Post date: Aug 19, 2016 4:44:00 PM
5000円で1泊2日の温泉旅行を始めて10年ほどが過ぎた。その間、料金もじわじわ値上がりし、今年は8000円(バス代込み)ということだったが、トレッキングが面白いと旅行雑誌で見て塩原温泉と決めた。大当たりだった。
今はトンネルができ、さーっと通り過ぎてしまうのだが、箒川の渓谷沿いの旧道は、緑と滝や文学碑を楽しむ散歩道になっている。滝の水がうまい。
ホテルで開催された塩原文学研究会の歴史探求の講座に参加した。昨日渓谷で見たたくさんの文学碑が置かれた訳を話された。尾崎紅葉が「箱根や木曽など全国の名のある谷や河川と比較して、塩原の箒川の谷には及ぶべしとも思わなかった」と絶賛している。多くの文人が塩原を訪れ名作を残している。それらが文学碑となって町内に点在しているとのことだ。
私は特に、国木田独歩の日記の碑が気に入った。
吾等二人手を携えて洞窟の茶屋を訪ね
渓流をさかのぼりて橋を渡り寂しき谷に至りて止む
愛恋の二人相携えて朝の歓喜を胸にたたみつつ歩む
何の不足する処ぞ一生のパラダイスなり
駆け落ちを両親に許され、燃えるような紅葉の赤の中、二人だけの世界はパラダイスと言えるのも、あの渓谷を歩けばだれもが理解できるだろう。
紅葉の季節にもう一度訪ねたいものだ。
地図を片手に元気に出発
歌あり朗読ありの千葉会長の講座