中国、日本への団体旅行解禁 8月10日

中国政府が、日本、アメリカ、韓国を含む世界78の国と地域への団体旅行を8月10日から追加で解禁すると旅行会社に通知したことがニュースになっています。中国は、2020年1月に禁止して以来、今年2月に20カ国、3月に40カ国への海外団体旅行を許可していましたが、今回の追加で、138の国と地域への団体旅行が解禁されたことになります。日本への団体旅行が開かれたのは約3年半ぶり。


中国から日本への入国には、すべてビザが必要であり、6月時点では、中国から日本に入国していたのは一定の所得以上で個人ビザが取得できる条件の方に限られていたため、コロナ前の約24%に留まっていましたが、団体ビザが発給されるようになると、これが急増するのではないかと予測する人もあります。観光業界としては、待ちわびていた状況であるとともに、全てのサービス業の人手不足を考えると、果たして対応しきれるのか、不安材料でもあります。

一方、日本の観光は、お客様も、受け入れも徐々に多様に変化、広がりつつあります。明海大学ホスピタリティ・ツーリズム総合研究所が、コロナ禍の期間にリブランディングの手伝いをした浅草のホテルでは、コロナ前は中国からの団体旅行のお客様が大半でしたが、現在は、団体旅行や中国のお客様が減ってもなお、すでに稼働は8割に近いと言います。


今回の追加解禁発表は政治的な動きであり実はもっと前から広告が出ていたとか、すでに中国の海外旅行の人気は団体旅行ではなく個人旅行になっているとか、団体旅行とはいえ旅程に自由行動日が増えているのでお客様は個人で活動されるはずとか、いろいろな意見や情報が交錯していますが、さてどうなるのでしょうか。

この解禁の影響に期待し過ぎず、注意をそこばかりに集中し過ぎず、実際のお客様がどういう行動をなさるのかをしっかり現場で見定め、調査結果を業界を超えて共有することで、日本の観光を強くしていかなくてはと思います。  

(悠)