ISO/TS 19158:2012 Geographic information — Quality assurance of data supply
現行
履歴
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:ts:19158:ed-1:v1:en
この技術仕様では、生産者及び顧客の生産関係における品質保証の枠組みを提示する。生産品質をより効率的かつ効果的に管理する方法を明示する。次に示す既存の枠組みの中で、革新及び、継続的な改善を可能にする。
— 地理情報品質原則と品質評価手順、及び
— 品質管理システム。
地理情報 (GI) 市場における価値及び品質への要求がますます高まる中、この枠組みはコスト、数量、品質、適時性の要求事項を満たす製品の製造を促進するためにある。
この枠組みを適用することで、次のような機会が得られる。
— 特に複数の生産者が関わる環境において、生産及び更新に関わるすべての関係者による要求事項の理解度向上
— データスループット時間の短縮
— 手戻りの削減
— データ品質の向上
— 相互に有益な関係における信頼度の向上により、供給者及び組織双方のコスト削減
ISO 19157 は、地理データの品質を記述するための原則を確立し、品質情報を報告するためのコンポーネント及び地理データの品質を評価する手順を提示する。
この技術仕様で定義されている品質評価手順は、第二者(顧客)による適合性評価の行為である。
この技術仕様では、地理情報に特化した品質保証の枠組みを提示する。これは、ISO 19157に規定されている地理情報の品質原則及び品質評価手順、並びにISO 9000に規定されている一般的な品質マネジメント原則に基づいている。[2]
本技術仕様書で定義される枠組みにより、顧客は社内外の供給者が、要求される品質の地理情報を提供できることを確信できる。この枠組みの根底にあるのは、供給者が品質要求事項を理解し、それを満たす能力を保証することである。この品質保証枠組みを通じて、顧客及び供給者の双方は、製造/更新プロセスのできるだけ早い段階で、必要な品質を検討することができる。
枠組みを提供される顧客及び供給者の関係における原則と責任が規定される。品質評価手順の責任は顧客及び供給者の間で共有される。
この技術仕様は、以下のいずれかの状況において、供給者の側のプロセスによって製品の品質が影響を受ける可能性のある、あらゆる地理情報の顧客及び供給者に適用される。
— データ収集サービスの提供に関する契約又は法令が存在する場合
— データ収集サービスが入札中の場合
— サプライチェーンに1社以上の供給者が存在する場合
この技術仕様は、管理すべきデータの生成又は更新の行為がこれ以上存在しないレガシー データセット又は「既製」製品の供給には適用されない。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要求事項を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
• ISO 19157:—1) Geographic information — Data quality
この規格の目的に応じて、次の用語及び定義が適用される。
4.1
customer
顧客
製品 (4.3) を受け取る組織又は個人
注記1:顧客は、提供者(4.11)組織の内部又は外部のいずれの場合もある。
[ISO 9000:2005 3.3.5を参照][翻訳はJIS Q 9000:2015 3.2.4を参照]
4.2
process
プロセス
インプットを変換してアウトプットを生み出す,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動
注記1:プロセスは、プロセスの品質(4.4)を管理するために必要と考えられる要素活動(サブプロセス(4.10))にさらに細分化することができる。
[ISO 9000:2005 3.4.1を参照。ただし注記はすべて省略され、新たに注記1が設けられている][翻訳はJIS Q 9000:2015 3.4.1を参照]
4.3
product
製品
プロセス(4.2)の結果
[ISO 9000:2005 3.4.2を参照][翻訳はJIS Q 9000:2015 3.7.6を参照]
4.4
quality
品質
対象に本来備わっている特徴の集まりが,要求事項を満たす程度
[ISO 9000:2005 3.1.1を参照][翻訳はJIS Q 9000:2015 3.6.2を参照]
注記1:この技術仕様書において、製品(4.3)の品質特性には、次のものが含まれる。
— データ品質(その要素はISO 19157に規定されている)、
— 供給量、
— 納品スケジュール、及び
— 製造及び/又は更新にかかるコスト。
4.5
quality assessment procedure
品質評価手順
供給者(4.11)が製品(4.3)を、要求された品質(4.4)で一貫して供給できる能力があることを顧客(4.1)が確かめる手順。
注記1:評価手順は、第二者(顧客)による適合性評価活動である。
4.6
quality assessment result
品質評価結果
品質評価手順(4.5)のアウトプット
4.7
quality assurance
品質保証
品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質(4.4)マネジメントの一部
[ISO 9000:2005 3.2.11を引用][翻訳はJIS Q 9000:2015 3.3.6を引用]
4.8
quality assurance level
品質保証水準
品質評価手順(4.5)の結果として達成される保証の水準
注記1:品質保証枠組みの一部として、基本、運用、完全の三つの品質保証水準を達成することができる。
備考1)注記1にある三つの品質保証手順(basic, operational, full)については、本文第8条 Quality assessment procedureを参照すると良い。
4.9
quality control
品質管理
品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部。
[ISO 9000:2005 3.2.10を引用][翻訳はJIS Q 9000:2015 3.3.7を引用]
4.10
sub-process
サブプロセス
プロセス(4.2)の活動要素
例:写真測量の場合、空中三角測量はサブプロセスとみなせる。
注記1:サブプロセスは、プロセスの品質(4.4)を管理するために必要と考えられる限り、さらに細分化することができる。
4.11
supplier
供給者
製品(4.3)を提供する組織又は個人
注記1:供給者は、顧客組織の内部又は外部のいずれの組織でありうる。
注記2:この技術仕様の文脈において、供給者は、品質(4.4)に何らかの影響を与える可能性のあるプロセスを通じて製品を提供する。
[ISO 9000:2005 3.3.6を参照][JIS Q 9000:2015 3.2.5を参照]
5 略語
AQL 許容品質限界(ISO 3534-2 [1])、許容品質水準とも呼ばれる
GI 地理情報
KPI 主要達成度評価指標
QC 品質管理
QA 品質保証
[1] ISO 3534-2:2006, Statistics — Vocabulary and symbols — Part 2: Applied statistics
[2] ISO 9000:2005, Quality management systems — Fundamentals and vocabulary
[3] ISO 9001:2008, Quality management systems — Requirements
[4] ISO 19011:2002, Guidelines for quality and/or environmental management systems auditing
[5] ISO 19131:2007, Geographic information — Data product specifications
[6] Guide to accreditation, Ordnance Survey (Great Britain), 2009
1) 近日公開
(2025-06-02)