新幹線「計画運休」とその後の混乱を経験して

今年はお盆の時期に台風が日本列島を襲い、東海道新幹線は8月15日に計画運休をすることとなり、その影響で16日、17日もダイヤが乱れ、混乱が生じました。ちょうど人々が移動する時期だったため大きな影響が出てしまい、私も16日の夕方、新大阪から東京まで新幹線を利用し、その混乱を体験しました。

最近では新幹線や電車が途中で立ち往生したり、事故を起こしたりするのを未然に防ぐために「計画運休」をすることが多く、賛否両論あるようですが、ニュースなどによると概ね国民は賛成しているように思います。今回も「産経リサーチ&データ」の意識調査で1,657名の回答のうち「適切だった」と「どちらかというと適切だった」を合わせると86.1%と大多数が計画運休は妥当だったと考えているようでした。JRをはじめ鉄道会社が安全性と利用者の利便性を考え、進化していると言えます。


 さて、私の体験した状況ですが、台風が過ぎて既に新幹線が動いていたにもかかわらず、運休の翌日でそれまでに移動できなかった利用者が殺到した新大阪駅では、新幹線の改札の前で身動きがとれなくなり、改札に入るまで約2時間かかりました。多くの人が大きな荷物をもち、暑い中文句も言わずに並んでいたことには、覚悟の上だったのかもしれませんが、客観的に感心しました。ただ、「なぜ並んでいるのか」、「並んでいれば新幹線に乗れるのか」、「ここに居て問題ないのか」、「指定券は取り直すべきなのか」等、状況が一切わからず、惰性で並んでいました。新幹線をよく利用する私でさえそうなので、ましてや外国人観光客はまったくどういう状態か理解できていなかったと思います。

 改札を入ると、それほどの混雑はなく、のぞみやひかりが発車するホームとこだまが発車するホームが分けられ、そのホームに来る新幹線に順次乗るという状態でした。そこで

は全席自由席になっていること等のアナウンスもあり、指定席をとっていたにもかかわらず席がとれるかどうかもわからないのはお年寄りやお子様連れにはきついと思いましたが、新幹線も次々に来るので、大きな混乱はなかったと思います。その後乗れた新幹線は途中で止まることもほぼなく、旅を終えました。(東京駅のホームに入れず、品川で止まってしまったため、品川で降りました)新幹線の運行時間はほぼ通常と変わらなかったのですが、特急料金が返金されました。

 この時期に運休をせざるを得なかったのは、JR東海としても不運だったと思いますが、多くの人が大変な目にあったのは否めません。上記のように、新大阪駅では改札前に状況がもっとよくわかるように案内をしたり、整列のためのレーンを確保するなどして欲しいと思いました。ですが、安全を考慮しながらも、イレギュラーな状態に、スタッフの方々が状況を見据え、判断し、準備、対応をしていることがよくわかりました。今回のことで様々な意見をされたこともあり、見直して今後の対策をするという発表もありました。

 以前、学生から「鉄道はホスピタリティ産業か」と質問されたことがありますが、「輸送手段」であってもりっぱなホスピタリティ産業だと感じた出来事でした。

(Spike8)