キジムナハナガサ
Mycena comata Har. Takah. & Taneyama, in Takahashi, Taneyama, Kobayashi, Oba, E. Hadano, A. Hadano, Kurogi & Wada, The fungal flora in southwestern Japan, Agarics and boletes 1: 155 (2016)
和名の由来: キジムナハナガサは材から発生するので、沖縄の樹木(ガジュマル)の精霊「キジムナー」に因んで命名しました。
本種並びにコガネハナガサは、傘が平開すると一晩で萎れるヒトヨタケ型の子実体に加え, ウラベニガサ型の子実体および偽アミロイドに染まる厚壁の毛状皮嚢体を持つ性質においてクヌギタケ属として異質です。従って将来的にキヌカラカサタケ属 Leucocoprinus に近縁と思われる熱帯性コガネハナガサ属 (Corrugaria Metrod 1949) の仲間として独立する可能性があります。
環境要因による一時的変異かもしれませんが、石垣島産キジムナハナガサは神奈川県産コガネハナガサに比べて、橙色が濃い傾向が見られます。
傘と柄が橙赤色の鱗片に被われるマレーシア産“Trogia” crinipelliformis Corner (1996)は、キジムナハナガサ Mycena comata に近い性質を持ちますが、分岐した付属糸を備える縁シスチジアを形成し、非アミロイドの胞子を有するとされています (キジムナハナガサは青みを帯びた灰色)。