検証85
本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘が行われている実態や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」、「検証77」、「検証78」、「検証79」、「検証80」、「検証81」、「検証82」、「検証83」、「検証84」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証23ページ目です。「検証86」、「検証87」、「検証88」、「検証89」、「検証90」、「検証91」、「検証92」、「検証93」、「検証94」、「検証95」、「検証96」、「検証97」、「検証98」、「検証99」、「検証100」、「検証101」、「検証102」、「検証103」、「検証104」、「検証105」、「検証106」、「検証107」、「検証108」、「検証109」、「検証110」、「検証111」、「検証112」、「検証113」、「検証114」、「検証115」、「検証116」、「検証117」、「検証118」、「検証119」、「検証120」、「検証121」、「検証122」、「検証123」、「検証124」、「検証125」、「検証126」、「検証127」、「検証128」、「検証129」、「検証130」、「検証131」、「検証132」、「検証133」、「検証134」、「検証135」、「検証136」、「検証137」、「検証138」、「検証139」、「検証140」、「検証141」、「検証142」、「検証143」、「検証144」、「検証145」、「検証146」、「検証147」、「検証148」、「検証149」、「検証150」、「検証153」、「検証155」、「検証156」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。
●CISIBTC (http://gbpunet.com/Index/index/LANG/en-jp.html)
●reijinz (https://www.reijinz.com/)
●WDBTC (https://www.wdbtc.com/home)
●IMBTCS (https://imbtcs.com/home)
●HOTBIS (https://hotbis.net/home)
●BitMex (ビットメックス https://www.bitmexch.com/#/index)
●BitMex (ビットメックス https://www.bitsmexcln.com/#/index)
●BitMex (ビットメックス https://www.bitmexchain.cn/#/index)
●UKFUSION (UKフュージョン https://www.ukftrading.com/#/index)
●BitMart (ビットマート https://www.bitmexch.net/#/index)
●BitMart (ビットマート https://www.bitmartch.com/#/index)
まず以下の2つのサイトをまとめて検証します。
●CISIBTC (http://gbpunet.com/Index/index/LANG/en-jp.html)
●reijinz (https://www.reijinz.com/)
これら2つのサイトはいずれもYahoo知恵袋の質問に登場したサイトです。互いに非常に似ているので比較しながら検証することにします。まずCISIBTCを知ることになった2020年11月9日付の知恵袋への投稿を引用します。
「台湾?の人から紹介された」とあるだけで状況はよく分かりませんが「検証63」でまとめたような詐欺勧誘の手口にまとめたような状況であった可能性は十分に考えられます。
さらにこの投稿からわずか5日後に出てきたのが以下のreijinzに関する質問投稿です。
こちらはマッチングサイトのTinderで知り合い、中国系のメッセージアプリであるwe chatで連絡を取り合っていた、中国に住んでいると自己紹介していたとあるのでまさに「検証63」でまとめたような中国人による勧誘であったと考えて間違いないものと思われます。
ともかくこれらの質問投稿にあったURLアドレスからそれぞれのサイトにアクセスしてみました。以下に冒頭部のキャプを示します。まずCISIBTCのサイト冒頭部のキャプです。
表示言語の選択肢はプルダウンメニューに選択肢が見えていますが英語、日本語、中国語です。ちなみにこのCISIBTCのサイトで英語表示した場合の冒頭部のキャプも比較の為に以下に示します。
次にreijinzのサイト冒頭のキャプです。
こちらは日本語表示には対応しておらず、英語あるいは中国語での表示しか選択出来ません。表示言語の切り替えメニューはメニューバーではなく、サイト右下の国旗アイコンをクリックすることで変更する形式になっています。上は英語表示を選択した状態でのキャプですがかなり中国語表示が残ります。そして上に示したCISIBTCのサイト、特に英語表示を選択した場合のキャプと比較して非常に似ていることが分かります。「Faster Trading, Safer Assets」という標語などそのままですし、メニューバーの項目名なども重なる部分が多いです。
さらにこれら2つのサイトには共通してサイトの特長をイラスト付きで4項目にまとめて説明している部分があります。その部分のキャプを以下にCISIBTC、reijinzの順で示します。
2つのサイトでこの部分は全く区別出来ません。2つのサイトが同じテンプレートを使い回して作られていることは間違いありません。
次に連絡先情報を探しましたがこれらのサイトは両方とも殆ど開示がありません。まず以下の2つのキャプはCISIBTCのサイトの脚注部分を順に英語、日本語表示を選択した場合のキャプです。
英語表示を選択した場合には「ABOUT US」「HELP CENTER」などの項目が選択され、一番右側に「CONTACT US」という項目が出てくるのですが日本語表示を選択するとこれらの選択項目が一切出てきません。また英語表示を選んだ状態で「CONTACT US」をクリックしてみましたが出てきた情報は右のキャプに示したLINEのID (CISIBTC)だけで住所、電話番号はいうに及ばずメールアドレスさえありません。これは話になりません。
一方のreijinzについても脚注部分のキャプを下に示します。CISIBTCのサイトで英語表示を選んだ場合とよく似ており、右端に「CONTACT US」という項目があります。
当然この「CONTACT US」の項目をクリックしてみましたが表示されたのは右に示したメールアドレスが1つだけです。しかもこの「@yeah.net」というドメイン名のメールアドレスは網易という中国のネット企業が提供するフリーメールのアドレスのようです。とてもではありませんが信用出来る仮想通貨取引所の連絡先とは思えません。
次に2つの取引所で取引されている仮想通貨について触れておきます。左下がCISIBTC、右下がreijinzで取引されている仮想通貨のリストとUSDT建ての相場です。
CISIBTCでは7種類、reijinzでは6種類の仮想通貨が取引されていることになっていますが、CISIBTCで取引されているビットコイン (BTC)とイーサリアム (ETH)以外の11種類の仮想通貨はいずれも全く聞き慣れない仮想通貨であり、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで情報を探しても全く情報が出てきません。特にビットコインさえ取引されていないのに情報が見つからない謎の仮想通貨6種類だけが取引されているreijinzという仮想通貨取引所は異様です。謎の仮想通貨は取引所独自の仮想通貨の可能性が高いように思われますがそれぞれの取引所のサイトに特にこれらの仮想通貨に関する情報は見当たりません。
そこでそれぞれのサイトでチャートを確認してみましたがCISIBTCで取引されている5つの仮想通貨についてはいずれも最近上場されたばかりなのか、それとも最近の取引結果しか表示しない設定になっているのか短い期間のチャートしか出てきません。例えば以下は取引されている仮想通貨リストの筆頭に挙がっているGBPUという仮想通貨のUSDT建て日足チャートですが1カ月にも満たない期間のチャートしか表示されません。
このチャートを読みとると1日当たりの出来高は35万枚前後でほぼ一定しているようです。1枚の相場が現時点で3500ドルほどですから金額で考えると直近の取引金額が12億ドル以上 (1ドル=100円で計算して1200億円以上) という巨額のお金がこのGBPUという仮想通貨の取引だけで動いている計算になります。
さらに以下はGBPIという仮想通貨のUSDT建て日足チャートですが3日分ほどのチャートしか表示されません。
わずか3日ほどのデーターでしかありませんが1日の出来高は100万枚を少し超えるほどもあり、このキャプを取得した現在の相場が1376ドルですから1日の取引金額は14億ドル(1ドル=100円で計算して1400億円) 程という巨額になります。
一方のreijinzで取引されている6つの謎の仮想通貨についてもチャートを確認しました。例えば以下のキャプはTOEという仮想通貨のUSDT建て日足チャートです。
reijinzで取引されている6つの謎の仮想通貨についてはいずれも長期間のチャートが表示されるのですが何故か出来高情報が全く表示されません。出来高情報のないチャートには非常に違和感があります。出来高を表示することに何か不都合かあるのかと疑いたくなります。そして上のチャートに示したTOEという仮想通貨については2020年8月半ばに3.5ドル程度で取引されていたことになっていますがキャプを取得した2020年11月21日現在では140ドルにまで右肩上がりで上昇しています。3ヶ月あまりで約40倍にまで上昇したことになります。
しかしこれらのチャートが現実の取引を反映したものであるかどうかはかなり疑問です。CISIBTCへのアクセスをアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみるとアクセスが検出限界以下であるという結果になります (以下のキャプ参照)。
アクセスが非常に少ないのにGBPUとかGBPIといった聞いたこともない仮想通貨の取引でいずれも1000億円を軽く超えるようなお金が動いているなど信頼する気になりません。チャートは現実の取引を反映しているとは到底思えません。
さらにCISIBTCのサイトについてはアクセス状況を解析出来るサイトで興味深い情報が出てきました。まず同じIPアドレス (103.97.3.143)上に他に2つのサイトが存在しているという情報が出てきました (以下のキャプ参照)。
これら2つのサイトはいずれも既に閉鎖されているようですが、特に興味深いのは2つ目の「cisibtc.com」というサイトです。本項で検証しているCISIBTCのサイトのURLのドメイン名(gbpunet.com)はサイトの名称と全く一致していないのですがまさにCISICという名称とドメイン名が一致する「cisibtc.com」が同一のIPアドレス上に存在していたとなれば偶然とは思えません。そこでこの「cisibtc.com」というドメイン名をそのままGoogle検索してみると確かにそのサイトが最近まで存在していた痕跡が見つかります。以下のキャプは「cisibtc.com」をそのままGoogle検索してみた結果の一部ですがやはりこのURLアドレスでcisibtc (全球数字资产交易 )という仮想通貨取引所のサイトが存在していたこと、ビットコインやイーサリアムが取引されていたこと、日本語表示にも対応していたことが分かります。
但しこの検索で出てきたサイト (https://www.cisibtc.com/) にアクセスしようとしても以下のような表示が出る、つまりは閉鎖されていることが分かります。
但しGoogleの結果にまだ以前のサイトが出てくるということはこの別のCISIBTCのサイトが閉鎖されたのはそれほど前のことではないことを意味すると思われます。現在のCISIBTCはURLだけ変えた新しいサイトの可能性が高いです。何故URLの変更が行われたのかとなれば推測になりますが、以前のサイトでの詐欺被害が報告されて警告が出たなどの理由しか思い当たりません。
結論としてCISIBTCについてもreijinzについても最初に引用したYahoo知恵袋への投稿によればマッチングサイトで中国系の外国人によって勧誘が行われているという時点で非常に怪しいサイトと考えられましたが、サイトを調べてみてもさらに怪しげな点が見つかってきてさらに信用出来ないサイトという印象を持つに至りました。これらのサイトには勧誘を受けても決して投資しないことを強く推奨します。
●WDBTC (https://www.wdbtc.com/home)
●IMBTCS (https://imbtcs.com/home)
●HOTBIS (https://hotbis.net/home)
いずれもYahoo知恵袋の質問投稿に出てきたサイトです。WDBTCのサイトはこの検証を書いている2020年11月下旬の時点で既に閉鎖されており、キャプ画像を一部しかとっておかなかった為に不十分な検証になってしまいました。まずWDBTCに関するYahoo知恵袋への投稿を引用します。
いずれも勧誘された状況の詳細はよく分かりませんが「検証63」の冒頭にまとめたような中国の詐欺グループによる勧誘の手口と矛盾はないように思われます。9月25日付の投稿の投稿者は入金してしまい、出金出来なくなったようです。2番目の9月29日付の投稿については回答者から出金出来ないという回答が得られています。
表題の2つ目のサイト、IMBTCSについても2件の質問投稿が確認されています。まずそれらの投稿を引用します。
質問は質問の背景の説明もなく「IMBTCSは安全ですか?}というだけですが回答の幾つかはネットで知り合った台湾美女などに勧誘されてIMBTCSに入金したら順調に利益が出ているように見えたが出金出来ないといった内容になっています。「検証63」の冒頭に書いた一連の中国の詐欺グループによると思われる詐欺の勧誘パターンに合致するものと思われます。
IMBTCSに関する2件目の投稿も以下に示します。
こちらは「検証78」で検証したBitUp A (www.govbit.com/#/home) や「検証83」で取り上げたBIT Markets (ビットマーケッツ tatbit.com/) と一緒にIMBTCSを投資先として紹介されたという内容になっています。この投稿でIMBTCSのURLアドレスが判明しました。
最後に表題の3番目のサイト、HOTBISに関する投稿も紹介します。このサイトについては2件の投稿が確認されています。
このHOTBISというサイトに関する投稿は2件とも詳しい状況が分かりません。しかし少なくとも1件目の投稿では外国人に勧誘されたということだけは分かります。
とにかくこの2つのサイトの冒頭部のキャプを表題と同じWDBTC→IMBTCS→HOTBISという順で以下に示します。
説明するまでもなくこれら3つのサイトは互いに酷似しています。表示言語の選択肢は3つのサイトに共通して英語、中国語、香港語、日本語、ヒンディー語、韓国語の6つです。この冒頭部に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。以下は順にIMBTCSとHOTBISのサイトからのキャプです。
このマルチプラットフォーム対応を説明する部分でも互いに酷似していることは言うまでもありません。
さらにこの次がサイトの特長をイラスト付きで4項目にまとめている部分です。これも順にIMBTCSとHOTBISのサイトからのキャプを示します。
この部分でも2つのサイトは全く区別出来ません。同じキャプ画像を2つ載せたかのようです。
WDBTCのサイトにもこれらの部分と全く区別出来ない部分が存在していたのですがキャプ画像を取得する前にサイトが削除されてしまったのでキャプはありません。しかしマルチプラットフォーム対応を説明する部分については画像検索に掛けるとWDBTCのサイトに同じ画像が存在していたことが確認できます (以下のキャプ参照)。添えられている文章の部分も全く同じです。
さらにトップページ以外の部分でもWDBTCとIMBTCSのサイトには明らかな類似点が確認されています。以下順にWDBTC、IMBTCS、HOTBISの会社概要のページのキャプです。
3つの会社概要の文章を比較すれば各文節の先頭にある社名の部分がWDBTC、IMBTCS、HOTBISと入れ替わっているだけでそれ以外の文章は全く同じです。3つのサイトが同じテンプレートから作られていることに疑いはありません。会社概要とあるのに
>米国、日本、韓国、タイを含む12の国と地域に子会社またはパートナーシップを持ち
とあるだけで本社が何処にあるのか全く記述がありません。さらに子会社の所在地とかパートナーシップの相手などに関する情報も皆無です。「2015年に設立」されて「1086人を超える従業員を擁しています」とありますから相当に大規模な企業のはずですが仮想通貨データーベースのCoinMarketCapにある取引所のリストの中にWDBTC、IMBTCS、HOTBISといった取引所は該当がありません。何よりWDBTCはサイトが閉鎖されてしまっているのですから話になりません。
連絡先情報で見つかるのはWDBTCはサイトが閉鎖されてしまったために確認出来ませんがIMBTCSとHOTBISについてはいずれも以下のキャプに示した脚注の左下にメールアドレスが1つあるだけです。
IMBTCS:imbtcs@163.com
HOTBIS:hotbis@163.com
これらの「@163.com」というドメイン名のメールアドレスは中国の網易という会社が提供するフリーメールのアドレスです。まともな仮想通貨取引所の連絡先とは到底思えません。
そしてアクセス状況を解析出来るサイトでIMBTCSへのアクセス状況とHOTBISへのアクセス状況を調べてみた結果を以下のキャプに示します。
HOTBISへの訪問者数は検出限界以下という結果になるのですが、IMBTCSについては1日の独立訪問者数が1万人に近いほどあります。そして国別のアクセスを見ると何と100%が日本からのアクセスになっています (以下のキャプ参照)。
IMBTCSは最初に引用したYahoo知恵袋の投稿にあったように出金出来ないという事例が既に発生していると考えられ、1日に日本から1万人ほどもの独立訪問者数があるとなれば多くの被害者を生みかねません。非常に危険なサイトと考えざるを得ません。勧誘されてもこれらのサイト、あるいはこれからも出てくる可能性が高いこれらのサイトに酷似したサイトには絶対に入金しないことを強く推奨します。
●BitMex (ビットメックス https://www.bitmexch.com/#/index)
●BitMex (ビットメックス https://www.bitsmexcln.com/#/index)
●BitMex (ビットメックス https://www.bitmexchain.cn/#/index)
同じビットメックスという名称の3つのサイトです。いずれもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで仮想通貨データーベースのCoinMarketCapにも登録があるBitMEX (ビットメックス https://www.bitmex.com/) という仮想通貨取引所の名称やロゴを盗用した偽サイトと思われます。1番目と3番目のサイトについてはこの検証を書いている2021年12月初旬の時点で既にサイトが閉鎖されており、特に3番目のサイトについてはキャプを取得する前にサイトが閉鎖されてしまったので残念ながら殆ど情報が残っていません。故にここでは最初の2つのサイトを主な検証対象にすることになります。まずこれらのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
▼2021年11月18日投稿 [BitMex (ビットメックス https://www.bitmexch.com/#/index) に関する投稿]
残念ながら詐欺サイトですかというだけの質問で質問の背景が分かりません。
▼2021年12月1日投稿 [BitMex (ビットメックス https://www.bitsmexcln.com/#/index) に関する投稿]
こちらも詳しい状況が分かりませんが勧誘を受けて既に入金してしまったようです。入金手段は日本国内の銀行、三井住友の口座への入金を指示されたようです。国内にお金を回収する役目を担うグループがいるものと思われます。そして同じビットメックスという名称のサイトでもよく見ればURLが微妙に異なるサイトであることが分かります。
表題の3番目のビットメックスのサイトについてはYahoo知恵袋に2つの質問投稿が出ています。
▼2021年10月10日投稿 [BitMex (ビットメックス https://www.bitmexchain.cn/#/index) に関する投稿]
SNSで知り合った自称・シンガポール人から勧誘されているようです。
▼2021年10月15日投稿 [BitMex (ビットメックス https://www.bitmexchain.cn/#/index) に関する投稿]
こちらはブルネイ出身を自称している人物から勧誘されて既に入金してしまったようです。
本項の最初で説明したように残念ながら3番目のビットメックスのサイトについてはキャプ画像を取得する前にサイトが閉鎖されてしまったので以下には最初の2つのBitMexのサイトの冒頭部のキャプを順に示します。
▼BitMex (ビットメックス https://www.bitmexch.com/#/index)
表示言語の選択肢は英語、香港語、韓国語、インドネシア語、日本語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語の9つになっています。
▼BitMex (ビットメックス https://www.bitsmexcln.com/#/index)
2つのビットメックスのサイトが互いに酷似しているのは明らかです。上のビットメックスと殆ど見分けがつきませんがこちらは表示言語の選択肢が英語、香港語、韓国語、インドネシア語、日本語、ドイツ語、フランス語、ロシア語の8つになっていてなぜか分かりませんが上のビットメックスのサイトの表示言語の選択肢の最後にあったポルトガル語の選択肢がプルダウンメニューから消えています。
この2つのビットメックスのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。例えば以下は2つのビットメックスのサイトから取得したサイトの特長を4項目にまとめて簡単なイラスト付きで説明している部分のキャプ画像ですが互いに見分けがつきません。
さらに以下は2つのサイトのマルチプラットフォーム対応を説明し、アプリダウンロードの為のQRコードが用意されている部分の比較です。この部分でも2つのビットメックスのサイトは全く同じに見えます。
そして上のキャプには非常に気になる部分があります。すなわちキャプの右下に以下のような記述があります。
>Official Designed Address
>www.bitmexchain.cn
>www.bitmexchain.net
2つのURLアドレスが並んでいますがこの2つのURLアドレスの内、1つ目のURL (www.bitmexchain.cn) がYahoo知恵袋に質問が2件出ていた表題3つ目のビットメックスのサイトのURLアドレスに一致するのです。もう1つのURLアドレス (www.bitmexchain.net) についてもURLアドレスの中に「bitmex」という部分が含まれており、やはりビットメックスを名乗る同様の詐欺サイトではないかと思われ、アクセスを試みましたがこちらも既に閉鎖されているようです。
表題3番目のビットメックスのサイト (https://www.bitmexchain.cn/#/index) がどんなサイトだったのか残念ながらキャプを取得する前にサイトが閉鎖されてしまったので確認出来ないのですが、表題1番目、2番目のビットメックスのサイトに表題3番目のビットメックスのサイトのURLアドレスが記されているということは少なくとも表題に掲げた3つのビットメックスのサイトは同じグループによるサイトであることはまず間違いないと思われます。そして3番目のビットメックスのサイトも1番目、2番目のビットメックスのサイトとよく似たサイトであった可能性が高いように思われます。
次に現キャプ画像が確保してある最初のビットメックスと2つ目の今でもサイトが存続しているビットメックスのサイトに限ってですが連絡先情報を探してみたものの全く見当たりません。2つのサイトの左下には以下に示すようにサイトのロゴとFacebookやTwitterなどSNSのアイコンが並んでいます。左下が表題1つ目のビットメックス (https://www.bitmexch.com/#/index) からのキャプ、右下が2番目のビットメックス (https://www.bitsmexcln.com/#/index) からのキャプでこの部分でも2つのビットメックスのサイトは互いに区別出来ません。
ちなみにここに見えるビットメックスのロゴは左に示した本物のビットメックスのサイト (https://www.bitmex.com/) にあるロゴとそっくりです。到底偶然にロゴが似たとは思えません。サイト名やロゴを盗用しているとしか思われません。
そしてFacebook、Twitterなどのアイコンが並んでいて公式アカウントへのリンクになっているように見えますが、これらのアイコンは実際にはリンクになっておらず、クリックしてもどこにも繋がりません。よく見るとTwitterのアイコンの小鳥など太りすぎているように見えます。これらのアイコンはリンクがあるように見せかけているだけで何の意味もない画像に過ぎないのです。SNSの公式アカウントがあるならそこで連絡先情報なども公開されているだろうという予測は最初の段階で消えることになりました。そこでさらに連絡先情報を求めて例によって各サイトのWho Is 情報を確認しましたがこれら2つのビットメックスのサイトのWho Is 情報では登録者に関する情報は何も公開されていません。
左上が1つ目のビットメックス (https://www.bitmexch.com/#/index) のWho Is 情報、
右上が2番目のビットメックス (https://www.bitsmexcln.com/#/index) のWho Is 情報です。
サイトの登録・開設日は1つ目のビットメックスが2021年10月26日、2つ目のビットメックスが2021年11月15日でいずれも非常に新しいサイトです。1つ目のサイトは開設からせいぜい2ヶ月ほどで既に閉鎖されてしまったことになります。非常に短い期間で使い捨てにされていることが分かります。
そしてこれらのWho Is 情報には登録者に関する情報がないのですが、表題の3番目のビットメックスのサイト (https://www.bitmexchain.cn/#/index) については以下に示したWho Is 情報にそれらしき情報があります。
サイトの開設日 (Registration Time) は2021年9月22日になっています。そして登録者に関しては以下のようになっています。
登録者名: 赖冬梅
登録者メールアドレス: yuming@pwdns.com
ドメイン登録業者: 广州云讯信息科技有限公司
つまり赖冬梅という人物が广州云讯信息科技有限公司という業者でドメインを登録したとなっています。運営元は中国のグループである可能性が濃厚でしょう。
改めて結論するまでもないと思いますが、明らかに同じテンプレート由来の非常によく似たサイトが幾つも立ち上げられて短期間で使い捨てにされているのが明らかです。しかもサイト名やロゴは既存の仮想通貨取引所のものを盗用しているようです。既に被害が発生していると思われ、非常に危険なサイトとしか思われません。これらのサイト、あるいは今後も同じテンプレートから似たサイトが幾つも立ち上げられてくる可能性が非常に高いですがそれらのサイトでの投資を持ち掛けられても決して応じるべきではありません。
※付記
時期は不明ですがビットメックスのサイトは全てが閉鎖されたようです。そして同じグループによって同じテンプレートから立ち上げられたと思われる後継サイトが見つかってきました。次項で検証しているので参照してください。
●UKFUSION (UKフュージョン https://www.ukftrading.com/#/index)
●BitMart (ビットマート https://www.bitmexch.net/#/index)
●BitMart (ビットマート https://www.bitmartch.com/#/index)
最初のUKフュージョンはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、2つのビットマートのサイトは画像検索で見つけてきたサイトです。結論から言えばこれら3つのサイトは上で検証した3つのBitMex (ビットメックス) のサイトと同じテンプレート由来のサイトと思われます。まず最初のUKフュージョンに関してYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
「先日知り合った外国人」に勧誘されたとありますが、どういった形で知り合ったのかは不明です。ともかくこの質問に記されていたURLアドレスのサイトに行ってみました。以下がサイト冒頭のキャプです。
表示言語の選択肢は英語、香港語、韓国語、インドネシア語、日本語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語の9つです。
この冒頭部は上で検証した3つのビットメックスのサイトと全く似ていません。ビットメックスと似ているのはこの冒頭部以降の部分です。一方でUKフュージョンからの画像検索で見つかってきた表題2番目、3番目の2つのビットマートのサイトは冒頭部からビットメックスのサイトと似ています。以下にその2つのビットマートのサイトの冒頭部を表題と同じ順で示します。
▼ビットマート (https://www.bitmexch.net/#/index)
▼ビットマート (https://www.bitmartch.com/#/index)
これら2つのビットマートのサイトでもUKフュージョンの場合と同じで表示言語の選択肢は英語、香港語、韓国語、インドネシア語、日本語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語の9つです。
そしてこれら2つのサイトの名称 (Bitmart) と上のキャプの左上に見えるロゴは同名の仮想通貨取引所、BitMart (https://www.bitmart.com/jp) の名称やロゴを盗用したものではないかと思われます。このBitmartという取引所は日本語に対応しているにも関わらず日本の暗号資産交換業者の登録を得ていませんが、仮想通貨データーベースのCoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/ja/) に登録情報があり、取引所の出来高ランキングでもそこそこの地位にある取引所のようです。そして下に示したのがBitmartの公式サイト (https://www.bitmart.com/jp) から取得したロゴのキャプですが本項で検証しているサイトのロゴと明らかに似ています。
そしてこれら2つのビットマートのサイトの冒頭部は明らかに上で検証したビットメックスのサイトに似ています。比較の為にビットメックス (https://www.bitmexch.com/#/index) のサイト冒頭部のキャプを再掲します。ビットメックスの表示言語の選択肢も同じ9ヵ国語です。
そしてこの冒頭部以降ではUKフュージョンを含めた本項の検証対象である3つのサイト、上で検証したビットメックスのサイトが明らかに似ています。まずマルチプラットフォーム対応を説明し、アプリがダウンロードできるようになっているように見える部分のキャプを以下で比較します。以下に表題と同じ順、すなわちUKフュージョン → ビットマート (https://www.bitmexch.net/#/index) → ビットマート (https://www.bitmartch.com/#/index) という順でキャプを示します。
冒頭部では全く似ていなかったUKフュージョンも含めて本項の検証対象である3つのサイトはこの部分で全く同じに見えます。上で検証したビットメックス (https://www.bitmexch.com/#/index) のサイトの相当部分も以下に再掲したキャプで確認できるように非常によく似ています。但しビットメックスのサイトに存在していたアプリダウンロード用のQRコードが本項で検証している3つのサイトにはありません。またアップルのリンゴマークなどOS別に3つのアイコンがあってアプリがダウンロードできるようになっているように見えますがいずれも単なる画像データーでリンクになっていません。
さらにサイトの特長を項目にまとめて説明している部分についても表題と同じ順、すなわちUKフュージョン → ビットマート (https://www.bitmexch.net/#/index) → ビットマート (https://www.bitmartch.com/#/index) という順でキャプを示します。
この部分でも3つのサイトは全く同じに見えますし、以下に再掲したビットメックス (https://www.bitmexch.com/#/index) のサイトの相当部分と比べても全く違いが見つかりません。
次に連絡先情報を探しましたが上で検証したビットメックスの場合と同じでメールアドレスさえ開示されていません。以下は3つのサイトの脚注の一部のキャプでFacebook、TwitterなどSNSのアイコンが並んでいて公式アカウントへのリンクになっているように見えますが実際にはリンクになっていません。公式アカウントが存在するように見せかけているだけです。
さらに例によって各サイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日のみ以下にまとめておきます。
サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日
UKフュージョン (https://www.ukftrading.com/#/index) 2022年2月13日
ビットマート (https://www.bitmexch.net/#/index) 2021年10月26日
ビットマート (https://www.bitmartch.com/#/index) 2021年10月26日
2つのビットマートのサイトは同日に登録・開設されています。また2つのビットマートのサイトはIPアドレスも共有しているようです。以下はビットマート (https://www.bitmexch.net/#/index) のサイトを基準にして同一IPアドレス (152.32.204.38) 上のサイトを探した結果です。
改めて結論するまでもないと思いますがこれらのサイトは上で検証し、既に全てが閉鎖されている3つのBitMex (ビットメックス) のサイトと同じ詐欺グループによって同じテンプレートを基にして開設されたサイトとしか思われません。明らかに非常に危険なサイトと結論せざるを得ません。これらのサイトでの投資を勧誘されても絶対に応じるべきではありません。