【研究員コラム】 2022.12.08

『English Journal』誌 休刊

創刊51年となる『English Journal』誌(株式会社ALC)が12月発売の2023年1月号をもって休刊することに決まったと知らせがありました。「雑誌市場が加速度的に縮小するなか、紙の定期刊行物として維持することが困難となり、休刊が決定した」とのことですが、なんとも残念です。


海外への興味や、ほかの国に住むことへの憧れを持ち、そこで学び、あるいは働く可能性を考えたことのある人は、必ずや数回は手に取ったことがあるであろう月刊誌。英国に興味を持ち始めた中学生のころ、当時のお小遣いにはなかなかイタイ出費を思い切って入手したのが最初の出会いでした。

英語教育専門の出版社がつくる、それらしき固いタイトルでありながら、「生きた英語」を伝えるこの雑誌は、英語教材というより、海外に通じる魅力的な入口であり、定期購読の余裕こそありませんでしたが、その後ますますAnglophileに向かう中、英国特集を楽しみに待ったものでした。

海外の暮らしのニュースや、映画や舞台のスクリプト、ミュージシャンの記事、スポーツ界のヒーローの紹介など、いきいきと空気が伝わり、特に、好きなアーティストのインタビュー記事からはずいぶんidiomを拾って真似して使ってみたことを覚えています。


英語は道具です。課題は「英語を」聞き、話し、読み書きできることではなく、「英語で」どう会話するかです。それには、コミュニケーションをとりたいと思う理由や、言葉を美しく使えるようになりたい、人を引き付ける文章を書きたい、海外の情報を新鮮なうちに生のまま取り入れたいと思うきっかけが必要なのかもしれません。

そんな気持ちを後押ししてくれたことに感謝したい雑誌でした。手に取れる媒体でなくなることは残念でなりませんが、これからは「English Journal Online(https://ej.alc.co.jp/)」とも、もっと親しんでみようと思います。

(悠)