市電の軌道敷緑化

久し振りにメインストリートを通っていると,何となく街の景色が異なることに気付いた.中心街を走る路面電車の軌道敷内のとことどころに芝が植えてあるためである.

現在は,昨年部分的に植えた芝が枯れ新芽が出るシーズンかと思われるが,どうやら植え替え,植え付けをしているようだ.全国的に有名な「くまもと春の植木市2012」も終わり,植木屋,園芸屋に公共事業がまわってきたのだろうと勝手に想像した.

水道町交差点電停 2012/3/27

あちこちの都市で市電の「緑のじゅうたん事業」が進んでいるようだが,熊本の夏は心配である.熊本市は,海に面した西側を金峰山(660m)に遮られ東側は阿蘇山へ繋がる台地によって形成される盆地の中に存在する.そのため熊本市の盛夏は灼熱地獄,敷石,アスファルト,コンクリートに囲まれ,排気ガスの充満した酸欠状態の中で果たして植物が生育できるのだろうか.

注)2011年4月1日から2011年10月31日まで 最高気温30度以上の日数 82日

Googleの地図を利用

水撒きも大変だろう,費用もかかるだろう.いくら阿蘇山の伏流水の恵みに満たされていると言っても考えものである.市は市民に節水を呼びかけている.梅雨時期の雨水を貯めておくのだろうか.それとも白川,坪井川の水を汲み上げて散水するのだろうか.

最近の為政者は先の先までシミュレーションしないでゴーサインを出す傾向が強いので心配である.

市はヒートアイランド現象の防止に役に立つと言っているが,昨年8月に行われた熊本市の事業仕分けでは,市電の軌道敷を緑化する「緑のじゅうたん事業」については,「要改善が5人,廃止が3人となった」と報道されている.期待していたほどの積極的賛成でなかったことが影響したためか,熊本市のホームページには市民に寄付を募っていることが記されている(参考資料).

緑のじゅうたん構想も鹿児島市の真似事と聞いている.九州新幹線の集客ではその鹿児島に抜かれ熊本はもうひとつ目玉がない,新年度から発足する政令指定都市にふさわしいきれいな街を造りたいのは分かるが保守費用が気になる.

貧乏性かもしれないが,長期間税金を収めてきた人間として気になることのひとつである.(2012/3/28)


参考資料(リンク切れ)

[PDF] 市電緑のじゅうたん事業 - 熊本市

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