カタルパ (catalpa)
5月初旬になると,徳富記念館の庭にカタルパの花が咲く.
熊本市の初夏の風物詩のひとつとなっている.
蘇峰の生涯の師であり,同志社大学の創立者である新島襄氏が, アメリカ土産として贈った種子が成長したものである.現在は二世,三世の樹である.
カタルパ(和名:アメリカキササゲ)はアメリカ原産で全国的にも数が少なく,珍しい植物のひとつである.
元々アメリカ原住民Catawbaに由来しているが,植物学者の転写ミスでcatalpaになったと記載されている(引用).
The name derives from the Catawba Native American name catawba for these trees (the tribal totem), with the spelling catalpa being due to a transcription error on the part of the describing botanist (Scopoli) making the first formal scientific description of the genus.
徳富記念館 2012/5/23
下の写真は徳富記念館から直線距離で600メートルの新屋敷1丁目,白川小学校南角近くの大井手川(加藤清正が つくった白川から下流域の田んぼに水をひくための井手)の護岸ブロックの間に根を張ったカタルパ.対岸から手で触れることができる距離まで枝葉をのばしている (ストリートビューを参照).
新屋敷1丁目 2012/5/23
水俣市の徳富蘇峰・蘆花生家にも徳富記念館の種が植えられ,白い花を咲かせ来館者を楽しませているそうである(2012/5/13 熊日ウエブ版)
カタルパは民間薬として使用される.
熊大薬草園の「今月の薬草」の説明を以下に引用した.
熊本大学薬学部 今月の薬用植物 2009年6月
キササゲ(Catalpa ovataG.Don)
ノウゼンカズラ科 (Bignoniaceae)
民間薬で、果実(果皮と種子)を利尿薬として、腎臓病、浮腫、脚気などに単味で用います。また、写真右のアメリカキササゲも、アメリカの民間薬として利尿目的に用います。
熊本ではアメリカキササゲのことを”カタルパ”と言い、熊本市大江の徳富記念館に在り、有名で、5月中旬に花を咲かせます。大学の構内にも2本あります が、大きすぎるのと下枝を切られているので、上の方でしか花を見ることができないのが残念です。花の大きさは、両方の写真を比べてもらうと分かると思いま すが。アメリカキササゲが2倍ぐらい大柄です。人間と同じですね。
(2012/5/25)
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