ISO 19136-2:2015 Geographic information — Geography Markup Language (GML) Part 2: Extended schemas and encoding rules
現行
履歴
対応OGC標準:OGC 10-129r1 OGC Geography Markup Language (GML) - Extended schemas and encoding rules
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19136:-2:ed-1:v1:en
地理マーク付け言語(GML)は、地理情報の伝送及び格納を行うとともに応用スキーマを記述するために、XML Schemaで書いたXML文法である。
実世界をモデル化するためにGMLが使う主要な概念は、ISO 19100シリーズの国際規格及びOpenGIS 抽象仕様からとった。
地球上の場所と関連する“実世界の現象の抽象概念”(ISO 19101)を地物という。したがって、実世界のデジタルな表現は、地物の集まりと考えられる。地物の状態は、特性の集まりで定義する。ここでそれぞれの特性は、{名前、型、値}の組と考えられる。
地物がもつことのできる、名前及び型を伴う特性の数は、地物の型定義によって定まる。特性として幾何要素をもつ地物は、幾何要素の値をもつことができる。地物の集まりはそれ自体を地物として扱うので、地物の集まりは、地物型をもち、それゆえ、それに含まれる複数の地物に加えて、それ自体も、個別の特性をもつことができる。
ISO 19109に適合する応用システム又は応用分野における地物型は、通常応用スキーマの中に含まれる。GML応用スキーマは、XML Schemaに従って示し、次の二つの手段のいずれかによって構築する。
- ISO 19109が示すUMLで記述する応用スキーマのための規則を順守し、それらのスキーマに対する制約及びこの規格で示すGML応用スキーマへの写像のための規則に適合させる。
- XML Schemaで直接GML応用スキーマを作成するために、この規格で示すGML応用スキーマのための規則を順守する。
この規格では、これら二つの手段を利用可能にする。ISO 19100シリーズの規格の概念モデリングの枠組みの適切な使用を確実にするために、全ての応用スキーマを、ISO 19109が示す一般地物モデルに従ってモデル化することが求められる。ISO 19100シリーズでは、概念スキーマをモデル化する言語としてUMLを推奨している。
GMLは、 ISO 19100シリーズの規格及びOpenGIS抽象仕様が定義する概念クラスの多くに対して、ISO 19118に適合したXML符号化を規定する。規定された概念モデルは、次の規格文書で規定する概念モデルを含んでいる。
- ISO/TS 19103 地理情報-概念スキーマ言語(計測単位,基本型)
- JIS X 7107地理情報-空間スキーマ(幾何及び位相オブジェクト)
- JIS X 7108地理情報-時間スキーマ(時間幾何及び位相オブジェクト,時間参照系)
- JIS X 7109地理情報-応用スキーマのための規則(地物)
- ISO 19111地理情報-座標による空間参照(座標参照系)
- ISO 19123地理情報-被覆の幾何及び関数のためのスキーマ
— ISO 19148地理情報-線形参照
この規格の目的は、上記の規格が示す概念モデルに示す型の、標準的な符号化(すなわち、XMLに規格適合する実装)を行うことである。仮に、全ての応用スキーマを個別に符号化し、その符号化処理が、例えばISO 19108からとった型を含むとき、一義的で完全に固定化した符号化規則がなければ、XMLによる符号化は、異なるものになってしまう。また、全ての実装手段は、それぞれ長所短所をもつので、ISO 19100シリーズの規格の中でモデル化する、核となる地理情報概念の規格、及び応用スキーマで共通的に使用するXMLによる符号化の規格が役に立つ。
多くの場合、概念クラスからの写像は簡明なものだが、より複合的になる場合もある(写像の詳細記述は、この規格の一部である。)。
加えてGMLは、ISO 19100シリーズの規格又はOpenGIS抽象仕様でモデル化していない追加的な概念、例えば、動的地物、単純観測又は値オブジェクトなどのためのXMLによる符号化法を示す。
GMLで定義済みの地物型には、被覆及び単純観測が含まれる。
被覆は地物のサブタイプであり、時空間領域と、均質な1次元からn次元の組(タプル)の値集合の範囲を持つ被覆関数をもつ。被覆は、一つの地物又は地物の集まりを表し、「地球上の現象間の空間関係及び空間分布をモデル化して可視化する」(OGC 抽象仕様トピック 6[18])ので、被覆は「時空間領域内の任意の直接位置について、その範囲から値を返す関数として機能する」(ISO 19123)。
観測は、多くの場合カメラやその他の手段、人物又は何らかの形の器具を使用して観察する行為をモデル化する (Merriam-Webster 辞書: 「器具による測定を伴うことが多い事実または出来事を認識し、記録する行為」)。観測は、それが行われた時刻及び観測値を持つGML 地物であると見なされる。
座標参照系は、地球の大きさと形状を定義する原子(datum)を通じて地球に関連付けられた一連の座標系軸から構成される。
座標参照系は、地球の大きさと形状を定義する原子(datum)を通じて地球に関連付けられた一連の座標系軸から構成される。
時間参照系は、時間を測定して時間の長さや継続時間を記述するための標準単位を提示する。
参照系辞書は、空間幾何又は時間幾何で使用される参照系の定義を提示する。
空間幾何は、空間地物特性値であり、測定が行われた座標参照系を指定する。幾何複体又は幾何集成の「親」幾何要素は、その構成幾何に対してこの指定を行う。
時間幾何は、時間的地物特性値である。空間幾何と同様に、時間幾何は、測定が行われた時間参照系を指定する。
空間位相又は時間位相は、地物間のさまざまな位相関係を表現するために使用される。
測定単位辞書は、長さ、温度、圧力などの物理量の数値測定の定義と、単位間の変換法を提示する。
地理マーク付け言語(GML)は、ISO 19100シリーズの国際規格で使用される概念モデリングの枠組みに従ってモデル化された地理情報の伝送及び格納を目的とする、ISO 19118 に準拠した XML符号化法であり、地物の空間的特性及び非空間的特性の両方を含む。
ISO 19136のこの部は、次に示すXML Schemaの構文規則、仕組み及び仕様を定義する。
- XMLで地理情報の伝送及び格納を行うための地理空間応用スキーマの記述を行う、開放型の中立的な枠組みを提供する。
— GMLの枠組みの中での記述できる適切な部分集合を利用可能にするプロファイルを許す。
— 専門領域及び情報コミュニティのための地理空間応用スキーマの記述を可能とする。
-互いに関連する地理応用スキーマ及びデータ集合の生成及び維持を可能とする。
-応用スキーマ及びデータ集合の格納及び伝送を可能とする。
-地理応用スキーマ及びそれに従う情報を共用する組織の能力を増大させる。
実装を行う者は、GMLで地理応用スキーマ及び情報を格納することを決めることができ、又、要求に応じて別の格納形式から変換したり、スキーマ及びデータの伝送にGMLだけを使用したりすることを決めてもよい。
ISO 19136 のこの部は、ISO 19136:2007 (GML 3.2) を基礎として、追加のスキーマのコンポーネント及び要件で拡張されている。
注記:UMLで記述するISO 19109に従う応用スキーマを地理情報の格納及び伝送のための基礎として使用するとき、この規格は、そのような応用スキーマをXML SchemaによるGML応用スキーマに写像し、ISO 19109適合の応用スキーマに応じる論理構造をもつデータをXML符号にするための規定を示す。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19136:2007, Geographic information — Geography Markup Language (GML)
ISO 19148:2012, Geographic information — Linear referencing
OGC Technical Committee Policies and Procedures: MIME Media Types for GML1
ISO 8601:2004, Data elements and interchange formats — Information interchange — Representation of dates and times
ISO/IEC 13249-3:2011, Information technology — Database languages — SQL multimedia and application packages — Part 3: Spatial
4.1 一般
この規格では、ISO 19136:2007 (GML 3.2) の第4条に記載されている用語、定義、記号、及び略語を適用する。
4.2 用語及び定義
ISO 19136:2007 (GML 3.2) に記載されている用語に加えて、次の用語と定義を適用する。
4.2.1
grid coordinate reference system
grid CRS
グリッド座標参照系
grid CRS
gml:GridType の GridEnvelope 及び axisLabels によって記述される座標系と一致する定義済みの座標系を使用するグリッド内の位置の座標参照系
注記1:grid CRSは、GridEnvelopeと同じ格子点の位置と原点、同じ axisLabelsを持つ定義済みの座標系を使用するが、グリッド サイズの限界を定義する必要はない。この座標系は、内部グリッド座標系と呼ばれることもある。
[+]
4.2.2
referenceable grid
参照可能グリッド
グリッド座標値を、外部座標参照系で参照される座標値に換算するために使用できる変換と関連付けられたグリッド
注記1:座標参照系が原子によって地球に関連付けられている場合、グリッドは地理参照可能なグリッドである。
[ISO 19123:2005を引用][翻訳はJIS X 7123-2012 4.2.33を引用]
[+]
4.3 記号及び略語
ISO 19136:2007 (GML 3.2) に記載されている記号と略語に加えて、この規格では次の用語を使用する。
LRS Linear Referencing System 線形参照系
OWL Web Ontology Language Webオントロジー言語
OWS OGC Web Services OGC Webサービス
SKOS Simple Knowledge Organization System 単純知識組織体系(スコースと読む)
[1] ISO 14825:2011, Intelligent transport systems — Geographic Data Files (GDF) — GDF5.0
[2] ISO 19107:2003, Geographic information — Spatial schema
[3] ISO 19108:2002, Geographic information — Temporal schema
[4] ISO 19109:2005, Geographic information — Rules for application schema
[5] ISO 19111:2007, Geographic information — Spatial referencing by coordinates
[6] ISO 19118:2011, Geographic information — Encoding
[7] ISO 19123:2005, Geographic information — Schema for coverage geometry and functions
[8] ISO 19125-1:2004, Geographic information — Simple feature access — Part 1: Common architecture
[9] ISO 19133:2005, Geographic information — Location-based services — Tracking and navigation
[10] ISO/TS 19103:2005, Geographic information — Conceptual schema language
[11] OGC GML Application Schema — Coverages, version 1.0, OGC document 09-146r1
[12] W3C SKOS Simple Knowledge Organization System Reference, W3C Recommendation (18 August 2009). Available at <http://www.w3.org/TR/skos-reference>
[13] W3C Turtle — Terse RDF Triple Language, W3C Team Submission (14 January 2008), Available at <http://www.w3.org/TeamSubmission/turtle/>
1) ISO 19136 のこの部の公開時点での最新版は、OGC標準 09-144r1 にあたる。MIMEタイプは現在、IETF / IANA で登録中である。登録プロセスの一環として MIME メディア タイプ仕様の変更が必要になった場合に備えて、参照は最新版を参照するように意図的に日付が付けられていない。
備考1)Internet Assigned Numbers Authority (IANA)のサイトによれば、GMLのMIMEメディアタイプは"application/gml+xml" である。この件は、本文の5.1にも示されている。なおGML文書のファイル拡張子は".gml"である。
(2024-12-13)