【研究員コラム】 2023.4.25

 夜行便はお好き?

日本の国内線に夜行便は多くありません。ピーク期間の沖縄発着以外には、年間を通して夜行便を運航するケースは非常に限られています。どの区間も所要時間が長くないため、夜遅く出発しても到着が公共交通機関が動きだす前の極度の早朝になってしまい不便であることや、お客様の睡眠時間も充分に取れないため、快適性が乏しいからだと思います。


しかし飛行時間が長くなる国際線には夜行便が好まれる場合もあります。その代表は時差の少ない南北に移動する場合です。日本とオーストラリアやニュージーランドなどのオセアニアの間、ヨーロッパとアフリカの間、そして北米と南米の間などです。これらの区間はいずれも所要時間が10時間前後で、睡眠時間も確保できること、到着後すぐに活動できることなどから、ビジネスマンや観光客にも人気があります。

東西に移動する日本発の便でも一部の会社は日本を深夜に出発するロンドン行き、パリ行き、フランクフルト行き、ロサンゼルス行きなどがあり、昼間に出発する便と合わせて、多様なダイヤが提供されています。

また、アメリカやカナダとヨーロッパ間の北大西洋線では、東に向かうヨーロッパ行きの便はほとんどが夜の出発の夜行便で、ヨーロッパに午前中に到着します。東南アジアから日本へ向かう北向き便も多くが深夜出発のダイヤになっています。これらの便の所要時間は6時間前後です。


夜行便の最大の課題は睡眠です。狭い機内で限られた飛行時間に何時間寝られるか、どのように休息できるのかは、特に到着後に仕事が控えているビジネスマンには死活問題なのです。各社は夜行便に合わせた様々なサービスを提供して、快適な睡眠の支援をしています。離陸後、到着直前まで客室内の照明を暗くしたままにする、歯ブラシ・アイマスク・耳栓を配る、機内食は事前にオーダーを取っておいて希望者のみにサービスする、などです。


実は私は夜行便が苦手です。寝付けないうちにどんどん時間が経過してしまい、目の前のスクリーンに表示される残りの飛行時間が減っていくのを見ると、なお焦ってしまうのですが、皆さんはどうでしょうか。寝られないうちに目的地に着いてしまい、到着後、直ぐに一日中仕事をして、夕食に行った際に、食事中に睡魔が襲ってきて、注文したスープに鼻がくっつきそうになったことも一回や二回ではありません。


夜行便のコツ、どなたかご指南頂けませんか?

江の島太郎