熊本_菊池地震

昨日の東日本大震災1周年報道番組の余韻が収まらない中,今朝(3月12日)熊本で震度4の地震があった.

震源は熊本県菊池市である.昨年10月5日にも同じところで,午後11時33分頃震度5強の地震があった.

地震速報より転載

過去を知れば未来が予測できると思い,これまで明治熊本震災について調べたことを書いたが,もっと身近なことに目を向ける必要があるようだ.

地震調査研究推進本部のホームページでは,「熊本県に被害を及ぼす地震は、主に陸域や沿岸部の浅い場所で発生する地震と、日向灘など、東方の海域で発生する地震です」と書かれている.

地震調査研究推進本部(地震による被害の軽減を目指して) トップ九州・沖縄地方熊本県

本資料に次図が掲載されている.

活断層が赤線で示されており,分かりやすいので引用させてもらった.

説明によると,熊本の地震の特徴は,陸域の浅いところで起こることらしい.

陸域の浅いところで発生した地震による被害は,主に別府-島原地溝帯に沿った地域とその周辺(布田川・日奈久断層帯に沿う地域など)に集中しているようである.

明治22年(1889年)の熊本地震(M6.3)は,市街地の直下で発生した.

1975年の阿蘇カルデラ北部で発生した地震活動(最大 M6.1)では,震源域に最も近い一の宮町(旧名、現在の阿蘇市)三野地区で家屋や道路などに被害が生じている.

そのほか,熊本市周辺では1625 年,1723年,1848年,1907年にもM5~6程度の被害地震が発生している.

また,周辺の地震の影響を受けやすいというのも特徴のひとつであるようだ.

九州東方の海域では,フィリピン海プレートが九州の下へ沈み込むことにより地震が発生する.

1769年の日向灘北部から豊後水道にかけての地震(M7 3/4) では,肥後(熊本領内各地)で家屋倒壊115棟などの被害が,1941年の日向灘地震(M7.2)、1984年の日向灘地震(M7.1) でも県内で被害が生じている.今後,フィリピン海プレートがさらに陸域の下へ深く沈み込んだ場合,地震で被害を受ける恐れがあると予想されている.

西側域では,1792年に有明海を挟んだ島原半島の地震での眉山(当時前山)崩壊による大きな被害を受けている.

熊本地方気象台の見解

菊池市の一連の地震について,熊本地方気象台は,震源付近の岩盤が南北に引っ張られたことが原因の可能性が高い,との見方を示している.今回の震源が位置する「別府島原地溝帯」は,常に南北に引っ張られる力を受け,限界を超えると,断層面を境に南北いずれかの岩盤がずれるらしい.

菊池市のホームページにこれまでの地震のまとめが図示されているので引用させてもらった.

熊本県菊池市 熊本県における地震の発生状況について

東日本大震災の余震のため,翌日長野県栄村では震度6強の地震があり,680棟が崩壊し1年経った現在でも,多くの人が避難しているそうである.そのほか,耕地やインフラの被害も甚大のようだ.人や情報が過度に集中する都会で起きたらどうなるのだろう.報道各社はそれなりのシュミレーションをしていたが,途中で流されるコマーシャルが多いため,見る気がしなくなった.大震災直後のコマーシャルのないテレビ放映がなつかしく思えた.(2012/03/12)

関連項目

熊本明治地震について

明治22年熊本震災_市街地の被害

熊本明治震災当日の様子

明治22年熊本地震(液状化の有無)


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