ISO 19147:2015 Geographic information — Transfer Nodes
現行
履歴
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19147:ed-1:v1:en
交通量の着実な増加により、世界中で、関係機関は深刻な問題に直面している。この増加は遅かれ早かれ劇的な対策を必要とするであろう。最初のステップの一つとして、自動車の利用者に、交通手段を部分的又は完全に変更するよう説得または強制する可能性がある。このプロセスを支援するためには、当局は交通手段を変更できる場所を完全に把握する必要がある。
過去数年間、この分野では CEN/TC 278 インテリジェント交通システムによる多大な作業が実施され、EN 28701が2012 年に発行された。この作業は、公共交通機関が効率的に機能するためには、交通網の中の多数のオブジェクト及びイベントに関するデータが必要であるという事実に端を発している。そしてCEN/TC 278による作業は、ISO/TC 211 による ISO 19147 作業の動機になるとともに背景の一つになっている。
備考1)CEN とは欧州標準化委員会のこと。
備考2)EN 28701とは、欧州規格 "EN 28701:2012(Main) Intelligent transport systems - Public transport - Identification of Fixed Objects in Public Transport (IFOPT)"のことであり、公共交通機関への公共アクセスに関連する主要な固定オブジェクト(停留所、停留所エリア、駅、接続リンク、入口など)のモデルと識別の原則を定義する規格である。
この国際規格は、交通モデリング並びに、位置情報サービスにおける、乗り換えノード及びそのサービスの実装のためのデータ型とそれらの型に関連付けられたコードリストを提示する。
この国際規格は次の諸事項を含む。
— 乗り換えノードをマルチモーダルな形態で定義し、その定義があらゆる型の交通手段及び方式に一般化かつ有効となるようにする。
—場所と乗り換えノードを関連づける。
— 方式固有のネットワーク内のノードとの関係で乗り換えノードを定義する属性に、焦点を当てる。
— 交通計画者が提供する相互運用可能な交通システムにおける、移動計画及びモデリングに関連する乗り換えノードの属性を定義する。
—乗り換えノードに関連する可能性のある一連のサービスと施設、及びこれらのサービスと施設に関連するアクセシビリティ、逸脱、制限に関する情報を提供する方法を定義する。
この国際規格は、交通基盤の所有者及び運営者が交通基盤を定義及び/又は説明する場合、並びに交通関連サービス提供者が旅行者などに情報を提供する場合に適用される。
この国際規格は、人の交通に限定されており、静的な乗降地点を対象とする。主な対象は、道路網にある公共交通網の一部である乗り換えノードであるが、この国際規格は、鉄道網や航空輸送網、海上輸送網の乗り換えノードにも適用される。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 639, Code for the representation of names of languages
ISO 3166, Codes for the representation of names of countries and their subdivisions
ISO 19103:—1), Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19107, Geographic information — Spatial schema
ISO 19108, Geographic information — Temporal schema
ISO 19133, Geographic information — Location-based services — Tracking and navigation
ISO 19134, Geographic information — Location-based services — Multimodal routing and navigation
ISO 19136, Geographic information — Geography Markup Language (GML)
ISO 19155, Geographic information — Place Identifier (PI) architecture
この規格では、次の用語と定義が適用される。
3.1
access point
アクセス地点
旅行者が乗り換えノード(3.18)に出入りできる場所(3.8)
注記1:アクセス地点は停止地点(3.15)ではない場合がある。アクセス地点には、たとえば鉄道駅の入口又は、駐車場及び鉄道駅の接続地点などがある。
3.2
accessibility
アクセシビリティ、アクセス可能性
サービス (3.14) 又は施設 (3.5) が提供する機能にアクセスすることで、その恩恵を受けられる可能性
注記1:アクセシビリティは障害と関連付けられることが多い。しかし、ユニバーサルデザインの概念によれば、アクセシビリティは、重い荷物を持っている人、足を骨折した人、小さな子供を持つ人、高齢者など、私たち全員に永続的又は一時的に関係する問題である。
3.3
accessibility information
アクセス可能性情報
アクセシビリティ(3.2)の問題に関する情報
注記1:ユニバーサルデザインの概念によれば、アクセス可能性情報は中立的な方法で扱われるべきであり、特定の障害を持つ人々に向けたものではない。
3.4
deviation
逸脱
計画又は通常の状況との相違
注記 1:逸脱には、交通のスケジュール又は達成に関する逸脱、又は、提供されるサービス (3.14) 又は設備に関する逸脱になる可能性がある。
3.5
facility
施設
アクセス及び使用される可能性のある物理的な設備又は物理的なエリア
例: エレベーター、レストランエリア、待合室、座席、トイレ、店舗。
注記1:このような施設は、交通手段 (3.19) の移動中、乗り換えノード (3.18) への到着時及び出発時、並びに乗り換えノードで利用できる可能性がある。
3.6
journey
旅程
二つの場所(3.8)の間を移動する人の行動
注記1:一つ以上の旅程セグメント(3.7)で構成される場合がある。
3.7
journey segment
旅程セグメント
出発場所及び到着場所(3.8)によって定義される、旅程(3.6)の一部分
注記1:旅程セグメントは、移動(3.20)又は乗り換えノード(3.18)となる可能性のある場所間の移動のサブセットによって実行される場合がある。旅程セグメントは、道路使用(運転、歩行、自転車)になる場合もある。
3.8
location
場所、所在地
識別可能な地理的な地点
注記1:場所は、現実世界の点の位置、曲線、または領域を表す一つ以上のデータ型で表すことができる。場所は、座標参照系の座標又は住所体系中の住所で参照できる。
[ISO 19112:2003 4.4を参照 –注記 1 が追加された。]
3.9
location-based service
LBS
位置情報サービス
LBS
サービスを依頼するクライアントソフトやその他の物、オブジェクト、又は人物の所在地(3.8)に依存した戻り値又はその他の特性を提供するサービス (3.14)
[+]
備考2)"Location-based service"は、直訳すれば場所に基づくサービスなので「場所起因サービス」などと呼ぶべきであろうが、日本では位置情報サービス(英訳すれば"position information service"になる)という用語が広く使われているようなので、ここでは位置情報サービスとした。
3.10
restriction
制限
何かをすることを控える公式又は非公式の義務
注記1:この国際規格では、制限とは、許容される行動の進路を制限する乗り換えノード (3.15) 又は交通サービス (3.19) の基準を指す。
[ISO 19152:2012 4.1.19を参照 –注記1が追加された。]
3.11
service
インタフェースを通じて、実体によって提供される機能の個別の部分
[ISO 19119:2005 4.1を引用]
3.12
stop point
停止地点
乗り換えノード(3.15)にあるプラットフォームなどの場所(3.8)で、交通手段(3.16)が停止し、旅行者が交通手段に乗降できる場所
3.13
transfer
乗り換え
交通形態(3.17)、交通網(3.18)、又は交通手段(3.16)を切り替える、人の活動
3.14
transfer link
乗り換えリンク
乗り換えノード(3.15)又は乗り換えノード内の停止地点(3.12)を接続するリンク
注記1:乗り換えリンクにより、旅行者は乗り換えノード内の異なる乗り換えノードと停止地点の間を移動できる。
3.15
transfer node
乗り換えノード
交通方式(3.17)、交通網(3.18)及び/又は交通手段(3.16)間の乗り換え(3.13)を容易にする場所(3.8)
注記1: 乗り換えノードは他の乗り換えノードを含む場合があり、一つ以上の交通方式及び交通網に関連している場合がある。又、乗り換えノードのユーザーのための停止地点(3.12)及び施設を含む場合もある。乗り換えノードは、乗り換えノードのユーザーに提供されるサービス(3.11)、たとえば情報サービス、チケット販売などを務める場合がある。
注記2:乗り換えノードは、乗り換えノードの階層の一部になる場合がある。したがって、乗り換えノードは、多くの交通形態及び交通網に関連付けられている場合がある。ただし、停止地点を持つのは、一つの交通網のみに関連付けられている乗り換えノードのみである。
注記3:異なる交通形態及び交通網にサービスを提供する可能性のある異なる乗り換えノードに関連付けられている停止地点は、実際には同じ物理的位置にある場合がある。たとえば、路面電車とバスが同じプラットフォームを共有しても、概念的には異なる乗り換えノードに属している場合がある。
3.16
transport means
交通手段
任意の交通方式(3.17)に関連する、人又は物の交通に使用される任意の種類の車両
3.17
transport mode
交通形態
旅行者が選択できる移動の手段
注記 1: この国際規格では、便宜上、「交通形態」という用語は「形態」に短縮されることが多い。交通形態は通常、車両のグループ、たとえば道路交通、鉄道交通、海上交通、航空交通、ケーブル交通に使用される交通手段 (3.16) をカバーしている。内陸水上交通の形態も追加されている。
[ISO 19134:2007 4.14を参照–注記 1 が追加された。]
[+]
3.18
transport network
交通網
交通手段の移動のための物理ネットワーク基盤(3.16)。交通管理を容易にする社会基盤及び機器が含まれる。
注記1:交通網は、特定の交通形態及び特定の種類の交通手段に関連付けられる。たとえば、都市の街路で構成される道路網は、歩行者、自転車、自家用車などの交通網など、複数の交通網を利用可能にする場合がある。バス サービス (3.11) によって提供されるネットワークも交通網である。
3.19
transport service
交通サービス
交通を必要とする人に提供されるサービス(3.14)
注記1:これは、移動を可能にするサービス(公共交通サービスなど)又は荷物の取り扱い、その支援などのサービスである可能性がある。
3.20
trip
トリップ
機動力 (mobility) に支援される交通サービス (3.19) のインスタンス。たとえば、特定のフライト、特定のフェリーの出発、特定のタクシー ツアーなど。
注記1:事前に定義された旅行パターン (3.21) に従う場合もあれば、特定の軌道力要求に応じてアドホックな旅行になる場合もある。旅行の性質に応じて、複数の乗り換えノード (3.15) で開始および停止する場合がある。
注記2:トリップは多くの旅行者に利用される場合があり、旅行者は旅行のさまざまな部分 (たとえば、異なるバス停間のさまざまな区間) を利用する場合がある。これらの部分は、全体の旅程 (3.6) または旅程セグメント (3.7) である場合がある。
3.21
trip pattern
トリップパターン
二つ以上の乗り換えノード (3.15) 及びその間のリンク及び経由地によって定義される事前定義されたパス
注記1:交通サービス (3.19) がたどるパスを定義する。ルートとも呼ばれる。
[1] EN 12896:2006, Road transport and traffic telematics — Public transport — Reference data model (Transmodel)
[2] EN 28701:2012, Intelligent transport systems — Public transport — Identification of Fixed Objects in Public Transport (IFOPT)
[3] CEN/TS 15531, (all parts), Public transport — Service interface for real-time information relating to public transport operations
[4] ISO 19112:2003, Geographic information — Spatial referencing by geographic identifiers
[5] ISO 19119:2005, Geographic information — Services
[6] ISO 14825:2011, Intelligent transport systems — Geographic Data Files (GDF) — GDF5.0
[7] OMG Unified Modelling Language (OMG UML), Superstructure, Version 2.2
1) 近日公開 (ISO/TS 19103:2015の改訂版)
(2025-02-16)