本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
本ページでは以下を検証します。尚、本ページで検証しているサイトは「検証13」以降で検証してきた多数の詐欺サイトに関与していると思われる中国系のグループによるサイトではなく、「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」、同じく姉妹サイトの「検証152」で検証した仮想通貨のサイトなどを運営している別個の海外の詐欺グループによるサイトである可能性が高いです。さらに「検証84」、「検証87」でも同じグループによると思われるサイトについて検証しています。
●ModMount (https://www.modmountltd.net/ja) → 閉鎖確認
●Maunto (https://www.maunto.com/ja)
●BullMarkets (ブルマーケッツ https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
●NIPPON CAPITAL FX (ニッポンキャピタルFX https://www.nipponcapitalfx.com/) → 閉鎖確認
●OYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/) → 閉鎖確認
●Above Investing (Aboveインベスティング https://aboveinvesting.pro/ja/) → 閉鎖確認
●ZEN MARKETS (ZENマーケッツ https://zenmarkets.co/ja) → 閉鎖確認
●CapPlace (キャッププレイス https://www.capplace.com/ja) → 閉鎖確認
●KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php) → 閉鎖確認
●AROW INVEST (アローインベスト https://arowinvest.pro/ja) → 閉鎖確認
●FirstECN (ファーストECN https://www.firstecn.com/ja/) → 閉鎖確認
まず以下の2つのサイトをまとめて検証します。
●ModMount (https://www.modmountltd.net/ja) → 閉鎖確認
●Maunto (https://www.maunto.com/ja)
いずれもYahoo知恵袋に複数の質問が出てきたサイトです。互いに明らかに似ているのでまとめて検証します。尚、ModMountのサイトのURLアドレスは時期は不明ですが、変更されているようです。
旧サイト:https://www.modmountltd.com/
新サイト:https://www.modmountltd.net/ja
この検証を書いている時点で旧サイトにアクセスすると新サイトにリダイレクトされる設定になっています。この件についてはまた後述します。
まずこれらのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
▼2023年6月15日投稿 (ModMountに関する質問投稿)
状況が全く分かりませんが、既に250ドルを投資した時点でこの質問を投稿しているようです。
▼2023年6月16日投稿 (ModMountに関する質問投稿)
Instagramで見たおそらく楽天の三木谷浩史氏の名前や画像を盗用した広告で登録したところ拙い日本語を話す外国人から電話があってModMountでの口座開設と3万5000円の投資を勧められたという状況のようです。「検証4」や姉妹サイトの「検証151」で説明しているように同じグループによると思われる同様の投資勧誘で三木谷氏の名前や画像はしばしば盗用されていることが確認されています。
▼2023年7月10日投稿 (ModMountに関する質問投稿)
状況がよく分かりませんが、2023年の6月にModMountに登録して250ドルを入金したところ、海外から電話が掛かってきて口座が凍結されているが現在は残高が700万円くらいになっていてお金をビットコイン建てで返すから日本の仮想通貨交換業者であるビットフライヤーで240万円の資産照明をしろという意味不明の説明をされているようです。まず間違いなく個人情報を登録して250ドル入金してしまった被害者からさらにお金を引き出そうとしているのだと思われます。最初に出てくる「bitsoft ai」がこの説明の中でどう関わってくるのかよく分からないのですが、上で既に説明したようにこのページで検証対象としているサイトは「検証4」で検証しているエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」で検証した仮想通貨のサイトを運営しているのと同じ海外の詐欺グループによるサイトと考えられ、「bitsoft ai」を検索して出てきたBitsoft360というサイト (https://bitsoft.ai/ja/) は姉妹サイトの「検証151」で検証している一連の仮想通貨投資のサイトに似ているように思われます。このBitsoft360 (https://bitsoft.ai/ja/) についてはここでは詳しく説明しませんが、以下にサイト冒頭の画像だけ示しておきます。
▼Bitsoft360 (https://bitsoft.ai/ja/)
▼2023年9月5日投稿 (ModMountに関する質問投稿)
この質問でもネットに出てきた楽天の三木谷浩史氏の名前や画像を盗用したと思われる投資広告を見て個人情報を書きこんでしまったことから「拙い日本語を話す外国人」からの電話があってModMountでの投資を勧められ、3万5000円を送金してしまったようです。入金は外国人の個人名義の銀行口座を指定されて入金するというパターンだったようです。さらに投資を開始するのに必要であるとして身分証明書の提出を執拗に求められ、返金を求めても同様に身分証明書の提出が必要ということで返金を拒否されているようです。
▼2024年5月21日投稿 (ModMountに関する質問投稿)
半年ほど前にFacebookでプロテニス選手の大坂なおみ氏のインタビュー形式の広告を見て自動取引でお金が増えるという投資があるということでModMountに口座を開設し、250ドルをクレジットカード払いで投資したようです。大坂なおみ氏もこのグループによると思われる詐欺の勧誘で名前や画像を盗用したニセ記事広告が確認されている有名人の1人であることが確認されています。大坂なおみ氏のニセ記事広告の実例が姉妹サイトの「検証151」にありますから参照してください。
そしてこの投資を放置していたところ、突然自称・SIPCという組織に所属する外国人から電話が掛かってきて理解するのも困難な日本語で投資した250ドルが現在は800万円ほどに増えていて直ぐに出金することを勧められたようです。この電話の人物が所属していると自称しているSIPCというのはSecurities Investor Protection Corporation (日本語訳すれば証券投資者保護公社) のことと思われますが、このSIPCについて調べてみると金融機関が経営破綻した際に投資家の資産を回収して返還するのが役目とされているようです。例えば日本でも有名になったアメリカの大手投資銀行だったリーマン・ブラザーズの破綻の際などにSIPCが乗り出した実績があるようです。
▼証券投資者保護公社(SIPC)-概要、仕組み (Pharoskc.com)
▼Securities Investor Protection Corporation (Wikipedia英語版)
このSIPCが担当するのはSIPCのメンバーとなっている投資機関のみのはずです。しかしSIPCのサイトにあるメンバーリストにModMountは見当たりません。ModMountが破綻してもSIPCが乗り出してくることはないはずです。
またこのSIPCの公式サイト (https://www.sipc.org/) に行ってみるとトップページの冒頭に以下のような警告が出ていました。英語原文とGoogle翻訳による日本語訳を示します。
詐欺グループがSIPCの役員あるいは従業員を装って詐欺を働いている事例が確認されているとして注意を促しています。この件でも詐欺グループがSIPCの名前を騙ってさらにお金を騙し取ろうとしている可能性が極めて濃厚と考えざるを得ません。
▼2024年6月6日投稿 (ModMountに関する質問投稿)
この質問の投稿者も以前にModMountでの投資を片言の日本語で勧誘されて20万円ほど投資してしまったようです。その後、口座残高がゼロになってしまい、さらに放置していたら非通知の電話が掛かってきて残高が900万円ほどになっているので送金するから口座を登録してくださいと言われ、日本の仮想通貨交換業者であるbitflyerに口座を開設したようです。状況がよく分かりませんが、資産を調べる必要があるからという意味不明の名目で100万円を送金するように要求されたということのようです。これも詐欺の被害者からさらにお金を引き出そうとしているようにしか思われません。
次に表題2番目のMauntoに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用していきます。
▼2024年3月18日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)
政治家の石破茂氏と経済評論家のテレビ対談を取り上げた偽記事広告に騙されて電話番号を登録してしまったところ直ぐに片言の日本語で勧誘の電話が掛かってきてゆうちょ銀行口座への入金や身分証明書の提出に応じてしまってから勧誘電話が掛かってきた電話番号、
050-3095-7019
050-3095-7007
050-3095-9269
といった電話番号を検索してみたところ詐欺に使われていることが判明して自分が詐欺に遭っていることを自覚したということのようです。この検証を書くにあたって検索しても石破茂氏の偽記事広告は見つかりませんでしたが石破茂事務所のサイト (https://www.ishiba.com/) に以下の注意喚起が出ていることを確認しました。
またこの検証を書いた後ですが、以下の記事を見つけました。
▼信じて入金してしまった人も…石破茂元幹事長の画像を悪用した投資詐欺広告 自民党本部と連携し、メタ社に広告の削除求める (2024年5月1日 TBS NEWS DIG)
石破茂氏の名前や画像が詐欺勧誘に盗用されているのは間違いないようです。
またこの質問に出てきた3つの電話番号を検索してみたところ、2番目の「050-3095-7007」という電話番号についてjpnumber (https://www.jpnumber.com/) という電話番号の口コミ情報サイトで以下の書き込みを見つけました。
このページは「050-3095-7004」という電話番号に関する口コミ情報ですが、上の画像の赤枠で囲った部分に示されているように「050-3095-7007」も含めて執拗に詐欺勧誘の電話が掛かってくるということのようです。他にも「050-3095」から始まる電話番号から何度も投資詐欺の勧誘電話が掛かってくるという書き込みもあります。
以下もMauntoに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿です。
▼2024年4月1日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)
詳しい状況は分かりませんが落語家の笑福亭鶴瓶氏の名前を使った広告からMauntoへの投資を勧誘されているようです。笑福亭鶴瓶氏は姉妹サイトの「検証151」で説明している同じグループによると思われる仮想通貨投資詐欺の広告で名前や画像が使われていることが確認されている有名人の1人です。以下は姉妹サイトの「検証151」で引用した笑福亭鶴瓶氏の名前や画像が盗用されている詐欺広告の例です。読売新聞オンラインの記事を装っていますが、URLアドレスは全く異なりますし、読売新聞オンラインのトップページへのリンクなども全く機能していません。明らかに偽記事です。
この偽記事は笑福亭鶴瓶氏が出演したテレビ番組でうっかり非常に有利な投資について発言してしまい、日銀に提訴されたという内容になっていますが、これと同様の偽記事、有名人の名前や画像を入れ替えた偽記事広告は大量に確認されています。具体的な偽記事広告は姉妹サイトの「検証151」にまとめてありますが、楽天の三木谷浩史氏、プロテニス選手の大坂なおみ氏、俳優の櫻井翔氏や木村拓哉氏、俳優・ミュージシャンの吉川晃司氏、タレントのマツコ・デラックス氏、ファーストリテイリングの柳井正氏、映画監督の新海誠氏や宮崎駿氏、ソフトバンクの孫正義氏、タレントの松本人志氏や明石家さんま氏、タモリ氏、川島明氏、フィギュアスケート選手の浅田真央氏など非常に多くの有名人がほぼ同じ内容の偽記事広告で名前や画像を盗用される被害に遭っています。上で引用したYahoo知恵袋への投稿に出てきた政治家の石破茂氏の記事というのもまず間違いなく同様の偽記事広告と思われます。
「検証4」で検証したサイトの中でも、エックスプロマーケッツ、エランドロード、フェニックスリミテッド、31FX、アジアFXプロ、FXマグナス、インベェスティコ、ビッグマーケッツ、Ventorusといったサイトについて有名人の名前や画像を盗用した偽記事広告で勧誘が行われていたといった報告が出ています。
さらに以下もYahoo知恵袋に出てきたMauntoのサイトに関する質問投稿です。
▼2024年4月28日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)
詳しい状況は分かりませんが、電話番号などを入力してしまったようで明らかに外国人の話す日本語で投資勧誘の電話があったようです。
▼2024年4月29日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)
Youtubeで見たソフトバンクの孫正義氏の名前や画像を使った250ドルを投資すれば巨額の利益を得られるという広告を見て登録してしまい、外国人から電話が掛かってきて250ドルを入金してしまったようです。さらに8000ドルの追加入金を求められてこの質問を投稿しているようです。
かなり広範に日本人に向けた投資勧誘が行われていることは間違いありません。
長い前置きになりましたがとにかく表題の2つのサイトについてまず以下にサイト冒頭部の画像を示します。
▼ModMount (https://www.modmountltd.net/ja) [表示言語:日本語、マレー語、英語、スペイン語、ポルトガル語、香港語、中国語、アラビア語、タイ語]
▼Maunto (https://www.maunto.com/ja) [表示言語:日本語、英語、香港語、ヒンディー語、韓国語]
この2つのサイトの冒頭部は互いに雰囲気は似ているようにも感じますが、明確な類似性は認められませんし、これまで検証してきたサイトとも似ているようには見えません。しかしこの冒頭部に続く部分を見ていくとModMountとMauntoのサイトで互いに明らかに似ている部分が出てきます。
例えば以下は2つのサイトでセキュリティレベルが高いことを説明している部分の画像です。ModMount → Maunto という順で画像を示します。
全く同じという訳ではありませんが明らかにデザインや文章が似ています。
さらに以下にはModMountのサイトで「国際市場の課題に立ち向かいましょう」と題されている部分、Mauntoのサイトで「グローバル市場を制覇」と題されている部分の画像を順に示します。
この部分でも2つのサイトは全く同じという訳ではないものの記述内容などを比較すると互いにかなり似ているようです。例えば最初の項目ではいずれのサイトでも取引対象を説明していて外国為替 (FX)、指数、金属、エネルギー、株式、仮想通貨 (暗号通貨)、商品 (コモディティ) を取引出来るとなっています。取引対象は並び順まで同じです。
そしてこの部分で最も気になるのは中央の項目です。複数のアカウントタイプが存在すると書いてありますが、この「複数のアカウントタイプ」に関する具体的な説明がメニューバーのModMountでは「トレーディングアカウント」、Mauntoのサイトでは「取引口座」という項目からリンクされているサブページにあります。
まず以下にはModMountのサブページにある5種類のアカウントのまとめを示します。
「クラシック」、「銀」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」という5種類のアカウントが存在しており、よく見るとスプレッドなどが上級のアカウントでは有利になっているようです。「ゴールド」、「プラチナ」に対して「銀」というアカウントの名称に違和感を感じますが、英語版では当然「Silver (シルバー)」になっています。
そしてこれに対応するMauntoのサイトのサブページにある5種類のアカウントのまとめについても同様に以下に示します。
Mountoについても「クラシック」、「シルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」という5種類のアカウントが存在しており、やはりスプレッドの条件などが上級のアカウントで有利になっているようです。
そしてModMountの場合もMountoについても5種類のアカウントが存在していてそのアカウントの名称が「クラシック」、「銀あるいはシルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」となっているというのは偶然とは思えません。表の形式や票に示されている取引条件の項目やその並び順、さらに例えばいずれのサイトでもFXの最大レバレッジが400倍、金属の最大レバレッジが200倍など取引条件の数字も一致しているようです。これも偶然とは到底思えません。
ちなみに上級のスプレッドが狭いアカウントにどうやったらアップグレード出来るのか条件、おそらく入金額の条件があると思われるのですが、その条件がいずれのサイトでも明示されていません。
そして上で書いたようにこれら2つのサイトは「検証4」で検証してきたエックスプロマーケッツ (https://xpromarkets.com/ja/) からAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のサイトと似ている部分があって同じグループによるサイトと思われるのですが、その類似点の1つとしてModMountやMauntoの5種類のアカウント、アカウントの名称、取引条件などが「検証4」で検証してきたサイトと似ている点が挙げられます。例えば以下はフェニックスリミテッド (https://www.ltdphoenix.com/ja/) のサイトで用意されていた5種類のアカウントとその取引条件を示す表の画像の再掲です。
フェニックスリミテッドでも5種類のアカウントが用意されており、その5種類のアカウントの名称は「クラシック」、「シルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」となっていてModMountやMauntoの場合と同じです。さらにフェニックスリミテッドでも本項で検証した2つのサイトでも最大レバレッジは400倍、マージンコールは100%、最低取引単位は0.01ロット、最大取引量は50ロットといった条件が全く同じです。
しかも今回、比較の為にフェニックスリミテッドのサイトを再確認したところ、この5つのアカウントタイプのまとめの表が以下のように改訂されていました。
「スプレッド」「レバレッジ」「サービス」の3つの項目に分けられた取引条件の表はModMountやMauntoのサイトの表と極めてよく似ています。
こうした複数のアカウントが用意されているというのは「検証4」で検証したサイトだけでなく、このページ (「検証83」)や「検証84」、「検証87」で検証している同じグループによる可能性が高い一連のサイトの多くでも共通して確認されており、しかもアカウントの名称などに類似性があります。以下に同じグループによる可能性が高い一連のサイトで用意されているアカウントの名称のリストを示します。
サイト名 アカウントの名称
▼エックスプロマーケッツ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼エランドロード: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼フェニックスリミテッド: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽インベサキャピタル: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽インベストマーケッツ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽31FX: 確認出来ず。
▽Kyoto FX: 確認出来ず。
▽アジアFXプロ: 「ベーシック」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽FXKYOTO: 確認出来ず。
▽FXマグナス: 「クラシック」「ゴールド」「プラチナ」「ブラック」「VIP」
▼FXタンパ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽RNインベスティング: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽インベスティコ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽ビッグマーケッツ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▼Ventorus: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▽エッジファイナンス: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」「プロ」
▽トレドポール: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「ダイヤモンド」「VIP」
▽ポートレイズ: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▽Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▼ModMount: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼Maunto: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブルマーケッツ: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ニッポンキャピタルFX: 「ベーシック」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽OYASHIMA FX: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「VIPプラチナ」「VIPダイアモンド」
▽Aboveインベスティング: 「ベーシック」「アドバンスト」「VIP」
▽ZENマーケッツ: 「スターター」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」
▽キャッププレイス: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▽KROXIO: 「ルーキー」「エキスパート」「エリート」「デラックス」「タイタン」
▽アローインベスト: 「スタート」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」
▽ファーストECN: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▼Emarlado 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ストーンウォール: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▽lukインベスト: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」「エクゼクティブ」「VIP」
▽24フォレックスマーケット:「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽fxonet: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽トレデロ 「スタートアップ」「ブロンズ」「銀」「金」「プラチナ」
▼サベクサ 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブロックブリッジ: 「スタート」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽ShinjukuFX: 「ブロンズ」「銀」「金」「白金」「ダイヤモンド」
▽クイックキャッシュFX: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」「エクゼクティブ」「VIP」
▽Berrypax: 「基本 (ベーシック)」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽INNVESTER: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブル・オントレード: 「クラシック」「銀」「金」「白金」「VIP」
ModMountやMauntoの場合と同じ「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」という名称の5種類のアカウントが用意されているのは「▼」を付けた9つのサイトです。ブル・オントレードの「クラシック」「銀」「金」「白金」「VIP」というアカウント名も日本語訳されているかどうかの違いだけで同じと言えるかもしれません。
さらにModMountやMauntoのサイトと「検証4」で検証した一連のサイトとの共通性として最も分かりやすいのはメニューバーの「私たちについて」という項目から選択できる「法的」と題されたサブページ にある様々な規定を説明している書類のPDFファイルです。以下にModMountの「法的」サブページ (https://www.modmountltd.net/ja/legal)、Mauntoの「法的」サブページ (https://www.maunto.com/ja/legal) という順でPDFファイルのリストの画像を示します。
一方で「検証4」で検証した一連のサイトの多くにも似たようなPDFファイルが存在します。例えば以下はフェニックスリミテッドのサイトの「法的」と題されたサブページ (https://www.ltdphoenix.com/ja/legal) にある文書一覧と題されたPDFファイルのリストの画像です。
いずれのサイトでも「法的」というサブページに9個あるいは10個のPDFファイルが用意されています。また3つのサイトで用意されているファイルの名称がいくつかのファイルについてはファイル名が一致しているあるいは似ています。具体的には「クライアント契約」というファイルは3つのサイトの全てにあります。また「一般料金」と「一般手数料」と「一般的な手数料」といった3つのサイトでよく似た名称と思われるファイルの組み合わせも確認出来ます。「AMLポリシー」と「アンチマネーロンダリ」という組み合わせも「AML」がANTI-MONEY LAUNDERING (アンチマネーロンダリング) の略称であるようで互いに対応するファイルである可能性が高いです。実際問題、同じ名称あるいは似た名称の3つのファイルの内容を相互比較してみると全く同じではないもののかなり似ているようです。
特に重要と思われたのはModMountのサイトの「一般料金」というファイル、Mauntoのサイトの「一般手数料」というファイル、フェニックスリミテッドのサイトの「一般的な手数料」というファイルです。以下にまずModMountの「一般料金」というファイル冒頭のWithdrawal Fees (出金手数料) に関する説明の部分を示します。
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、E-ウォレッツへの出金は出金手数料無料、電信送金の場合は出金手数料30ドルとなっています。
次にMauntoのサイトの「一般手数料」というファイルの冒頭のWithdrawal Fees (出金手数料) に関する説明の部分を示します。
ファイルの冒頭に
>Data Wave Tech Ltd - GENERAL FEES
と書いてあり、普通に解釈すれば「Data Wave Tech Ltd 」はMauntoのサイトの運営会社の名称と思われます。
そして記されている文章の一部を以下に書き出します。
>1. Withdrawal Fees
>If your account is fully verified and you have opened at least one trade, your first withdrawal is free of charge. If your account is not fully verified or if your account is verified, but you have not opened at least one trade, a withdrawal fee of 10 USD (or equivalent, based on account currency) will be charged.
>For all withdrawals following the first one, the charges below are applicable:
さらにこの文章のGoogle翻訳の結果も示します。
>1. 出金手数料
>アカウントが完全に認証され、少なくとも 1 つの取引を開始している場合、最初の出金は無料です。 アカウントが完全に認証されていない場合、またはアカウントが認証されていても少なくとも 1 つの取引を開始していない場合は、10 USD (またはアカウント通貨に基づく同等額) の出金手数料がかかります。
>最初の引き出しに続くすべての出金には、以下の手数料が適用されます。
最初の出金は条件を満たせば無料だが、ModMountの場合と異なって2回目以降の出金はクレジットカードなどの場合は3.5%の出金手数料が課されるとなっています。さらに電信送金の場合にはModMountの場合と全く同じで1回に30ドルというかなり高額の出金手数料が掛かるとなっています。
ModMountとMauntoの出金手数料の規定を比較するとクレジットカードなどへの出金についてModMountでは無料だが、Mountoでは3.5%もの手数料が掛かるという規定になっていて明らかに違いがあるのですが、その規定を示す表などには明らかに似ている部分が認められます。
そして以下が「検証4」で検証したフェニックスリミテッドのサイトの「一般的な手数料」というファイルの冒頭部、出金手数料に関する記述の部分です。
やはり一部を以下に書き出します。
>1. Withdrawal Fees
>If your account is fully verified and you have opened at least one trade, your first withdrawal is free of charge. If your account is not fully verified or if your account is verified, but you have not opened at least one trade, a withdrawal fee of 10 USD (or equivalent, based on account currency) will be charged.
>For the withdrawals following the first one, the below charges are applicable:
この文章は上に示したばかりのMauntoのサイトの「一般手数料」というファイルの冒頭に出てくる文章と一字一句全く同じです。さらにこの文章に続いて出てくる表の内容もMauntoのサイトのファイルと同じでクレジットカードなどの場合は3.5%、電信送金の場合には1回に30ドルというかなり高額の手数料が掛かるという説明になっていてMountoの場合と全く同じです。
さらにこれらの3つのサイトのPDFファイルの出金手数料の説明に続いてはいずれの場合もInactivity Fees (取引しないでいると課せられる料金) に関する説明が出てきます。まずModMountのサイトの説明を示します。
表よりも上の部分を以下に書き出します。さらにGoogle翻訳の結果も示します。
▼英語原文
>2. Inactivity Fees
Fees may be payable by you by virtue of the fact that the Platform is continually provided to you for trading, regardless of your actual use. If there are no transactions (deposits, withdrawals or trading activity) on your Account for a period of at least 1 (one) month or more, the Company reserves the right, to charge a monthly inactivity fee on your Account, in return for the provision of the continued availability of your Account.
>You agree that you are liable to and will pay the applicable fee as notified to you from time to time and that we may deduct such fee from any funds held by us on your behalf.
▼Google翻訳による日本語訳
2. 非アクティブ料金
プラットフォームは、お客様の実際の使用に関係なく、取引のために継続的にお客様に提供されているため、お客様に料金が支払われる場合があります。お客様のアカウントに少なくとも 1 か月以上の期間取引 (入金、出金、または取引活動) がない場合、当社は、お客様のアカウントを継続的に利用できるようにすることと引き換えに、お客様のアカウントに毎月の非アクティブ料金を請求する権利を留保します。
お客様は、随時通知される該当する料金を支払う責任があり、支払うこと、および当社がお客様に代わって保有する資金から当該料金を差し引くことに同意するものとします。
要するに口座を取引せずに放置しておくと「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が毎月課せられるという説明になっています。そしてその非アクティブ料金が表にまとめられているのですが、口座を放置している期間が1ヶ月までは無料、2ヶ月目になると100米ドル、2ヶ月を過ぎて6ヶ月目までは毎月250米ドル、6ヶ月を超えると毎月500ユーロが課せられるようです。非アクティブ料金は非常に高額だし、こんな大事な規定がPDFファイルという形でしか開示されていないことについては悪意さえ感じます。
同様にMauntoのサイトのInactive Feesに関する説明を示します。
表よりも上の文章は基本的にModMountのサイトの文章と同じで若干文章が長くなっています。ModMountのサイトの文章と比較して付け加えられている部分の文章のみ以下に示します。さらにその部分をGoogle翻訳で日本語訳した結果も示します。
▼英語原文
The monthly inactivity fee shall increase as the total period of inactivity increases. The exact fee schedule will be calculated according to the currency denomination of your Trading Account and is set out as follows or as changed by the Company from time to time and notified to the client:
▼Google翻訳による日本語訳
月間非アクティブ料金は、非アクティブ期間の合計が増加するにつれて増加します。 正確な手数料スケジュールは、お客様の取引口座の通貨単位に応じて計算され、以下のように定められるか、または当社によって随時変更され、クライアントに通知されます。
要するにMauntoのサイトでも口座を取引せずに放置しておくと「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が毎月課せられるという説明になっています。そしてその表にまとめられている非アクティブ料金は口座を放置している期間が1ヶ月までは無料、2ヶ月目になると100ユーロ、2ヶ月を過ぎて6ヶ月目までは毎月250ユーロ、6ヶ月を超えて12ヶ月目までは毎月500ユーロが課せられ、1年以上放置すると口座が凍結・没収されることになるとなっています。ModMountの場合とよく似ていますが、非アクティブ料金が米ドル単位ではなく、ユーロ建てになっている点、最終的には口座残高の全てを没収されるという規定まであることなどはModMountの場合と異なります。いずれにしろ異様に高額な「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が課せられるという規定であることは同じです。
そしてこれと非常によく似た記述がフェニックスリミテッドのサイトの「一般的な手数料」というファイルにもあります。その部分の画像を以下に示します。
このフェニックスリミテッドの場合、1ヶ月 (30日) までは無料なのは同じなのですが、1ヶ月 (30日) を超えると「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が発生し、その料金は2ヶ月目が100米ドル、3~6ヶ月目は毎月250米ドル、6ヶ月 (180日) を超えると毎月500米ドルとなっています。ModMountの規定と基本的に同じ既定のようです。
こんな理不尽な規定は普通のFX業者では有り得ないでしょうし、これらのサイトが組織的に結びついている、つまり同じグループによるサイトであることを強く示唆するものと考えます。尚、「検証4」で検証した同じグループによると思われる21個のサイトの内、フェニックスリミテッド以外にもエックスプロマーケッツ、エランドロード、インベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツ、Ventorus、トレドポール、ポートレイズといったサイトでも確認されています。しかもこれらの非常に高額な非アクティブ料金に関する規定はいずれのサイトでも「法務」といった名称のサブページにあるPDFファイルの中にのみ記されています。わざわざ分かりにくい、普通の顧客ならば確認しようとも思わない人が珍しくないであろう場所にのみ高額な非アクティブ料金に関する規定が示されているというのは不親切などと言うものではなく、むしろ異様に顧客に不利な規定を悪意を持って分かりにくい場所にのみ記しておき、お金を騙し取ろうとしているようにしか思えません。非常に悪質と感じます。またこうした非アクティブ料金に関する異様な規定が共通して存在するこれらのサイトが同じグループによるサイトであることもほぼ間違いないものと考えます。
次にModMountやMauntoのサイトで連絡先情報を探してみましたが開示されている情報はわずかです。まずModMountの場合ですが、トップページの最後の方に以下のメールアドレスと電話番号だけの連絡先情報が示されています。
メールアドレス: support@modmountltd.com
電話番号: +2484632002
メールアドレスについてはドメイン名の部分 (modmountltd.com) がここで検証しているModMountのサイトのドメイン名 (modmountltd.net) ではなく、本項の最初で示したModMountの旧サイト (https://www.modmountltd.com/) のドメイン名になっています。既に書きましたがこの検証を書いている2024年6月上旬現在で旧サイトにアクセスすると新しいModMountのサイトにリダイレクトされる設定になっていてメールアドレスは旧サイトのメールアドレスがそのまま使われているようです。
一方の電話番号は[+248]というセーシェルの国番号から始まっているのでセーシェルの電話番号ではないかと思われます。さらにメニューバーの「私たちについて」という項目の中にある「苦情」という項目からリンクされているサブページ (https://www.modmountltd.net/ja/complaints) に以下の連絡先情報があります。
メールアドレス: complaints@modmountltd.com
住所: ユニットNo:S41C, Espace Building, Ile Du Port, Mahe, Seychelles
電話番号: +2484632002
トップページには記されていなかった住所が記されています。この住所を検索してみましたがEspace BuildingがセーシェルのMaheにあることは確認出来るもののそれ以上の情報は見つかりません。
さらに例によってModMountのサイトのWho Is 情報を確認しましたが、登録者に関する情報は何も開示されていません。以下に示したようにサイトの登録・開設日は2023年1月16日となっています。
ちなみにModMountの旧サイト (https://www.modmountltd.com/) についてもWho Is 情報を確認しましたがやはり登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は2022年2月16日となっています。
それから以下に示すのはModMountのサイトへの国別アクセス状況です。
ノルウェーからのアクセスが全体の約6割、日本からのアクセスが4割ということでノルウェーと日本以外の国からのアクセスは皆無という状況になっています。この2ヵ国を標的に勧誘が行われているのだと思われますが、どういう理由でこの2ヵ国が標的になっているのか全く分かりません。
次にModMountについて金融ライセンスに関する情報を探してみるとサイトの脚注部分に金融ライセンスに関すると思われる記述があります。日本語版と英語版を以下に示します。
まずセーシェルの(法人)登録番号、登録住所が書いてあります。
登録番号: 8426105-1
登録住所: First floor, Room B11, Providence, Mahe, Seychelle
またセーシェルの金融ライセンスを管理するSeycehlles Financial Services Authority (FSA) から金融ライセンス (SD119) で登録を得ているとも書いてあります。
さらにModMount Services Limitedはキプロスで設立されているPeaksight Ltd と同じグループに属する企業であり、Peaksight Ltdはキプロスの金融ライセンスを管理するCyprus Securities and Exchange Commission (CySEC) で金融ライセンス (ライセンス番号:440/23) を取得しているとも書いてあります。
そこでこれらの記述内容の確認を試みました。まずセーシェルのFSAから金融ライセンスを取得しているという件ですがFSAの公式サイト (https://fsaseychelles.sc/) から探してみると「Capital Markets」のページの「Securities Dealer」のリストの中に確かに以下に示したModmount Services Limitedの登録情報が見つかりました。
登録情報を以下に書き出します。
住所: Unit S41C, Espace Building, Le Chemin De La Fraternite, Ile Du Port, Seychelles
電話番号: (+248) 2608375
メールアドレス: info@modmountltd.com
ウェブサイト: https://www.modmountltd.com
住所は「苦情」のサブページ (https://www.modmountltd.net/ja/complaints) に記されていた住所と一致しますが電話番号はトップページや「苦情」のサブページに記されていた電話番号 (+2484632002) とは明らかに異なります。またウェブサイトのURLアドレスは本項の最初で説明した旧サイトのURLアドレスになっていてここで検証いる新サイト (https://www.modmountltd.net/ja) のURLアドレスではありません。これではセーシェルのFSAで金融ライセンスを取得しているとは言えないでしょう。 また租税回避地として有名なセーシェルの金融ライセンスについて厳密な審査が行われているかどうかは非常に疑問です。セーシェルに事業実態が存在しないような業者でさえもライセンスが付与されている疑いは相当に高いです。
さらにグループ企業のPeaksight Ltd がキプロスのCyprus Securities and Exchange Commission (CySEC) で金融ライセンス (ライセンス番号:440/23) を取得しているという件ですが、CySECのサイト (https://www.cysec.gov.cy/home/) で探してみると確かに以下に示した「Peaksight Ltd」の登録情報が見つかってきました。
登録番号 (Licence Number: 440/23) が合致しているのでこれがModMountのサイトでグループ企業とされている法人の登録情報でしょう。登録の日付は2023年12月11日となっています。そして「Approbed Domains (認可されているドメイン名)」が記されているのでPeaksight Ltdの公式サイト (https://www.peaksightltd.com/en/) にアクセスしてみました。以下にサイト冒頭部の画像を示します。
▼Peaksight Ltd (https://www.peaksightltd.com/en/)
このサイトは日本語に対応していないようなのでここで詳しく検証はしませんが、確かにModMountやMauntoのサイトあるいは「検証4」で検証してきた一連のサイトと似ている部分が認められ、同じグループに属するサイトの可能性が高いです。例えば4種類のアカウント (Classic、Silver、Gold、VIP) が用意されているとか、「Legal (法務)」というサブページに利用規約などに関するPDFファイルが多数用意されていてその中にはGeneral Fees (一般料金) というファイルがあり、Withdrawal Fees (出金手数料) とか「Inactive Fees (非アクティブ料金)」が規定されているといった共通点があるのです。以下は「General Fees」のファイルの冒頭部分、出金手数料に関する説明の部分の画像です。上で示したModMountなどの出金手数料の規定と比較すると非常によく似ていることが分かると思います。
確かにPeaksight Ltdはキプロスで金融ライセンスを得ていますし、キプロスのCySECのライセンスは少なくともセーシェルのライセンスよりは信頼性が高いとされています。しかし、Peaksight Ltdは同じグループであってもModMountとは明らかに別個の法人なのですからPeaksight Ltdがライセンスを取得していてもModMountを信頼することは出来ません。
次に表題2番目のMauntoのサイトについて連絡先情報や金融ライセンスに関する情報を示していきます。まず連絡先情報についてはModMountの場合と同じでトップページの下の方にメールアドレスと電話番号だけ示されています。
メールアドレス: support@maunto.com
電話番号: +44 203 150 2 347
電話番号は[+44]というイギリスの国番号から始まっています。ModMountのサイトの相当する部分に記されているのは上で示したようにセーシェルの国番号から始まるセーシェルの電話番号です。MotMountとMauntoは互いに非常によく似たサイトであり、運営しているのは同じグループとしか思われないのに電話番号がセーシェルとイギリスで分裂していることには疑問を感じざるを得ません。
さらにこれもModMountの場合と同じでメニューバーの「私たちについて」という項目の中にある「苦情」という項目からリンクされている「苦情情報」のサブページ (https://www.maunto.com/ja/complaints) に以下の連絡先情報があります。
>メールアドレス: complaints@maunto.com
>住所: P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM
>電話番号: +44 203 150 2 347
イギリスの電話番号はトップページに記されている電話番号と同一で住所はコモロ諸島になっています。電話番号と住所が矛盾していることになります。
さらにサイトの脚注に以下のような記述があります。
コントラストが低くて判読し難いので記述を以下に書き出します。
>会社情報 DataWave Tech Ltdは登録番号 2023-00512でセントルシアに設立され、登記上の事務所住所は P.B.にあります。 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM は、ライセンス番号 T2023409でムワリ国際サービス局からライセンスを取得した国際証券取引所および清算機関です。
コモロ諸島のムワリ国際サービス局 (英語ではMwali International Services Authority)からMauntoの運営会社である「DataWave Tech Ltd」が金融ライセンスを取得しているというので確認を試みました。Mwali International Services Authority のサイト (https://mwaliregistrar.com/) で登録情報を探すと確かに以下に示したようにBrokerage Companies のリスト の中にDataWave Tech Ltd. の登録情報を確認しました。
登録の日付は2023年11月17日とかなり新しく、赤枠の中の「Website」というリンクは確かにMauntoのサイト (http://www.maunto.com/) にリンクされています。
さらに
>P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM
という住所ですが、この住所は「検証4」で検証したBigMarkets (ビッグマーケッツ https://www.bigmarkets.com/international/ja/) のサイトで登録住所とされていた住所と同じです。(2024年4月現在ではビッグマーケッツの登録住所はセントルシアに変更されています。) 以下に2023年10月に取得したビッグマーケッツのサイトの脚注部分の画像を示します。
>Тоmоrrоw Technologies LtdはP.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KMに登録されています。
>Tomrrow Technologies Ltdは,「Bigmarkets]ブランドを所有・運営しています。
ビッグマーケッツとMauntoが同居していることになってしまうこのコモロ諸島の住所はビッグマーケッツの検証で指摘しましたが、以下に示したMOHELI CORPORATE SERVICE (https://mohelicorpservice.com/) というオフショア会社の拠点の住所とも完全に一致します。
この住所はオフショア会社を利用した名目だけの架空住所でまず間違いありません。さらにその後、「検証84」に検証を書いたfxonet (https://www.fxonet.com/international/ja/) というサイトでも私書箱番号まで全く同じ住所が所在地住所として示されていました。
また以下で検証しているCapPlace (キャッププレイス https://www.capplace.com/ja) というサイトの運営会社であるRobertson Finance Inc. (ロバートソン ファイナンス) およびFirstECN (ファーストECN https://www.firstecn.com/ja/) というサイトの運営会社であるNakito SAの住所が
>Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM.
というよく似た住所、私書箱の番号の部分が欠落しただけの住所になっていることが分かりました。となればコモロ諸島で金融ライセンスを取得しているというのが事実であってもそのライセンスだけでMauntoが信頼できる業者と考えるのは困難です。同じコモロ諸島のムワリ国際サービス局で金融ライセンスを取得しているという主張は以下で検証しているブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)、キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja)、KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)、ファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/)といったサイト、さらに「検証4」で検証したビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/) や Ventorus (https://www.ventorus.com/ja) といった同じグループによると思われるサイトでも登場しています。例えばブルマーケッツのサイトで被害報告が確認されていることなど考えてもコモロ諸島のムワリ国際サービス局では厳格な審査が行われておらず、簡単に取得できる金融ライセンスということで利用されているだけではないかと考えざるを得ません。
さらに電話番号がイギリスの国番号である[+44]から始まっていたことから実際にはイギリスに拠点があるのではないかと考えて「Maunto」というイギリスの法人登録を探してみましたが該当はありません。上で示したMauntoのサイトの「一般手数料」というファイルの冒頭に運営会社の名称ではないかと思われる「Data Wave Tech Ltd」という社名が出ていたのでイギリスに「Data Wave Tech Ltd」という法人が存在しないかについても調べてみましたがDATA WAVE TECHNOLOGIES LIMITED (Company number 10909317) という法人の登録が見つかったものの業種が「Information technology consultancy activities (情報技術コンサルティング)」となっており、Mauntoの運営会社であるかどうかは疑問です。
Mauntoのサイトに戻って他に連絡先に結びつくような可能性のある情報としては公式SNSアカウントへのリンクがあります。
Facebook: https://www.facebook.com/profile.php?id=61555833492143
Instagram: https://www.instagram.com/mauntoltd/
X (旧Twitter): https://twitter.com/Maunto_trade
LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/Maunto/
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCMfhASoZN4CsIqAG1NgsNTA
しかしこれらのSNSアカウントのプロフィール欄を見ても連絡先情報は見当たりません。
さらに例によってサイトのWho is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も記されていません。サイトの登録・開設日は以下の画像の黄色の枠で囲った部分に記されているように2023年4月3日になっています。
本項で検証したModMountとMauntoという2つのサイトは「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」で検証した仮想通貨のサイトなどと関与していると思われる海外の詐欺グループによるサイトの疑いが極めて濃いです。情報開示は明らかに不充分、不適切であり所在地さえはっきりしませんし、信頼出来る金融ライセンスも確認出来ません。さらに異様に高額な非アクティブ料金、出金手数料など普通に考えても投資先として非常に問題があります。この業社での投資は全く推奨できません。特に姉妹サイトの「検証151」で説明したようにこのグループは有名人の名前や画像を盗用した偽の新聞記事、偽のネット記事で勧誘していることが確認されています。そうした偽記事広告に個人情報を入力してしまい、怪しげな日本語の電話で勧誘されるというパターンでこれら2つのサイトでの投資も勧誘されている可能性が濃厚であり、厳重な注意が必要です。さらに本項の冒頭で引用したように入金してしまった被害者に連絡してきてお金を取り戻せるなどと称してさらにお金を騙し取ろうとする動きがあるようです。この点でも厳重な警戒、注意が必要です。
※付記
2024年7月24日付で関東財務局からMauntoについて無登録の違法業者であるとして警告が出てきました。
●BullMarkets (ブルマーケッツ https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。まずその質問投稿を引用します。
きっかけは
>芸能人(川島明がほんまでっかtvで…の内容)を利用した広告の投資案件を信じてしまい、
となっており、最終的に表題のブルマーケッツというサイトでの投資として入金してしまったようです。本ページで取り上げているサイトは上で書いたように、「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」で検証した仮想通貨のサイトなどと同じ海外の詐欺グループによるサイトである可能性が濃厚であり、有名人の名前や画像を使った偽の新聞記事広告で勧誘するのが特徴なのですが姉妹サイトの「検証151」で取り上げた偽記事広告の中にはまさに川島明氏の名前や画像を盗用したと思われる以下のような偽記事広告が確認されています。川島明氏が「ホンマでっかTV」で発言したという内容も知恵袋の質問の記述と一致しており、おそらくこのYahoo知恵袋の質問の投稿者はこうした偽記事広告で勧誘されたものと思われます。
この偽記事の内容は上のMauntoの検証の中で取り上げた笑福亭鶴瓶氏の名前や画像を盗用し、読売新聞オンラインの記事を装った偽記事広告の内容と酷似しています。有名人の名前と画像を入れ替えただけの非常によく似た偽記事広告が多数確認されている件については姉妹サイトの「検証151」を参照してください。
そして上で引用したYahoo知恵袋への質問投稿には
>bullmarkets.com というサイトで支払いしてしまいました。
とあります。これが本項の検証対象であるブルマーケッツのサイトのURLアドレスということになります。
さらにこのURLアドレスについて検索してみたところ、just answer (ジャストアンサー https://www.justanswer.jp/) というサイトにも同じブルマーケッツのサイトでの投資を勧誘されて2300万円もの大金を騙し取られたという以下の質問投稿が出ていることが分かりました。
詳しい経緯は不明ですが、インスタグラムで知り合った人物にブルマーケッツのサイト (bullmarkets.com/international/ja/) での投資を勧められてマネージャーと名乗る人物の指示に従って証券、FX、金などに投資していたが4月12日に証拠金不足となって資産残高がゼロになってしまったようです。
さらにこの検証を書いた後ですが、Googleの検索結果の並びの中にブルマーケッツでの口座開設を勧誘する広告があることを発見しました。以下にGoogleに出てきた広告の画像を示します。
さらにこの広告をクリックすると出てくる広告サイト (https://digitalpecunia.com/jp-trading-platform/6373 リンクは外してあります。) の画像を以下に示します。
ブルマーケッツに加えてFXTMというサイトへのリンクも用意されているように見えますが、実際には「取引を開始」というリンクはいずれも以下に画像を示したブルマーケッツのサイトの口座開設画面 (https://lp.monstrack.com/bullmarkets-lead-registration/ja/ リンクは外してあります。) にリンクされています。
ちなみにこのGoogle広告の出稿者情報を見るとイタリアの「Digital Money Srl」という会社が出稿者になっています。
勧誘手段が多様化しているように思われます。
とにかくまずはこれらの質問投稿に出てきた「bullmarkets.com というサイト」にアクセスしてみました。これが本項の検証対象であるブルマーケッツというサイトであり以下にそのサイトの冒頭部の画像を示します。
そしてこのサイトを見て気が付きましたが、このサイトは「検証4」で検証した一連のサイトの中でも特に以下の4つのサイトと似ている部分が多いようです。
▼インベサキャピタル (https://www.invesacapital.com/international/ja/)
▼インベストマーケッツ (https://www.investmarkets.com/international/ja/)
▼インベスティコ (https://www.investico.com/international/ja/)
▼ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
例えばこれら4つのサイトの内、最後のビッグマーケッツのサイトの冒頭部の画像を比較の為に以下に再掲します。
▼ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
このサイト冒頭部を比較すると一見して特にブルマーケッツのサイト冒頭と似ているようには見えませんが、よく見ると例えばメニューバーに並んでいる項目名が一致しています。
ブルマーケッツおよびブルマーケッツのサイトと似ていると思われる4つのサイト (インベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツ) の場合も含めて5つのサイトのメニューバーの画像を以下にまとめます。
そしてこれらのサイトのメニューバーの項目を以下にまとめます。
サイト名 メニューバー項目
ブルマーケッツ: 「トレード」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」
インベサキャピタル: 「取引」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」
インベストマーケッツ: 「取引」「CFD」「教育」「アカウント」「ログイン」「登録」
インベスティコ : 「トレード」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」
ビッグマーケッツ: 「トレード」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」
ブルマーケッツのメニューバーの項目名とその並び順はインベスティコ、ビッグマーケッツの2つのサイトの場合と全く同じです。インベサキャピタルやインベストマーケッツについても「トレード」と「取引」の違いなど翻訳の違いではないかと思われる違いがあるだけです。
さらに以下はブルマーケッツの言語選択メニュー部分の画像です。
表示言語の選択肢は英語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、アラビア語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、香港語、韓国語、タイ語、マレー語、トルコ語、ヒンディー語の15言語となっています。
同様に左下はインベサキャピタル、右下がインベストマーケッツの言語選択メニューです。
さらに左下はインベスティコ、右下がビッグマーケッツの言語選択メニューです。
ブルマーケッツが15ヵ国語対応なのに対してインベサキャピタルは12ヵ国語、他の3つのサイトは14ヵ国語対応になっていますが、丸形の国旗アイコン、選択肢である言語の並び順などこの言語選択メニューには明らかに類似性が認められます。
さらに以下はブルマーケッツの口座開設画面 (https://www.bullmarkets.com/international/ja/#slide-registration) です。
インベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの口座開設画面もこれと非常によく似ています。以下には代表としてビッグマーケッツの口座開設画面 (https://www.bigmarkets.com/international/ja/#slide-registration) の画像を再掲しますが非常によく似ています。
さらに以下にはブルマーケッツのメニューバーにある「アカウント」という項目から選択できる「アカウントの種類」というサブページ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/account-types/) にある開設できる4種類のアカウントのまとめの画像です。
最低250ドルの入金で開設できる「ベーシック」から始まって2万5000ドルの入金が必要な「ゴールド」、10万ドルの入金が必要な「プラチナム」、25万ドルの入金が必要な「VIP」の4種類のアカウントがあり、上級のアカウントの方がスプレッドなどが有利になるシステムのようです。そしてこれとよく似た複数のアカウントが「検証4」で検証した一連のサイトにも用意されており、特にインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの4つのサイトで用意されているアカウントと名称や条件が似ているようです。例えば以下はビッグマーケッツで用意されている4つのアカウントのまとめ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/account-types/) の画像です。
やはり最低250ドルの入金で開設できる「ベーシック」から始まって2万5000ドルの入金が必要な「ゴールド」、10万ドルの入金が必要な「プラチナム」、25万ドルの入金が必要な「VIP」の4種類のアカウントがあって上級のアカウントの方がスプレッドが有利になるといった違いがあるようです。ブルマーケッツの4種類のアカウントと名称や開設に必要な最低入金額が全く同じです。さらに「検証4」で示していますがインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコについても同じ最低入金額の同じ名称の4種類のアカウントが用意されているのは同じです。ちなみに同じグループによると思われる「検証4」で検証した20個ほどのサイトや上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) でも複数のアカウントが用意されているという点については共通性があるのですが、アカウントの種類は5種類というサイトが多いです。
さらに以下に示したのはブルマーケッツのサイトの脚注部分にリンクがある「よくある質問」のサブページ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/faqs/general/#all) の冒頭部です。
そしてインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの4つのサイトにもこれと非常のよく似たサブページが存在します。例えば以下はビッグマーケッツのよくある質問のサブページ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/faqs/general/#all) の冒頭部です。
「よくある質問」の中にさら「一般」「登録」「入金」「出金」「レギュレーション」「アカウント認証」「手数料」「トラブルシューティング」「取引と投資」といったカテゴリーがあり、さらにそれぞれのカテゴリーにある質問の文章なども全く同じです。例えば「一般」というカテゴリーで最初の質問の文章はいずれのサイトでも以下のようになっています。
>アカウントにログインする方法を教えてください。
これもブルマーケッツと「検証4」で検証したインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの4つのサイトが同じテンプレートから量産されたサイトであることを示しているものと考えられます。
さらに以下にはブルマーケッツおよびビッグマーケッツの「法務」と題されたサブページにあるファイルのリストを示します。画像は省略しますがインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコにも「法務」あるいは「法的事項」と題された対応するサブページが存在します。
それぞれのサイトに用意されている13個のファイルの名称は2つのサイトで全く同じです。これらのファイルの内、最も気になったのは「一般料金」というファイルです。まず以下にはブルマーケッツの「一般料金」というファイル (https://www.bullmarkets.com/international/ja/terms-and-conditions/general-fees/) を以下に示します。
同様に以下にはビッグマーケッツの「一般料金」というファイル (https://www.bigmarkets.com/international/ja/terms-and-conditions/general-fees/) を示します。
いずれの場合もまずサイトの運営会社名と思われる社名が示されています。
サイト名 運営会社名
ブルマーケッツ ExpertPro Ltd
ビッグマーケッツ Tomorrow Technologies Ltd
そしていずれの場合もまずWithdrawal Fees (出金手数料) に関する説明が記されています。デビットカード/クレジットカード、電信送金、eWalletsという3つの出金方法が示されており、表の形でデビットカード/クレジットカードに出金する場合には送金額の3.5%、電信送金では30スイスフラン / 30米ドル / 30ユーロ / 30英国ポンド、eWalletsでは1.5~4.5%とかなり高額の出金手数料が掛かるということが示されています。この高額な出金手数料は上で検証したMauntoの場合などの場合とよく似ていますし、文章もそっくりです。
さらに表の下の英文を以下に書き出します。
>Notwithstanding the aforesaid tablw, in the following circumstances the Company reserves the right to charge a withdrawal fee at an ammount equal to 80 EUR (or the equivalent amount according to the denomibated currency of the Client`s Trading Account)
>If there is insignificant (one single position placed on the Trading Account only) or no trading activity in the Client`s Trading Account prior to the submission of the withdrawal request.
>If the Client fails to provide to the Company accurate and/or necessary and/or adequate informatio documentation for the verificatioon of his/her/its identity and/or address as may be requested from time to time by the date of submitting a withdrawal request.
If the Company decides to process a refund to the Client due to his/her/its failure to provide to the Company accurate and/or necessary and/or adequate information/documentation for the verification of his/her/its identity ans/or addresses may be requested from time to time and/or for any other reason the Company deems necessary.
この英文をそのままGoogle翻訳で翻訳した結果も以下に示します。
>前述の表にかかわらず、以下の状況では、当社は 80 ユーロ (またはお客様の取引口座の通貨建てに応じた同等の金額) に相当する金額の出金手数料を請求する権利を留保します。
>出金リクエストの提出前にクライアントの取引口座に重要でない(取引口座に置かれた単一のポジションのみ)または取引活動がなかった場合。
>顧客が、出金要求を提出する日までに随時要求される、本人確認および/または住所の確認のための正確かつ/または必要かつ/または適切な情報文書を当社に提供しなかった場合 。
>顧客が顧客の身元および住所を確認するための正確かつ/または必要かつ/または適切な情報/文書を当社に提供しなかったために、当社が顧客への返金処理を行うことを決定した場合 は、随時、および/または当社が必要とみなしたその他の理由により、要求される場合があります。
説明が漠然としていて意味がよく分からない部分があるのですが、身分証明書とか連絡先情報をサイト側が満足する形で速やかに提出しないだけで罰金のような形で80ユーロ (1ユーロ=168円として13440円) 請求されることになるようです。さらに取引がない状態が続いているとこれも80ユーロの支払いを請求される理由になるようです。
この「取引活動がなかった場合」に課金されるという件についてはよくある質問にも簡単な記述があります。まず以下にはブルマーケッツの「よくある質問」の「手数料」の項目 (https://www.bullmarkets.com/international/ja/faqs/fees/#q01) を示します。
同様にビッグマーケッツの「よくある質問」の「手数料」の項目 (https://www.bigmarkets.com/international/ja/faqs/fees/#q01) を示します。
いずれの場合も
>お客様の取引アカウントで少なくとも1ヶ月以上取引(入金、出金、取引活動)がない場合、当社はお客様の取引アカウントを継続的に利用できるように維持する代わりに、お客様の取引アカウントに対して毎月利用停止手数料を請求する権利を有します。
取り引きがない状態で1ヶ月を経過しただけで具体的な金額は示されていませんが「利用停止手数料」を毎月課す権利を有するとだけあります。詳細は法務セクションを参照するようにと書いてありますが、その法務セクションの記述も既に示したようにあまり明確ではないものの毎月80ユーロが課せられるということなのだと思われます。こうした取引しないで口座をたった1ヶ月放置しただけで法外とさえ言えるレベルの高額な「利用停止手数料」を課されるというシステムは上で検証したMauntoや「検証4」で検証した幾つかのサイトでも「非アクティブ料金」と称して設定されています。
例えばMauntoの場合には取引しないでいる期間が長くなればなるほど「非アクティブ料金」が高額になり、最終的には口座を凍結・没収される可能性もあるという規定になっていましたからそれに比べれば毎月80ユーロの「非アクティブ料金」という規定は幾分マシと言えるかもしれませんが、やはり法外なことに違いはありません。
実は「検証4」に書いたビッグマーケッツの検証の「付記1」で書きましたが、ビッグマーケッツでも以前は取引しないで口座を放置する期間が長くなればなるほど高額の「非アクティブ料金」が課せられるという規定になっていましたが規定が改訂されたようです。
しかしいずれにしろこうした著しく顧客にとって不利な条件を非常に分かりにくい場所に分かりにくい形でしか表示していないという点については悪意さえ感じざるを得ません。
次に連絡先情報を確認しました。まずブルマーケッツのサイトの脚注部分には以下のような記述があります。
>このウェブサイト(www.bullmarkets.com)は、セントルシアで登録され、ムワリ国際サービス機構により認可および規制され、ライセンス番号T2023380を持つ会社であるExpertPro Ltdにより運営されています。ExpertPro Ltdの所在地は、セントルシア、グロスイスレット、ロドニーベイ、ロドニービレッジ、サザビービル1階です。
>ExpertPro Ltdは「BullMarkets」ブランドを所有・運営しています。
これと非常によく似た記述がビッグマーケッツのサイトの脚注にもあります。以下に示します。
>このウェブサイト(www.bigmarkets.com)はТоmоrrоw Technologies Ltdによって運営されています。Тоmоrrоw Technologies Ltdはセントルシアで登録された会社であり、Mwali International Services Authorityによって認可、規制されています(ライセンス番号T2023167)。Тоmоrrоw Technologies Ltdはセントルシア、グロスイスレット、ロドニーベイ、ロドニービレッジ、サザビービル1階に登録されています。
>Тоmоrrоw Technologies Ltdは「Bigmarkets」ブランドを所有、運営している。
2つのサイトの記述は運営会社名の部分が変わっているぐらいで互いに極めてよく似ています。いずれの場合もセントルシアで登録され、登録住所はセントルシア、グロスイスレット、ロドニーベイ、ロドニービレッジ、サザビービル1階 (英語版ではGround floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia.)、金融ライセンスはコモロ諸島のMwali International Services Authorityで取得しているとなっています。
まずブルマーケッツの運営会社となっているExpertPro Ltdを検索してみるとブルマーケッツを運営会社であるという記述のあるExpertPro Ltdのサイト (https://www.expertproltd.com/) を発見しました。以下にこのExpertPro Ltdのサイトの冒頭部の画像を示します。
このサイトの脚注部分には以下のような記述があります。
>ExpertPro Ltd owns and operates the “Bullmarkets” brand.
ExpertPro Ltd. はブルマーケッツブランドを所有し、運営していると明示されておりこれが運営会社のサイトであることは間違いありません。しかしこのExpertPro Ltdのサイトにも特に目新しい情報はありません。
次にExpertPro Ltdがコモロ諸島のMwali International Services Authority (https://mwaliregistrar.com/) から金融ライセンスを取得しているという記述の確認を試みました。確かに以下に示したようにBrokerage Companies のリスト の中、赤枠で囲った部分にExpertPro Ltd.の登録情報を確認しました。
登録の日付は2023年10月11日となっており、赤枠の中の「Website」というリンクは確かにブルマーケッツのサイト (http://www.bullmarkets.com/) にリンクされています。
しかし同じコモロ諸島のMwali International Services Authority (https://mwaliregistrar.com/) から金融ライセンスを得ているという主張は上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja)、下で検証しているキャッププレイス (https://www.capplace.com/ja)、KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)、ファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/)、さらに「検証4」で検証したビッグマーケッツやVentorus (https://www.ventorus.com/ja) でも出ており、それらの検証でも書いていますが、コモロ諸島のライセンスがあるということのみでブルマーケッツが投資先として信頼出来るかどうかはかなり疑問です。特にアフリカの東側にあるコモロ諸島とは遠く離れたカリブ海の島国であるセントルシアになっているとなればそれだけでMwali International Services Authority のライセンス審査の厳格性に疑問を感じざるを得ません。またセントルシアの
>Ground floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia
という住所はビッグマーケッツの検証で指摘しましたが以下に示したFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社の連絡先情報に記されているセントルシアオフィスの住所と一致しているようです。
この住所もオフショア会社を利用した名目だけの架空住所である疑いが極めて濃いです。
さらにこれ以外のブルマーケッツの連絡先情報としては「お問い合わせ」のサブページに左下に示した電話番号とメールアドレスが示されています。一方、右下はビッグマーケッツの「お問い合わせ」のサブページに示されている電話番号とメールアドレスです。
▼ブルマーケッツ
>電話: +1-939-2013112
>Eメール: info@bullmarkets.com
▼ビッグマーケッツ
>電話: +1-787-6807359
>Eメール: info@Bigmarkets.com
いずれの電話番号も[+1] という北米 (アメリカあるいはカナダ) の国番号から始まっています。少なくともコモロ諸島やセントルシアの電話番号ではありません。コモロ諸島の金融ライセンスやセントルシアの登録住所、そして北米の国番号から始まる電話番号が互いに矛盾していることになり、連絡先情報は全く信頼できません。
また連絡先情報を求めて例によってブルマーケッツおよび運営会社とされるExpertPro Ltdのサイト (https://www.expertproltd.com/) のWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は以下のようになっています。
サイト名 登録・開設日 アップデート日
BullMarkets 1999年12月6日 2023年12月6日
ExpertPro Ltd 2023年10月12日 2023年10月12日
ブルマーケッツのサイトは1999年12月に登録されていますが、運営会社であるExpertPro Ltdのサイトは2023年10月に登録されていてかなり新しいです。運営会社のサイトの方がずっと新しいというのもおかしな話であるように思われ、ブルマーケッツのサイトは中古ドメインを買ってきて開設されている可能性が考えられます。
そしてWho Is 情報を調べていて気が付きましたが、ブルマーケッツのサイトへの国別アクセスを見ると日本からのアクセスが最も多いようです。まず以下はアクセス数を調べた結果です。
1日当たりの独立訪問者数が75人、月間のアクセス数が2273回と決してアクセスが多いサイトではありません。そして国別のアクセスの割合を見ると以下のようになっています。
日本からのアクセスが全体の65.80%と圧倒的に多く、次いでインド、キプロス、ドイツという順になっています。日本人を主な標的にして勧誘が行われている可能性が高いです。
改めて結論するまでもなく、本項で検証したブルマーケッツは投資先として信用出来るとは全く思えません。まず情報開示は極めて不充分、不適切であり、事業実体が何処にあるのかさえ分かりません。また「検証4」で検証してきた一連のサイトや上で検証したModMountやMauntoといったサイトと明らかに似ており、さらに勧誘方法についても類似点が認められ、組織的に繋がっている可能性が極めて濃厚です。それらのサイトの中には明らかな被害報告が出ているサイトも含まれており、さらにはブルマーケッツ自体についても本項の最初で引用したように被害報告が出ています。
ブルマーケッツでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記
2024年6月20日付でブルマーケッツについて関東財務局から無登録の違法業者であるとして以下に示す警告が出ました。
●NIPPON CAPITAL FX (ニッポンキャピタルFX https://www.nipponcapitalfx.com/) → 閉鎖確認
これはクローズアップ現代というテレビ番組の「SNS型投資詐欺」を取り上げた2024年4月24日の放送に出てきたサイトです。
この番組のあらすじの中で紹介された被害事例の2例目、ネット広告からリンクされていたソフトバンクの孫正義氏と評論家の寺島実郎氏の架空対談を読売新聞の記事に見えるような形で示した偽記事に騙されて電話番号などを入力してしまったところ怪しげな日本語を話す母親がイギリス人で香港の大学を出たと自称する人物から国際電話が掛かってきて投資を勧誘され、3万円を投資してしまったようです。その後、似たような内容の偽のニュースサイトが他にも存在することが分かり、詐欺だと気が付いたようです。これは姉妹サイトの「検証151」でまとめた勧誘の手口、上で検証したMauntoやブルマーケッツへの投資勧誘で用いられていた勧誘の手口に合致しており、同じ詐欺グループによる詐欺でほぼ間違いないものと考えられました。そして投資してしまったサイトの画面が一瞬映ったのですが、それが本項の検証対象であるニッポンキャピタルFXというサイトです。
またこのサイトについてはYahoo知恵袋にも1件だけですが質問が出ています。
質問はこれだけで何も分かりませんが、この質問が投稿された2024年1月の時点で日本人に対してニッポンキャピタルFXでの投資勧誘が行われていた可能性が高いように思われます。
さらに検索してみるとニッポンキャピタルFXでの被害報告と思われるものが他にも見つかりました。まずjust answer (https://www.justanswer.jp/) という専門家の回答を求められる質問サイトで以下の投稿を見つけました。
経緯が全く分かりませんが、ニッポンキャピタルFXで投資を始めてしまい、出金しようとしたところ経費や手数料と称して272万円を請求され、請求額の追加入金に応じたもののさらに260万円を請求されているようです。
出金しようとすると意味不明の名目で追加入金を要求されるというのは「検証13」以降で検証している中国系と思われる詐欺の手口に合致するのでこの投稿を見てこれは中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトなのかとも思いましたが、以下で示すようにサイト自体は明らかに「検証4」で検証してきた幾つかのサイトと似ています。異なるグループによる詐欺なのかと思っていましたが、実際には同一の詐欺グループが関与しているのかもしれません。あるいは詐欺の手法が異なるグループの間で模倣されているのかも知れません。
そして右上の画像に見えますが、質問者は回答者の弁護士からニッポンキャピタルFXのURLアドレスを問われてURLアドレス (https://www.nipponcapitalfx.com/about-us/) を返信しています。これは表題のサイトの「nipponcapitalfxについて」というサブページのURLアドレスに一致します。
さらに以下は爆サイ.com (https://bakusai.com/) というローカル口コミサイトで見つけたスレッドです。スレ立ての投稿、いくつかの重要と思われる投稿を抜粋して引用します。
最初のスレ主の投稿に対して3名の投稿者から自分も同じサイトで出金できなくないという投稿が寄せられています。計4件の投稿の内、3件で出金しようとしたところ手数料などの名目で追加入金を求められたという状況が説明されています。追加入金に応じても結局は出金されず、被害額が増えるだけのようです。
調べてみるとかなりの被害が既に出ているようです。
とにかくまずはサイト冒頭の画像を示します。
▼ニッポンキャピタルFX (https://www.nipponcapitalfx.com/) {表示言語:日本語のみ}
ニッポンキャピタルFXというサイト名から主に日本人を標的としたサイトであろうということは予想されましたが、表示言語の選択肢は用意されておらず、日本語のみのサイトになっています。明らかに日本人のみを標的にしたサイトということになります。そして同じグループによると思われる「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンスまでの21個のFXサイトの中にも日本語にしか対応していないサイトが4つあります。具体的には以下の4つのサイトが日本語にしか対応していないサイトです。
▼31FX (https://31-fx.co/)
▼Kyoto FX (https://kyotofx.com/)
▼Asiafxpro (アジアFXプロ https://www.asiafxpro.com/)
▼FXKYOTO (https://fxkyoto.com/)
これら4つのサイトはいずれもこの検証を書いている2024年5月上旬現在で閉鎖されているようですが、例えば以下にはアジアFXプロのサイト冒頭の画像を比較の為に再掲します。
一見しただけではニッポンキャピタルFXのサイトと特に似ているようには見えませんが、例えばメニューバーの項目の並びが似ているように思えます。
▼ニッポンキャピタルFX:
「今すぐ取引する」「口座の種類」「取引教育」「市場」「会社情報」「お問い合わせ」「ログイン」「サインアップ」
▼アジアFXプロ:
「取引」「口座の種類」「教育」「市場」「会社情報」「お問い合わせ」「ログイン」「サインアップ」
さらに明確に似ているのはメニューバーの「サインアップ」の項目をクリックして出てくる口座開設画面です。
ニッポンキャピタルFXの口座開設画面 (https://www.nipponcapitalfx.com/open-account/)
アジアFXプロの口座開設画面 (https://www.asiafxpro.com/open-account/)
FXKYOTOの口座開設画面 (https://fxkyoto.com/open-account/)
の画像を左下 → 右下の順で示します。口座開設画面は互いにそっくりですし、URLアドレスも全て「/open-account/」で終わっていて互いに似ています。
これら3つのサイトの口座開設画面は互いにほぼ同じであり、同じグループによるサイトとしか思われません。
トップページに戻って気になる部分を取り上げます。以下は「いつでもどこでも取引」と題された部分の画像です。
マルチプラットフォーム対応を説明しているのですが、上の画像の左下、赤枠で囲った部分に気になる文章があります。
>24時間365日、20カ国語以上に対応した現地のグローバルチームがお客様をサポートします。また、多様な支払方法によって、より柔軟な入出金が可能です。
サイト自体が日本語にしか対応していないのに「20ヵ国語以上に対応した現地のグローバルチームがお客様をサポートする」というのは意味が分かりません。多数の言語に対応しているならばカスタマーサービス以前にサイト自体を多言語に対応させるのが先決でしょう。日本語にしか対応していないサイトで日本語を理解できない人が取引するとは思えません。
さらに以下は取引開始までの3段階を説明している部分の画像です。
この部分を見て何か既視感を感じたので調べてみるとVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) という日本語には対応していないイギリスのFX業者のサイトのサブページ (https://www.vantagemarkets.co.uk/clients/accounts/withdraw/) で以下に示す非常によく似た説明文と画像の組み合わせを見つけました。
さらにニッポンキャピタルの「ロングとショートの比較」と題されたサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/long-short-trading/) にも以下に示した人物の画像が変わっているだけで取引開始までの3段階を説明する同じ内容の部分が存在します。
そしてVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) のトップページにも同じ女性の画像を使った以下のような部分が存在します。
さらに以下はニッポンキャピタルFXの会社情報のサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/about-us/) にある同様の内容の部分の画像です。
同様にVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) のインデックス投資のサブページ (https://www.vantagemarkets.co.uk/trading/products/indices/) にも同じ男性の画像を使った以下のような部分が存在します。
これは偶然とは思えません。ニッポンキャピタルFXとVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) という日本語非対応のイギリスのFX業者の間に組織的な繋がりがあるのか、あるいは画像や文章が盗用されているのかのいずれかだと思われます。どちらかが他方のサイトから画像や文章を盗用しているのだとすれば後述しますがニッポンキャピタルFXのサイトは2023年11月16日にドメイン登録されたかなり新しいサイトなので盗用しているのはニッポンキャピタルFXの側である可能性が高いように思われます。
そして違和感を感じるのはニッポンキャピタルFXのサイトサイト名自体に「ニッポン」という言葉が使われ、日本語にしか対応しておらず、後述するように日本に拠点があるとしているサイトなのに使われている人物の画像が日本人とは思えない人物の画像ばかりであるということです。上に示したサイト冒頭部に登場する赤いセーターの男性を始めとして、上に示した画像以外にも人物の画像は幾つか出てくるのですが、日本人らしき人物の画像は全く見当たりません。日本語にしか対応しておらず、日本の拠点で運営されているFX業者のサイトとは考えにくいように思われるのです。
次に示すのはニッポンキャピタルFXのメニューバーにある「口座の種類」というサブページにある6種類の口座を説明する表です。
そして「検証4」で示していますがアジアFXプロのサイトの場合もメニューバーにあった「口座の種類」という項目からリンクされていたサブページにもこれと非常によく似た表があったことが確認されています。その画像を以下に再掲します。
いずれの場合も6種類のアカウントが存在しており、アカウントの名称は「BASIC (ベーシック)」「Bronze (ブロンズ)」「SILVER (シルバー)」「GOLD (ゴールド)」「PLATINUM (プラチナ)」「DIAMOND (ダイアモンド)」となっています。詳しい説明がないのですが、おそらく入金額を増やすと上級のアカウントを利用することが出来てレバレッジなどで優遇されるということだと思われます。こうした複数種類のアカウントは「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したMauntoやブルマーケッツのサイトでも設定されていて同じグループによると思われる一連のサイトでの共通点になっています。こうしたアカウントがあることもニッポンキャピタルFXとアジアFXプロなどのサイトとの組織的繋がりがあることを示す証拠と考えられます。
もう一度トップページに戻って以下は「会社情報」という題目なのですが、実際には取引対象を説明している部分の画像です。
この部分は「外国為替」「仮想通貨」「コモディティ (商品)」「インデックス」の4項目を取引対象として挙げており、それぞれの項目について説明しているサブページへのリンクにもなっています。この内、「外国為替」の項目からリンクされているサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/forex-trading/) には以下のような部分があります。
>ドル、ポンド、円、ユーロ、その他の通貨を購入、売却、取引することができます。
という記述もあるので円を含む通貨ペアも取引可能だと思われるのですが、
>取引可能な主要通貨ペアは、EUR/USD、GBP/USD、USD/JPY、USD/CHFの 4つです。
という記述もあって主要な通貨ペアとして「ユーロ・米ドル」「英ポンド・米ドル」「豪ドル・カナダドル」「豪ドル・スイスフラン」の4つの通貨ペアが挙げられているのですが、ここにも日本語のみに対応し、日本に拠点があるとするFX業者の説明としてかなり違和感を感じます。日本のFX業者ならば「米ドル・円」「ユーロ・円」といった円を含む通貨ペアが主力のはずでしょう。少なくとも「豪ドル・カナダドル」「豪ドル・スイスフラン」といった通貨ペアよりも円を含む通貨ペアの方がずっと取引量が多いはずです。取引できる通貨ペアの一覧とか取引単位、スプレッド、スワップ金利など普通のFX業者ならば必ず開示されているような情報、さらにはリアルタイムの相場情報やチャートが全く見当たらないことにも違和感があります。
次にニッポンキャピタルFXのサイトで連絡先情報を探しました。「お問い合わせ」のサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/contact-us/) に「便利な連絡先」と題されたメールアドレス、電話番号、住所をまとめた部分があります。
>Eメール
>support@nipponcapitalfx.net
>電話番号
>+81 5068648388
>+44 203 3265806
>住所
>〒221-0056. 神奈川県横浜市神奈川区金港町7-3
>The Leadenhall Building, 122 Leadenhall St, London EC3V 4AB
メールアドレスは1つだけですが、電話番号と住所は2つずつあります。2つの電話番号の一方は [+81] という日本の国番号から、他方は [+44] というイギリスの国番号から始まっています。つまり日本とイギリスの電話番号が1つずつということになります。日本の電話番号は国番号に続いて (050) 局番なのでIP電話ということになります。日本の何処で使われている電話番号なのか全く情報がないことになります。
住所の方も同様で日本の住所とイギリスの住所が1つずつ記されています。まず神奈川県横浜市の住所ですが、検索してみるとこの住所には金港ビルというオフィスビルが存在しています。ニッポンキャピタルFXのサイトに記されている住所には階数とか部屋番号の情報がないのですが、このオフィスビルの7階には以下に示したRegusというレンタルオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点があります。
この住所はバーチャルオフィス業者を利用した架空住所の疑いがあることになります。また国税庁の法人番号公表サイト (https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/) でこの住所にある法人を検索してみると37件の法人登録が見つかるのですが、その中にニッポンキャピタルFXのものと思われる法人登録は見つかりません。また「ニッポンキャピタルFX」という名称の法人登録があるかどうかも検索してみましたが、該当がありません。本当にニッポンキャピタルの拠点が日本国内にあるかどうか疑問です。
さらにイギリスのロンドンの住所 (The Leadenhall Building, 122 Leadenhall St, London EC3V 4AB) についても同様に検索してみると確かにこの住所にはビルの形状が似ていることからCheesegrater (チーズ削り器) とも呼ばれている「The Leadenhall Building」という48階建ての高層オフィスビルがあるようです。しかし48階建てのビルの住所なのにこのロンドンの住所についても階数とか部屋番号の情報がありません。そしてこの高層ビルのテナント (入居者) 情報を見ると30階にServecorp (https://www.servcorp.co.uk/en/) というレンタルオフィス/バーチャルオフィス業者が入居しています。ロンドンの住所の拠点情報も確認され、この拠点でバーチャルオフィスのサービスも提供されていることも確認されます。
このロンドンの住所についてもバーチャルオフィス業者を利用した架空住所の疑いがあることになります。またロンドンに住所があるということからニッポンキャピタルFXについてイギリスの法人登録を検索できるCompanies House (https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/) というサイトでイギリスに法人登録がないか検索してみましたが、該当すると思われるような法人登録は見つかりません。またそもそもイギリスに拠点があるならサイトが日本語表示のみで英語にも対応していないというのは異様です。イギリスの拠点についても実在するかどうか疑問です。
さらに所在地情報を求めて例によってサイトのWho Is 情報を確認してみましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は以下の画像、黄色の枠で囲った部分に記されていますが、2023年11月16日となっています。
また日本語にしか対応していないサイトですから当然ですが、以下に示したようにアクセスの100%が日本国内からのアクセスになっているようです。
とてもではありませんが、イギリスにも拠点のある会社とは思えません。
最初に引用したようにこのサイトについては既に多数の被害報告が出ています。運営者に関する情報の開示は決めて不充分、不適切であり、有効な金融ライセンスも確認出来ません。それどころか拠点があるとされている日本でもイギリスでも法人登録さえ確認出来ません。
またこのサイトと最も似ているのは「検証4」で検証した以下の4つのサイトですが、
▼31FX (https://31-fx.co/)
▼Kyoto FX (https://kyotofx.com/)
▼Asiafxpro (アジアFXプロ https://www.asiafxpro.com/)
▼FXKYOTO (https://fxkyoto.com/)
既に書いたようにこれら4つのサイトは全て何の告知もなく、閉鎖されているようでアクセス出来なくなっています。ニッポンキャピタルFXについても突然閉鎖される可能性が充分に考えられ、非常に危険と判断せざるを得ません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記
2024年7月24日付で関東財務局からニッポンキャピタルFXについて無登録の違法業者であるとして警告が出てきました。
●OYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/) → 閉鎖確認
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで、上で検証したニッポンキャピタルFX (https://www.nipponcapitalfx.com/)や「検証4」で検証した以下の4つのいずれも既に閉鎖されたサイトと同様に日本語にしか対応していません。
▼31FX (https://31-fx.co/)
▼Kyoto FX (https://kyotofx.com/)
▼Asiafxpro (アジアFXプロ https://www.asiafxpro.com/)
▼FXKYOTO (https://fxkyoto.com/)
特にこれらのサイトの中で上で検証したニッポンキャピタルFXのサイトとかなり似ている部分があり、この検証でもニッポンキャピタルFXとの比較をしていくことになります。「OYASHIMA」というサイト名も何となく日本の地名を思わせるように思いますが、「OYASHIMA」という地名や漢字を思いつきません。もしかすると日本の古称である大八島国 (おおやしまぐに) から来ているのかもしれませんが漢字表記が出てくるわけではありません。
まずこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
残念ながらどういう経緯で投資することになってしまったのか情報がありませんがOYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/) に既に「何百万円もの大金」を投資してしまった状況で詐欺サイトではないかと質問しています。出金に困難が生じているなどの理由があって詐欺の可能性を疑っているのかもしれません。そして日本語にしか対応していないサイトであることを考えれば日本人を主な標的としているのは間違いないということで検証することにしました。まずサイト冒頭部の画像を示します。
▼OYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/) {表示言語:日本語のみ}
表示言語の選択肢は用意されておらず、背景画像は河口湖の向こうに富士山という日本を象徴するような画像になっています。ちなみにこの河口湖+富士山の画像はFREEP!K (https://jp.freepik.com/) というサイトで無料で公開されている「日没時の富士山と河口湖、秋の山梨県の富士山。」というタイトルの素材画像のようです。
さらにこのサイトの冒頭部の背景画像はスライドショー形式で2つの画像が入れ替わりで表示される設定になっています。以下が2つ目の背景画像パターンです。
こちらもFREEP!K (https://jp.freepik.com/) というサイトで無料公開されている「若いビジネスマンのミレニアル世代のグループアジアのビジネスマンと実業家は、小さな近代的なオフィスの会議室で幸せな気持ちを扱い、契約または合意に署名した後、5を与えることを祝います。」という長いタイトルのフリー素材画像のようです。
まともな金融機関がフリー素材の画像を公式サイトの冒頭で使用するかどうか疑問です。このサイト冒頭部については特にこれまでに検証してきたサイトと似ているようには感じられません。しかし、さらにこのサイトを調べてみると特に上で検証したニッポンキャピタルFXなどのサイトと似ている部分が見つかってきました。例えば左下に示したのはOYASHIMA FXのサイトの口座開設画面 (https://oyashimafx.com/open-account/) の画像、右下はニッポンキャピタルFXのサイトの口座開設画面 (https://www.nipponcapitalfx.com/open-account/) の画像です。
これら2つのサイトの口座開設画面は互いに酷似しています。また上に書いたニッポンキャピタルFXの検証で示しましたが
アジアFXプロの口座開設画面 (https://www.asiafxpro.com/open-account/)
FXKYOTOの口座開設画面 (https://fxkyoto.com/open-account/)
もこれと非常によく似ていることが確認されています。
また以下はOYASHIMA FXのサイトのトップページにある「会社情報」と題された部分で4つの取引対象を説明している部分の画像です。
「外国為替取引」「仮想通貨を売買する」「コモディティ(商品) の取引」「インデックス取引」の4項目が挙げられています。
そして以下はニッポンキャピタルFXのトップページにあるやはり「会社情報」と題された取引対象を説明している部分の画像です。
添えられている画像は異なりますが「外国為替取引」「仮想通貨を売買する」「コモディティ(商品) の取引」「インデックス取引」という項目名はそっくり同じです。さらにこの部分からリンクされているサブページも相互比較すると極めてよく似ていることが分かりました。例えばOYASHIMA FX の「外国為替取引」のサブページとニッポンキャピタルFX の「外国為替取引」のサブページを比較してみます。まずサブページの冒頭に出てくる「外国為替取引」を説明する文章の比較です。OYASHIMA FX → ニッポンキャピタルFXという順で画像を示します。
2つのサイトの文章はサイト名の部分が違うだけでそれ以外は全く同じです。
同様にこの説明文に続いて出てくる「取引可能な通貨」と題された部分についてもOYASHIMA FX → ニッポンキャピタルFXという順で画像を示します。
「今すぐ取引」と書かれたリンクボタンの色が異なるだけでそれ以外は全く同じ4つの通貨ペアに関する同じ説明文、同じイラストが並んでいます。
同様に以下にはOYASHIMA FX の「インデックス」のサブページとニッポンキャピタルFX の「インデックス」のサブページにある画像を順に示します。
やはり2つのサイトで異なるのはリンクボタンの色ぐらいです。これら2つのサイトのかなりの部分が同じテンプレートからのコピペで作られているのは間違いありません。
さらに以下ではメニューバーにある「口座の種類」という項目からリンクされているサブページを比較します。やはりOYASHIMA FXの「口座の種類」 → ニッポンキャピタルFXの「口座の種類」という順で画像を示します。
OYASHIMA FXでは「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「VIPプラチナ」「VIPダイヤモンド」の5種類のアカウント
ニッポンキャピタルFXでは「Basic (ベーシック)」「Bronze (ブロンズ)」「Silver (シルバー)」「Gold (ゴールド)」「Platinum (プラチナ)」「Diamond (ダイヤモンド)」の6種類のアカウント
がそれぞれ用意されているようです。またそれぞれのアカウントを示す多角形のロゴみたいな部分は2つのサイトで明らかに似ています。そして上級のアカウントになれば最大レバレッジが大きくなるなど有利な条件が適用されるようです。
尚、この表によればOYASHIMA FXの5種類のアカウントを開設するにはそれぞれ以下の金額の入金が必要となっているようです。
アカウント 必要入金額
「ベーシック」 4万円
「シルバー」 400万円
「ゴールド」 800万円
「VIPプラチナ」 1500万円
「VIPダイヤモンド」 2500万円
そしてこうした複数のアカウントタイプが用意されているというのは「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証しているModMount以下のサイトでも共通しているパターンです。またOYASHIMA FXのサイトで口座を開設するには最低4万円の入金が必要となっていますがこの4万円というのはこの検証を書いている2024年7月上旬時点での1ドル=160円ほどという相場で換算すれば250ドルほどになります。アカウントを開設するのに必要な金額が最低250ドルであるというのは「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証しているModMount以下のサイトの多くで共通しています。OYASHIMA FXはニッポンキャピタルFXだけでなく、「検証4」や本ページで検証しているかなり多くのサイトと組織的に結びついている可能性が強く示唆されます。
さらに以下は「規約と条件」というサブページにある利用規約に関する記述の一部です。
特に気になるのは最後の部分です。
>6ヶ月以内にログインせず取引しなかった場合(「休眠口座」)、休眠口座は毎月10%の控除を受けることに
なります(「休眠手数料」)。
6か月間取引しなかっただけで「休眠口座」と認定され、毎月口座残高の10%を徴収するという意味だと思われます。これは普通の証券会社では有り得ない規定でしょう。また同時に一定期間取引しなかった場合に休眠口座と認定してかなり高額の「Inactive Fee」を徴収するという規定が「検証4」で検証した一連のサイトの幾つか、具体的には2つのエックスプロマーケッツ、エランドロード、フェニックスリミテッド、インベサキャピタル、インベストマーケッツ、ビッグマーケッツ、Ventorus、トレドポール、ポートレイズといったサイトで確認されていて共通性を強く感じます。組織的な繋がりの可能性を感じさせます。
次に連絡先情報を探しました。ここでもOYASHIMA FXの「お問い合わせ」 、 ニッポンキャピタルFXの「お問い合わせ」にある「便利な連絡先」と題された部分の画像を左下 → 右下という順で示します。
この連絡先情報の形式も2つのサイトで明らかに似ています。OYASHIMA FXの連絡先情報を以下に書き出します。
>便利な連絡先
>Eメール support@oyashimafx.net
>電話番号
>日本支社カスタマーサポート・ホットライン 05068648838
>ロンドン事務所カスタマーサポート・ホットライン +442033703049
>日本事務所所在地: 〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町1-12-3
〒760-0008 香川県高松市中野町29-5 高松プラザビル
>ロンドン事務所所在地: 30 Churchill Place London, E14 5RE
>オフィスアワー: 午前10時~午後7時
日本国内の住所として東京と香川の2つの住所が記されています。まず東京の住所ですがDaiwa日本橋馬喰町ビルという10階建てのオフィスビルがあるようですが、住所には階数とか部屋番号の記述がありません。同様に香川県高松市の住所にある高松プラザビルは8階建てのオフィスビルのようですが、こちらも階数とか部屋番号の情報がありません。また高松市の高松プラザビルにはRegusというシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点があるようです。この高松市の住所はこのシェアオフィス/バーチャルオフィス業者を利用した架空住所の可能性があるかもしれません。また国税庁の法人番号公表サイトで「OYASHIMA FX」の法人登録を探しましたが該当がありません。東京の住所には5件、高松市の住所には閉鎖された2法人を含めて17件の法人登録が見つかりますが、それらの中に「OYASHIMA FX」と関連がありそうな法人は見当たりません。以下は東京の住所で確認出来る5件の法人登録のリストです。
次いでイギリスの住所 (30 Churchill Place London, E14 5RE) についても検索してみましたがWeWorkというシェアオフィス業者の拠点の住所と一致します。これも架空住所の可能性があるように思われますし、イギリスの法人登録を検索できるサイト (https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/) で「OYASHIMA FX」の法人登録を探してみましたがやはり該当する法人登録は見つからないという結果になります。そもそもイギリスにも拠点があるならOYASHIMA FXが日本語にしか対応していないというのは明らかにおかしいです。
連絡先情報を求めてサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。以下に示したようにサイトの登録開設日は2024年3月12日となっていてやはりかなり新しいサイトであることが分かります。
イギリスに拠点があるならサイトが日本語にしか対応していないのはおかしいと書きましたが、一方でこのサイトの日本語の文章にはしばしば違和感を感じる部分があります。例えば以下はトップページにある「カーブを先取りしてください」と題された部分の画像です。
文章を書き出します。
>カーブを先取りしてください: 当社のプラットフォームで自信を持ってトレード!
>今日の速変化する市場で、カーブを先取りすることが不可欠です。当社のプラットフォームでは、リアルタイムの市場洞察、最新の分析ツール、パーソナライズされた取引推奨を提供し、競争相手の一歩先に立つことを支援します。自信を持ってトレードし、私たちと共に財務の未来を切り開いてください。
「カーブを先取り」とはどういう意味なのか全く分かりません。また「今日の速変化する市場」という部分も非常に不自然で意味がよく分かりません。こうした明らかに不自然な、翻訳ソフトを使って生成したレベルの日本語の文章がかなり見られることからOYASHIMA FXの拠点が日本にあるとも思われないのです。これはやはり海外のグループが運営しているサイトである可能性が高いです。
このサイトの情報開示は明らかに不充分、不適切であり、金融ライセンスも確認出来ません。そして「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証している一連のサイトと似ている部分が認められ、特に上で検証したニッポンキャピタルFXと最もよく似ています。ニッポンキャピタルFXで複数の被害報告が出ていることを考えればOYASHIMA FXについても非常に危険なサイトである可能性が濃厚と考えざるを得ません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●Above Investing (Aboveインベスティング https://aboveinvesting.pro/ja/) → 閉鎖確認
Yahoo知恵袋に出てきた質問投稿から見つけてきたサイトです。まずその質問投稿を引用します。
この質問の投稿者は以前に海外の投資会社 (投資対象は仮想通貨だったと思われる) に登録して200~300ドルほどをカード入金したものの直ぐにキャンセルしたという経歴があったようです。そしてイギリスから国際電話が掛かってきて投稿者名義の仮想通貨の口座が存在していて詐欺に使われていることが分かったので約6万ドルの残高がある口座を凍結しているのでイギリス政府に12%の税金を払えば口座に残っている6万ドルを送金すると言われたようです。しかし投稿者本人にイギリスの投資会社を利用した記憶がなく、どういうことなのか理解出来ずにこの質問を投稿しているようです。詐欺に使われていた口座だったのならばその口座に残っているお金を返還するべきは口座の名義人ではなく、詐欺の被害者だろうし、そもそもイギリスに税金を払うというのがおかしいとしか思えません。また税金の支払いならば口座に残っているお金の一部を充当すれば済むことのはずであり、新たに税金名目で入金させようとしているのだとすれば詐欺を疑わざるを得ません。
そして以前に登録した仮想通貨の投資については登録したサイトの名称などは不明なものの、登録したところカタコトの日本語で執拗に勧誘の電話が掛かってきていたこと、クレジットカードで200~300ドル程度の比較的少額のお金を投資させるといった手口などからなどから姉妹サイトの「検証151」にまとめを書いた海外の詐欺グループによる詐欺案件だった疑いが濃厚ということになりました。この投稿の投稿者本人も当該の詐欺グループによる詐欺に遭った被害者が体験談を語る動画を見て以前に入金をキャンセルしたのは同じ詐欺グループによる詐欺案件だった可能性が高いということで納得したようです。
つまり投稿者本人が忘れていたという仮想通貨投資に200~300ドルを入金したが直ぐにキャンセルしたという件で個人情報が洩れていて、税金名目でお金を騙し取ろうとしているという可能性が高いように思われます。そしてその12%の税金を払えば6万ドルを受け取れるという連絡をしてきた人物のメールアドレスのドメイン名 (@aboveinvesting.pro) を調べてみた結果として見つかってきたのがここで検証するAboveインベスティングというサイトです。
この詐欺グループは姉妹サイトの「検証151」にまとめがある仮想通貨詐欺のサイトだけでなく、「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや上で検証しているModMount以下のサイトの運営にも関わっていると考えられ、さらにAboveインベスティングのサイトのサイトを調べてみると特に「検証4」で検証した2つのAzelisファイナンスというサイト、Azelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) とAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) に似ている部分がかなり認められることが分かりました。Aboveインベスティングも同じ詐欺グループによる新たな詐欺目的のFXサイトである可能性が極めて濃いです。
まずメールアドレスのドメイン名 (@aboveinvesting.pro) から見つかってきた表題のサイトの冒頭部の画像を以下に示します。メールアドレスのドメイン名 (aboveinvesting.pro) とサイトのURLアドレスのドメイン名が一致しています。
▼Aboveインベスティング (https://aboveinvesting.pro/ja/) [表示言語:日本語、英語、フランス語]
このサイト冒頭部は特にこれまで検証してきたサイトと似ているようには思われません。
そしてメニューバーの「弊社について」という項目の中にある「サポート」というサブページにあるメールアドレスを以下に示します。
ここに記されているメールアドレス
>support@aboveinvesting.pro
のドメイン名は上で引用したYahoo知恵袋に出てきた2024年3月25日付の投稿に出てきたメールアドレスのドメイン名と一致しています。12%の税金を払えば口座に残っている6万ドルを送金するという非常に怪しげなメールを送ってきた人物はこのAboveインベスティングを運営しているグループと同一と考えて間違いないと思います。そしてこのサイトにはこのメールアドレス以外に連絡先情報がありません。トップページの冒頭部に続いては以下に示した「弊社について」と題された部分があるのですが会社に関する情報は何も示されていません。
明らかに情報開示が不足です。金融ライセンスに関する情報も全く見当たりません。
さらにトップページで気になるのは以下に画像を示した部分です。
左側の画像の中に
>+40万人の
>+90百万 年間のトランスアクション数
と書いてあります。これは40万人以上の顧客を抱えていて年間に9000万回以上の取引が成立しているという意味かと思われます。これと似た記述がメニューバーの「プラットフォーム」という項目から選択出来る「取引口座」というサブページにもあります。
>+40万人の
>+90百万 年間のトランスアクション数
に加えて
>$8百万 月間取引量
>7 流動性のプロバイダー
と書いてあり、いずれにしても40万人以上の顧客を抱えていて年間に9000万回以上の取引を成立させ、月間の取引量が800万ドル以上であるということのようです。
しかしこうした主張が事実かどうかは極めて疑問です。まず「Aboveインベスティング」について検索しても見つかってくる情報は非常に少ないです。40万人以上の顧客が本当にいるなら有り得ないことのように思われます。また以下はAboveインベスティングのサイトへのアクセス状況を調べた結果です。
1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字が軒並み検出限界以下となっています。とてもではありませんが、40万人以上の顧客がいて年間に9000万回以上の取引を成立させ、月間の取引量が800万ドル以上もあるサイトとは思えません。
さらにトップページや「取引口座」のサブページには3種類のアカウントに関する説明があります。以下に示したのはサブページの説明の画像です。
「BASIC」「ADVANCED」「VIP」という3種類のアカウントがあり、レバレッジなどの条件が異なるようです。説明が明らかに不足しているのですが、例えば「BASIC」のアカウントの説明として「250ドル」と書いてあるのは250ドル以上を入金すれば「BASIC」のアカウントを開設できるという意味と思われます。
そしてこの複数のアカウントが用意されていて最初のアカウントを開設するのに必要な金額が250ドルであるというのは「検証4」で検証した一連のサイトや本ページ、さらに「検証84」や「検証87」で検証した同じグループによると思われるサイトの多くでも共通しているパターンです。一連のサイトのアカウントの種類と最低入金額をまとめます。
サイト名 アカウントの種類 最低入金額
エックスプロマーケッツ: 5種類 250ドル
エランドロード: 5種類 250ドル
フェニックスリミテッド: 5種類 250ドル
インベサキャピタル 4種類 250ドル
インベストマーケッツ 4種類 250ドル
アジアFXプロ 6種類 不明
FXマグナス: 5種類 250ドル
FXタンパ: 5種類 250ドル
RNインベスティング: 5種類 1000ドル
インベスティコ: 4種類 250ドル
ビッグマーケッツ: 4種類 250ドル
Ventorus: 5種類 不明
Azelisファイナンス: 5種類 250ドル
エッジファイナンス: 5種類 250ドル
トレドポール: 5種類 250ドル
ポートレイズ: 5種類 250ドル
ModMount: 5種類 250ドル
Maunto: 5種類 不明
ブルマーケッツ: 4種類 250ドル
ニッポンキャピタルFX: 6種類 不明
OYASHIMA FX: 5種類 4万円 (1ドル=160円で250ドル)
ZENマーケッツ 6種類 250ドル
キャッププレイス 3種類 不明
KROXIO 5種類 250ドル
アローインベスト 6種類 不明
ファーストECN 3種類 不明
Emarlado 5種類 不明
ストーンウォールキャピタル 4種類 250ドルあるいは1万ドル?
lukインベスト 6種類 200ドル
24フォレックスマーケット 4種類 250ドル
fxonet 4種類 250ドル
トレデロ 5種類 250ドル?
サベクサ 5種類 250ドル
ブロックブリッジ 6種類 250ドル
ShinjukuFX 5種類 250ドル?あるいは5,000ドル?
クイックキャッシュFX 6種類 200ドル
Berrypax 5種類 250ドル
INNVESTER 5種類 250ドル
ブル・オントレード 5種類 不明
RNインベスティングの場合のみ最低入金額が1000ドル、最低入金額が不明の場合が8つありますが、他の記述が確認できるサイトでは全て最低入金額が250ドルです。OYASHIMA FXの場合は4万円となっていますが、1ドル=160円で計算すれば250ドルになります。また姉妹サイトの「検証151」で説明した同じ詐欺グループによると思われる仮想通貨投資の案件でも全てかどうかは分かりませんが、最低入金額が250ドルという場合が多いようです。
さらに以下にはAboveインベスティングの登録画面 (https://aboveinvesting.pro/ja/sign-up/) を示します。
この登録画面に既視感を感じたので調べてみると「検証4」で検証した2つのAzelisファイナンスという名称のサイトの登録画面にかなり似ていることが分かりました。以下には比較の為に2つのAzelisファイナンスの内、既に閉鎖されているAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の登録画面の画像を再掲します。
いずれの登録画面でも記入項目が「名」「姓」「メールアドレス」「パスワード」「国」「電話番号」の6項目で共通しており、並び順なども一致しています。さらに記入欄の下に書いてある以下の文章はサイト名の部分を除いて同一となっています。
>□私は18歳以上です。
>□私は米国市民ではありません。
>□クライアント契約、会社ポリシー、プライバシーポリシー、利用規約、および免責事項を読み、同意しました。 また、AboveInvesting に従って個人データが処理されることを確認し、同意します。
>□AboveInvesting 社に口座を設けたいと思います。 私は、自分の意志で AboveInvesting に応募したことを確認します。 また、AboveInvesting の担当者から電話または電子メールで連絡を受けることに同意します。
定型文のようなものですが、それにしてもやはりこれだけ長い文章が一致しているというのは偶然とは思えません。
さらに以下はAboveインベスティングの「法的文書」と題されているサブページの画像です。
「貿易ポリシー」「リスク開示」「マネーロンダリング対策」「返品と返金」「プライバシー・ポリシー」「規約と条件」「お客様を知る」「入出金」「クッキー・ポリシー」と題された9つのPDFファイルが並んでいますがこうした規約などをPDFファイルの形で開示しているというのは「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや上で検証しているModMount以下のサイトで共通しているパターンとなっています。そして以下には「検証4」で検証したAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「法律情報」のサブページにあったPDFファイルのリストの部分の画像を示します。
9つのPDFファイルが並んでおり、そのファイルの名称は「リスク開示」「貿易ポリシー」「規約と条件」「マネーロンダリング対策」「お客様を知る」「入出金」「返品と返金」「クッキー・ポリシー」「プライバシー・ポリシー」となっていて並び順は異なりますが、9つのファイルの名称が全く同じです。特に「貿易ポリシー」というファイル名は英語の「Trading Policy」を日本語訳したファイル名のようなのですが、「取引ポリシー」とでも訳した方が適切と思われるかなり不自然な日本語訳であり、こうした不自然な翻訳の部分まで一致しているというのは偶然とは思えません。
さらに個々のファイルの内容まで比べてみるとやはり明らかに互いに一致している部分があることが分かりました。例えば以下はAboveインベスティングの「プライバシーポリシー」と題されたPDFファイルの冒頭部です。
対して以下はAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「プライバシーポリシー」のファイルの冒頭部の画像です。
赤枠で強調したサイト名の部分が異なるだけでそれ以外の部分は互いに全く同じです。画僧は省略しますが、「検証4」で検証したエッジファイナンス (https://edgefinance.ltd/ja) およびもう1つのAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) のサイトでも確認されています。
同様に以下はAboveインベスティングの「マネーロンダリング対策」というPDFファイルの冒頭部です。
対して以下はAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「マネーロンダリング対策」PDFファイルの冒頭部です。
やはり赤枠で囲ったサイト名の部分が異なるだけでそれ以外の部分は互いに全く同じです。画僧は省略しますが、「検証4」で検証したエッジファイナンス (https://edgefinance.ltd/ja) およびもう1つのAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) のサイトでも全く同じ文章のPDFファイルが確認されています。
「検証4」で検証した2つのAzelisファイナンス、エッジファイナンス、そして本項で検証しているAboveインベスティング、計4つのサイトが組織的に繋がっているのはまず間違いないものと考えます。
そしてAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/)とエッジファイナンスについては既に何の告知もなく閉鎖されています。2024年7月上旬現在ではアクセス出来るAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) とここで検証したAboveインベスティングについても突然閉鎖される可能性が充分に考えられるということになります。Aboveインベスティングの情報開示は連絡先情報がメールアドレスしかないことなどから考えても明らかに不充分、不適切ですし、40万人以上の顧客を抱えているといった記述は到底事実とは思えません。
Aboveインベスティングでの投資は全く推奨できません。
※付記
以下で検証しているアローインベスト (https://arowinvest.pro/ja) の検証を書いていて気が付きましたが、アローインベストのサイトにもAboveインベスティングやAzelisファイナンスのサイトに用意されていたのと極めてよく似た9つのPDFファイルが存在しています。そしてアローインベストのアローインベストの「取引方針」 というPDFファイルと同様にやAboveインベスティングの「規約と条件」というPDFファイルに以下のような記述が存在することを確認しました。以下はAboveインベスティングの記述の画像です。
記されている文章を以下に書き出し、さらにGoogle翻訳による日本語訳も示します。
>12.4. In accordance with the working regulations, your trading account might be charged an inactivity fee. Commissions will be deducted from your account balance monthly, until you resume your account activity, or until the balance reaches zero.
>12.4. 業務規則に従い、お客様の取引口座には非アクティブ手数料が課される場合があります。手数料は、お客様が口座活動を再開するか、残高がゼロになるまで、毎月口座残高から差し引かれます。
これは「検証4」で検証してきた一連のサイトや上で検証してきたサイトの多くで確認されている一定期間取引しないでいると発生する非アクティブ手数料 (Inactivity fee) などという謎の手数料の規定と同類の規定のようです。但し、これまで検証してきたサイトの規定と違って非アクティブ手数料が発動する条件、例えば30日間取引がないと非アクティブ手数料が発生するといった条件が示されていませんし、金額も示されていません。これは非常に危険でしょう。例えば1ヶ月間取引しないでいるだけで口座残高が残らず非アクティブ手数料として徴収されてしまうようなことが有り得るということになります。これほど重大で顧客にとって著しく不利な条件をこんな分かりにくい形でしかも発動条件や金額も明示せずに示していることについては強い悪意を感じざるを得ません。
●ZEN MARKETS (ZENマーケッツ https://zenmarkets.co/ja) → 閉鎖確認
これもYahoo知恵袋に詐欺に遭ったという質問が出てきたサイトで姉妹サイトの「検証151」にまとめがある仮想通貨詐欺のサイトや「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイト、上で検証しているModMount以下のサイト、「検証84」や「検証87」で検証しているサイトと同じグループによるサイトと思われます。そしてこのサイトはこの検証を書こうとしていた2024年7月上旬に突然閉鎖されたようです。画像などもわずかしか残っていないので不充分な検証になりますが、今後また似たようなサイトが登場する可能性も考えて不充分な検証ながら削除せずに残しておくことにします。
まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
Facebookで見た落語家の笑福亭鶴瓶氏の記事を見て登録したところ自称・イギリス人女性から連絡があり、次いで担当アドバイザーと称する自称・イギリス人男性から連絡があってLINEでの連絡に移行し、ZEMマーケッツでの投資を勧められたようです。こうした経過はまた姉妹サイトの「検証151」で説明した有名人が非常に有利な投資についてうっかり口にしたといった内容のニセ記事広告で勧誘する手口に合致します。落語家の笑福亭鶴瓶氏はまさにニセ記事広告で名前や画像を盗用されていることが確認されている有名人の1人であり、上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) についてYahoo知恵袋への質問投稿で笑福亭鶴瓶氏の名前を使った勧誘を受けたという証言が出ています。
そしてこの質問投稿に出てきたZENマーケッツのサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼ZENマーケッツ (https://zenmarkets.co/ja) [表示言語:日本語、英語、スペイン語、フランス語、韓国語、マレー語、タイ語]
さらに以下はこのZENマーケッツのサイトで用意されていた6種類のアカウントを説明している部分の画像です。
「スターター」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」の6種のアカウントがあり、入金額が増えれば条件の良い上級のアカウントを使えるというシステムになっているようです。そして最低入金額は以下のようになっています。
「スターター」: 250ドル
「スタンダード」: 5000ドル
「シルバー」: 2万5000ドル
「ゴールド」: 5万ドル
「プラチナム」: 10万ドル
「ダイヤモンド」: 25万ドル
Aboveインベスティングの検証でまとめましたがこうした複数のアカウントが用意されていて最低入金額が250ドルというのは「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したModMount以下のサイトの多くでも共通しているパターンです。ZENマーケッツも突然閉鎖されたことなどから考えて非常に危険な詐欺目的のサイトであったと考えてまず間違いないものと考えます。
尚、Who Is 情報によればZENマーケッツのサイトは2023年11月4日に登録・開設されています。そして2024年7月上旬に閉鎖されたようなのでサイトの登録・開設からちょうど8ヶ月という短命のサイトであったことになります。
●CapPlace (キャッププレイス https://www.capplace.com/ja) → 閉鎖確認
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでこれも「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したModMount以下のサイトと同じグループによるサイトの可能性があります。まずこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
ベストアンサーの投稿者とのやり取りを見ると質問の投稿者はどうやら有名人が日銀に提訴されたとかいうニセ記事広告を見てキャッププレイスというサイトに登録してしまい、外国人から勧誘の電話が掛かってきて結局、言い成りで200ドル入金してしまったようです。しかし詐欺の可能性も疑ってこの質問を投稿したようですが、ベストアンサーでフェイクニュースであることを指摘されたようです。
こうしたニセ記事広告から登録すると外国人から執拗な勧誘の電話が掛かってくるという経緯はまさに「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」、同じく姉妹サイトの「検証152」で検証した仮想通貨のサイトでしばしば報告されている勧誘パターンに合致しています。但し入金額はこれまで確認されているサイトでは上に書いたAboveインベスティングの検証の中でまとめたように250ドルというパターンが多かったのですが、この件では200ドルになっています。これは極端な円安で250ドルが気軽に投資してみようかと思える金額ではなくなり、引き出すのが難しくなって値下げしたということなのかもしれません。
そしてベストアンサーでは幾つかのサイトへのリンクが提供されています。まず引用されているのはjpnumber (https://www.jpnumber.com/) という電話番号に関する口コミ情報サイトです。以下にリンク先サイトの内容を抜粋して示します。
いずれもCapPlace (https://www.capplace.com/) という詐欺サイトへの投資をかなり執拗に勧誘してくる電話番号として報告されています。さらに口コミ情報として以下の電話番号も同じCapPlaceへの投資勧誘に使われている電話番号であると記されています。
>050-5050-6163
>050-5050-6159
そこでこれらの電話番号についても口コミ情報を確認してみると特に「050-5050-6159」については情報が多いようなので同様に引用します。
この電話番号 (050-5050-6159) については2名の投稿者が口コミ投稿を寄せていますが、2024年7月24日付の口コミ投稿の投稿者は勧誘役が「よく分からない日本語を喋る自称・キプロス人」であったそうでクレジットカードで200ドルを入金させられたようです。ところが2024年7月29日付の口コミ投稿の投稿者によれば勧誘役は流暢な日本語を話していたということで日本人が勧誘役として取り込まれているのではないかと推測しています。これは同じ詐欺グループによる詐欺の勧誘で日本人の関与が示唆された初めてのケースかもしれません。
とにかくこれらの電話番号の口コミ情報に出てきたキャッププレイスのURLアドレスにアクセスしてみました。以下にまずサイト冒頭部の画像を示します。
▼キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja) [表示言語:日本語、英語、ヒンディー語]
このサイト冒頭部はこれまで検証してきたサイトの冒頭部と似ているようには思われません。
この冒頭部に続いては取引条件を説明している部分が出てきます。以下に画像を示します。
上に示したのはレバレッジについて説明している部分で最大200倍のレバレッジが可能となっています。
これ以外に3つ項目があり、
>高度なウェブトレーダー
>ユーザーフレンドリーな取引アプリ
>カスタマイズされた取引口座
というタイトルになっています。ここで特に気になるのは最後の「カスタマイズされた取引口座」という項目です。どうやら「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」という3種類のアカウントが存在するようでメニューバーの「取引」から選択出来る「アカウント」という項目からリンクされているサブページにその3種類の取引口座の簡単な説明があります。
上に書いたAboveインベスティングの検証の中でまとめたように「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したModMount以下のサイトは同じグループによるサイトの可能性が高く、それらのサイトの多くに共通する点として共通点として4~6種類のアカウントが用意されているという点が挙げられます。キャッププレイスの場合は用意されているアカウントの種類が3種類と少ないのですが、複数のアカウントが用意されているという点では共通しているとも言えます。但し、これまで検証してきた一連のサイトでは入金額に対応して上級のアカウントが開設できるという条件が明示されている場合が多かったのですが、キャッププレイスの場合には3種のアカウントの開設条件が全く示されていません。
さらに「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したModMount以下のサイトと似ているのではないかと思われたのがメニューバーの「会社概要」という項目から選択出来る「法律」というサブページです。以下に画像を示します。
「利用規約」「プライバシーポリシー」「AMLおよびKYCポリシー」「クッキーポリシー」「リスク開示ポリシー」というタイトルの5つのPDFファイルが並んでいます。こうした利用規約やポリシーなどが複数のPDFファイルで示されているというパターンは例えば上で検証したModMount、Maunto、ブルマーケッツ、Aboveインベスティングといったサイトなどでも確認されています。但し、ModMount、Maunto、ブルマーケッツ、Aboveインベスティングではそれぞれ9~13個のPDFファイルが用意されていたのに対してキャッププレイスの場合は5つのPDFファイルしか用意されていません。またそれぞれのファイルの特に冒頭部の文章など比較してみたのですが、他のサイトのPDFファイルの文章と極端に似ているような文章は見つかりませんでした。しかしかなり長い文章を読み進めていくと似たような規定などが存在していることに気が付きました。例えば以下は「利用規約」のファイルの25ページにある記述の抜粋です。
記述内容を以下に書き出します。
>19. DORMANT ACCOUNT PROCEDURES AND APPLICABLE FEES
>19.1. Client accounts in which there have been no trades for a period of more than 30 calendar days will be considered by the Company as being dormant accounts. Such 30 days period shall begin from the first day following the lapse of the 30-day period in which no transaction was undertaken. Any new Trading Account for which the client requests a withdrawal before the first 30 calendar days of its operation, will be considered by the Company as being Dormant Accountand will be subject to a dormancy fee as per the table below:
Dormancy Period Dormancy Fee (USD)
First 30 days 0
> 30 days 25
> 60 days 60
> 90 days 150
> 120 days 250
> 150 days 350
> 180 days 500
さらにこの部分をGoogle翻訳で日本語訳した結果も以下に示します。
>19. 休眠口座の手続きと適用される手数料
>19.1. 30 暦日以上取引が行われていない顧客口座は、当社によって休眠口座とみなされます。この 30 日間の期間は、取引が行われなかった 30 日間の経過の翌日から開始されます。顧客が最初の 30 暦日以内に引き出しを要求した新しい取引口座は、当社によって休眠口座とみなされ、以下の表に従って休眠手数料が適用されます:
休眠期間 休眠手数料 (USD)
最初の 30 日間 0
> 30 日 25
> 60 日 60
> 90 日 150
> 120 日 250
> 150 日 350
> 180 日 500
30日以上取引しないでいると休眠口座と見なされて
30日を超えて60日までは25ドル
60日を超えて90日までは60ドル
90日を超えて120日までは150ドル
120日を超えて150日までは250ドル
150日を超えて350日までは350ドル
180日を超えると500ドル
の休眠手数料が課されるとなっています。なぜ取引していないことでかなり高額の「休眠手数料」が課されるのか全く理解できませんし、これほど重要な手数料の規定が非常に分かりにくいPDFファイルの25ページ目にしか記されていないことは極めて不適切であり、不信感を感じます。
そして重要なのはこれと似た「休眠手数料」に関する規約が上で検証したModMountやMaunto、さらに「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ、エランドロード、フェニックスリミテッド、インベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツ、Ventorus、トレドポール、ポートレイズといったサイトでも確認されていることです。但しこれらのサイトではDormancy Fee (休眠手数料)ではなく、Inactivity Feeが課せられるという表現になっています。例えば以下は上で取り上げたModMountのサイトにあるInactivity Feeに関する規定の再掲です。
このModMountの場合にも30日以上取引しないでいると休眠口座と見なされて
30日を超えて60日までは100ドル
60日を超えて180日までは250ドル
180日を超えると500ドル
の休眠手数料が課されるとなっています。キャッププレイスのDormancy Fee (休眠手数料) の規定とModMountのInactivity Fee (休眠手数料) の規定はかなり似ていることは間違いありません。これは偶然とは思えず、キャッププレイスの運営も上で検証したModMount以下のサイトや「検証4」で検証した一連のサイトと同じグループによるサイトである可能性が濃厚と考えざるを得ません。
次にキャッププレイスのサイトで連絡先情報や金融ライセンス情報を探しましたが、開示されている情報は充分ではありません。まずサイトの脚注に以下のような記述があります。日本語版と英語版の両方を以下に順に示します。
キャッププレイスのサイトを運営しているRobertson Finance Inc. (ロバートソン ファイナンス) に運営されていてロバートソン ファイナンスはコモロ諸島のムワリ国際サービス局 (英語ではMwali International Services Authority)から登録番号:T2023294で金融ライセンスを取得しているとなっています。またコモロ諸島に置ける登録住所は以下のようになっています。
> Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM.
そこでMwali International Services Authority のサイト (https://mwaliregistrar.com/) で登録情報を探してみると確かに以下に示したようにBrokerage Companies のリスト の中にRobertson Finance Inc. (ロバートソン ファイナンス) の登録情報 (登録番号:T2023294) を確認出来ました。
「Website」の項目はキャッププレイスのサイトにリンクされていますし、「Verify Licenses」の項目をクリックすると以下のような登録情報が出てきます。
登録の日付は2023年6月7日にとなっています。
この登録情報にもキャッププレイスのサイトのURLアドレス (https://www.capplace.com/) が明示されていてこの登録を得ているロバートソン ファイナンスが確かにキャッププレイスの運営会社の登録であることが確認出来ます。
しかしコモロ諸島にライセンスの登録があることが確認出来てもその信頼性には疑問があります。同じグループによるサイトである可能性が高い一連のサイトの内、「検証4」で検証したBigMarkets (ビッグマーケッツ https://www.bigmarkets.com/international/ja/) の運営会社であるTomorrow Technologies LTD、さらに上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) の運営会社であるDataWave Tech Ltdもコモロ諸島のMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局) から金融ライセンスを取得しており、コモロ諸島の住所がそれぞれ以下のようになっていました。
▼ビッグマーケッツの運営会社であるTomorrow Technologies LTD
> 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM
▼Mauntoの運営会社であるDataWave Tech Ltd
>P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM
これらの運営会社の住所はキャッププレイスの運営会社であるRobertson Finance Inc. (ロバートソン ファイナンス) の以下の登録住所
> Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM.
と私書箱番号と思われる部分の有無が異なるだけで非常によく似ています。その後、新たに見つかってきて以下で検証しているファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/) の運営会社とされているNakito SAの住所は全く同じ住所 (Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM.) であることも判明しました。
そしてビッグマーケッツやMauntoの検証で触れましたがこのコモロ諸島の住所は以下に示したMOHELI CORPORATE SERVICE (https://mohelicorpservice.com/) というオフショア会社の拠点の住所によく似ています。
つまりビッグマーケッツ、Maunto、キャッププレイス、ファーストECNという4つのサイトの運営会社の登録住所はこのオフショア会社を利用した名目だけの架空住所の疑いがあります。
またオフショア会社の住所である可能性が高い住所で登録が得られているという点から見てもコモロ諸島のMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局) が金融ライセンスの取得に関して厳格な審査を行っているとは思えません。
キャッププレイスのサイトでは既に示した脚注の記述以外にメニューバーから選択出来る「サポート」のサブページに以下に示した「お問い合わせ」と題された連絡先情報が見つかります。
>メールアドレス:
>support@capplace.com
>電話番号:
>+815031264259
>+918657938588
示されているのはメールアドレスと電話番号が2つだけです。
1つ目の電話番号は[+81]という日本の国番号から始まっており、次が(0)50となっているので日本国内のIP電話の電話番号ということになります。日本に拠点があることになりますが、日本の住所は示されていませんし、国税庁の法人番号公表サイト (https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/index.html) でRobertson Finance Inc. (ロバートソン ファイナンス) とかCapPlace (キャッププレイス) という法人の登録がないか探してみましたが該当すると思われる法人登録は見つかりません。
もう1つの電話番号は[+91] というインドの国番号から始まっていてインドの電話番号ということになりますが、やはり住所は示されていません。サイトの表示言語の選択肢が上で示したように日本語、英語、ヒンディー語となっており、あまりこの手のサイトで一般的とは言えないヒンディー語が含まれていることからもインドに拠点があるのかもしれませんが、とにかく情報は示されていません。
さらに例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は2006年3月2日となっていて中古ドメインを買ってきて開設された可能性が考えられます。
総合的に判断してキャププレイスは信頼出来る投資先とは到底思えません。ニセ記事広告を使った勧誘が行われている可能性が高く、連絡先情報などの情報開示は明らかに不充分、不適切です。特に異様に高額な休眠手数料に関する記述が非常に分かりにくい部分に記されている点などから考えて他にも顧客にとって非常に不利な条件が隠されている可能性も考えられます。コモロ諸島の金融ライセンスを取得しているのは事実のようですが、信頼性は低いですし、何よりもこれまでに大きな被害を出していると思われる海外の詐欺グループとの繋がりが強く疑われます。
キャッププレイスでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。
※付記1
2024年10月25日付でキャッププレイスの運営会社であるRobertson Finance Inc. (ロバートソン ファイナンス) に対して無登録の違法業者であるとして以下に示した警告が出ました。
※付記2
以下で検証しているファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/) というその後新たに見つかってきたサイトはキャッププレスのサイトとかなり似ている部分があり、同じグループによるサイトでまず間違いありません。またファーストECNの検証を書くにあたってキャッププレイスのサイトを再訪しようとしたのですが、既に閉鎖されているようです。
●KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php) → 閉鎖確認
このサイトは「検証4」で検証したビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/) について変更になった以下のセントルシアの住所
>Ground floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia.
を調べていて存在に気が付いたサイトです。すなわちこの住所を共有するサイトとしてKROXIOのサイトの存在に気が付いたというのが最初です。この住所は同じく「検証4」で検証したVentorus (https://www.ventorus.com/ja)、上で検証したブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)といったサイトでも住所となっており、さらにFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社の連絡先情報に記されているセントルシアオフィスの住所と一致しているようです。つまりこの住所はこのオフショア会社を利用した架空住所の疑いが濃厚です。
さらに「検証4」で検証した
▼ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
▼Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
上で検証した
▼Maunto (https://www.maunto.com/ja)
▼ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
▼キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja)
さらにこの検証を書いた後で登場して以下で検証している
▼ファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/)
計6つの同じグループによると思われるサイトがコモロ諸島のムワリ国際サービス局 (英語ではMwali International Services Authority)から金融ライセンスを取得しているとなっており、実際にMwali International Services Authority のサイト (https://mwaliregistrar.com/) で登録情報を探してみると確かにBrokerage Companies のリスト の中にそれぞれの運営会社名義での登録情報を確認することが出来ました。
そこで同じリストにある登録業者の情報を確認していけば、さらに同じグループによるサイトが見つかるのではないかと考えて登録情報を確認していったところ、以下に示したBOSA FINANCE AND TECHNOLOGY LTDという運営会社の登録が目に留まりました。
「Verify」の項目をクリックすると以下のような「BOSA FINANCE AND TECHNOLOGY LTD」の登録情報が出てきます。
この登録情報に記されている「Website」のURLアドレスが表題のKROXIOのサイト (https://www.kroxio.com/jp/index.php) に一致します。登録の日付は2023年12月18日、登録番号はT2023427となっています。
つまりこのKROXIOというサイトはセントルシアの住所 (Ground floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia.) がビッグマーケッツの旧住所、Ventorusの現住所、ブルマーケッツの現住所と一致している上にコモロ諸島のムワリ国際サービス局から金融ライセンスを取得しているという点においてはビッグマーケッツ、Ventorus、Maunto、キャッププレイスの4つのサイトと共通しているということで同じグループによるサイトではないかと考えられました。
そこで本項ではさらにこのKROXIOというサイトについて調べてみることにしました。結論から言えばこのKROXIOというサイトは他にも「検証4」や上で検証してきた一連のサイトと似ている部分があり、同じグループによるサイトである可能性がかなり高く、警戒するべきサイトと考えられました。
まずこのKROXIOというサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php) [表示言語:日本語、英語、フランス語、韓国語]
この冒頭部については特にこれまで検証してきたサイトと似ているようには思われません。この冒頭部に続いては取引対象などについて説明している以下に示した部分が出てきます。FX以外に株式、ETF、暗号通貨 (仮想通貨) なども取引できるようで株式については推奨情報なども提供しているようです。
次いでやはり取引対象を説明し、外貨 (FX) のリアルタイム相場情報を示している部分が出てきます (以下の画像参照)。
そして上の画像の下端には
月間取引高: 9800万ドル以上
取引口座: 300サウザンド (30万)
年間取引件数: 2400万件以上 (実際の記述は2400万ドル以上だが取引件数なので単位の間違いと思われる)
といった記述があります。30万人以上の顧客を抱えて多くの取引実績があるという主張ですが、これが事実かどうかは極めて疑問です。このトップページには以下の画像に示したような記述もあるのです。
この部分にはAngela Nannenhornというイギリスの女性、Wade Palmerというドイツ人男性が顧客としての意見を寄せているようです。但しこの2名が実際にKROXIOで取引している顧客かどうかについては疑問があります。この点についてはまた後述します。そしてこの部分に見える
>登録者160万人を突破!
という記述は上に示した
>取引口座: 300サウザンド (30万)
という記述は明らかに矛盾しています。つい最近に30万口座から160万口座に口座数が急増して記述の一方を修正していないということでしょうか?
そこでこのKROXIOというサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のような結果になります。
1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字が全て検出限界以下になっています。要するにこのサイトへのアクセスは非常に少ないようです。とてもではありませんが、30万とか160万といった顧客口座を抱えて盛んに取引が行われているサイトとは思えません。顧客数 (口座数) などの数字は事実に基づかない虚偽としか思えません。さらにアクセス状況を調べていて気が付きましたが、このサイトへの国別アクセスは以下のようになっています。
少ないアクセスの70%超が日本からのアクセス、残りはイギリスからのアクセスとなっています。アクセス数全体が少ないのでそれほど信頼出来る数字とは思えませんが、日本在住者を主な標的としているものと思われます。
そして上に示した「>登録者160万人を突破!」と題された部分に戻ります。Angela Nannenhornというイギリスの女性、Wade Palmerというドイツ人男性が顧客として高評価の意見を寄せている部分ですが、以下に英語版の画像を示します。
Wade Palmerという人物のコメントは以下のようになっています。
>One of the best FX brokers, I have been using! their trading conditions are excellent. (私が利用している最高のFXブローカーの1つです。取引条件は優れています。)
以下に証言を寄せている2名の顧客の画像を拡大して示します。
これらの画像を画像検索に掛けてみると複数のサイトが見つかってきました。見つかってきたサイトの多くは日本語に対応してないので簡単に触れるだけにしますが例えば以下にサイト冒頭部の画像を示したberkcorp (https://www.berkcorp.com/index) というサイトはその一例です。
このサイトは英語にしか対応しておらず、冒頭部は特にKROXIOのサイトと似ているようには見えません。しかしこのberkcorpというサイトのトップページに以下のような部分があります。
ここでもKROXIOのサイトで高評価コメントを寄せていたAngela Nannenhornというイギリス人女性とWade Palmerというドイツ人男性が高評価コメントを寄せているのです。名前も画像も同じで同じ人物としか思えません。しかもWade Palmerというドイツ人男性のコメントは以下のようになっています。
>One of the best FX brokers, I have been using! their trading conditions are excellent. (私が利用している最高のFXブローカーの1つです。取引条件は優れています。)
これはKROXIOのサイトに寄せられていたWade Palmer氏のコメントと全く同じです。さらにこのberkcorpのサイトで「About」のサブページに以下のような部分があります。
このberkcorpというサイトの経営者を紹介しているのですが、Chief Executive Officer (CEO、最高経営責任者) として紹介されているCynthia Dixonという左端の女性の画像は顧客としてコメントを寄せていたAngela Nannenhornというイギリス人女性の画像と同じです。同じ女性の画像が顧客およびCEO (最高経営責任者) として同一のサイトに登場しているという異様な状況になっているのです。
同様に以下はPANtrade (https://pantradeco.com/) というAIで仮想通貨を運用するというサイトの冒頭部の画像です。
そしてこのサイトにも顧客の声を寄せている部分があります。
John M. (Crypto Enthusiast)、Michael L. (Investor) という2人の顧客がやはり高評価の声を寄せているのですが、これら2人の画像を拡大して以下に示します。
これはどう見てもKROXIOやberkcorpのサイトでAngela Nannenhornというイギリス人女性とWade Palmerというドイツ人男性として紹介されていたのと同じ人物の同じ画像でしょう。実はこれと同じ2人の画像は他にも複数のサイトで見つかります。見つかってきたサイトの名称とURLアドレスのみ以下にまとめておきます。
▼Sqarrows (https://www.sqarrows.com/)
▼First choice fx (https://firstchoicefx.com/#)
▼TangerineTrust (https://www.tangerinetrustinc.com/)
▼CMD MARKETS (https://cmdmarkets.com/)
▼WEALTH REVOLUTION FACTORY (https://wealthrevolutionfactory.com/)
▼Hedge Trust Capital (https://hedgetrust.b2pools.com/)
▼cosmos (https://evm.cosmos-ams.com/)
特にSqarrows、First choice fx、TangerineTrust、CMD MARKETSの4つのサイトは上に示したberkcorpのサイト (https://www.berkcorp.com/index) と非常によく似ています。これらのサイトも危険なサイトである可能性が疑われますが、日本語表示に対応していませんし、本項の検証対象であるKROXIOのサイトとの関係も明らかでないのでここではこれ以上掘り下げるのは止めておきます。
尚、Angela Nannenhornというイギリス人女性の画像については他にも多数のサイトで見つかります。これは素材画像の類ではないかとも思われるのですが、出所は確認出来ませんでした。
ともあれ顧客代表などとして紹介されているこれらの人物が実在の人物なのか、何という名前なのか、これらの画像が何処から出てきたのか何も分かりませんが、KROXIOなどのサイトで実際に取引している顧客かどうかは極めて疑わしいと考えざるを得ません。
次にKROXIOのサイトで用意されている5種類のアカウントについて触れておきます。メニューバーの「口座種別」という項目からリンクされているサブページに5種類のアカウントを説明する表があります。以下に画像を示します。
「ルーキー」「エキスパート」「エリート」「デラックス」「タイタン」という5段階のアカウントが存在し、それぞれ最低入金額が250ドル、5000ドル、2万5000ドル、10万ドル、25万ドルとなっているようです。上級のアカウントになるほど最大レバレッジが大きくなるとか情報提供などのサポートが多くなるシステムのようです。
そして上に書いたAboveインベスティングの検証の中でまとめていますが、同じグループによると思われる「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証したサイトの多くで3~6種類のアカウントが用意されていて最も入金額の低いアカウントで最低入金額が250ドルというパターンが非常に多いのです。KROXIOのサイトで用意されている5種類のアカウントはまさにこのパターンに当てはまります。
最低入金額については「利用規約」のサブページにも記述があります。第18条 (入出金に関する規定) を以下に示します。
幾つかの項目を抜粋して以下に示します。
>2. 当社における最低入金額は、お客様の口座の基軸通貨により、250ユーロ、250米ドル、または250英ポンドと定められています。
最低入金額は250ドルだけでなく、250ユーロ、250英ポンドといった金額が適用されるという奇妙な規定になっています。
>初回入金後、一度も取引が開始されていない場合、アカウントの承認状況にかかわらず、出金は認められません。
>クラシック口座をお持ちのお客様は、出金を行う前に、レバレッジ取引で50万の取引量を突破する必要があります。この条件を満たしていない場合、出金時に、120ドルの手数料がかかります。
一度も取引していなければ出金を認めないという規定も何の為にあるのか理解不能です。さらにおかしいのは「クラシック口座をお持ちのお客様は」という部分です。既に示したようにKROXIOのサイトで用意されている5種類のアカウントの名称は「ルーキー」「エキスパート」「エリート」「デラックス」「タイタン」の5種類となっていて「クラシック」などという口座は存在しません。英語版の規定も確認しましたが、やはり「Classic account (クラシック口座)」と書かれていて意味不明です。
一方で上で検証したサイトの内、ModMountとMauntoの2つのサイト、さらに「検証4」で検証したサイトの内、エックスプロマーケッツ、エランドロード、フェニックスリミテッド、FXマグナス、FXタンパ、Ventorusの計6個のサイトで最低入金額で開設できるアカウントが「クラシック」という名称になっています。KROXIOの利用規約はこれら「クラシック」という名称のアカウントが用意されていたサイトの利用規約を元にしている可能性が考えられます。
さらに以下に示すのはKROXIOの利用規約の第22条 (休眠口座への対応) の条文です。
>第22条 (休眠口座への対応)
>お客様は、非活動手数料を避けるために、定期的な取引等により口座を活動的な状態に保つことが求められます。
>60日間(約2ヶ月)取引活動がない口座には、50米ドルの非活動手数料が適用されます。
60日間取引がないと50ドルの非活動手数料 (英語ではInactive fee) が適用されるという規定になっています。取引がないだけで罰金のようにかなり高額の手数料が課されるという規定は「検証4」や上で検証してきた同じグループによると思われるサイトの多くで確認されています。逆に一定期間を超えて取引していないだけで手数料が徴収されるなどという奇妙な規定は「検証4」や上で検証してきたサイト以外では見たことがありません。この異様な規定が確認されることもKROXIOのサイトが一連のサイトと同じグループによるサイトであることを強く示唆するように思われます。
次にKROXIOのサイトで連絡先情報を探しましたが、開示されている情報はわずかです。「お問い合わせ」のサブページに示されている連絡先情報を以下に示します。
記述を以下に書き出します。
>住所
>Ground Floor The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia
>メールアドレス
>support@kroxio.com
>メールでのお問い合わせ
>電話でのお問い合わせ
>+442081577898
さらにサイトの脚注には以下のような記述があります。
>会社情報 : Bosa Finance and Technology Ltd (www.kroxio.com)は、コモロ島のMwali International Services Authority (M.I.S.A.)により認可・規制されています。会社登録番号は2023-00594です。Bosa Finance and Technology Ltdの登録住所は、Ground Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Luciaです。
まず住所については既に本項の冒頭で書きましたが「検証4」で検証した
ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
上で検証した
ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
その後見つかってきて「検証87」で検証している
クイックキャッシュFX (https://quickcashfx.com/)
といったサイトで所在地となっている住所と全く同じセントルシアの住所になっています。さらにこの住所はFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社のセントルシアオフィスの住所とも一致しており、架空住所の疑いが濃厚です。
一方で電話番号はイギリスの国番号である[+44]から始まっていてセントルシアの住所と矛盾しています。電話番号がイギリスということでイギリスの法人登録を検索できるサイトで運営会社とされている「Bosa Finance and Technology Ltd」の法人登録を探してみましたが該当すると思われる法人登録は見つかりません。
それ以外にはコモロ諸島のMwali International Services Authority (https://mwaliregistrar.com/) で金融ライセンスを得ていることが書いてあり、確かに本項の最初の方で既に登録があることは確認しましたが、コモロ諸島の金融ライセンスの信頼性については極めて疑わしいと考えざるを得ません。
このKROXIOというサイトは本項の最初に書いた
▼セントルシアの住所
▼コモロ諸島の金融ライセンス
といった点について「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証してきたサイトと共通性があるだけでなく
▼最低入金額が250ドルであること。
▼複数のアカウントが用意されていること。
▼60日以上取引をしていないだけでかなり高額の手数料が課されるという奇妙な規定があること。
などでも奇妙な一致が認められ、「検証4」や上で検証してきたサイトと同じグループによるサイトである可能性が相当に高いです。そしてそれらのサイトの中には被害報告が確認されているサイト、何の告知もなく閉鎖されているサイトが幾つも含まれています。またKROXIOのサイトの記述でも顧客数に関する記述や顧客の声を紹介している部分など明らかに信頼出来ない部分が多々見つかります。
こういった状況を考えるとKROXIOについて現時点で被害報告が確認されているわけではありませんが、信頼出来る投資先とは到底思えません。KROXIOでの投資を勧誘されても応じるべきではありません。
※付記
時期は不明ですがKROXIOのサイトは閉鎖されたようです。
またサイトが閉鎖された後になってしまいましたが関東財務局から無登録の違法業者であるとして2024年12月26日付で以下に示す警告が出ました。
※付記2
「検証84」で検証している以下の3つのサイトもコモロ諸島のムワリ国際サービス局 (英語ではMwali International Services Authority)から金融ライセンスを取得しており、サイトにも共通性が認められることから同じグループによるサイトと思われます。
▼Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
▼FXONET (https://www.fxonetltd.com/)
▼サベクサ (https://www.savexa.com/ja/)
さらに「検証87」で検証している以下の2つのサイトもコモロ諸島のムワリ国際サービス局から金融ライセンスを取得していた可能性がある、あるいは取得しており、そのライセンス番号はKROXIOの金融ライセンスの番号 (T2023427) と共通、つまり1つの金融ライセンスがKROXIOのサイトの閉鎖後、使い回されている可能性が高いです。
▼Berrypax (https://berrypax.com/jp/index.html)
▼INNVESTER (https://innvesterglobal.com/jp/index.html)
詳細は「検証87」に書いたこれら2つのサイトの検証を参照してください。
●AROW INVEST (アローインベスト https://arowinvest.pro/ja) → 閉鎖確認
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。まずそのYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
どういう経緯なのか情報がありませんが、最初は非通知で電話が掛かってきて、その後はLINEでやり取りしている人物からアローインベストでの投資を勧誘され、2000ドル入金して運用したところ2万ドルまで増やすことが出来たけれども出金しようとしたところ、手数料名目で10% (2000ドル) を払うことを要求されて出金できなくなったようです。どうして勧誘役が質問の投稿者の電話番号を知っているのか、勧誘役が外国人かどうかについては残念ながら情報がありません。そして手数料の2000ドルは出ている利益から充当することは出来ず、追加入金を要求されているようです。これは明らかにおかしいでしょう。出金しようとすると税金とか保証金とか手数料とか意味不明の名目で追加入金を要求されるというパターンは「検証13」以下で検証している中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致するので、このサイトも当初は中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトなのかとも思ったのですが、アローインベストのサイトを調べてみると上で検証したサイトの幾つかに似ている部分が認められ、「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したModMount以下のサイトと同じグループによるサイトの可能性が高いようです。
まずサイト冒頭部の画像を示します。
▼アローインベスト (https://arowinvest.pro/ja) [表示言語:日本語、英語、フランス語、スペイン語]
表示言語の選択肢は日本語、英語、フランス語、スペイン語の4言語になっています。この冒頭部は特にこれまで検証してきたサイトと似ているようには思われません。気になるのは
>500k トランザクション
という部分です。意味がよく分かりませんが、表示言語を英語にすると以下に示したようになります。
>500k Deals per day (1日当たりの取引が50万回)
となっています。50万回もの取引が成立している、かなり取引が盛んに行われているという主張のようです。さらにこの冒頭部に続いて以下の画像に示した部分が出てきます。
この部分の記述を書き出します。
>会社概要
>長年の経験を持つチーム
>Arow Investは、あらゆる金融市場で経験を積んだ信頼できるオンライン・ブローカーでございます。
>1.5 億ドルの 時価総額
>95000+ アクティブな顧客
長年の経験を持つチームが運営していてアクティブな顧客が9万5000人以上となっています。しかしこういった記述が事実かどうかは非常に疑問です。以下はアローインベストのサイトへのアクセス状況を調べた結果なのですが、アクセスは非常に少ないのです。
1日当たりの独立訪問者数が平均17人、月間のアクセス数が平均515回となっています。とてもではありませんが、アクティブな顧客を9万5000人以上抱えているサイトへのアクセス状況とは思えません。またアローインベストについて検索してみても見つかってくる情報はとても少ないです。例えばドメイン名「arowinvest.pro」をGoogle検索に掛けて見つかってくるのはたったの14件です。とてもではありませんが
>1日当たりの取引が50万回
>95000+ アクティブな顧客
といった記述は事実とは思えません。
次に取引口座の種類に関する説明が出てきます。以下に画像を示します。
「スタート」「ゴールド」「ダイヤモンド」という3種類のアカウントについての説明が記されていてスプレッドとか利用できるツールの数に違いがあるようです。さらに「取引口座のタイプ」というサブページを見るとこのトップページの説明には登場していない3つのアカウントタイプが存在していて計6種類のアカウント、「スタート」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」という6種類のアカウントが存在するようです。
例えば「スタート」アカウントではスプレッドが3ピップス~、最上級と思われるダイヤモンドでは0.3ピップス~と10倍も違うなど上級のアカウントの方が有利な取引条件になっているようです。こうした複数のアカウントが用意されていて上級のアカウントの方が有利になっているというシステムは「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したModMount以下のサイトと明らかに似ています。それらのサイトでは上に書いたAboveインベスティングの検証の中でまとめてありますが、入金額によって上級のアカウントが使える、最低ランクのアカウントの必要入金額が250ドルに設定されているという場合が多かったのですが、アローインベストの場合、6種のアカウントの開設条件は明示されていません。
トップページに戻ってアカウントの説明に次いでは以下に示した取引対象の説明が出てきます。
「通貨ペア (FX)」「株価指数」「コモディティ」「企業株式」の4つが取引対象として挙がっています。しかし例えば「通貨ペア」で取引出来るのがどんな通貨ペアなのか全く情報がありません。
>メジャー、マイナー、エキゾチックなど
と書いてありますが、具体的に取引できる通貨ペアや取引単位、スワップ金利の情報が見当たりません。こうした情報は普通のFX業者ならば必ず明示されているはずです。また同様に「株価指数」「コモディティ」「企業株式」についても具体的に取引出来る銘柄とか取引単位に関する情報が見当たりません。
これ以外にトップページで気になるのは以下に画像を示した「弊社の評判」と題された部分です。
要するにアローインベストの顧客の声を集めた部分だと思われるのですが、4人の顧客がいずれも絶賛コメントを寄せています。上に示したのはその内の2名のコメントの画像です。非常に気になるのはコメントを寄せている顧客の名前に添えられている「〇年間の協力」という部分です。
>アレクサンダー・フィッシャー
>1年間の協力
>マリア・ロペス
>15年間の協力
「〇年間の協力」の意味がよく分からないのですが、それだけの期間、アローインベストとの取引経験があるという意味ではないかと思われます。仮にそういう意味だとすると上の画像に見える2名の顧客はアローインベストで1年あるいは15年の取引経験があるということになります。しかしこれは事実とは思えません。以下に示したのはアローインベストのサイトのWho Is 情報です。
黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設日が示されていますが、2024年4月4日となっています。この検証を書いている2024年8月下旬現在で5ヵ月未満という新しいサイトということになります。サイトの開設から5ヵ月未満なのに顧客が1年、15年といった長期間に渡ってアローインベストのサイトを利用しているということは有り得ないでしょう。またこれだけ新しいサイトだからこそ、サイトへのアクセスが非常に少ないのは当然とも言えます。とにかく「弊社の評判」と題された部分に記されている顧客の絶賛コメントは信頼出来るようには思えません。またこのWho Is 情報には登録者に関する情報が何も示されていません。
次に連絡先情報や金融ライセンス情報を探しましたが開示されている情報は充分とは言い難いです。一応、「お問い合わせ」というサブページが存在しており、以下のような連絡先情報が示されています。
>メール
>support@arowinvest.pro
>電話番号
>+3197010266663
>住所
>World Trade Center, Tower Ten, Strawinskylaan 579, 5de verdieping, 1077 XX Amsterdam, Netherlands
住所はオランダのアムステルダムにあるWorld Trade Center (https://wtcamsterdam.com/en/)というオフィスビル、電話番号もオランダの国番号である[+31]から始まっています。しかしアローインベストのサイトの表示言語の選択肢は上で示したように日本語、英語、フランス語、スペイン語の4ヵ国語になっていてオランダの公用語であるオランダ語が含まれていません。アローインベストの運営が本当にオランダのアムステルダムにあるかどうか疑問です。また金融ライセンスに関する記述は見つかりません。日本の金融庁で登録を得ていないだけでなく、世界のどの国でも登録を得てない違法業者ということになります。
それからこのアローインベストのサイトで非常に気になるのがメニューバーの「ドキュメント」という項目からリンクされている9つのPDFファイルです。
右に示したのが「ドキュメント」という項目から選択出来るPDFファイルのプルダウンメニューです。
▼マネーロンダリング対策
https://arowinvest.pro/AML.pdf
▼クッキーポリシー
https://arowinvest.pro/Cookies_Policy.pdf
▼入出金
https://arowinvest.pro/Deposit_Withdrawal.pdf
▼お客様を知る
https://arowinvest.pro/KYC.pdf
▼プライバシー・ポリシー
https://arowinvest.pro/Privacy_Policy.pdf
▼返金のポリシー
https://arowinvest.pro/Refund_Policy.pdf
▼リスク開示
https://arowinvest.pro/Risk_Disclosure.pdf
▼取引方針
https://arowinvest.pro/Terms_and_Conditions.pdf
▼利用規約
9つのPDFファイルが用意されているのですが、9つのPDFファイルの名称は例えば上で検証したAbove インベスティングのサイトに用意されている9つのファイルの名称とよく似ていることに気が付きました。以下はAboveインベスティングのサイトの「法的文書」というサブページに用意されている9つのPDFファイルリストの再掲です。
アローインベストのサイトとAbove インベスティングのサイトに用意されている9つのPDFファイルのファイル名を比較すると「マネーロンダリング対策」「クッキー・ポリシー」「入出金」「お客様を知る」「プライバシー・ポリシー」「リスク開示」という6つのファイルの名称が一致しています。
さらに個々のファイルの中身を比較してみると明らかに似ている点が認められました。例えば以下にはアローインベストの「プライバシー・ポリシー」 → Aboveインベスティングの「プライバシー・ポリシー」 → Aboveインベスティングの検証で比較対象としたAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「プライバシーポリシー」のファイルという順でファイルの冒頭部を示します。
赤枠で囲ったサイト名の部分が互いに異なるだけ他の部分は全く同じ文章です。これは偶然とは思えません。さらに以下にはアローインベストの「マネーロンダリング対策」 → Aboveインベスティングの「マネーロンダリング対策」 → Azelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「マネーロンダリング対策」いう順でファイルの冒頭部を示します。
これら3つのサイトの「マネーロンダリング対策」のファイルの相互比較でも赤枠で囲ったサイト名の部分以外は全く同じです。
またアローインベストのサイトとAbove インベスティングのサイトに用意されている9つのPDFファイルの内、6つのファイル名が一致していると書きましたが、残りのそれぞれ3つのPDFファイルについても日本語のファイル名は違っていてもファイルの中身はほぼ一致していることが確認されました。以下の組み合わせでファイルの中身が殆ど同じです。
▼アローインベストの「返金のポリシー」とAboveインベスティングの「返品と返金」
▼アローインベストの「取引方針」とAboveインベスティングの「規約と条件」
▼アローインベストの「利用規約」とAboveインベスティングの「貿易ポリシー」
さらに2つのAzelisファイナンス、Azelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) とAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) のサイトにある9つのPDFファイルの内容も非常に似通っているようです。2つのAzelisファイナンスのサイトを含めた4つのサイトは同じグループによるサイトと考えて間違いないでしょう。
そしてAboveインベスティングの検証を書いた際には気が付かなかったのですが、これらのサイトの規約の中に取引しない期間が長くなるだけで非活動手数料 (英語ではInactive fee / Inactivity fee) という名目で手数料を取られるという規定が記されていることが判明しました。残念ながら2つのAzelisファイナンスの内、Azelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) は既にサイトが閉鎖されているのでファイルを確認出来ませんが少なくともAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) のファイルには同様の非活動手数料に関する記述があることを確認しました。
以下に非活動手数料に関する記述をアローインベストの「取引方針」 → Aboveインベスティングの「規約と条件」 → Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) の「規約と条件」という順でそれぞれのファイルから抜粋して示します。
この部分にはサイト名も出てこないので3つのサイトの文章は互いに全く同じです。3つのサイトのPDFファイルのこの部分に記されている文章を以下に書き出し、さらにGoogle翻訳による日本語訳も示します。
>12.4. In accordance with the working regulations, your trading account might be charged an inactivity fee. Commissions will be deducted from your account balance monthly, until you resume your account activity, or until the balance reaches zero.
>12.4. 業務規則に従い、お客様の取引口座には非アクティブ手数料が課される場合があります。手数料は、お客様が口座活動を再開するか、残高がゼロになるまで、毎月口座残高から差し引かれます。
どれほどの期間、取引しないでいるとこの非アクティブ手数料 (Inactivity fee) が発生するのか、また非活動手数料 (Inactivity fee) が幾らなのかという基本的な情報が見当たらないのですが、いずれのサイトでもとにかく取引しないでいると毎月、アカウントから非活動手数料 (Inactivity fee) 名目でお金が差し引かれることになるようです。非活動手数料の発生条件や金額が明示されていないのはむしろ非常に危険としか思えません。そして一定期間以上取引しないでいるだけで「Inactivity Fee」とか「Dormancy Fee」といった名目で罰金のような手数料が課せられるという理解不能の顧客にとって著しく不利な規定は「検証4」で検証した2つのエックスプロマーケッツ、エランドロード、フェニックスリミテッド、インベサキャピタル、インベストマーケッツ、ビッグマーケッツ、Ventorus、トレドポール、ポートレイズといったサイト、さらに上で検証したModMount、Maunto、ブルマーケッツ、キャッププレイス、KROXIO、以下で検証しているファーストECNといったサイトでも確認されています。
さらに「検証4」で検証したサイトの内、Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/)、Aboveインベスティングとアローインベストの3つのサイトにも発生条件や金額が明示されていないとしても同じような規定が見つかったということでこれらのサイト間の組織的な繋がりの可能性を強く感じさせます。
そして本項の最初で引用したYahoo知恵袋への質問投稿によれば既にアローインベストから出金出来ないという事態が発生しているようです。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●FirstECN (ファーストECN https://www.firstecn.com/ja/) → 閉鎖確認
これもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトで仮想通貨の取引が中心らしく、FXは扱っているかどうかも怪しいので本来は姉妹サイトの方で検証するべきかとも思いましたが、上で検証してきたサイト、特に上で検証したキャッププレイス (https://www.capplace.com/ja) という既に閉鎖されているサイトと似ているようなのでここで検証します。
まずこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
俳優の櫻井翔氏のニセ記事広告から個人情報を入力してしまい、ファーストECNでの投資を電話で勧誘されることに亜なってしまったようです。櫻井翔氏はニセ記事広告で名前や画像を盗用されていることが確認されている有名人の1人で姉妹サイトの「検証151」には櫻井翔氏のニセ記事広告の例が示されています。
とにかくこの質問投稿に出てきたURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。以下にまずサイト冒頭部の画像を示します。
▼ファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/) [表示言語:日本語、英語、ヒンディー語、ポルトガル語]
上でFXを扱っているかどうかさえ怪しいと書きましたがこの冒頭部には以下のような記述があります。
>CFD取引の世界とそれが生み出す可能性を発見する準備はできていますか?FX、株式、仮想通貨、コモディティ、インデックス、その他のCFDをFirstECNでどうぞお楽しみください。
一応、FXが取引できるようなことが書いてあります。但し相場情報が示されているのは仮想通貨ばかりのようです。
ともかくこの冒頭部を上で検証したキャッププレイス (https://www.capplace.com/ja) のサイト冒頭部の画像と比較してみます。
▼キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja) [表示言語:日本語、英語、ヒンディー語]
2つのサイトに共通してスマホを持って笑顔の男性が目立っている構図や雰囲気が似ていますし、例えばメニューバーの項目名、「取引」「会社概要」「サポート」という並び順まで2つのサイトで共通です。日本語、英語に加えてあまりこの手のサイトで選択肢に入っていることが少ないヒンディー語が選択肢になっていることも共通です。
さらにファーストECNのサイトで冒頭部に続いてはサイトの特長を4項目にまとめて説明する部分が出てきます。4つの項目は一度にすべてが表示されるのではなく、スライドショー形式で「パーソナライズされた取引口座」「取引に最大1:200のレバレッジ」「FirstECNモバイルアプリ」「ウェブ取引プラットフォーム」という4つの項目が入れ替わりで表示されるような設定になっています。
そしてこれとかなりよく似た部分が閉鎖されたキャッププレイスのサイトにも確認されています。ファーストECNの場合と同じでサイトの特長が4項目にまとめられ、スライドショー形式で次々と表示されるような設定になっていました。4つの項目のタイトルは「取引のための最大1:200のレバレッジ」「高度なウェブトレーダー」「ユーザーフレンドリーな取引アプリ」「カスタマイズされた取引口座」となっています。並び順は違いますが、2つのサイトの4つの項目名は互いに似ているように思われます。それぞれのサイトの4つの項目を相当すると思われる項目が横並びになるように並び替えて以下にまとめてみます。
ファーストECNの4つの項目 キャッププレイスの4つの項目
「パーソナライズされた取引口座」 「カスタマイズされた取引口座」
「取引に最大1:200のレバレッジ」 「取引のための最大1:200のレバレッジ」
「FirstECNモバイルアプリ」 「ユーザーフレンドリーな取引アプリ」
「ウェブ取引プラットフォーム」 「高度なウェブトレーダー」
さらに以下にはファーストECNの4項目の内、2番目の「取引に最大1:200のレバレッジ」という項目の画像を示します。
さらに対応すると思われるキャッププレイスの「取引のための最大1:200のレバレッジ」という項目の画像を以下に再掲します。
全く同じイラスト、全く同じ文章という訳ではないのですが、コインがシーソーのような装置で持ち上げられているおそらくレバレッジを表現していると思われるイラストは明らかに互いに似ていますし、文章の大まかな内容も明らかに互いに似ているように思われます。
さらに以下はファーストECNのサイトで次に出てくる「高速執行とリアルタイムデータ」と題された部分の画像です。
そしてこの部分に相当すると思われる部分が閉鎖されたキャッププレイスのサイトに確認されています。以下に画像を示します。いずれのサイトでもノートパソコンの画面に取引画面、ローソク足チャートが映っていますが、驚いたことにそのローソク足チャートのパターンが同じです。
ノートPCの画面の部分だけ切り出して比較してみます。左下がファーストECNのノートPCの画面、右下がキャッププレイスのノートPCの画面です。チャートパターンが一致していることが分かりやすいと思います。
さらにこれら2つのサイトにはそれぞれ3種類の口座が用意されているようです。まずファーストECNのサイトの「取引口座」というサブページにある「口座タイプの仕様」と題された表の画像を以下に示します。「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」という3種類の口座タイプがあって上級の口座の方がスプレッドなどが有利になるようです。
そして既に上に書いたキャッププレイスのサイトにも3種類の口座タイプが用意されています。以下がそのキャッププレイスのサイトで用意されている3種類の口座タイプを説明する表の画像です。やはり「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」という3種類の口座タイプがあって上級の口座の方がスプレッドなどが有利になるようです。
さらにいずれのサイトでもレバレッジが最大200倍であることなど非常に共通点が多いです。
次に示すのはファーストECNのサイトのメニューバーの「会社概要」という項目の中にある「リーガルハブ」という選択肢からリンクされている「リーガルハブ」のサブページで示されている利用規約などが記されたPDFファイルのリストです。
キャッププレイスのサイトでは「利用規約」「プライバシーポリシー」「AML および KYCポリシー」「クッキーポリシー」「リスク開示ポリシー」というタイトルの5つのPDFファイルが用意されています。ファーストECNの場合と比べるとPDFファイルの数が1つ少ないですが、やはり非常によく似ていることは間違いありません。
そしてこれら2つのサイトのPDFファイルが丸写しという訳ではないものの、内容的には一致する部分が確認されます。例えばファーストECNの6つのPDFファイルの内、「利用規約」というPDFファイルの59~60ページ目に以下の画像に示したような規定が示されています。
取り引きや入出金のない期間 (休眠期間) が30日以上続くと「Dormancy Monthly Fee (休眠月額料金)」と称して口座からお金が差し引かれていくという規定になっています。たった30日間取引や入出金が無かっただけで最初の月には30ドル、取引や入出金のない期間が2ヶ月(60日)以上になると月額60ドル。3ヶ月 (90日) を超えると月額120ドル、4ヶ月 (120日) を超えると月額240ドル、5ヶ月 (150日) を超えると月額360ドル、6ヶ月 (180日)を超えると月額500ドルという高額の「Dormancy Monthly Fee (休眠月額料金)」を差し引かれるという恐ろしい規定になっています。
そしてこの規定とよく似た規定がキャッププレイスのサイトでもPDFファイルの形で示されていました。以下にキャッププレイスのサイトでやはりPDFファイルの形で示されていたDormancy Fee (休眠手数料) と称して課せられる料金の説明を再掲します。
キャッププレイスの場合も30日間取引や入出金が無かっただけで最初の月には25ドル、取引や入出金のない期間が2ヶ月(60日)以上になると月額60ドル。3ヶ月 (90日) を超えると月額150ドル、4ヶ月 (120日) を超えると月額250ドル、5ヶ月 (150日) を超えると月額350ドル、6ヶ月 (180日)を超えると月額500ドルという高額の「Dormancy Monthly Fee (休眠月額料金)」を差し引かれるという規定になっています。休眠手数料として徴収される金額が2ヶ月(60日)以上の場合、3ヶ月 (90日) 以上の場合などで微妙にファーストECNの規定と異なっていますが、やはり非常によく似た規定であることは間違いありません。そしてこれほど高額の罰金的な手数料を徴収するという顧客にとって非常に重要な情報を80ページもある「利用規約」というPDFファイルの中に紛れ込ませているというやり方は非常に不親切、不公正であり、到底良心的なやり方とは言えないと考えます。
次に連絡先情報や金融ライセンス情報について探しましたが、開示されている情報は充分とは言えません。まず「サポート」のサブページにメールアドレスと電話番号が記されています。画像を左下に示します。ちなみにこの連絡先情報が記されている部分は右下に示したキャッププレイスの連絡先情報が記されている部分とかなりよく似ています。
>メールアドレス support@FirstECN.com
>電話番号 +815050506047
気になるのは電話番号です。この電話番号は[+81]という日本の国番号から始まっているので日本国内の電話番号ということになります。国番号の次は「50」となっており、これはIP電話の電話番号なので日本の何処で使われている電話番号なのかは不明です。そしてファーストECNのサイトを英語表示、ヒンディー語表示、ポルトガル語表示にしても全く同じ[+81] という日本の国番号から始まる電話番号が連絡先として示されます。以下は英語版の画像です。
そしてこの電話番号について検索してみたところ、電話帳ナビ (https://www.telnavi.jp/) という口コミ情報サイトでこの電話番号に関する以下の口コミ情報を発見しました。
片言の日本語で外国人が何かを話してくるが理解できないので電話を切ろうとしたら暴言を浴びたようです。同じグループによるサイトの可能性が高いサイトで同様に日本国内の「050」局番で始まるIP電話の番号を使った勧誘を受けたという報告が複数確認されているのですが、海外からの電話を転送しているのかもしれません。
これ以外にはサイトの脚注部分に以下のような記述があります。
>本ウェブサイトhttps://www.firstecn.com はNakito SAによって所有および運営されています。
>Nakito SAは正式にコモロ連合で登録番号HT00324015で登録され、MISA (MWALI国際サービス機関)によりブローカーライセンス番号BFX2024050で規制され、登記事務所の住所はBonovo Road, Fomboni, Comoros, KMです。
電話番号が日本の電話番号なのに住所はインド洋に浮かぶコモロ諸島になっています。またこの住所は本項で比較対象としているキャッププレイスのサイトを運営しているRobertson Finance Inc. (ロバートソン ファイナンス) の登録住所と全く同じですし、
▼「検証4」で検証したビッグマーケッツの運営会社であるTomorrow Technologies LTDの以前の住所
> 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM
▼上で検証したMauntoの運営会社であるDataWave Tech Ltdの登録住所
>P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM
から私書箱番号の部分を除いただけの住所でもあります。そしてこの住所は既にビッグマーケッツ、Maunto、キャッププレイスの検証で触れましたが以下に示したMOHELI CORPORATE SERVICE (https://mohelicorpservice.com/) というオフショア会社の拠点の住所によく似ています。
この住所はこのオフショア会社を利用した架空住所の疑いが濃厚です。
さらにサイト脚注の
>MISA (MWALI国際サービス機関)によりブローカーライセンス番号BFX2024050で規制され
という記述についてですが、Mwali International Services Authority のサイト (https://mwaliregistrar.com/) で登録情報を探してみると確かに以下に示したようにBrokerage Companies のリスト の中にファーストECNの運営会社とされているNakito SAの登録情報 (登録番号:BFX2024050) を確認出来ました。
さらに上の画像で「Verify Licenses」の項目からリンクされているNakito SAの登録情報のページの画像を以下に示します。
確かにファーストECNのURLアドレス (http://firstecn.com/) が登録情報の中に示されていてこの登録が本項で検証しているファーストECNの登録情報であることは間違いありません。しかしコモロ諸島の住所がオフショア会社の住所であること、そもそもコモロ諸島の島の金融ライセンスがどれほど厳格に審査されているのかを考えればこの登録があることが確認されたとしても信頼できる投資先と考えるのは無理があります。事実、同じコモロ諸島のMISA (MWALI国際サービス機関) で登録を得ているという主張は上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja)、ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)、キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja)、KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)、さらに「検証4」で検証したビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/) や Ventorus (https://www.ventorus.com/ja) でも出ていますが、これらのサイトの内、Maunto、キャッププレイス、KROXIOの3つのサイトについては既に何の告知もなく閉鎖されています。
さらにファーストECNのサイトには当然示されているべき取引対象に関する情報が決定的に欠落していることにも非常に大きな違和感があります。本項の冒頭でFXを扱っているかどうかもはっきりしないと書きましたが、メニューバーの「取引」という項目から選択出来る「インストゥルメント」というサブページに300以上のCFDが取引出来るとあってその中には以下の画像に示したようにForex CFDsも含まれると記されています。
しかしFXに関する情報はこれだけでどんな通貨ペアが取引出来るのか、取引単位やスプレッド、スワップ金利など普通のFX業者ならば必ず開示されているような情報が一切見当たりません。上の画像に「Forex CFDについて詳しく知る」というリンクボタンがあるのですが、このリンクを押しても口座開設の窓が立ち上がるだけになっています。つまり口座開設すればそうした情報が開示されるのかもしれませんが、口座開設しなければどんな通貨ペアが取引出来るのかさえ分からないということになります。これはあまりにも異様です。本当にFX取引が出来るのかどうかさえ分かりません。これは仮想通貨など他の取引対象についても同様でどんな仮想通貨が取引出来るのかさえ何の情報もありません。口座開設すれば開示されるのかもしれませんが口座開設以前に開示されているべき情報でしょう。
結論として本項で検証したファーストECNというサイトは「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや上で検証してきたサイト、「検証84」、「検証87」で検証しているサイト、さらに姉妹サイトの「検証151」や同じく姉妹サイトの「検証152」で検証した仮想通貨のサイトなどと関与していると思われる海外の詐欺グループによるサイトの疑いが極めて濃いです。情報開示は明らかに不充分、不適切であり所在地さえはっきりしませんし、コモロ諸島の金融ライセンスは信用に値するとは思えません。さらに異様に高額な休眠手数料などそれだけで非常に大きなマイナスポイントです。
このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記1
2025年3月26日付で関東財務局からファーストECN、運営会社のNakto SAについて無登録の違法業者であるとして以下に示した警告が出ました。
※付記2
「検証84」で検証している以下の3つのサイトもコモロ諸島のムワリ国際サービス局 (英語ではMwali International Services Authority)から金融ライセンスを取得しており、サイトにも共通性が認められることから同じグループによるサイトと思われます。
▼Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
▼FXONET (https://www.fxonetltd.com/)
▼サベクサ (https://www.savexa.com/ja/)