カリフォルニア・シリーズ (2002.10.20)


 Wシリーズ一戦目はSFジャイアンツの勝利に終りました。新庄選手も“日本人初のWシリーズ出場選手”としての《初安打》も打ちました。(なんて、こんな“書き方”はしたくないんですけどね、いちいち(笑))


 ハリウッドが近いということで、NBAのレイカーズ戦同様、スターが沢山来ていたようですが、ダニー・デヴィートがサインに応じている姿が微笑ましかったです。


 元ドジャースのラソーダが来ていましたが、SFベイカー・AAソーシア共、監督時代の選手だったそうです。日本で言うなら《森・西武、藤田・巨人》のシリーズを見に来た“川上”というところですね。


 このシリーズ、千両役者のボンズのホームランで幕が開きましたが終盤は競り合いとなりました。これから連日、終盤はもつれる展開になるんでしょうかねぇ。


 ボンズは試合前のインタビューで《“インチ”の勝負》と発言したそうです。(投手がインチずれたらボンズの勝ち。ボンズがインチずれたら投手の勝ち)


 まさに“そう”ですよね。野球に限らず、実際に何か(高度な戦い)をやったことがある人はこの感覚が分かるのではないでしょうか。


 ホントに“ちょっと”したことなのですが、その“ちょっと”が《大きい》。


 今日の解説は長谷川投手でしたが、彼が解説の時は(日本語放送を)聞きます。やっぱり“実際に”やってる人のハナシは面白い。(やったことのない人のハナシは(野球に限らず)こちらが“納得”するまでには至らないですね。最近は特に《実感》に関連したことでないと耳に入って来なくなりました)


 長谷川投手“自体”がなかなか面白い人でもあり、解説が上手です。日米の差(違い)に関しても体験者でもあり鋭い分析家でもあります。《両方》の体験があって、一方を語る、というのは説得力があります。(世の中、殆どが「他方が他方を語る」、ですからね)


 アナハイムの“エクスタイン”という選手が面白いですね。打席に入る前の動きが忙しない。(長谷川さん曰く、「彼は(動きが)止まると“死ぬ”らしい」)


 見ました?あのショートからのスローイングの姿!元々はセカンドなそうですが、リトル・リーグの選手みたいです。メジャーの“凄さ”にはいろいろありますが《名ショート》の多さ、というのも一つです。特に“肩”。(あちらでは“arm”といいますが)その“中での”あの投球フォームですからね。実に“可愛い”。


 ウオッシュバーンは“松坂”みたいでしたね。最初の打席でボンズに打たれた時、「あ!やっぱり打つんだ!」という表情で苦笑いというか“やっぱりスゲーな”みたいな顔が印象的でした。


 次の打席にインハイのボールで空振り三振を取った時はガッツポーズをしていましたが、それで平常心を失ってピンチを迎えていました。ここらへんが“若い”ところですが“いいところ”です。若いうちから《逃げる》ヤツに大成した例はない。(若い人間にソレ(逃げ)を“強要(命令)”する“大人”がいるとはねぇ・・・。更にそれを「攻めるだけでなく“逃げる”も戦法の一つ。若いうちに人生の深さを知るもの必要」などと応援する大人もいる。でも歳とってから《若い攻め》はなかなか出来ないヨ。技術的にも精神的にも、あるいは体力的にも・・・。“若い”時から《逃げて》いたら一生“逃げ”の人生やんか。デビット・ジャンセンや)


 このシリーズ、予想されてはいましたが、


《若さのエンジェルス・老練のジャイアンツ》


という雰囲気になって来ましたね。


(ボンズは特に“自分にとって《最後の》Wシリーズ”であることを強烈に自覚してやっていますね)