中学校に入学後、英語が科目に加わり、アルファベットから勉強が始まりました。ペンマンシップで活字体、筆記体の書き方を学習したのを懐かしく思い出します。


中学1年生の最初の関門は動詞の最後にsがくっつく三人称単数現在ではないでしょうか。日本語の動詞には、人称によって活用する概念がないため、日本人にはなかなか身につかないものの一つではないかと思います。


ところが大学で第二外国語に選択したフランス語の学習が始まると、三人称単数現在どころの話ではないことに気づき、フランス語を選んだことをつくづく後悔したものです。言語としては大変美しいのですが、動詞の活用があまりにも多く、なかなか身につきませんでした。複合過去、単純過去、半過去、大過去、単純未来、前未来などの時制に加え、男性・女性、単数・複数の区別のある人称、直接法・接続法・条件法などに応じて、動詞が固有の活用をするのです。接続法半過去の三人称複数、と言った具合です。


フランス語を学習し始めてみると、英語は天国であることに気づきました。三人称単数現在程度は屁でもありません。その点では、英語が世界共通語であったことに感謝したくなります。


その昔、大学の第二外国語は、ドイツ語・フランス語・ロシア語が主流だったように思いますが、現在では中国語、ハングル、スペイン語なども選択できる時代になったようです。多様性の時代です。英語以外の外国語にもぜひ目を向けて見たいものだと思います。フランス語の復習でもしようかと思い買い求めた教科書は、未だ積読状態で遅々として進みませんが、時間を見つけてやってみようと思っています。

(江の島太郎)