世界の王、日本一 (2003.10.27)


 今日の和田投手、立ち上がり“絶不調”でしたね。普段(といっても見てないけど)、前回の登板と比べるとコントロールは悪いし球速はないし。序盤は打球が野手の正面をついた当たりが多くて助けられている感じでした。


 城島捕手が和田君の指の具合を見ているシーンがありましたから、ひょっとすると指の調子が万全ではなかったことも考えられます。


 さすがの“強心臓”といえども、やはり《シリーズの7戦目》ということで、少しは緊 張もあったのでしょう。


 しかし“7回”から本来の調子が出て来ました。


 見どころはもちろん以前からいっている《対 金本選手》でしたが(この2戦、ドームでは無安打。甲子園での“エサ撒き”が成功した、という結果になりました)


 それよりも何よりも、さすがに“勇退・星野監督”!最後に見せ場を作りました。


 ヤクルトを(事実上は)追い出され、巨人に(FAで)拾われ、最後に“明大・先輩” から死に場所を提供してもらった《広澤選手》。出て来ましたねぇ。


 ヤクルト時代、“ブンブン丸”池山選手と一緒に振り回していた“虎造”選手!最後も(多分、これが“現役”最後の打席となるでしょう)目一杯振ってました!(ジンと来ました)


 城島捕手の“変化球”のサインに和田クン!クビを振りましたね。ここが彼のエラ イところです。将来の見込みがある!目先の勝負をしないのです。(《名投手》にな る人は、必ずこういう性癖を持ち合わせています。また、“こう”でなければ名投手 にはなれません)


 もう“最後のバッター”なので、変化球を投げればクルクル回ることは分かっているのですが、ここは《真っ直ぐ!》で決めたい。


 また、相手は“神宮の先輩”。その野球人生の《最終打席》。変化球で打ち取ったのでは後味が悪い。打たれても(点差も十分あるし)それはそれで“先輩へのみやげ”になる。(“そこまで”の経緯はマウンド上の和田クンは考えていないでしょうけど・・・考える・考えないに関わらず“事実”はそうなってます)


 気持のいい対決でしたよ。最後にいいものを見せてもらいました。


 《新旧の交代》は、“こう”やりましょうよ!(コイズミ首相も見習ったらどう でしょう。やむなくお年寄りの方が折れてましたケド・・・“名簿外し”というのは変化 球ですよ。最初から“堂々と”真っ向勝負していれば、老人の方も去りやすかったん じゃないでしょうか・・・)


 そして優勝への最後の打者ももちろん“真っ直ぐを真ん中”に放りました。スポーツの最大のタノシミの一つに“カタルシス”というのがあります。カタルシスをもたらすのは《結果》だけではないんですね。その“内容”が大事です。


 ホークス・バッテリーは見事なしめ方をしてくれました。


 一方の阪神ファンはガッカリしたと思います。ワタシも、ヤンキースが負けた時は 、もう“ため息”しか出て来ませんでした。入れ込んでいた時に逆の結果が出ると落 ち込みます。(あの時ワタシはすぐに“ヤケ食い”しに外に出かけましたが、18年待 っていた阪神ファンの方はその程度では済まないでしょうナ・・・)


 しかし、どちらにしてもそのリーグの“チャンピオン”同士が戦うわけですからねぇ・ ・・、Wシリーズにしても日本シリーズにしても、“勝つ”というのはなかなかムズカシ イですなぁ・・・。


 これで1999年のシリーズ同様、星野さんはまた“王”さんに負けてしまったわけですが、メジャーにもWシリーズにまつわる《CURSE》というのがあって、今年のボストン、そしてカブスも、シリーズに出場出来ませんでした。(ヤンキースが負けるなら、この“CURSE対決”、見たかったですねぇ。“呪い同士の戦い”なんて、ピーター・カッシングとクリストファー・リーの対決みたいでワクワク・ゾクゾクもんです)


 カブスには「やぎの呪い」というのがあって《58年間》シリーズに“出場”さえしていないのです。(チャンピオンとなると“90年以上”遠のいています。90歳以下の人は優勝を味わったことがない)


 「バンビーノ(ルース)の呪い」のボストンは“85年間”チャンピオンになっていない 。なれそうな時には必ずヤンキースに阻まれる。(こんなことを書いても、阪神ファン への慰めにも何にもならないとは思いますが・・・)


 阪神に伝わっている“カーネル・サンダースの呪い”はその日本版ですが、それまで日本では《ジンクス》という語句が使われていました。


 もちん、未来永劫に続く、というものではありませんが、どうもそういう“傾向”が続く、ということは大いにあるのがこの《シリーズ(短期決戦)》というもののようです。(どうもね、“勝ち癖・負け癖”というのがあるように思います。最初に出た時に勝っておくと勝ちが続く、とか。連敗するとズルズルと負け続ける、とかね)


 しかし!初めて知りましたが《西鉄ライオンズ》って、一度も“平和台”で優勝したことがなかったんですね!これは意外や意外・超意外でした。前回の王さんの胴上げもナゴヤだったそうで、“福岡の地”で胴上げが行われたのは史上初だったとは「100へぇ~~~」です。


 さぁ!これからは《長嶋ジャパン》


 “城島-和田”コンビに肩入れしていたのはこれがあったからです。(城島って大したヤツだね。金本が“4本”打ったから、絶対に自分も《4本》打ってやるんだ!と、今日は決めていましたよね。ホント《長嶋型》の選手ですねぇ。あのクソボール打ちとか。似てる)


 王さんが育てたのが“長嶋型”城島。長嶋さんが育てたのが“王型”の松井。


 縁は異なもの、です。