航空会社はかつて時刻表を印刷してお客様に配布していました。国内線のコンパクトなものから国際線用の小冊子のようなものまで、各社が趣向を凝らしたものを製作していましたが、日本では数年前に最後の紙媒体の時刻表が廃止になりました。現在では、各社のWebsiteやオンライン予約システムがその役割を担っています。


 鉄道では今でも分厚い時刻表が販売されており、鉄道ファンの中には時刻表マニアの方もいると言うことです。航空業界にもかつてはOAG(アメリカ)、ABC(ヨーロッパ)という名称の英語による2大時刻表が毎月出版されていました。私が航空会社に就職した40年以上前は、予約や発券の仕事に従事するスタッフにとって、時刻表はとても大切な情報源でした。この時刻表を繰って、お客様の旅程を組み立てるのは手間のかかる仕事でした。


 紙媒体の最大の欠陥は迅速な変更ができない点です。急なスケジュール変更や機材変更などは紙媒体の時刻表では反映はほぼ無理です。オンラインならば、このような変更が瞬時に反映が可能で、お客様に伝達するのも容易になりました。


 現代社会では紙からデジタル媒体に移行するものが多くなりました。新聞、雑誌、書籍

などが将来、どのような形式になっていくのか気になるところです。新聞・雑誌はともかく、美しい装丁の書籍を手に取る満足感はなかなか代替することが難しいのではないかと思います。私は、楽しみで読む推理小説などは、収納スペースの問題もあることから、極力、電子書籍で済ませることが多くなりましたが、写真やイラストが満載の書籍や、グラフや表などを行ったり来たりしながら読む書籍は紙媒体が優れていると感じます。


 そう言えば、音楽のメディアも大きく変貌してきました。その昔はレコード、カセットテープ、続いてCDが主流になりましたが、情報通信技術の進歩で音楽がダウンロードできるようになり、現在ではサブスクリプションによるシェアリング・エコノミーに移行しつつあるようです。皆さんはどのような媒体で音楽やその他のエンターテイメントを楽しんでいらっしゃいますか?


(江の島太郎)