【研究員コラム】 2022.11.24

「名札」いる?いらない?

 接客業の現場では、従業員が名札をつけて接客しているところがほとんどですが、最近規模の大きいホテルでも、名札をつけないところがあるようです。


以前、高級ホテルというと、かっちりしたユニフォームを着こなし、短髪に整えた少し堅苦しいホテルマンが働いているイメージでしたが、今では多様化し、個性的なホテルが増え、カジュアルなユニフォームで、従業員の髪型やアクセサリー、ネイル等が自由で、こだわらないところも出てきました。ユニフォームがないホテルもあります。お客様を自分の家に招くようなパーソナルなサービススタイルを提供するためで、同様に名札もつけないようです。確かに自分の家で名札をつけている人はいませんね。お客様も従業員が名札をつけていなくて困ることはありません。


名札はなくてもいいのでしょうか。何のためにつけるのでしょうか。

小・中学校では名札をつける学校が多いですが、理由の一つはお互いの名前を覚えるためのようです。しかし、外で名札をつけていると、名前を呼ばれ知り合いのように話しかけられる等、危険な目に合う可能性があり、外ではつけないように指導されています。


接客業での名札の役割は、名札をつけることで一人ひとりが「私が責任をもって対応します」という意思表示となり、お客様に責任意識や誠意を表すものだと考えられます。営業担当者ならお客様に名刺を渡しますが、それが簡略化されたものと言えます。お客様に名前を覚えてもらい、信頼感を与えたり、贔屓にしてもらうこともあるでしょう。また従業員は名札をつけることで、多少なりとも帰属意識やプロの誇りを感じられるのではないでしょうか。

 ただ、名前がわかることで個人のSNSを検索され、ストーカー行為に発展したり、個人攻撃をするいわゆるカスタマーハラスメントがあることも事実で、それを避けるために名札を採用しないのは賢明です。実名ではない名札をつけているところもあるそうです。「つける偽名に基準はあるのだろうか」等、気になることもありますが、仕事とプライベートを明確に分けられる所が今の時代に合っているのかもしれません。

 

 名札が必要かどうかは大きな問題ではないかもしれませんが、接客する側、される側、どう思われますか?

(Spike8)