Tubosaeta E. Horak,

Ber. schweiz. bot. Ges. 77: 367 (1967)


基準種:Tubosaeta brunneosetosa (Singer) E. Horak, Berichte Schweiz bot. Ges. 77: 368 (1967)

 子実体の類型はアワタケ型. 胞子紋はオリーブ~オリ-ブ褐色. 子実層に厚壁な剛毛体様シスチジアが存在する. 厚壁シスチジアは排泄機能を欠き, 壁の内部は有色 (intraparietal)で通常先端部は尖った刺状 (剛毛体様, seta-like) の外観を呈する. 担子胞子は一般に紡錘形で一方の側面においてゆるやかに陥入する (イグチ型). 林内地上に発生し, おそらく外生菌根性と思われる.

 分布及び既知種: 旧熱帯 (palaeotropical)を中心に分布し, 中国から1種 (Tubosaeta aureocystis M. Zang, Mycosystema 20(1): 8. 2001), ?東南アジアから3種 (Boletus calocystides Corner, Boletus aculifer Corner, Boletus hastulifer Corner), アフリカから5種2変種報告されている.

コメント: 特殊な厚壁シスチジアの存在に基づいて設立された人為的分類群で、将来的に分子系統に基づいて他属のシノニムになる可能性がある.

ヒメアワタケ Xerocomus parvulus Hongo, J. Jap. Bot. 38: 238 (1963) ≡ Boletus parvulus (Hongo) Har. Takah., MSJ News, Nippon Kingakkai Nyu-su 1992-2(no. 19): 39 (1992)は、アワタケ型の子実体を形成し, オリーブ色の胞子紋を有し, 先端部がやや尖る厚壁シスチジアを形成する性質において Tubosaeta 属に類似するが, 厚壁シスチジアの細胞壁が無色~淡黄色を呈し, 短楕円形の担子胞子を持つ点で本属として異質である. ヌメリコウジタケ属(Aureoboletus) 分岐群に位置する可能性も考えられる.


文献

Horak, E. 1967. Remarques critiques sur quelques champignons du Congo (Afrique). Berichte der Schweizerischen Botanischen Gesellschaft. 77:362-375