ISO 19118:2011 Geographic information/Geomatics
Encoding
現行
履歴
ISO 19118:2005 廃止
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19118:ed-2:v1:en
この国際規格は「ISO 19100 シリーズ」として知られている一連の国際規格内にあって、地理データの交換に使用される符号化規則を定義するための要件を示す。符号化規則を使用することによって、応用スキーマ及び標準化されたスキーマによって定義された地理情報を、転送及び保存に適した、システムに依存しないデータ構造で符号化できる。符号化規則は、符号化されるデータの種類、並びに、結果となるデータ構造で使用される構文、構造及び符号化スキームを示す。結果となるデータ構造は、デジタル メディアに保存するか、転送プロトコルを使用して転送できる。データはコンピュータによって読み取られ、解釈されることが想定されているが、人間可読の形式にすることもできる。
応用システムに依存しないデータ交換のために一つの符号化規則を選択することは、応用分野や個々の国が、プラットフォームに依存したり、データ量や処理の複雑さに関して、より効果的な独自の符号化規則を定義したりして、それらを使用することを排除するものではない。XMLはISO/IEC 88791) のサブセットであり、コンピューティングプラットフォームに依存せず、World Wide Web と相互運用可能であることから選択されている。
この国際規格は、三つの論理的なセクションに分かれている。第6条から第9条ではUMLスキーマに基づく符号化規則を作成するための要件を規定する。第10条では符号化サービスを作成するための要件を規定する。又、付録 AではXMLベースの符号化規則の要件を規定する。
XML ベースの符号化規則は、中立的なデータ交換法として使用することを目的としている。この規則は、「拡張可能なマーク付け言語 (XML)」及び「ISO/IEC 10646 国際符号化文字集合 (UCS)」に依存している。
地理情報規格は「ISO 19100 シリーズ」と呼ばれる一連の国際規格にまとめられている。この一連の国際規格の背景と全体構造、および基本的な記述手法は、ISO 19101、ISO/TS 19103、および ISO/TS 19104 で定義されている。
この国際規格の利用者は、地理情報を形式的に記述するための応用スキーマを開発できる。応用スキーマは、他の標準化された概念スキーマ (ISO 19107 など) の要素を統合することによって編成される。この統合をどのように行うかはISO 19109 に示されている。「ISO 19100 シリーズ」と呼ばれる一連の国際規格では、地理情報アプリケーションの開発時に使用できる一連の共通サービスも定義されている。共通サービスは、一般にISO 19119で定義されており、共通情報モデルに従って地理情報へのアクセスと処理を扱う。この国際規格では、実装の件を扱う。
備考1)ISO/IEC 8879の現行規格は、ISO 8879:1986 Information processing — Text and office systems — Standard Generalized Markup Language (SGML)である。
この国際規格は「ISO 19100 シリーズ」として知られる国際規格集合の中で、地理情報に準拠するデータの交換に使用する符号化規則を定義するための要件を規定する。
この国際標準は、次の事項を規定する。
— UMLスキーマに基づく符号化規則を作成するための要件
— 符号化サービスを作成するための要件
— 中立的なデータ交換のためのXMLベースの符号化規則の要件
この国際標準では、デジタル媒体を指定せず、転送サービスや転送プロトコルも定義せず、インライン2)の大きな画像を符号化する方法も示さない。
備考2)インラインとはこの場合、大きな画像を符号化して、交換データ中に挿入することを指す。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 8601:2004, Data elements and interchange formats — Information interchange — Representation of dates and times
ISO/IEC 10646:2011, Information technology — Universal Coded Character Set (UCS)
ISO/TS 19103:2005, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19109:2005, Geographic information — Rules for application schema
Extensible Markup Language (XML) 1.0, W3C Recommendation. Available at <http://www.w3.org/TR/REC-xml>
この規格の目的に応じて、次の用語及び定義が適用される。
4.1
application schema
応用スキーマ
一つ以上の応用システムによって要求されるデータ(4.8)のための概念スキーマ(4.5)
注記1:応用スキーマでは,特定の応用領域内の情報(4.22)に適用可能な内容、構造及び制約を記述する。
[ISO 19101:2002 4.2を引用][翻訳はJIS X 7109:2009 4.2を引用]
備考1)注記1は、引用元にはない。
4.2
character
文字
データを表現、構成又は制御するために用いられる要素の集合の構成単位(4.8)
[ISO/IEC 2382-1:1993 01.02.11を引用][翻訳はJIS X 0001:1994 01.02.11を引用]
4.3
code
符号
特定のスキームに従ったラベルの表現
4.4
conceptual model
概念モデル
論議領域(4.33)の概念を定義するモデル(4.27)
[ISO 19101:2002 4.4を引用]
4.5
conceptual schema
概念スキーマ
概念モデル(4.4)の形式的な記述
[ISO 19101:2002 4.5を引用][翻訳はJIS X 7109:2009 4.5を引用]
4.6
conceptual schema language
概念スキーマ言語
概念スキーマ(4.5)を表現することを目的とする、概念形式記述に基づく形式言語
例:UML, EXPRESS, IDEF1X
注記1:概念スキーマ言語はテキスト、またはグラフィックな表現手段をとることができる。
[ISO 19101:2002 4.6を参照]
備考1)IDEF1Xは、アメリカの国立標準技術研究所(NIST)で規格化された、ER(entity relationship)図による概念スキーマ言語であり、データベースの概念設計に使われることが多い。
4.7
conversion rule
変換規則
入力データ(4.8)構造に従うインスタンスを出力データ構造に従うインスタンスに変換するための規則
4.8
data
データ
情報(4.22)の表現であって、伝達、解釈又は処理に適するように形式化され、再度情報として解釈できるもの
[ISO/IEC 2382-1:1993 01.01.02を引用][翻訳はJIS X 0001:1994 01.01.02を引用]
4.9
data interchange
データ交換
データ(4.8)の配信、受信及び解釈
4.10
data transfer
データ転送
媒体(4.26)を介して、ある地点から別の地点へデータ(4.8)を移動させること
注記1:情報(4.22)の転送はデータの転送を意味する。
4.11
data type
データ型
その定義域内の値に対して許可される、操作(4.26)を伴う、値の定義域(4.37)の仕様
例:整数、実数、ブール値、文字列及び日付
注記1:データ型は、例えば Integer などの用語で識別される。データ型の値は、指定された値の範囲(たとえば、-65537 から 65536 までのすべての整数)に属す。演算の種類は、+、-、*、及び / であり、意味的に明確に定義される。データ型は、単純な場合と複雑な場合がある。単純なデータ型は、値が特定の背景の元で単一であると見なされる値の範囲を定義する (たとえば、Integer)。複雑なデータ型は、グループ化されたデータ型の集まりである。複雑なデータ型はオブジェクトを表す場合があり、したがって、識別子を持つことができる。
[ISO/TS 19103:2005 4.1.5 を引用。ただし、注記1は独自]
4.12
dataset
データ集合
他と識別可能なデータ(4.8)の集まり
[ISO 19115:2003 4.2 を引用]
4.13
encoding
符号化
データ(4.8)を一連の符号(4.3)に変換すること
4.14
encoding rule
符号化規則
特定のデータ(4.8)構造の符号化(4.13)を定義する変換規則(4.7)の、識別可能な集合
例: XML、ISO 10303-21、ISO/IEC 8211。
注記1:符号化規則は、変換されるデータの型及び結果のデータ構造で使用される構文、構造及び符号(4.3)を示す。
備考1)ISO 10303-21はコンピュータ可読の工業製品用データの交換のための規格で、STEP(Standard for The Exchange of Product model data)として知られている。ISO/IEC 8211は情報交換のためのデータ記述ファイルに対する仕様とされている。
4.15
encoding service
符号化サービス
符号化規則(4.14)が実装されたソフトウェアコンポーネント
4.16
feature
地物
実世界の現象の抽象概念
注記1:地物は型として、またはインスタンスとして現れる。型又はインスタンスの一方だけを意味するときには、地物型又は地物インスタンスという用語を使うのが望ましい。
[ISO 19101:2002 4.11を引用]
4.17
file
ファイル
一つの単位として記憶又は処理される、複数のレコードからなる名前の付いた集合
[ISO/IEC 2382-1:1993 01.08.06を引用][翻訳はJIS X 0001:1994 01.08.06を引用]
4.18
geographic data
地理データ
地球に関係した場所への暗示的又は明示的な参照をもったデータ(4.8)
[ISO 19109:2005 4.12を引用][翻訳はJIS X 7109:2009 4.12を引用]
4.19
geographic information
地理情報
地球に関係する場所に暗示的又は明示的に関連づく現象に関する情報
[ISO 19101:2002 4.16を引用]
4.20
identifier
識別子
関連付けられているものを一意かつ永続的に識別できる、言語的に独立した文字列
[ISO 19135:2005 4.1.5を引用]
4.21
identification convention
識別子生成規則
識別子を生成するための規則の集合
4.22
information
情報
事実、事象、事物、過程、着想などの対象物に関する知識であって、概念を含み、一定の文脈中で特定の意味をもつもの
[ISO/IEC 2382-1:1993 01.01.01を引用][翻訳はJIS X 0001:1994 01.01.01を引用]
備考1)JIS X 0001:1994 01.01.01では「知識」を「知り得たこと」と翻訳しているが、原文では"knowledge"なので知識とした。ちなみに、ISO 19150-1 4.7にも"information"の用語定義があるが、"knowledge"の定義(ISO 19150-1 4.8参照)もある。
4.23
instance model
インスタンスモデル
応用スキーマ(4.1)に従ってデータ(4.8)を格納するための表現モデル(4.27)
4.24
interface
インタフェース
要素の振る舞いを特徴付ける、名前の付いた操作の集まり
[ISO/IEC 19501を引用]
[+]
4.25
interoperability
相互運用性
それぞれの機能単位に固有の特徴に関する知識を利用者がほとんど又は全く必要とせずに、各機能単位が互いに通信し、プログラムを実行し又はデータを転送する能力
[ISO/IEC 2382-1:1993 01.01.47を引用][翻訳はJIS X 0001:1994 01.01.47を引用]
4.26
medium
媒体
データを保存または送信するための物質または手段(4.8)
例:コンパクトディスク、インターネット[1]、電波など
[+]
4.27
model
モデル
現実の幾つかの側面の抽象概念
[ISO 19109:2005 4.14を引用][翻訳はJIS X 7109:2009 4.14を引用]
4.28
schema
スキーマ
モデル(4.27)の形式記述
[ISO 19101:2002 4.25を引用]
4.29
schema model
スキーマモデル
スキーマ(4.28)を保存するための表現用のモデル(4.27)
例:スキーマリポジトリー用の表現モデル
4.30
stereotype
ステレオタイプ
メタモデルの意味を拡張するモデル化要素の新しい型
注記1:ステレオタイプは、メタモデル内に存在する型又はクラスに基づく必要がある。ステレオタイプは意味を拡張するが、既に存在する型及びクラスの構造は拡張しない。幾つかのステレオタイプはUMLであらかじめ定義されており、その他は利用者定義しても差し支えない。ステレオタイプは、UMLにおける三つの拡張機構の一つである。他の二つは、制約とタグ付き値である。
[ISO/IEC 19501:2005 Glossary termsを参照][翻訳はJIS X 4170:2009 JC.177を参照]
4.31
transfer protocol
転送プロトコル
分散システム間の情報のやりとりを定義するための共通の規則の集合
4.32
transfer unit
転送単位
データ転送(4.10)を目的としたデータ(4.8)の集まり
注記1:転送単位はデータ集合(4.12)のように識別可能である必要はない。
4.33
universe of discourse
論議領域
関心あるものすべてを含んだ、実世界又は仮想世界のビュー
[ISO 19101:2002 4.29を引用][翻訳はJIS X 7109:2009 4.17を参照]
4.34
value domain
値の定義域
受け入れ可能な値の集合
例:値の範囲3〜28、すべての整数、任意のASCII文字、値の列挙(緑、青、白)。
[ISO/TS 19103:2005 4.1.15を引用]
[1] ISO/IEC 2022:1994, Information technology — Character code structure and extension techniques
[2] ISO/IEC 2382-1:1993, Information technology — Vocabulary — Part 1: Fundamental terms
[3] ISO/IEC 8211:1994, Information technology — Specification for a data descriptive file for information interchange
[4] ISO/IEC 8859 (all parts), Information technology — 8-bit single-byte coded graphic character sets
[5] ISO 8879:1986, Information processing — Text and office systems — Standard Generalized Markup Language (SGML)
[6] ISO/IEC 9834-8, Information technology — Open Systems Interconnection — Procedures for the operation of OSI Registration Authorities: Generation and registration of Universally Unique Identifiers (UUIDs) and their use as ASN.1 Object Identifier components
[7] ISO 10303-21, Industrial automation systems and integration — Product data representation and exchange — Part 21: Implementation methods: Clear text encoding of the exchange structure
[8] ISO/IEC 11179-3:2003, Information technology — Metadata registries (MDR) — Part 3: Registry metamodel and basic attributes
[9] ISO/IEC 11578, Information technology — Open Systems Interconnection — Remote Procedure Call (RPC)
[10] ISO 19101:2002, Geographic information — Reference model
[11] ISO/TS 19104:2008, Geographic information — Terminology
[12] ISO 19105:2000, Geographic information — Conformance and testing
[13] ISO 19106:2004, Geographic information — Profiles
[14] ISO 19107:2003, Geographic information — Spatial schema
[15] ISO 19108:2002, Geographic information — Temporal schema
[16] ISO 19110:2005, Geographic information — Methodology for feature cataloguing
[17] ISO 19111:2007, Geographic information — Spatial referencing by coordinates
[18] ISO 19112:2003, Geographic information — Spatial referencing by geographic identifiers
[19] ISO 19113:2002, Geographic information — Quality principles
[20] ISO 19114:2003, Geographic information — Quality evaluation procedures
[21] ISO 19115:2003, Geographic information — Metadata
[22] ISO 19116:2004, Geographic information — Positioning services
[23] ISO 19117:2005, Geographic information — Portrayal
[24] ISO 19119:2005, Geographic information — Services
[25] ISO/TR 19120:2001, Geographic information — Functional standards
[26] ISO 19135:2005, Geographic information — Procedures for item registration
[27] ISO 19136:2007, Geographic information — Geography Markup Language (GML)
[28] ISO/TS 19139:2007, Geographic information — Metadata — XML schema implementation
[29] ISO/IEC 19501, Information technology — Open Distributed Processing — Unified Modeling Language (UML) Version 1.4.2
[30] Document Object Model (DOM) Level 1 Specification, Version 1.0, W3C Recommendation. October 1998. Available at <http://www.w3.org/TR/REC-DOM-Level-1>
[31] IETF STD 1:1998, Internet Official Protocol Standards
[32] Kuhn, M. UTF-8 and Unicode FAQ. Available at <http://www.cl.cam.ac.uk/~mgk25/unicode.html>
[33] Namespaces in XML, W3C Recommendation. Available at <http://www.w3.org/TR/REC-xml-names>
[34] Resource Description Framework (RDF) Model and Syntax Specification, W3C Recommendation. February 1999. Available at <http://www.w3.org/TR/1999/REC-rdf-syntax-19990222/>
[35] Resource Description Framework (RDF) Schema Specification 1.0, W3C Candidate Recommendation. March 2000. Available at <http://www.w3.org/TR/2000/CR-rdf-schema-20000327/>
[36] RFC 2396, Uniform Resource Identifiers (URI): Generic Syntax. Available at <http://www.ietf.org/rfc/rfc2396.txt>
[37] Scalable Vector Graphics (SVG) 1.1, W3C Working Draft May 2011. Available at <http://www.w3.org/TR/SVG/>
[38] The Open Group, CAE Specification, DCE 1.1: Remote Procedure Call, Document Number C706. Available at <http://www.opengroup.org/publications/catalog/c706.htm>
[39] www.w3.org/TR/charmod-norm/
[40] XML Linking Language (XLink) Version 1.0, W3C Recommendation. Available at <http://www.w3.org/TR/xlink/>
[41] XML Metadata Interchange (XMI), Version 2.0, Object Management Group. Available at <http://www.omg.org/cgi-bin/doc?formal/2003-05-02>
[42] XML Path Language (XPath), Version 1.0, W3C Recommendation. November 1999. Available at <http://www.w3.org/TR/xpath>
[43] XML Pointer Language (XPointer), W3C Working Draft. Available at <http://www.w3.org/TR/xptr>
[44] XSL Transformations (XSLT), Version 1.0, W3C Recommendation. November 1999. Available at <http://www.w3.org/TR/xslt>
(2024-09-06)