ロール 02 : 『天国と地獄』 (2002.8.31)
ロール 02 : 『天国と地獄』 (2002.8.31)
NHKーBSで黒澤映画の特集が放送されています。ドキュメンタリーも面白かったけど久々にみた『天国と地獄』はやっぱり面白かった。
しかし!細かいことって覚えていないもんですねー。「えーー?そういうハナシだったのか・・・」というようなことが多くて。
それと《日本映画》に関して思うのは、“歳をとった方がよく分かる”といいますか、若い頃は深いところまでは分からないことが多いですね。(だから若い人にはとっつきにくいのかね。でもムカシの若者は見てたんだけど・・・ワタシが“幼過ぎた”ということか・・・)
《勉強》もそうですけど、30過ぎてから勉強した方がいろいろと深く分かっていいような気がします。
以前に見た時は例の“特急こだま”のシーンだけが印象にあって、いわゆる《誘拐劇》だと思っていたのですが、違いましたねぇ。それだけではなかった。
ワタシは全く“経済”に疎く、株券なども一枚も持っていないので、出だしの《株の保有》のハナシなど、以前は一応アタマでは理解していたんでしょうが、ああいう会社の内部抗争だったんですね。(個人としては内部抗争の体験はありませんが、50も半ばになるとそういうハナシの一つや二つは身近にありますからね)
個人的体験“後”での理解の深度は全く違いますナ!(身に沁み方が違って来ます)
誘拐犯に身代金を渡して子供の命を救っても、債権者は取り立てに来る。出だしで側近の三橋達也は“大阪”へ飛行機で飛ぶ話しをしているのが伏線で、登場したのが“山茶花究”と“西村晃”!!
実に細かいところにも適材適所!役者をシッカリと選んでいますねぇ。(アタリマエなんでしょうけどね、こんなことは。でもスゴイ)以前はここまで細かく気づかなかったし、ひょっとして当時は“思った”かもしれないけど、今はその“思った”ことも忘れてしまっている、というか・・・。(警官が“高島屋”の服を着て来るなんて、以前も見た時は気づいたんでしょうが覚えてないもんですね。ま、本筋には全く関係ないことですけど)
やっぱり名画は繰り返し見た方がいいですね。とにかく歳をとったら“とったなりの”受取り方があります。以前気がつかなかった、あるいは気にならなかったシーンが飛び込んで来たりします。これ、映画を繰り返し見ると必ずあることですが特に“日本映画”に多いような気がします。(風景や風俗が“身近”ですからね。これは外国モノでは味わえません)
(2002.8.31)
(2002.9.25)
『キネ旬』を読んでいたら“香川京子インタビュー”で「黒澤さんの『天国と地獄』での私のイメージは“エリザベス・テーラー”だったんですって」とありました。
そうか!
あの“丘の上”と山崎務の“安アパート”という、「下層階級・上流階級」という図式的な見せ方からも《山崎務の私怨》の理由づけというか、そういうものは見て取れましたが、香川京子の奥さんがエリザベス・テーラーのような(日本では、どうでしょう、“京マチ子”ですかね?“山本富士子”?なかなかテイラーのような日本女性を探すのは難しいですね)“金持ち”のイメージの女性だったらもっとその《図式化》は強調されたでしょうね。(更に三船も下層階級の出という、山崎とのシンメトリックな図式でもあったようですからね)