【研究員コラム】 2023.3.09

 空港の香り

 海外旅行をすると、海外の空港でその土地のそこはかとない香りを感じることはないでしょうか。到着した直後に感ずることが多いような気がします。

 日本人にもおなじみのハワイのホノルル空港に到着すると、私はプルメリアなどの熱帯植物の甘い香りとなんとも言えない爽やかな風に包まれ、幸せな気分になります。

 フランスのパリ・シャルル・ドゴール空港では香水の香りが漂っている気がします。ヨーロッパは香水やオーデコロンなどのフレグランスの本場で、多くの人が使用しているからかもしれません。この香りを感ずると、はるばるヨーロッパまでやってきたな、と言う感慨が湧いてきます。

 タイのバンコクの空港では、ドリアンやパパイアなどの熱帯の果物の濃厚な香りを感じます。ドリアンは好き嫌いが分かれる強烈な匂いがありますので、苦手な方には申し訳ないのですが、中学時代をバンコクで過ごした私にとっては何とも懐かしく、半世紀前のバンコクでの日々が甦ってきます。ドリアンは果物の魔王と呼ばれています。

 それでは日本の空港に降り立つとどんな香りがするのでしょうか。私は実は何も感じないのですが、外国人の知人に聞くと、多くの人が香ばしい醤油のこげた匂いがする、と言います。何となく納得してしまいますが、我々日本人は醤油を日常から使っているため、その香りに嗅覚が麻痺しているのかもしれません。確かに焼き鳥や鰻の蒲焼などのタレの焦げる香りは、食欲をそそる香りです。ここまで書いてきたらお腹が減ってきたので、今日のコラムはここでおしまいです。

(江の島太郎)