日本の3,000m峰
全山走破!
聖岳(3,013m)
2022/10/29~31
2022/10/29~31
登った日:2022年10月29日(土)~30日(月)
登った人:私
行程
10/29
自宅(12:00)-寄居PAー松川ICー(18:10)芝沢ゲート駐車場 車中泊
10/30
自宅(12:00)-寄居PAー松川ICー(18:10)芝沢ゲート駐車場 車中泊芝沢ゲート駐車場(3:15)-(4:15)易老渡(4:27)-(4:51)便ヶ島(5:05)-(5:42)西沢渡(5:57)-(7:02)1539m地点(7:12)-(8:13)1928m地点(8:25)-(9:28)2243m地点(9:38)-(10:04)薊畑分岐(10:22)-(11:09)小聖岳(11:10)-(12:18)聖岳(12:23)-(13:16)小聖岳(13:16)-(14:07)薊畑分岐(14:15)ー(14:33)聖平冬季小屋 小屋泊
10/31
聖平冬季小屋(6:08)-(6:27)薊畑分岐(6:27)ー(9:17)西沢渡(9:33)-(10:30)易老渡(10:40)-(11:41)芝沢ゲート駐車場
芝沢ゲート駐車場(12:00)-(14:00)日帰り温泉「ほっ湯アップル」(15:00)-松川IC-(高速)-岡谷IC-(下道)-南佐久IC-(高速)-花園IC-(19:45)自宅
10月29日(土)晴
午前中、出発準備。昼に自宅を出発。高速で関越道、上信越道、長野道、中央道を経て、松川ICで高速を降りる。コンビニで夕食の弁当と明日の朝食のおにぎりを購入。芝沢ゲート駐車場を目指す。この林道、何回通ったかなあ。予定通り、18時前に駐車場に着く。もう暗くなっており、ヘッ電が必要だ。車から自転車を下ろし、寝床を作る。自転車はここから便ヶ島までの6Kmちょっとの林道を走るためだ。コンビニ弁当を食し、リュックのパッキングを確認し、スマホの目覚ましをセットし、横になるが、なかなか眠れない。見上げると素晴らしい星空。明日はいい天気になりそうだ。
10月30日(日) 晴一時曇り、山頂では霧と強風
2時半に目覚ましを設定したがアラームが鳴らず(設定を間違えていた)、2:50に目が覚める。慌てて出発をする。こんなに早く出るのは、あわよくば日帰りしてしまおうという考えが頭の隅にあったからだ。3:08に自転車にまたがる。頭上にはオリオン座が輝き、天気は上々そうだ。芝沢ゲート横の登山届ポストに登山届を出し、さあ出発だ。あれ、ゲートが狭くなっている。ゲートの張り紙をよく見ると、自転車の通行を禁止するとのこと。4週間前は通れたのに。どうしよう、歩くか。ということで、自転車を車の前に置き、歩きで出発する。真っ暗な林道を冷静になって考えながら歩く。自転車押せば歩行者だよね、とか、張り紙を見落としましたと言い訳できるよねえ。と、その時、カメラ(コンデジ)を忘れたのに気付く。もう45分位あるいているので、取りに戻ると1時間半のロスになる。まあいいか、スマホあるし、ということで、真っ暗の中、沢の音を聞きながら行進を続ける。便ヶ島(たよりがしま)に着く。ここには聖光山荘という小屋がある。もう廃業していると思っていたが、明かりがついている。後で分かったのだが、今年の夏から営業しているそうだ。知っていれば、ここに泊まったのに。よく調べない私が悪い。よく調べないといえば、今日泊まる冬季小屋でも事件があった。あと、結構自転車が止めてありました。
自転車進入禁止の張り紙(撮影は下山後)
真っ暗闇の林道を歩く。ここは光岳登山口の易老渡
さて、ここからは山道、とは言っても西沢渡(にしさわど)までは、ほぼ水平の広い歩きやすい道だ。すぐに若者に抜かれた。昨日、聖光山荘に泊まって、今日は聖岳に登り、聖平小屋に泊まるそうだ。あっという間に彼のヘッ電の明りが見えなくなった。速いなあ。西沢渡では遠山川に流れ込む西沢を渡る。砂防ダムの下に梯子状の橋が沢にかけられているが、増水時は水没するため、手動のゴンドラがある。でもかなり重いらしい。沢を渡ったところで、朝食とする。ちょっと明るくなってきた。
ここから急登が始まる。ヤマケオンラインで標高を見ると、こんな感じ。
西沢渡(1,080m)-薊畑分岐(2,400m)-小聖岳(2,662m)-聖岳(3,013m)
つまり、聖岳頂上まで、2,000m弱登ることになる。距離は3.4Kmだ。
増水時使用するゴンドラ(下山時に撮影)
沢にかけられた橋(下山時に撮影)
さあ、沢から廃屋となった森林管理所小屋まで登り、ここからジグザグの急登が始まる。森林帯で展望はないし、まだ暗い。歩き始めて30分もしないうちに、来なきゃよかった・・・、と思い始める(いつものこと)。1時間ほど歩き、休めそうなところを探して休憩。標高は1,540m。460m/h。速くねえ!これは日帰りできるかも。でも、体力は正直で、その後疲れが。で、日帰りはあきらめる。2,000mを超えると斜度も緩くなり、ちょっと楽になってきた。突然木がなくなり、薊畑分岐に到着。と同時に冷たい強風の洗礼を受ける。慌ててフリーズとWBを着る。
やっと2,000mまで登って来た
薊畑分岐に到着、奥の山は光岳
聖岳方面は霧で真っ白だ。ここから聖岳をピストンする。サブザックに非常食、リンゴ(頂上で食べようと用意)、600mlの濃い茶、カッパ、ウルトラライトダウン、貴重品を入れ、手袋も二重にして出発する。すぐに風は無くなり(地形的に)、今度は暑くなる。小聖岳に到着するや、また、冷たい強風が。ここから岩場の稜線となり、いくつかのピークを上下する。西からの風が霧を運んでくるようで、時々、ホワイトアウトになる。さらに体力の限界か、何回か足が攣ってしまった。攣るたびに1~3分位、じっとして痛みが治まるのを我慢する。岩場の稜線が終わり、残りの300mは急なガレ場が続く。そして頂上に到着。3,000m峰走破だあ。風は一層強まった感じで、メチャ寒い。風を遮るものもない。霧で景色はないが、標識と一緒に写真撮影。一瞬霧が晴れて、富士山が見えた。感激!でも、すぐに霧に隠れる。また霧が晴れ、北側に、昔、小松さんや今さんと登った赤石岳がドーンという感じで現われた。シャッターチャンス!スマホのシャッターをおすと、シャッター音がせず、画像がそのまま固まっている。どうやら寒さでフリーズしたらしい。画面をタッチしても、電源ボタンを押しても反応しない。写真も撮れないし、寒いし、スマホを温めるために胸ポケットに入れて、早々と下山する。10分ぐらい下って、風の来ない這松の影に入って、電源ボタンを押すと再起動できた。デジカメがあれば、もっと山頂に居れたかもしれないなあ、撮影するため。あっ、リンゴ食べるの忘れた。
小聖岳は霧と強風。頂上標識壊れてるし
聖岳到着。気圧のせいか、顔が膨張しているように見える
一瞬霧が晴れて富士山(中央右奥)が
小聖岳をちょっと下った辺り
富士山が見えた
富士山アップ
薊畑分岐に戻り、サブザックをリックに押し込み、今日の宿、聖平冬季小屋に向かう。冬季小屋の内部は2.5m×4m位の間仕切りが1階2階にそれぞれ3つある。当然山小屋の管理人やスタッフはおらず解放されている。暗い小屋に入ると、朝、抜かれたお兄さんがいた。11時にはここに着いたそうだ、速い。30分ぐらい話していたが、仕事があるとかで、電波の通じるところを探してきますと出て行った。私は水の確保だ。水場の看板があると思いきや全然ない。テント場横の沢が水場らしいが、からからの涸沢だ。で、思い出したのが、地図に「晩秋は涸れることがある」と書いてあったこと。小屋での水情報を調べておくべきだった。現在持っている水分は、濃い茶300cc位と水250cc位。明日下るルート(登って来たルート)では西沢渡まで水場はない。ということは、夕ご飯、朝ご飯は水なしの非常食・・・。お兄さんが帰って来たので、ダメもとで、水場のことを聞いてみると、彼が小屋に着いた時、前泊者が居て、水場のことを聞いたとのこと。沢沿いに5分位下ると水があるが、そのまま飲まないほうが良いと聞いたらしい。早速、水探しに沢を下っていくと、あった。流れている。湧き水のようだ。これで、ご飯も食べられるし、明日の下山時の水分も大丈夫だ。でもこの水が・・・
小屋に戻ると、男性ソロ、女性ソロ、ご夫婦1組の4人が到着していた。今夜は6人がこの小屋に泊まることになった。最初に到着した兄ちゃんは登山を始めて4年とのこと。もう一人の男性ソロは30~40歳くらいだが、トランスジャパンアルプスレース(日本海側の富山湾から北アルプス・中央アルプス・南アルプスを縦断して太平洋側の駿河湾までの約415キロメートルを、8日間以内に、交通機関を一切使わずに自分の足で走るか歩いて走破する競技)のコースを3週間かけて歩いたという猛者だ。 17時位に夕ご飯を作り始める。作るといっても、私のメニューはアルファ米と小さなカップ麺なので、汲んできた水を沸かせば3分で完成。で、18時半には皆、寝袋に潜り込んでいた。すぐに鼾。あと、エアーマットを使っていた方が2人いて、寝返るときにマットとフローリング床がの擦れる音がものすごく、なかなか眠れなかった。前回もそうだったが、疲れすぎると心身の緊張で眠れないのかも。
10月31日(月)曇り、時々霧、下界は晴れ
出発予定は6:00なので4:45に起きだす。すぐに食事の用意。メニューは昨夜同様、アルファ米とミニカップうどんとコーヒーだ。食べていると、女性ソロとご夫婦さんは出発していった。猛者山男はすでに出発済み、もう一人のお兄ちゃんも5時半に出発した。パッキングを確認していると、急にお腹がゴロゴロと。トイレに駆け込む。ここのトイレは小屋より、50m位離れたところにある。ちょっと下痢気味。朝からカップ麺なんか食べたからかなあ。
冬季小屋。お世話になりました
小屋からの朝焼けの景色
まずは薊畑分岐まで200m弱の登り。結構きついね。足だけでなく体中がだるい感じ。薊畑分岐は風が強いし、霧で展望もないので、そのままスルー。すぐに森林帯にはいり、下り始める。下りは腿や膝に来るので、なるべく休みながらゆっくり下ることにする。昨夜考えたシュミレーションでは、30分歩いて10分休憩で1ピッチ、1ピッチで200m下るという感じ。これなら、西沢渡までの1,300mを4時間弱で下りられる計算だ。実際には1ピッチ30分で歩き、西沢渡まで3時間弱で歩いてしまった。自分でも驚き。展望の無い暗い急峻な尾根道も、下って行くうちに明るくなってくる。時々木々の間から光が入ってくるのがうれしい。西沢渡では沢の水で顔を洗う、ついでに頭も。気持ちいい~(*^▽^*)。
ここからは平たんな道となり、そのあとは林道歩きだ。天気は良く、シャツの袖をまくって歩く。易老渡手前に広い陽の差している場所(かつての駐車場?)があり、最後の休憩とする。駐車場まではあと1時間ぐらいであろう。ここで、聖岳頂上まで運んだリンゴを食す。水は小屋で汲んだ水だけだった。この水は沸かしてコーヒーを飲むつもりだったが、面倒くさいのでそのまま飲む。ゴクン!えっ、消毒薬の味が・・・。憶測だが、聖平小屋のトイレで使う消毒薬が地中を通って沢の下流に浸み込んだとか。あるいは、小屋では沢の水を使うので沢を消毒しているとか。今朝の突然の下痢もこのせい・・・?ともかく飲んだ水を薄めたいと思いながら歩き出す、すぐに林道脇から水が湧いていたので、この水を飲む。味のない冷たい水は美味しかったし、薄まったと思う。綺麗な紅葉を見ながら、駐車場へ。なお、その後、下痢等の異変はなかった。
このトンネル「千と千尋の神隠し」みたい
カーブミラーがあったので恒例の自撮り
林道歩きではすばらしい紅葉が
駐車所に戻ってきました
12時前に駐車場に着いたけど、小屋からここまで誰にも会わなかった。まずは着替えて、自転車、リックを車に積み込んで出発。もうここには来ないだろうなあ、と思いながら林道を走る。コロナ以来、下山後の温泉は避けてきたが、ここへ来るのが最後なら、地元の温泉に入って帰ろう、そばも食べたいし。携帯電波の入るところで、近くの日帰り温泉を検索し、飯田市内の「ほっ湯アップル」へ向かう。入場料500円は安い。天ぷらそば450円も安くて美味かった。当初は節約のため、帰りは高速を使わないで帰る予定だったが、翌日は職場の健康診断のため、出勤しなくてはならないので、高速で帰る。でも、今回がこの辺りを走るのが最後かと思うと寄り道したくなる。岡谷ICで高速を降り、142号線を走ろう。無料になった和田トンネル、和田宿、望月宿、佐久を通るこの国道を走るのは結構好き。ここを通るときは和田宿近くのセブンイレブンにいつも寄って、コーヒーを買うのがルーティーンだ。前回の光岳も、8月の守屋山の時も帰りはここでコーヒーとアメリカンドックを買っている。あれ、看板がない。セブンイレブン閉まっている。なんだか寂しい。南佐久ICから再度高速に入り、帰宅。お疲れさまでした。
今回、下山後に温泉に入ったためか、前回の光岳登山後よりも筋肉痛がちょっと和らいだような気がする。山登りの後の温泉は大事ですね。3,000m全山走破、百名山99座目、あとは飯豊山だ。でも、今年は無理かな、雪で。
データ:
歩行時間(休憩含む): 初日 11時間10分 2日目 5時間41分
歩行距離: 初日 16.6Km 2日目 12.3Km
初日の登りと下り: 登り 3,150m 下り 1,583m
2日目の登りと下り: 登り 806m 下り 2,373m
歩数: 初日 37235歩 2日目 27194歩 (スマホがフリーズしたので正確ではないと思う)