今回の山登りは、冬山に向けての偵察登山だ。なるべくゆっくり歩き、周りの状態を把握しながら歩くつもりであったが、登っているうちにそんなことを忘れてしまった。まあ大体の感じがわかったので良しにしよう。この連休で山小屋は営業終了。小屋は混んだが、天気が良くて最高だった。憧れの槍ちゃんが・・・来て良かった。
2019年11月1日(金)~3日(日)
登った人:私
行程:
11/1
自宅(18:30)-(0:10)さわんど第3駐車場(車中泊)
11/2
さわんどバスターミナル(5:30)・・タクシー・・(5:50)上高地バスターミナル (6:05)・・・(6:50)明神(7:00)・・・ (7:45)徳沢(8:00)・・・ (8:55)横尾(9:15)・・・ (9:45)槍見台(9:50)・・・ (10:25)第2ベンチ(10:30)・・・ (11:45)第3ベンチ(12:20)・・・ (13:00)横尾分岐:稜線(13:05)・・・(13:30)蝶槍(13:05)・・・ (14:15)蝶ヶ岳ヒュッテ
11/3
蝶ヶ岳ヒュッテ(6:55)・・・(7:00)蝶ヶ岳(7:15)・・・(8:00)長塀山 (8:00)・・・ (10:10)徳沢(10:30)・・・ (11:50)木梨平(12:25)・・・ (12:35)上高地バスターミナル(12:45)・・バス・・ (13:15)さわんどバスターミナル(14:10)- (14:50)せせらぎの湯(15:30)-(20:50)自宅
2019年11月1日(金)晴れ
15:00で仕事を終え帰宅。荷物を車に積み込み、出発しようとしたら、妻から、レトルトのキーマカレーがあるとのことで、美味しく頂き出発する。駐車場代節約のため、日付が変わってからさわんど駐車場に入りたいのでゆっくりドライブ。もちろん下道。それでも、沢渡手前の道の駅で30分ぐらい時間待ちをし、さわんど駐車場に入ったのは0:10だった。外気温7℃、ビールを飲んで車中泊。満天の星空!明日の天気は心配なさそうだ。
2019年11月2日(土)快晴
朝5時に目覚ましが鳴る。エンジンをかけて車内暖房。始発のバスは6時なので、ゆっくり着替える。朝食に菓子パンをと思ったが、例によって食欲がない。と、リックを担いだ人々がバスターミナルへ歩いていく。あわてて菓子パンをリックに詰め込み出発する。連休だし、今シーズン最後の週末だし、混みそうな気がして。バスチケット売り場には20人くらいの人が並んでいる。すると、乗り合いタクシーはどう?とタクシー会社のおじさんが話しかけてきた。1,050円/人とのこと。バスは片道1.250円で往復だと2,100円、ちょっと考えて、タクシーで行くことにする。同乗した方々は、徳沢でテントを張り、涸沢と蝶ヶ岳を往復するという中年ご夫婦と単独で槍まで行くという若者だ。去年秋(冬?)に歩いた釜トンネル、大正池の横をかなりのスピードで走る。もうすぐシーズンも終わるので最後の稼ぎ時か。バスよりもかなり早く上高地に到着した。
まだちょっと暗いけどヘッ電はいらない。歩き始めると、どんどん明るくなっていく。木々の紅葉が見えてきた。すぐに河童橋を通過。明神岳、岳沢、奥穂が見える。いつ見てもかっこ良い。釣り尾根、奥穂頂上付近は白くなっている。明神岳を横に見ながら、明神を過ぎ、徳沢に着く。ここで朝食。きれいなキャンプ場のベンチで🍙とジャムパンを頂く。明日はここに下りてくる予定だ。さて、新村橋を通過、横尾に到着。冬期小屋を確認する。中には入れないが、立派な小屋だ。冬はここがベースになると思う。冬期小屋の確認も今回の登山の目的の一つだ。ここから本格的な山道になるが、冷静に考えてみるとここまでの約10Km、しっかり林道歩きだよね。
さて、横尾で水1.5Lを水筒につめ、靴紐を締め直し出発。すぐに急登となる。横尾で水を積んだためか、急登のせいか、リックがめちゃ重い。で、暑い。ウインドブレーカーとフリーズを脱ぐ。30分後、槍見台に着く。横尾尾根の上にちょこんと槍ヶ岳が見える(感動その1)。すぐに樹林帯へ。この道は稜線まで同じような勾配が続く。第2ベンチを過ぎてまた槍ヶ岳が見える場所に着いた。「なんちゃって槍見台(地図に書いてある)」かなあ?標識は無し(感動その2)。更に森の中の急登が続く。第3ベンチでランチタイム。🍙と携帯食の1本満足バーが昼食。あと、紙パックのレギュラーコーヒーを淹れる。なんかコーヒーが旨い。
さてもうひと頑張りかな。木々が少なくなって周囲が明るくなり、パッと樹林帯を抜ける。振り返れば、槍・穂高の大大大絶景!感動その3。真っ青な空をバックに槍ヶ岳、穂高連峰、その右には鷲羽岳と水晶岳(と思う)、槍ヶ岳からの表銀座、大天井岳が・・・。すごい―!来てよかったあ。写真を取り、すぐに稜線まで駆け上がる。稜線ではさらに絶景。左手に蝶槍と常念岳、正面下の安曇野市街の向こうに八ヶ岳、その右には富士山、南アルプスが・・・。すごい―!来てよかったあ。更に穂高連峰の左には、乗鞍岳、御岳山。すごい―!来てよかったあ。まずは蝶槍へ行こう。ここは槍と言うだけあって文字通りの360°の大展望だ。ただ、最後の急登で太ももが攣った。体力不足だねえ。今考えると、蝶槍は稜線に出たところから小屋への反対側にあるので、そこにリックをデポして空身で登ればよかったのにね。展望を十分楽しみ、今夜泊まる蝶ヶ岳ヒュッテを目指す。ヒュッテまでちょっと上下はあるが景色が抜群で疲れがマヒされてるみたい。小屋到着。
小屋で1泊2食10,000円を払い、小屋のおねえさんに寝床に案内してもらう。2段の蚕棚で、カーテンで3人ごとに仕切ってある。一番奥の窓のある下側の仕切りが私の寝床。下側は嬉しい。梯子登らなくて済むものね。仕切りはほぼ正方形でその仕切り一杯に正方形の敷布団、毛布と枕は3人分あるが、掛布団は3人で2枚。おねえさんから、仕切りの一番端を使ってとのこと。どんな奴が隣に来るのかなあ。まあ考えてもしょうがないか。不安を他所に人は来ず、結局一人で仕切りを使え、大の字で眠れたのは嬉しかった。さて、時刻は15時過ぎ、外は寒いので談話室でビールタイム!500ml缶ビール800円。持ってきたナッツでぐびぐび・・・お疲れ様・・・。こんなに値段の高いビールでも山小屋では問題ない。紙パックの日本酒を飲んでいる四角顔おじさんと山談義が始まる。夕食は17:30からなので時間はたっぷり、16:30に夕陽を見に外へ出たが、寒い。夕食は山菜やひと口ハンバーグなどで自分的にはいまいち。手作り味噌を使っての味噌汁、味は良かったがぬるかった。後で聞いた話では、前日泊まった人は40人、この日泊まった人は140人とか。味噌汁作るのに時間がかかったのかも。食後、今日歩いたGPSデータを見ようとスマホを見ると電波が1~2本立っている。自宅とTCCの友人に写メしてみた。電池がもったいないのですぐに電源オフ。みんなに届いたかなあ。談話室でラグビー決勝を見て、布団に潜り込む。夜中、何回か足が攣って目が覚める。
2019年11月3日(日)晴れのち曇り
明日はゆっくり下りればいいやと思い、目覚ましをかけずに寝たが、4時ごろから周りがごそごそし始め、目が覚める。寒いので布団から出られない。朝食は5:30からだし、日の出は6:00頃なので朝食が始まるまで布団のなかでぬくぬくする。朝食のアナウンスがあり、食堂へ行く。結構空きがある。早出の人が多いのか、まだ寝てる人が多いのかはわからないがすぐに席につけた。おかずは昨晩の夕食とよく似ている。味噌汁は昨晩よりちょっと暖かかった。
食後、ご来光を見に外へでる。ちょっと雲があるが山々は良く見える。風もちょっとあり、寒い。槍ちゃん、おはよう!穂高ちゃん、おはよう!富士ちゃん、おはよう!・・・一通り、ご挨拶。で、ご来光。オレンジ色の雲がきれいだ。そして槍ヶ岳、穂高がモルゲンロート。すご~い。来てよかったあ。写真撮りまくり。寝床に戻り、出発準備。昨日はどうにか膝の痛みは出なかったが、今日は下り。念のため、湿布薬と膝のサポータを付ける。あと、寒いので手袋二重、上は、Tシャツ、長袖シャツ、フリーズ、ライトダウン、ウインドブレーカーとあるもの全部着ての重装備で外に出る。まずは冬期小屋の確認。外トイレ横の建物で冬期の入り口は赤い鉄の扉だ。今はボルトで絞めてあり開けられない。地面と同じ高さなので、冬はあまり雪は積もらないのかしら?それとも、雪を掘るのかなあ。
上高地目指して出発、まずは蝶ヶ岳のピークへ。数分で到着。最後に360℃の展望を楽しむ。さあ下りよう。すぐにハイマツ帯となり、樹林帯に入る。斜度は緩い下りだ。樹林帯に入り、風もなく、暑くなってきた。20分ぐらい歩いたところで、ウインドブレーカー、ライトダウンを脱ぐ。手袋も1枚にする。さらに15分ほどでフリーズを脱ぐ。空気は冷たいけど、歩いていると気持ちが良い。妖精の池でペアのホシガラスを発見。そういえば今回雷鳥に遇わなかったなあ。天気良過ぎのせいだね。この辺りは斜度も少なく、テントを張れそうな場所が何カ所か確認できた。樹林帯で風も少なそうだし、冬はこの長塀尾根が良いかも。長塀山(2,565m)を過ぎて2,400m辺りから斜度がきつくなってきた。ゆっくり下る重装備の兄ちゃんに追いつく。重装備兄ちゃんから「下りは嫌なんですよね。転ぶから。」と話しかけられる。「私もです。」と答える。重装備兄ちゃんを追い越して、20分後位、赤土の上に不用意に足を置いたところスリップ。野球のスライディングのように転ぶ。右足太ももの外側、リックのウエストベルト、右手シャツの袖、時計(私は右手にはめている)、右の手袋の一部が泥だらけ。怪我はなく、痛いところもないので良かった。ただ、泥だらけで上高地を歩きたくないなあ、それに、さっきの重装備兄ちゃんには会いたくないなあ、恥ずかしいし・・・。急な下りは続き、やっと徳沢へ到着。後は林道歩きだ。幸い膝は大丈夫そうだ(ちょっと痛かった時があったけど)。
徳沢の水場で、シャツの袖と時計の泥を洗い流し、ズボンとリックはタオルを濡らして泥を拭き取った。袖がびしょびしょなのでちょっと寒かったが、上着を着ないで明神まで歩く。観光客が多くなり着込んでいる人の中、ペラペラのシャツ一枚の私は異様に見られたかも。明神までにシャツ、ズボンは乾いてくれた。明神では生ビールを飲んでいるおじさんおばさんたちが・・・ぐっと我慢。木梨平キャンプ場に到着。梓川のほとりで昼食とする。静かで展望の良いところを探し、カップ麺と携帯食、コーヒーで昼食。景色が良いとどんなものでも美味しいですね。適度(?)の運動の後だしね。梓川の対岸にケショウヤナギの林が見える。今はまだ緑色だが、冬は赤くなる。12月に見られるかな、楽しみだ。バスターミナルまで10分位。河童橋の周辺は大混雑。特に中国人の団体さんがいっぱい。素通りしバスターミナルへ。すぐにバスに乗れた。昨日の朝は気付かなかったが、紅葉は上高地よりも釜トンネルを出て、国道沿いのほうが綺麗だ。
沢渡の駐車場代は1,200円(2日分)、さあ温泉へ行こう。いつもの「せせらぎの湯」、520円。汗を流す。なんか疲れたので帰路は三才山有料トンネル(520円)を使う。後は下道。21時前に無事帰宅。お疲れ様でした。走行距離440Km。