ジーン・オートリー (2002.10.7)


 アナハイム・エンジェルスがヤンキースを破りました。テレビ画面では“カウボーイ”の写真の垂れ幕が何度も映っていましたが、あれが“シンギング・カウボーイ”で有名な《ジーン・オートリー》


 1961年にロサンゼルス・エンジェルスとしてスタートし、66年カリフォルニア、97年から“アナハイム”と改名した《エンジェルス》のオーナーが彼でした。(97年にはディズニーが経営に参画)


 残念ながら98年10月に亡くなってしまいましたが、《背番号 26》を彼の“永久欠番”とし、未来永劫に忘れないようにという球団側の計らいでもあり、いかにファンから愛されていたかも物語っています。(オートリーは19才の時にカージナルスの入団テストを受けたほどの野球好きで、チームの浮沈に一喜一憂する昔気質のオーナーということから“26番めの選手”という意味で背番号26が彼のものとなったそうです。因みにベンチ入り選手数が25人)


 オートリーは「西部劇スターの人気投票」で1937年から42年まで1位の人気者で、「赤鼻のトナカイ」や「Here Comes Santa Claus」のオリジナル・ヒット・シンガーでもあります。


 エンジェルス監督のソーシアは“ドジャース育ち(&キャッチャー上がり)”なので緻密な野球をやります。打線が“有機的”に繋がっていました。今年のヤンキースは下位打線がチョト迫力不足でしたね。初戦に逆転出来たので相手を甘くみたのでしょうか?いや、それよりも今年のアナハイムがいいチームになった、と見た方がいいでしょう。(シアトルでは勝てなかったでしょう)


 多分トーレ監督の“投手交代(の遅さ)”などが指摘されると思いますが、前から感じていましたが、メジャーでは《先発投手》は簡単には代えないですねぇ。特に有名投手はどんなに打たれても最低でも5回は投げさせるようですし(“球数”なのかもしれませんが)すぐに交代!ということをあまりやりません。彼らの“プライド”を最大限配慮している、ということなのでしょうか。


 日本野球に慣れているワタシなどは、「なんで代えないんだ!」とすぐに思ってしまいます。この試合を落したら明日はない!という時でも、投げさせますねぇ・・・。(初戦のクレメンスもそうでしたし、今日の“完全試合男”ウエルズもそうでした。D・バックスも初戦のジョンソンを、あんなに点を取られても代えませんでしたしねぇ。で、ヤンクスもバックスも結局今年は敗退しました)


 エースが打たれたら“ジタバタ”しない、ということなんでしょうかねぇ・・・。(もちろん最後まで諦めないが、《覚悟》はしておく、ということか・・・)


 選手側から考えると、どんなに打ち込まれても、その回が終るまでは投げたいですよね、気分としては。(3アウトまで)そういう起用をしてくれる首脳陣は有難いし信頼できます。ただ「あと1アウト!」という時に墓穴を掘るんですよね。(野球は2アウトから、ともいいますし)


 これは非常にムズカシイ。簡単に結論が出る問題ではないですね。(日本は“予防”の傾向が強く、メジャーはある程度“結果”が出てから、という違いはあるような気がしますが)


 エンジェルスは今まで地区優勝が三回。リーグ優勝がまだありません。相手はA’sでしょうかツインズでしょうか。(圧倒的にオークランドが有利だと思ってましたが、もつれましたね)


 「今日の勝利をオートリーに見せてやりたかったなぁ・・・」とファンは思ったでしょうね。