ISO 19148:2021 Geographic information — Linear referencing
現行
履歴
ISO 19148:2012 破棄
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19148:ed-2:v1:en
この規格は、線形参照を利用可能にするために必要なデータ及び操作を提示する。これには、線形参照系、線形に配置された(被配置)イベント、線形セグメントが含まれる。
線形参照系は、線形オブジェクトに沿った位置の指定を可能にする。このアプローチは、ISO 19133:2005で最初に標準化された線形参照の一般化モデル[12]に基づいている。この規格は、機能及び説明の双方においてISO 19133に含まれる内容を拡張したものである。
ISO 19109は、地物全体に適用される値を持つ属性を持つ、個別のオブジェクトを表す地物の定義を可能にしている。ISO 19123では、地物内の位置に応じて属性値を変えることができるが、線形地物に沿った単一の点又は長さに属性値を割り当てることは可能ではない。線形被配置イベントは、線形地物の長さに沿って属性値が変化する場合に、線形オブジェクトの属性を指定するための仕組みを提示する。線形参照系は、線形オブジェクトに沿って、どこに各属性値が適用されるかを指定するために使用される。同じ仕組みを使用して、ガードレールや交通事故などの別のオブジェクトが線形オブジェクトに沿ってどこに配置されているかを指定できる。
線形被配置イベントを持つ線形オブジェクトを、その一つ以上の属性に基づいてセグメント化することは、一般的に行われている。結果として得られる線形セグメントには、セグメント化処理で使用される属性のみが付与され、これらのセグメント化属性の値が線形セグメントで均一であることが保証される。
「ISO/IEC指令第2部(2018)国際規格の構成および起草に関する規則」に従うと、国際規格では小数点記号はカンマである。ただし、国際度量衡総会(Conférence Générale des Poids et Mesures)は2003年の会議で満場一致で次の決議を可決した:
「小数点記号は点またはカンマのいずれかとする。」
実際には、これらの選択肢からの選択は、関連する言語の慣習的な使用法によって異なる。測地学および地理情報の技術分野では、すべての言語で常に小数点を使用するのが慣例である。この慣行は、この技術仕様全体で使用される。
この規格では、1次元オブジェクトに相対的な位置を与えて、そのオブジェクトに沿った測定値 (及びオプションでそのオブジェクトからのオフセット) として提示する。そのために、線形参照の使用及び支援に必要なデータと操作の規則を定義する。
この規格は、交通、公共事業、環境保護、位置情報サービス、及び線形オブジェクトに対する位置を定義するその他の応用システムに適用される。ただし、わかりやすさを考慮し、この規格で提示するほとんどの例は交通分野からのものになっている。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19103, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19107, Geographic information — Spatial schema
ISO 19108, Geographic information — Temporal schema
ISO 19111, Geographic information — Referencing by coordinates
この規格では、次に示す用語と定義が適用される。ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
3.1
attribute event
属性イベント
地物の一部分にのみ適用できる地物 (3.4) の属性の値
注記 1: 属性イベントには、属性値が属性地物 (3.2) に沿って適用される線形被参照位置(3.16) が含まれる。
注記 2: 属性イベントは、属性値が適用される瞬間 (3.8) または期間 (3.20) によって限定できる。
3.2
attributed feature
属性付き地物
属性イベント(3.1)が適用される地物(3.4)
3.3
direct position
直接位置
座標参照系の中で一つの座標によって記述された位置(3.21)
3.4
feature
地物
実世界の現象の抽象概念
[ISO 19101‑1:2014 4.1.11の引用]
3.5
feature event
地物イベント
位置特定するための地物(3.18)に沿った被配置地物(3.17)の発生に関する情報
注記1:地物イベントには、位置特定するための地物に沿った被配置地物の線形被参照位置(3.16)が含まれる。
注記2:地物イベントは、地物イベントが発生した瞬間(3.8)又は期間(3.20)によって限定できる。
3.6
geometric primitive
幾何プリミティブ
<geometry> 単一の連結で均質(等方的)な空間の要素を表す幾何オブジェクト
注記1:幾何プリミティブは、幾何構成についての情報を表す不可分なオブジェクトである。点、曲線、曲面及び立体は幾何プリミティブである。多くの幾何オブジェクトはプリミティブのように働くが(幾何プリミティブに定義されているのと同じインタフェースを使用可能)、実際にはいくつかの他のプリミティブで構成される複体である。その一般的な集まりは集成体であり、プリミティブのように働けない場合がある(連結されていないため単一の線として追跡できない複雑なネットワークの線など)。この定義によれば、境界点は内部点に対して等方的ではないため、幾何プリミティブは位相的には開いている。幾何形状は閉じていると想定される。点の場合、境界は空である。
[ISO 19107:2019 3.50を引用]
3.7
height
高さ
h, H
選択した基準面からその面に垂直な線に沿った上向きを正とする、任意の地点までの距離
注記1:基準面から下向きの高さは負の値で表される。
注記2:楕円体高(h)と標高(H)を一般化した言葉である。
[ISO 19111:2019 3.1.38を引用]
[+]
3.8
instant
瞬間
時間における位置を表現する零次元の幾何プリミティブ
注記1:時間の幾何については、ISO 19108:2002の5.2で取り上げる。
[ISO 19108:2002, 4.1.17を引用][翻訳はJIS X 7108:2004 4.1.17を引用]
3.9
linear element
線形要素
測定が行われる軸として機能する一次元オブジェクト
注記1:曲線要素とも呼ばれる。
例: 地物(3.4)、たとえば「道路」、曲線幾何、有向エッジ位相プリミティブ。
3.10
linear referencing
線形参照
線形要素(3.9)に対する場所(3.19)を、その要素に沿った測定値(及びオプションでその要素からのオフセット)として指定すること
注記1:場所を2次元または3次元の空間位置(3.23)として指定する代わりに使用する。
3.11
linear referencing method
LRM
線形参照法
LRM
線形要素に沿って(及び必要に応じて線形要素からオフセットして)測定する方法(3.9)
3.12
linear referencing system
LRS
線形参照系
LRS
線形参照法(3.11)の集合と、それらを実装するための方針、記録、及び手順
注記1:参考文献[10]から引用。
[+]
3.13
linear segment
線形セグメント
線形地物(3.4)の一部であり、属性のサブセットによってその地物の残りの部分と区別され、各属性はその部分全体に対して単一の値をもつもの。
注記1:線形セグメントは、明示的な幾何を持たない1次元オブジェクトである。
注記2:線形セグメントの暗黙的な幾何は、親地物の幾何から派生させることができる。
3.14
linearly located
線形被配置
線形参照系(3.12)を使用して配置される、という意味
3.15
linearly located event
線形被配置イベント
地物(3.4) に沿った、属性値又は他の地物の発生
注記 1:イベントの場所 (3.19) は、線形被参照位置 (3.16) を使用して指定される。
注記 2:線形被配置イベントは、それが発生した瞬間 (3.8) 又は期間 (3.20) によって限定することができる。
注記 3: ISO 19108ではイベントは単一の瞬間に限定するとともに、場所の位置は含まれていない。
備考1)注記2については、本文6.1.1.5.2 Event locationにおいて、"at location"及び"from/to location"として提示されている。
3.16
linearly referenced location
線形被参照位置
位置 (3.21) が線形参照 (3.10) を使用して指定される場所 (3.19)
3.17
located feature
linearly located feature
被配置地物
被配置線形地物
関連する(配置する)地物に沿って直線的に(3.14)配置される地物(3.4)
例:地物「橋」は、地物「鉄道(配置地物(3.18))」に沿った被配置地物になり得る。
3.18
locating feature
linearly locating feature
配置地物
線形配置地物
線形被配置地物(3.14)の所在地(3.19)を識別するために使用される地物(3.4)
例:地物「道路」は、配置された地物「横断歩道」[被配置地物(3.17)]の配置地物になる可能性がある。
3.19
location
場所、所在地
特定のところ又は位置
注記1:場所は地理的なところを識別する。
注記2:マドリッド、カリフォルニア
注記3: さらに、この規格では、場所は、座標 (座標参照系から)、測定値 (線形参照系 (3.12) から)、又は住所 (住所体系から)を含む、位置 (3.21) を記述する一連のデータ型の一つ及び、そのデータに関するメタデータによって表される。
[+]
3.20
period
期間
時間の範囲を表現する一次元の幾何プリミティブ
注記1:二つの異なる時間位置が期間の境界となる。
[ISO 19108:2002 4.1.27を引用][翻訳はJIS X 7108:2004 4.1.27を引用]
3.21
position
位置
オブジェクト又は人が占める可能性のある点又は幾何を記述するデータ型
注記1:直接位置は、位置の意味論的な下位型である。記述される直接位置は点のみを定義できるため、すべての位置を直接位置で表せるわけではない。これは、「型である」関係と一致している。ISO 19107の幾何も位置であるが、直接位置ではない。
[ISO 19133:2005 4.18を引用]
3.22
referent
基準点
相対測定が行われる線形要素(3.9)に沿った既知の位置(3.19)
例:マイルポスト、キロポスト、又は基準ポスト。
3.23
spatial position
空間位置
2次元又は3次元の座標参照系を参照する直接位置(3.3)
注記1:線形被参照位置(3.16)として場所(3.19)を指定する方式の代替手段。
3.24
temporal position
時間位置
時間参照系に関係する位置
[ISO 19108:2002 4.1.34を引用][翻訳はJIS X 7108:2004 4.1.34を引用]
3.25
temporal reference system
時間参照系
時間の測定に対応する参照系
[ISO 19108:2002 4.1.35を引用][翻訳はJIS X 7108:2004 4.1.35を引用]
3.26
valid time
有効時間
ある事実が抽象化した現実の中で真となっている時間
[ISO 19108:2002 4.1.39を引用][翻訳はJIS X 7108:2004 4.1.39を引用]
[1] ISO 14825 - 2), Intelligent transport systems — Geographic Data Files (GDF) — GDF5.0
[2] ISO 19101-1:2014, Geographic information — Reference model — Part 1: Fundamentals
[3] ISO 19109, Geographic information — Rules for application schema
[4] ISO 19112:2019, Geographic information — Spatial referencing by geographic identifiers
[5] ISO 19118, Geographic information — Encoding
[6] ISO 19123, Geographic information — Schema for coverage geometry and functions
[7] ISO 19133:2005, Geographic information — Location-based services — Tracking and navigation
[8] ISO 19136-1:2020, Geographic information — Geography Markup Language (GML) — Part 1: Fundamentals
[9] ISO 19141, Geographic information — Schema for moving features
[10] National Cooperative Highway Research Program (NCHRP), 1974, Highway Location Reference Methods, Synthesis of Highway Practice 21, National Academy of Sciences, Washington, DC
[11] Guo B., Ekurt C., Towards Temporal Dynamic Segmentation, Geoinformatica, 8(3), 2004
[12] Scarponcini P., 2002, Generalized Model for Linear Referencing in Transportation, Geoinformatica, 6(1): pp. 35-55
[13] Vonderohe A., Chou C., Sun F., Adams T., Results of a Workshop on A Generic Data Model for Linear Referencing Systems, Proceedings Geographic Information Systems for Transportation Symposium (GIS-T), April 2-5, 1995, Sparks, Nevada, pp. 23-56
[14] Scarponcini P., 1995, A Method for Determining a Standard Linear Referencing Scheme, Proceedings Geographic Information Systems for Transportation Symposium (GIS-T), April 2-5, 1995, Sparks, Nevada, 1-22
[15] UK Highways Agency. Area Management Memorandum no. 46/04, internal published document used with the permission of the agency
[16] Open Geospatial Consortium. OGC Land and Infrastructure Conceptual Model Standard (LandInfra) – Requirements class: Alignment - 3)
[17] Open Geospatial Consortium. OGC InfraGML 1.0: Part 3 – Alignments – Encoding Standard - 4)
[18] Industry Foundation Classes Version 4.1.0.0, buildingSMART international home of openBIM - 5)
[19] Scarponcini P., 2005, ISO 19133 Tracking and Navigation Standard: 6.6 Linear Reference System Standard, Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board, 1935(1): pp. 77-84
[20] Scarponcini P., Generalized Model for Linear Referencing in Transportation, Proceedings of the Twelfth Annual Symposium on Geographic Information Systems for Transportation (AASHTO GIS-T). March 29-31,1999, San Diego, CA, USA
[21] Scarponcini P., Generalized Model for Linear Referencing in Transportation, Proceedings of the 7th International Symposium on Advances in Geographic Information Systems (ACM-GIS '99). November 5-6, 1999, Kansas City, MO, USA
2) 破棄. ISO 20524-1 及びISO 20524-2に置換.
3) http://docs.opengeospatial.org/is/15-111r1/15-111r1.html#70
4) https://docs.opengeospatial.org/is/16-103r2/16-103r2.html
5) https://standards.buildingsmart.org/IFC/RELEASE/IFC4_1/FINAL/HTML/
(2025-02-18)