「第5期 地域観光の強化を担う宿泊施設のための中核人材育成プログラム」の第1、2回が実施されました !

中核人材育成プログラム 始まる!―第1回、第2回のプログラム内容を速報!

悩みは、人手不足、自身の考える能力不足!?

DXはツール!大事なことは自らの施設が大事にすることは何か!?

2023. 2.23

明海大学ホスピタリティ・ツーリズム総合研究所(以下、HT総研)主催、「第5期 地域観光の強化を担う宿泊施設のための中核人材育成プログラム」(全5回)が第2回まで終了しました。

観光庁の推進事業として、地域の活性化を担える観光業の中核人材を育成することを目的に2017年度に始まった「地域の観光産業の強化を担う宿泊施設のための中核人材育成プログラム」事業を、H T総研が2020年度より独自事業として引き継いで、今年度で5期目を迎えました。過去4期で修了した方々は、82名に上り、毎年開催される「修了生の会」を通じて、期を超えたネットワークを築いている、というユニークなプログラムです。

今期は、コロナ禍の影響と、地域からも参加しやすい環境を考慮し、全5回のうち4回をオンライン、5回目は対面で実施、という変則的なプログラムとしました。(プログラムの概要は、こちらから)


今回の参加者は、15名。首都圏のみならず、関西、その他地域から、都市型ホテルやリゾートホテル、旅館、貸切宿泊施設の運営会社など、様々な業態のミドルマネジメントの方々においでいただいています。


初回となった2月7日は、全国旅行支援対象時期と重なり、インバウンドも一気に回復基調が鮮明となる中で、旅行は追い風環境。一方で、現場はコロナ前の人材環境には戻っておらず、多忙を極める中、それでも時間を割いて参加した方たちは意欲を持って積極的に臨んでいました。

初回のテーマは、「個人とチームの成長」。講師は、明海大学HT学部教授でもある、HT総研主任研究員、渭東(いとう)教授。チームとは何か、目標と目的をどう整理しチームで共有するか、組織の力を最大化するために必要なコミュニケーションのあり方、自分自身も成長するためのキャリアデザインの考え方など、グループディスカッションを交えながら3時間半に渡るプログラムが展開されました。

終了後の有志による情報交換会では、「日々の人手不足による忙しさの中で考えることに向き合っていなかった自分に気づいた」「外部の方々と同じ方向を向いた課題を話し合う機会を初めて体験した」「これまで目的と目標を混同していたがいい整理になった」など、前向きなコメントが多く聞かれました。

第一回プログラムの様子

第二回プログラムの様子

 2回目、2月14日のテーマは、「DXの可能性・マーケティング」。講師は、IT業界での就業経験を持つ三輪教授。

冒頭、DXについては、具体的な知識はどんどん進歩し続けており、今回のプログラムでは知識を覚えるより、自らの施設や仕事にそれをどう生かすべきかを考えるきっかけにしてほしいと語りました。

単に「デジタル化」や「デジタルを活用した効率化」という意味に捉えられがちな「DX」という言葉が持つ本来の「X=トランスフォーメーション」としての意味や、目指す姿は何なのか、から解きほぐし、そこに使われている技術や、その活用事例などが、ツーリズム産業だけにとどまらずに紹介されました。一方で、あくまでもDXはツールに過ぎず、大事なのは自社、自施設が何を大事にするかである、という基本的考え方も共有しました。

プログラムの中で、ホテル経営に精通した平教授が、「DXと宿泊業界」というテーマで、宿泊業界で今なぜDXを考えていく必要があるか、について、具体的な事例を交えて講義を挟み、受講者は、グループワークで、自らの施設のDXの進み具合を共有し合いながら、どのような状態であれば、DXが進んでいると言えるのか、自社の顧客にはどのようなDXの活用が有効なのか、などについて議論することを通して、DXと宿泊施設との繋がりや今後の将来性について考えました。

Zoomの投票機能を使うなど、ICTができる身近なソリューションを体感する場面もありました。

終了後の情報交換会では、「難しいカタカナが多くて大変だった」「苦手だと思っていたことが整理されて勉強になった」「単に横並びで遅れている、進んでいるではなく、自社のお客様が何を求めているかという視点が大事、と認識した」などの授業への感想のほか、DXへの取り組み豊富な施設の受講者が、具体的な事例や体制、目的などを紹介、ほかの受講者がそれに質問するなどの場面もあり、相互に情報を吸収し合っていました。