【研究員コラム】 2022.11.10

「ROH=部屋指定なし

「ROH=Run of the House」とは「部屋指定なし」という意味のホテル用語です。直訳すると意味がわからず、Runにもいろいろな使われ方があることがわかりますね。


それはさておき、以前私が働いていたホテルでは、早めに入る団体予約のために部屋をブロックする際、どのタイプがいいかわからないので、システム上「ROH」で部屋数だけをおさえる、等に使っていました。この場合は、到着日が近づき、宿泊者が確定すると、希望の部屋タイプに変更していました。

しかし、最近ではホテルの予約をする際、ツインルームやスイートルームのような部屋タイプを選ぶのと同様、「ROH(指定なし)」を選べるホテルが出て来ました。


ホテルに存在する部屋タイプとその数は決まっていますが、ホテルには原則として、毎日全部屋売り切るという使命があります。時にはお客様に、予約した部屋タイプと違う部屋タイプに変更をお願いしたり、アップグレードをしたりしながら、部屋をうめています。週日はビジネス出張のお客様が1名で来ることが多くツインが余り、週末は家族連れが多くツインが足りない。そこに連泊のお客様との組み合わせも考えないといけない・・・等、宿泊予約やフロントで働いたことのある人は、このパズルのようなルームコントロールに頭を悩ませた経験があるはずです。そこに「ROH」の予約があると助かります。残った部屋がどのタイプであっても、このお客様を割り当てることができるからです。

「ROH」は最低料金が基本ですが、ホテルによってはそれより少し低い設定をしている場合もあります。その上、グレードの高い部屋が残り、そこに割り当てられる可能性もあるため、部屋タイプにこだわらない人にはお得な予約方法ではないでしょうか。


ホテルにもお客様にも有益な「ROH」を取り入れるホテルが出て来たのは自然の流れだと思います。最初にそれを考えた人はすごいですね。

(Spike8)