のキャプに示したような宣伝投稿に気が付いたものでチャッティー(トークン)という仮想通貨の案件です。検証対象にした3つのサイトを掲げましたが最初が仮想通貨の発行元、2つ目のサイトは仮想通貨での決済に対応している通販サイト、最後が専用の仮想通貨取引所ということになっているようです。

Twitterには他に公式アカウントと思われるものも存在していて関係する発信が行われているようです。これらの投稿文からするとセミナー形式で勧誘が行われているものと思われます。そしてこれらのTwitter投稿からリンクをたどったり、検索したりすると仮想通貨関連のニュースサイト(?)やプレスリリース記事 (企業がお金を払って企業の発表をそのまま掲載する記事)、さらには表題の公式サイトなどが出てきました。

業界初 仮想通貨決済のみ可能な現地販売会 開催!11/3(土)東京・新橋にて200名無料招待

XCOIN ONLINE

投稿日:2018年10月26日

日本最安値で買い物が出来るECサイト「chattinessショップ」日本初!出品商品の価値が上がる参加型ECショップ開始

PR TIMES プレスリリース記事 (株式会社Chattiness)

投稿日:2018年6月27日

日本で一番安く買えるECサイト「Chattinessショップ」有名ブランドや大手家電メーカー商品を格安で出品開始!~安さの秘密は仮想通貨決済~

PR TIMES プレスリリース記事 (株式会社Chattiness)

投稿日:2018年8月8日

業界初 仮想通貨決済のみ可能な現地販売会 開催!11/3(土)東京・新橋にて200名無料招待

PR TIMES プレスリリース記事 (株式会社Chattiness)

投稿日:2018年10月26日

さらに表題の公式サイト以外に古い公式サイトと思われるものも確認されました。

▼Chattiness (チャッティネス chattiness.jp/)

さらに表題の公式サイトには内容が薄いですが一応ホワイトペーパー (PDFファイル)があります。これらを本項の検証対象にします。まず例によって連絡先情報です。公式サイトにある連絡先情報は以下の様になっています。

>商号 株式会社Chattiness

>代表者名 小野寺 康平

>設立 2017年11月

>所在地 〒105-0004 東京都港区新橋5-22-6 3F

>電話番号 0120-781-007

>HP http://chattiness.net

>従業員数 18名

>主な事業内容 通信販売事業/電子商取引の企画、開発、製作、運営及び管理

東京都港区新橋の住所は法人登録でも確認されます。法人登録にある住所の方が部屋番号まで書かれていて詳しいです。会社の設立は公式サイトでは2017年11月、法人登録では2017年12月となっており非常に新しい会社です。しかも港区新橋の現住所には2018年5月14日に渋谷区代々木から移転したばかりのようです。

これらの所在地情報、法人登録には若干の疑問があります。まず移転する前の渋谷区代々木1丁目37番18-102号という旧住所を調べてみると合同会社アースユニオンという法人が部屋番号まで全く同じ住所に現在でも法人登録されているようです。一体どういう関係になっているのでしょうか?

また現在の住所 (東京都港区新橋5丁目22番6号ル・グラシエルビル2号館3A)も調べてみると部屋番号まで全く同じ住所に少なくとも2つの法人が登録されています。

法人番号 1010501038504 株式会社Next frontier

法人番号 8700150005217 PB EDGE COMPANY LIMITED

特に前者、株式会社Next frontierは以下のキャプに示したように2018年5月9日に社名変更、2018年6月22日に台東区上野から現在の港区新橋のチャッティネスと部屋番号まで同じ住所に移転しています。順序からするとPB EDGE社が入居しているところにチャッティネスが2018年5月14日に転入、さらに6月22日にNext frontierが転入しています。

経営者が同じであるなど何か関係がある会社としか思えませんが、株式会社Next frontier、その社名変更前の富士BH株式会社、PB EDGE COMPANYを検索してもこれらの会社について何も情報が出てきません。法人としての活動は殆ど無いのかもしれません。複数の法人が部屋番号まで同じ住所に同居し、しかもつい最近に社名変更や転居が行われているとなれば何やら怪しげな印象を持たざるを得ません。

次にビジネスモデルや合法性について検証します。ちなみにChattiness (チャッティネス)という社名はホワイトペーパーの冒頭によればChat + Businessの造語ということになっています。そしてホワイトペーパーは

>Chattinessとは弊社の提供する電子商取引事業ゲーム、ますゲームアプリ事業、クラウドファンディング事業を包供して提供する「総合ポータルサイト」である。

という一文から始まっていて右のキャプに示したような図が添えられています。チャッティネスの周囲に提供するサービスということだと思いますが以下の6つの項目が配置されています。

▼参加型ECショップ

▼オーナー制度

▼クラウドファンディング

▼仮想通貨ウォレット

▼オリジナルゲーム

▼日本最安のECショップ

これらの中で最も重要なのはプレスリリース記事や公式サイトで重点的に取り上げられている「日本最安のECショップ」という項目だと思われます。要するに通販サイトでの決済にCHATTY (チャッティー)という独自の仮想通貨を導入することで普及させるということのようです。結論から言えばこの案件のビジネスモデルは「検証15」で検証したDragon Coin (ドラゴンコイン 旧名称 D Coin)の案件に似ており、さらにはビジネスモデルに対する疑問点や合法性についても似ている部分があります。以下はドラゴンコインの検証と併読して頂いた方が分かりやすいかもしれません。

何処が似ているのかと言えばドラゴンコインも本案件の仮想通貨、CHATTY (チャッティー)も発行元が運営しているイーコマースサイト (ネット通販サイト)で決済用に使える仮想通貨というのが共通点の第一です。この案件での運営元であるチャッティネス社が運営しているイーコマースサイトが表題2つめのChattiness Style (チャッティネススタイル chattiness.style/)というサイトです。販売されているのは財布とかバックといったブランド品、あるいはワイヤレスイヤホンとかアイロンといった小型の家電が主力のようです。しかし品揃えはお世辞にも良いとは言えません。例えばブランド品の項目を見るとこの検証を書いている2018年10月末の時点で30品目がリストされているだけ、しかもその内の26品目は「Sold (売り切れ)」と表示されていて購入申し込み可能なのはたったの4品目です。

家電の項目については30品目がリストされていてその内「Sold (売り切れ)」と表示されているのは3品、残りの27件は購入申し込み可能になっていますが大手の家電通販サイトなどと比べたら圧倒的に貧弱な品揃えと言って間違いありません。これ以外には「Flea Market (蚤の市)」という項目で会員(?)が出品していると思われる雑多な品物が販売されているようですが、30品目の中で11品目は「Sold (売り切れ)」です。これも個人が自由に出品出来る通販サイトに比べたら品揃えなどで大きく見劣りしています。

さらに「日本最安のECショップ」という主張が正しいのかどうか、出品物の中で特に価格が調べやすい家電について幾つか主要なネット通販サイトなどと価格を比較してみましたが全ての品目が「日本最安」とは言えそうにありません。例えば単機能炊飯ジャー 3合(0.54L) NRS-T30A」という商品の価格はチャッティネススタイルで《送料込》593CHT/2,962円となっています。この炊飯ジャーの価格をネットで検索すると例えば大手通販・Amazonでの価格が2,129円 (通常送料無料)です。800円以上もAmazonの価格の方がお得になっているのです。

しかもこれらの商品は供給量が限られているようで注文すれば必ず買えるというものではないらしく、購入申請してから抽選があり、当選した人にだけ購入権が与えられるようです。下のキャプはチャッティネススタイルのサイトのFAQの項目から取得したもので抽選について説明しているようですが購入申し込みを行ってから抽選結果を知るまでに数日は掛かるようです。これでは急ぎで何かを注文したいという人には使えない通販サイトということになります。

しかも上のキャプの一番下に

>もちろん、当選の方がいれば落選する方いらっしゃいますが、ぜひ何度もチャレンジしてみてください!

と書いてあるところをみると当選する可能性はかなり低そうです。さらにこのチャッティネススタイルという通販サイトへのアクセス状況をアクセス解析出来るサイトで調べてみた結果が以下のキャプです。

1日当たりの独立な訪問者数はたったの99人、ページビューが1972回に過ぎません。「検証15」で検証したDragon Coin (ドラゴンコイン 旧名称 D Coin)の案件でもドラゴンコインが使える通販サイトへのアクセスが少ないことを指摘しましたが、このチャッティネススタイルのサイトへのアクセス数あるいは上で指摘した品揃えなど見ると通販サイトしては取引高なども極めて小規模な部類と判断せざるを得ません。

一方でこの小規模としか思えない通販サイト専用の決済手段として発行される仮想通貨・チャッティーの発行規模はホワイトペーパーの12ページによると

>Chattinessは初期にはCHATTYトークンを30億枚発行し、その半分を販売する予定である。

となっています。また同じくホワイトペーパーの3ページ目には

>※CHATTYトークン=ERC20互換トークンである。

とも書いてあります。つまりイーサリアムのシステムを使って作られた仮想通貨であるとなっているのでイーサリアムのシステムを使って作られた仮想通貨の状況を確認出来るEtherscan (etherscan.io/)というサイトでCHATTYトークンの情報を探すと確かに30億枚のチャッティートークンが作られているのが確認されました。

1枚のチャッティートークンの販売価額はチャッティネスの公式サイトで右に示したキャプにあるように「仮想通貨CHATTY を購入・販売するなら、こちらの取引所から」としてリンクが用意されているBell Wood (ベルウッド)というサイトで確認することが出来ました。これが表題に掲げた3つの関連サイトの3番目です。チャッティートークン専用の仮想通貨取引所ということになると思われます。

このベルウッドのサイトでチャッティートークンの取引値を見ると以下のキャプに示すように5円での指値売り注文が出ていることが分かりました。売り板だけで買い板がないのが非常に気になりますが、これが一応はチャッティーの時価ということになると思われます。

しかしこのベルウッドという取引所のサイトには大きな疑問があります。まずベルウッドのサイトを見ても誰が運営しているサイトなのかという運営車情報、どこに取引所の本拠があるのかという連絡先情報が何もありません。「Contact Us」という項目を見てもメール送信用の窓があるだけです。何処の国にある取引所なのかという情報もないので当然何処かの国のライセンスを得ているとは思えません。勿論、日本で仮想通貨交換業者の登録を得ているはずがありません。合法性、信頼性に非常に大きな疑問を感じざるを得ません。またこの取引所のサイトをアクセス状況を解析出来るサイトで解析すると下のキャプに示したように殆どアクセスがありません。

ベルウッドのサイトは全て英語表記、サイトのURLアドレス (https://bellwoodmalta.com/)にはMalta (マルタ)という単語が含まれているといった点から見ると海外の取引所みたいに思われますが、取引されている仮想通貨がチャッティーのみでアクセスも殆ど皆無、チャッティートークンの相場が「5円」と円建てで表示されているといった点から判断するとチャッティネスを運営している日本のグループが日本の仮想通貨交換業者の登録を得ることの困難さを回避する為に海外の取引所を装って立ち上げたサイトである可能性が高いと考えざるを得ません。こんなことで日本の金融庁の規制を回避しようとしているのならば適法性については強い疑問を感じざるを得ません。

チャッティートークンの時価に戻りますが、トークンの時価はこの取引所の気配値だけでなく、先に引用した炊飯器の価格が「593CHT/2,962円」となっていることでも5円ということで矛盾がありません。他にも幾つかチャッティネススタイルのサイトで売り出されている商品の売価について調べてみましたがやはりトークン1枚の時価が5円ということで矛盾はないようです。

30億枚のトークンを発行するとすれば時価総額は150億円。販売される予定の15億枚の時価総額が75億円ということになります。正直言ってチャッティネススタイルという小規模な通販サイトにおける決済の為だけにこれだけ巨額の仮想通貨を発行する必然性は全く感じられません。仮想通貨の発行規模が通販サイトでの取引規模に対して過大としか思われないのです。

また「Flea Market (蚤の市)」という項目で会員(?)が出品しているらしい出品物の代金も仮想通貨・チャッティーで支払われるとなれば商品を出品した人にとって利便性が良いとは思えません。トークンを代金として受け取っても使い道は非常に限られているし、アクセスが殆ど無いベルウッドという取引所での換金も可能かどうか極めて疑問です。この点に関して2018年6月27日付のプレスリリース記事には以下の様な記述があります。

チャッティネススタイルでの取引が活発化すればチャッティートークンへの需要が上昇してトークンの価値も上昇していくからチャッティネススタイルでの出品者にとって有利になるという理論ですが、チャッティネススタイルの出品状況とかアクセス状況を見る限り、こういった楽観的なモデルが実現するような気がしません。逆にトークンの価値が減少すればチャッティネススタイルの市場活性化どころか出品数が減少して取引が減少し、さらにトークンの価値が下落するという悪循環に陥る悲観的なシナリオが容易に想像出来ます。市場を活性化しようと思ったら運営が大量の商品を誰もが買いたいと思う非常に魅力的な価格で潤沢に供給するしかないと思いますが、購入希望を出しても抽選に当選しないと購入出来ない、品数も極めて限られている、さらに価格も飛び抜けて安いとは思えないといった現状では厳しいものを感じざるを得ません。この通販サイトの現状や将来性を高く評価出来ないという点に関してもドラゴンコインの案件に類似性を感じざるを得ません。

そしてこれもドラゴンコインの検証でも指摘しましたが、運営元が同一である通販サイトでしか通用しない仮想通貨ということになればこれは仮想通貨(暗号通貨)というよりも先払い型の電子マネーに近いのではないかと考えざるを得ません。仮想通貨ならばチャッティネス社が運営する通販サイト以外でも決済手段として広く使われるようになるべきだと思われるのに現状ではそういった決済手段として広く普及させるような動きは見られないのです。チャッティートークンを先払いの電子マネーと考えれば金融庁に資金移動業者の登録が必要になるはずです。一応金融庁のサイトで公表されている資金移動業者のリストを確認しましたが、リストにチャッティネス社は見当たりません。合法性にも疑問を感じます。

総合的に判断してこの案件にはかなりの疑問が感じられます。投資は推奨出来ません。

●QUOREA (クオレア quorea.jp/)
●efit (エフィット efit.co.jp/)

この項目はYahoo知恵袋に出た質問への回答をさらにまとめたものです。表題の1つ目の「クオレア」のサイトは右にサイト冒頭部のキャプを示しましたが仮想通貨の自動売買で利益を出すという投資のサイトで2つ目の「エフィット」のサイトはその運営企業のサイトです。クオレアのサイトのメニューにある「会社概要」をクリックするとエフィットのサイトに飛ぶ設定になっています。残念ながらこれらのサイトにある情報は検証を行うのに決して充分ではありません。明らかに情報開示不足のレベルです。

そこで検索するとこのクオレアという投資に関するプレスリリース記事、さらには勧誘ブログがかなりの数見つかります。内容を確認したものを以下にリストします。後述しますが公式サイトの説明がかなり不足しているのでこれらのプレスリリース記事や勧誘ブログの内容も以下の検証で取り上げることになります。

プレスリリース記事

株式や仮想通貨の高度なアルゴリズムが無料作成でき、 シェアが可能な“資産運用プラットフォームサービス”α版リリース (@Press 2018年6月22日)

仮想通貨のやさしい始め方

投稿日:不明

これら勧誘目的と思われるブログの多くには以下の様なURLアドレスのリンクが用意されています。

https://quorea.jp/?referral_code=●●●●●●●●●● (一部伏字)

最後の伏字にした部分はアフィリエイターのIDと思われます。つまりこのリンクを踏んで口座を開設するとブログの開設者にアフィリエイト報酬が支払われる仕組みになっていると考えられます。アフィリエイト報酬目当てのブログであることが明らかなので内容については基本的に肯定的な記述ばかりしか書かれておらず、仮に欠点や問題点があっても取り上げられていない可能性が高いと考えられます。内容をそのまま鵜呑みにするのは危険でしょうが公式サイトが明らかに情報不足なのでこの点に留意して検証の対象とします。

まず例によって連絡先情報ですが、エフィットのサイトにある会社概要は右のキャプの様になっています。

>社 名 株式会社 efit(エフィット)

>所在地 〒150-0041 東京都渋谷区神南1丁目20?7 川原ビル6F

Google map 渋谷駅から徒歩7分

>連絡先 03-4405-3676

070-4495-0802

support@efit.co.jp

>設 立 2017年10月19日

>役 員 代表取締役CEO 宮原勝利

取締役CTO 飛田剛

取締役CCO 伊吹大吾

>事 業 高機能投資ロボット作成ツールの提供

投資助言代理業(取得予定)、情報通信業

>顧 問 法律事務所イオタ 前川晶弁護士

太字で強調した投資助言代理業(取得予定)となっている点については後に触れることにします。住所は東京都渋谷区になっていますが、この住所を検索するとConnecting The Dots (dots.bz/)というコワーキングスペースの住所と一致します。つまりこの業者はコワーキングスペースを本拠としていることになっています。個人情報の取り扱いなどが極めて重要であるはずの投資関係の会社がコワーキングスペースを本拠としていることについては疑念を感じざるを得ません。

所在地情報に関連して法人登録を調べると確かに以下のキャプに示した株式会社efitの法人登録を確認することが出来ます。法人登録が為されたのはこの検証を書いているほぼ1年前の2017年10月25日。法人登録当時の住所は茨城県古川市になっていて現在の東京都渋谷区神南に移転したのは2018年4月11日と半年ほど前のことでしかありません。

そして上で2018年6月22日付のプレスリリース記事を引用しましたがそのプレスリリース記事のタイトルは「株式や仮想通貨の高度なアルゴリズムが無料作成でき、 シェアが可能な“資産運用プラットフォームサービス”α版リリース」となっています。つまり2018年6月の時点ではまだα(アルファ)版という実用以前のバージョンと思われる状態だったはずの自動運用ソフトがわずか3ヵ月後の9月には勧誘ブログの1つによれば既に実用化されたことになっています。

これだけ急速に資産運用ソフトを実用化したという運営者についてはエフィットのサイトに以下の様なプロフィールがあります。

大手証券会社に勤務していた、知能指数の高い人が入会出来るMENSA会員であるなどの経歴が書いてあるので検索してみましたが、この案件以外の前歴については残念ながら裏付けになりそうな情報を殆ど見つけることが出来ません。唯一3人目の伊吹という人物については資産形成ドットコムというサイトを運営するL!NX(リンクス)株式会社の取締役副社長ではないかと思われます(右のキャプ参照)。大和証券出身といった経歴も一致しています。エフィットのサイトに記されている伊吹某の経歴にある「資産コンサルティング会社」というのがこの資産形成ドットコム/L!NX (リンクス)ということになるかと思われます。この資産形成ドットコムというサイトを軽く眺めてみるとまさに資産運用コンサルティング的な業務を行っているようですが、具体的にどのような資産運用を推奨しているのかはよく分かりません。リンクス社の連絡先情報は以下の様になっています。

>L!NX(リンクス)株式会社

>〒101-0032 東京都千代田区岩本町3−3−3

>秋葉原サザンビル(旧ビル名:神田パークビル)10階

>TEL:03-5829-6694 / FAX:03-5829-6695

このリンクス社はこの秋葉原近くの会社で資産形成セミナーというものを開いているようですからこのセミナーでクオレアでの運用を薦められることもあるのかもしれません。

次に公式サイトには記述がありませんが料金体系について触れておきます。公式サイトに記述がないので勧誘ブログの記述に頼るしかありませんが、実はブログの記述が互いに一致していません。以下のキャプは寝ながら投資という勧誘ブログからのキャプです。手数料は2種類から選択可能のようで成功報酬型を選択しても3000円の基本料金があるので仮に利益が得られなくても手数料無料にはなりません。

一方、仮想通貨の投資まとめという勧誘ブログによれば成功報酬型、取引高連動型2種類の手数料体系から選択するという点は同じなのですが、成功報酬型の料金では基本料金なしとなっています。また取引高連動型の料金でも取引高が2000万円を超えると1万円で天井に達すると書いてあります。明らかに記述に矛盾があるのですが後者の仮想通貨の投資まとめは2018年10月22日に投稿されているのに対して寝ながら投資の方には

>2018年11月1日更新:手数料が改定されたので反映しました。

という記述があるのでおそらく成功報酬型を選択しても3000円の基本料金があるので手数料無料にはならない、さらに取引高連動型の手数料を選択すると上限なしの青天井で手数料が増えるという利用者にとっては不利な手数料体系に改訂されたものと思われます。出来高連動型の手数料を選択した場合には利益が出ない取引が繰り返された場合に大きな手数料負けを喰らってしまう可能性があることは改めて指摘するまでもないと思います。これ以外に仮想通貨取引所での取引手数料も必要になるでしょうから手数料は決して安くはない印象です。

運用先となる取引所については仮想通貨の投資まとめに以下の様な記述があります。

>自動売買できる仮想通貨取引所は現状2つとなります

>Liquid (リキッド)

>Zaif(ザイフ)

>QUOREA(クオレア) はAPIが安定している Liquid(リキッド)を推奨してます。

国内の仮想通貨交換業者の内、2社、特にLiquid (リキッド www.liquid.com/ja/)での取引を推奨しているようです。Coin Market Capというサイトでこのリキッドという交換業者の出来高を調べるとこの検証を書いている2018年11月の時点で以下の様な出来高になっています。過去30日間の出来高が約30億ドル。1日当たり約1億ドル=110億円ほどです。

一連の検証で何度も書いていますが、この手の仮想通貨の短期売買で利益を出すという案件の問題点は為替市場や株式市場などと比較すれば決して取引規模が大きいとは言えない仮想通貨市場で多くの投資家から資金を集めて大金を動かしたら自らの買い注文、売り注文で相場を動かしてしまい、安く買って高く売ることが困難になるという点にあると思います。資金が集まれば集まるほど利益を出すのが困難になり、やがてはどんな優秀な自動売買プログラムであっても利益が出なくなり、手数料や自動売買プログラムの使用料金を差し引いたらマイナスということになっていくはずなのです。既に書いたようにリキッドという仮想通貨交換業者での1日当たりの取引高平均は110億円ほどしかないのですから例えば1億円程度の買い注文、売り注文を出しても相場が動いてしまう可能性はかなり高いでしょう。

しかもこれも何度も指摘していますが、仮想通貨市場のスプレッドを含めた売買手数料は決して安くありませんし、決済完了までには時間が掛かるはずです。短期売買をやるには特に大金を使って短期売買をやるのに仮想通貨市場が有利な点はおよそ思いつきません。そしてクオレアの自動売買に頼るならばさらに自動売買の使用料金が課せられます。

クオレアの公式サイトには右に示したような図があり、5年間運用すれば資金が70%以上の確率で5倍以上に増えるとなっていますが、どの様な実績や計算があってこの様な数字が出せるのか分かりませんし、運用する資金量が増えれば増えるほど運用利回りが低下するのは不可避なはずという点について解決の余地があるとは思えません。少なくともこの疑問について回答は示されていません。そもそも社歴の浅いクオレアの自動売買プログラムには5年の実績などないはずです。どうしてこの様な高利回りが70%以上の確率で可能であると自信満々に示すことが出来るのか理解は難しいです。

またクオレアは自社開発の自動売買プログラムだけでなく、第三者が開発した自動売買プログラムも顧客に提供し、開発者には利用料金の一部を支払うということも行っているようです。しかし第三者が本当に利益を出せる自動売買システムを開発したとして、それをクオレアに提供するかどうかは極めて疑問です。少なくとも私が開発者ならば自分だけでプログラムを独占して自分の利益を増やすことにだけ使用するでしょう。クオレアに提供して不特定多数の投資家が同じプログラムを使うようになったら同じ理由でパフォーマンスが低下し、いずれは役立たずになるのが目に見えているからです。

そして上でも引用した寝ながら投資というブログには「2018年11月のクオレアの仮想通貨自動売買ロボの運用成績」というタイトルの続編記事があって実際の運用実績と称するものが公開されています。その記事にある2018年11月時点での運用結果は以下の様になっています。

要するに現時点では5年間で5倍以上になりそうな結果は出ていないようです。

それから株式やFXの自動売買プログラムを販売したり、レンタルするには金融商品取引業者の投資助言代理業の登録を得ることが必須になっています。しかし仮想通貨は現時点では金融商品取引法の規制対象とはされておらず、仮想通貨の自動売買プログラムを販売したりレンタルする業務には金融庁からのライセンスは必要とされていないものと思われます。クオレアは将来的に株式や外貨の自動売買にも進出する予定であるとしていて、先に引用したエフィットのサイトにある会社概要には投資助言代理業(取得予定)という記述もあることを指摘しておきましたが、逆に言えば現時点ではクオレアは金融庁などの審査や監督を全く受けていないことになります。個人的にはクオレアの個人情報管理やハッキングなどの攻撃に対する対策などがどれほどきちんとしたものなのか全く監督されていない状況で投資資金の運用を任せることに不安を感じざるを得ません。特にこのシステムでは仮想通貨交換業者に開設した口座へのアクセス権をクオレアに与えることになります。最悪の場合、ハッキングなどにより口座から資産を盗まれてしまう可能性だってあるかもしれません。

クオレアには情報開示の不充分、不適切などかなり問題があると考えざるを得ませんし、クオレアが主張するような投資利回りが実際に可能かどうかも非常に疑問です。この業者の利用は極めて慎重に判断するべきと考えます。