日本シリーズ第一戦 (2002.10.26)
明日の“桑田”次第で、巨人の4連勝“SWEEP”の可能性が出て来ました。
原監督は、腹の底の底では《四連勝》を“狙って”いるハズです。(シリーズに出る監督で、奥底に1%も思ったことがない人はいないでしょう)
もちろん表向きにも、そして“自分にも”「そんなことは微塵も考えていない!」と原さんは言い聞かせているでしょう。
巨人の歴史で捉えた《原監督》は“藤田巨人”の末裔と、ワタシは見ます。
『ジャイアンツ vs ライオンズ』の対決は56年の“水原・三原”の《巨人ー西鉄》戦が最初でした。
結果は4勝2敗でライオンズの勝ち。翌年は引分が一試合で西鉄が4勝とSWEEP勝ち。58年が例の“神様・仏様・稲尾様”のライオンズ逆転優勝。
ジャイアンツが初めてライオンズに勝ったのは《川上ー中西太》の代になった63年。これも7戦までもつれて最後にようやく巨人が勝った。
ライオンズが“西武”になって最初の戦いは83年。ライオンズ監督は三原脩と同じ“巨人OB”の《広岡達朗》。一方の巨人は“藤田元司”。共に水原時代のレギュラー選手です。
この試合も6戦目の例の江川から打った“金森”のサヨナラ打などがあり、7戦までもつれて最後はライオンズが勝ちました。
87年、西武監督はこれまた“巨人OB”の森祗晶。巨人は“王貞治”。この時ですよね、語り草となっている「クロマティーの緩慢返球」で辻のホームイン!(三塁コーチ・伊原!)
そして90年!元巨人のバッテリー・コンビ、《藤田ー森》の初対決。この時です!0ー4と巨人が完膚なきまでに叩きのめされた。藤田さんは一度も西武を破ることは出来なかったし、“四連敗”という汚名を着たまま球界を去った。
(この後、長嶋巨人が森西武を破ってはいますが、結局ライオンズとは西鉄時代に1勝3敗、西武時代に1勝3敗と、圧倒的に負け越しています。しかも水原と藤田はSWEEPされている。特に藤田は“完全SWEEP”された)
で、ハナシ戻って《原巨人》。“藤田巨人”の末裔である、と書きました。そして“原”選手はその不名誉な《四連敗》の時の四番打者です。あの“悔しさ”は忘れられるものではないでしょう。
伊原さんも不思議な因縁ですが(一応、巨人に在籍していたことがあるので巨人OB、といえないこともない)この因縁の《ジャイアンツ・ライオンズ》の戦いに相応しい人物ともいえます。(結局は中西太さん、だけでしたね、生っ粋のライオンズ育ちの監督がシリーズで巨人と戦ったのは。8回もやっているのにたったの1回だけ)
そして“0ー4”の時もサード・コーチは“伊原”さんでした。
原監督が“藤田さんの名代”として(伊原)西武に“0ー4”SWEEPのお返しをする舞台として今年のシリーズは相応しい場所ですし、最低でも4勝1敗なら相手の本拠地《西武球場》で胴上げが出来ます。(“復讐”(笑)の場は、相手のメッカである必要があります。よって、今年のシリーズは5戦“以内”で終る必要があります)
但し!
0ー4SWEEP!は、“狙う”と出来ません。一説には、あの《藤田巨人》は四連勝を“狙った”ので逆に四連敗を食らった、とも言われているようです。
よって、ハラにあったとしても“狙うと”裏目に出るということも、原監督は百も承知のことでしょう。“表”には決して出さないこと。夢にも思わないこと!これが“肝心”です。(勝利の女神は、とにかく“気まぐれ”ですし“ヘソまがり”ですからね)
一方、伊原監督は「夢でもう2勝もした!」と発言していました。日本シリーズでは《5勝》は出来ません。ですから、西武は(現実には)2勝しかしない、ということを言っていることになりますね。(笑)(あるいは、2勝すれば“四連勝”だ!という意味だったのでしょうか)
“思う”、と裏目に出るらしいですヨ。(井原さんは“夢で”思ったそうですし、公に“発言”もしましたからねぇ)
ただ、原さんは“3連勝”したら《真田》とかで余裕を見せる可能性もありますから、そうなると《四連勝》の可能性は薄くなりますけどね。
どちらにしても《明日の桑田》がシリーズを“決定”しますね。(明日勝てば、工藤・高橋で連勝する可能性が高い。松井カズオとカブレラさえ抑えれば大量点を取られる恐さがないですからね)
さて、今日の戦いですが“3回”でしたよね、ポイントは。
上原の“対松坂”対抗意識ヒットと、清水の“怨念の”ホームランは置いといて、“あの”ダブル・スティール!
これ、ですよ。
今年は結構ランナー1・2塁での“ダブル・スティール”をやっていたみたいですね、シーズン中。私が見たのは中日戦でしたが、やっぱり今日のように“失敗”に終っていましたが、「あ、これはシリーズ用の練習だな」と思って見ていました。(『山下大輔新監督に期待する! (2002.9.28) 』の項で既に触れています)
“あれ”を、今日もやったんですね、原采配。もちろんアウト覚悟です。一応“2点”という先取点は取ったというアドバンテージも背景にありますし、それよりも《走塁の伊原》への挑戦状!なんですね。昔はあんなに走られ放題だった“巨人”も、今はしっかりと走るチームに変身しましたよ、伊原コーチ!と言いたいワケです。だからアウト“覚悟”で走らせた。
あの後、清原の特大2ランが出ましたが、あの回が《2点》で終っていて、万が一逆転で負けたら、“あそこ”は(スポーツ・マスコミに)徹底的に追求されたと思いますよ。
「何も“松井”の時に(危険を犯して)ダブル・スティールする必要などない!」。そして「みろ!あんな無謀な作戦でアウトになるから相手に“流れ”をやってしまったではないか!」、と。
そういう、“いつもの”用意された(カイセツ者の)コメントを、清原の一打はぶっ飛ばしてしまった!
しかし、こういう《言い方》も“結果”からの言い方であり、流れがどうとか、作戦が失敗したとかうんぬんよりも、結局は選手がその時に「打ったか・打たないか」、これに尽きるんだよ。
成功に終ろうが失敗に終ろうが、あの原監督の“ダブル・スティール”は《勇気》のある作戦だった。(ワタシは支持するよ。ワタシは《蛮勇》でも“勇気”に関するものは何でも支持する)
今の巨人打線を抑えるのは至難の業。今日結果が出なかったヨシノブや松井も悪くはないし、阿部慎之介はリードで手一杯みたいだったけどどこかでラッキー・ボーイぶりを見せると思うし。江藤もそこそこ。仁志も調子はいいみたい。そして明日の9番は“桑田”。
巨人軍史上“最強の”オーダーです。相手の西武投手について全く知らないので何ともいえないけど、ほんと、抑えるのはタイヘンですよ。(しかし伊原さん、なんで《松坂先発》というギャンブルに出たのだろうか?「シリーズは7戦あるので初戦は様子を見る」などと言われている旧来の戦法のつもりなんだろうか・・・?以前、東尾でボロ負けして相手打者を研究した、とかいう“伝説”があるけど、そんな“余裕”、今の西武にあるのかね?終ってみたら「さすがに策士・伊原!」とアタマを下げる結果が待っているんだろうか・・・)
ま、どちらにしても明日の《桑田投手》のデキ如何!