Post date: Dec 17, 2017 11:37:26 AM
長い議員生活で、多くの先進自治体を視察したが、記憶に残るものはそう多くない。説明された職員についても同じだ。
しかし、今回はちがった。魅力的な二人の職員は、「視察者を絶対に眠らせない」と自信満々だ。誰も眠っていない。
「政策に強い議会をつくるため、議会にもシンクタンクが必要だ」と、久しぶりに刺激的な視察だった。
10月10日 埼玉県戸田市の政策研究所の取り組み
「全く期待せず」が、これこそ行政経営の真骨頂。梶山所長の自信あふれる説明に、「この人と仕事ができる職員は力が付くだろうな」と、うらやましく思った。政策研究所は、埼玉県内初の自治体内部設置型シンクタンクで、全国に40程度設置されたが、20程度は廃止・休止している。ここは成功例だ。
「事業の検討の前提としてデータが重要であり、そのデータに基づいた手を打つ」説得力のある話だ。一例だが、若い転入者を増やすため、公教育に、ベネッセやインテルの協力を得ている。小学校は全校Wi-Fi完備し、企業の貢献力をうまく使う働きかけで、文科省も応援している。
データ解析で○○が弱いとなると、政策企画の事業化にも説得力がでる。研究段階から携わっている若い職員の質も上がる。「おしゃれな街」がコンセプトの戸田市は、市民会館の食堂までおしゃれでかっこよかった。
10月11日 岩手県紫波町の官民連携の都市整備
「オガールプロジェクト」の「おがる」はどんどん成長する意味の方言だ。視察も盛況で、他議会や大学生と一緒の説明だった。ワイヤレスマイクを使い、自信にあふれたキーマンがここにもいた。民間複合施設は、テナントの賃料見込み収入から逆算して施設規模を決定してきたという。また、図書館等の集客をテコに民間施設が稼ぎ、民間施設の固定資産税等で次の施設を展開する。
フットボールセンターを皮切りに、図書館、21区画の宅地分譲、役場新庁舎、保育園を建設した。人口3万人強の街に、年間100万人が訪れる人気スポットになっている。稼ぎ頭は、町内10番目の直売所。就業者数も役場職員を除いて257名。地価も上昇し、宅地販売も順調で、事業費約60億円はすでに回収しているというからすごい。
公務員なので講演料はタダ、呼んで!と(戸田市)
オガールプラザ 交流館は公共施設(紫波町)
年商5億の直売所は民間施設(紫波町)
オガールプラザには公共施設と民間施設が入る(紫波町)