ISO 19106:2004 Geographic information/Geomatics
Profiles
現行
履歴
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19106:ed-1:v1:en
ISO地理情報標準では、地理空間データの記述、管理、処理のためのさまざまなモデルが定義されている。これらの標準の中には、要素を作成するためのものもあれば、構造やルールを導入するためのものもある。ユーザー コミュニティが異なれば、これらの要素やルールを使用または実装する範囲に関する要件も異なる。ISO地理情報標準の特定のサブセットを、これらの標準のプロファイル規定に準拠した所定の方法で、明示的に選別するとともに文書化することが必要である。
ISO地理情報標準の一部は抽象的であるため、直接実装されることはない。これらを実装するには、仕様を作成する必要がある。仕様は、一つ以上の標準で定義されたオプション、または一つ以上の標準で定義されたルールのインスタンス、またはそれらの組み合わせから選択することによって構成される。ISO地理情報標準の実装に関する仕様のコンポーネントのすべてがISO標準から完全に派生するわけではないが、この標準は、ISO地理情報標準から完全に派生したコンポーネントの定義と作成に焦点を当てている。
ISO地理情報プロファイルは、一つまたは複数のISO地理情報標準のサブセットである。例えば、地籍図作成などの特定の応用分野に役立つように開発されたISO 19115のプロファイルが存在する場合がある。プロファイルは、ISO 19115で利用可能なメタデータ要素の選択によって構成される。ISO 19115は、プロファイル開発の基礎標準として機能する。方法規定のみを示す基礎標準の例としてはISO 19110がある。これには、機能と属性の定義を作成するための方法規定が含まれている。基礎標準には選択できるインスタンスがないため、ISO 19110のプロファイルには機能定義のインスタンスは含まれず、その標準に含まれるルールと方法規定のサブセットのみが含まれる。
プロファイルの定義を満たさない仕様または仕様のコンポーネントの管理は、この国際標準の適用範囲には含まれない。各国家標準化団体又はDGIWG1)及びIHO2)などの標準設定組織は、独自の目的のためにプロファイルを開発できる。これらの組織は、この国際標準に従ってプロファイルを作成する場合があるが、それらのプロファイルはISOの地理情報プロファイルにはならない。地物カタログを考えると、ISO 19110の方法規定を使用して開発されるカタログはいくらでも存在する可能性があることが簡単にわかる。この国際標準の仕組みを適用してISO 19110のプロファイルを定義すると、結果の地物定義に同じコンポーネントが含まれ、同様の方法でカタログ化されることが保証されるが、カタログ内の地物および属性の定義が、他のプロファイルと矛盾していないということは保証されない。カタログ同士には一貫性があるが、それぞれのカタログに含まれる定義には一貫性があるわけではない。地物カタログを開発する各標準設定組織または国家団体は、「道路」、「河川」、または「行政界」を異なる方法で定義する可能性がある。このため、ISO地理情報標準を実装するための仕様は、ルールや方法規定の特定のインスタンスであるか、又はそれらを含み、ISO地理情報標準から完全に派生したわけではないため、プロファイルとは異なるものとして扱われる。この標準では、プロファイルでない実装は標準化の対象としない。
地理情報システムおよびソフトウェアの開発者は、ISO地理情報標準の限られた概念セットを利用して、特定の目的のための実装を作成することが期待される。これら一連の概念は、CORBAやWorld Wide Web環境などの分散コンピューティング プラットフォームなど、特定の技術実装環境で実装される。特定のコンピューティング環境の標準化はISO/TC 211 の範囲外であるため、これらの環境でのISO地理標準の実装に対処する仕様は、ISO/TC 211のISO地理情報プロファイルではなく、独立した仕様と考えられる。
この国際標準は、特定の技術実装環境でISO地理情報標準を実装するための仕様の作成については扱わない。
ISO 19109は、他のISO地理情報標準で定義されている概念スキーマの要素が応用スキーマ内でどのように組み合わされるかなど、応用スキーマの開発に関するルールを定義する。 ISO 19109は、ISO 19106の適用範囲外である応用スキーマの作成の手引きになる。応用スキーマは定義上、プロファイルではないが、プロファイルとして標準化されたスキーマのサブセットを統合する場合がある。
この国際規格には二つの適合性クラスが定義されている(第2条を参照)。
1) DGIWG — Digital Geographic Information Working Group — ISO/TC 211とのカテゴリーAの連携組織
2) IHO — International Hydrographic Organization — ISO/TC 211とのカテゴリーAの連携組織
この国際標準は、ISO/TC 211によって開発されたISO地理情報標準のプロファイルの概念を定義し、そのようなプロファイルの作成に関する手引きを提供することを目的としている。この国際標準に記載されている仕組みを通じて確立及び管理できるものは、ここに含まれるプロファイルの定義を満たす仕様のコンポーネントのみである。これらのプロファイルは、ISO標準化プロセスを使用して国際的に標準化できる。この標準は、国家レベル(又は他のフォーラム)における(プロファイルの)確立、管理、標準化に関する手引きも提供する。
ISO 19101:2002, Geographic information — Reference model
ISO 19105:2000, Geographic information — Conformance and testing
ISO/IEC TR 10000-1:1998, Information technology — Framework and taxonomy of International Standardized Profiles — Part 1: General principles and documentation framework
ISO/IEC TR 10000-3:1998, Information technology — Framework and taxonomy of International Standardized Profiles — Part 3: Principles and Taxonomy for Open System Environment Profiles
ISO/IEC Directives, Part 2: Rules for the structure and drafting of International Standards
注記1:ISO/IEC TR 10000-1:1998は、ISO/IEC JTC 1 で使用されるプロファイルの方法規定を示す。この技術報告書は多くの場合ISO/TC 211における標準化に適用でき、この標準の各セクションはISO/IEC 指令の文脈に基づいてISO/TC 211の要件に適用されるように調整されている。
注記2:ISO/IEC TR 10000-1:1998はISOにおいて特別な地位を占めており、技術報告書であっても規定として引用することができる。
4.1
abstract test suite
ATS
抽象試験項目群
適合性を満足するための全ての要件を示す抽象試験モジュール
[ISO 19105を引用]
備考1)ISO 19105:2022, 3.5ではOGC 08-131r3, 4.2が引用され、以下の定義が示されている。「仕様に示された全ての要件のための試験を定義する適合性クラスの集合」
備考2)この標準は2004年版であり、当時のISO 19105は、2000年版であった。
4.2
base standard
基礎標準
ISO地理情報標準またはプロファイルの構築を行うための元になる情報技術標準
4.3
Implementation Conformance Statement
ICS
実装適合性宣言
ICS
実装された適合性クラスの宣言文
[ISO 19105:2022 3.15][翻訳はIS X 7105:2001 3.19 を参照]
4.4
open systems environment
OSE
オープンシステム環境
OSE
情報技術標準及びプロファイルによって示される、相互運用性及び/又は応用システム、データ又は人々の要求を考慮した移植性のための、利用者要求を考慮したインタフェース、サービス及び使用可能なフォーマットの包括的な集合
[ISO/IEC TR 10000-1:1998 3.2.2]
4.5
profile
プロファイル
特別の働きをするために必要な、一つ以上の基礎標準又は基礎標準のサブセット、及び、もし許容される場合は、それらの基礎標準の中から選ばれる箇条、クラス、オプション及びそれらの基礎標準のパラメータの特定
注記1:プロファイルは基礎標準から派生するため、定義上、プロファイルへの適合は、その派生元の基礎標準への準拠とされる。
[ISO/IEC TR 10000-1:1998を引用]
備考1)ISO/IEC TR 10000-1:1998には、次に示す注記1が記載されている。
「注記 1: ISPには、国際標準以外の仕様への引用が含まれている場合がある。文書 JTC 1 N 4047: JTC 1 国際標準化プロファイルの国際標準以外の仕様の引用 - ISP 提出者向けのガイドラインを参照のこと。」
ここでISPとはInternational Standardized Profilesの略称である。
[1] ISO 19107:2003, Geographic information — Spatial schema
[2] ISO 19108:2002, Geographic information — Temporal schema
[3] ISO 19109:— 3) , Geographic information — Rules for application schema
[4] ISO 19110:— 3) , Geographic information — Methodology for feature cataloguing
[5] ISO 19111:2003, Geographic information — Spatial referencing by coordinates
[6] ISO 19114:2003, Geographic information — Quality evaluation procedures
[7] ISO 19115:2003, Geographic information — Metadata
[8] ISO 19119:— 3) , Geographic information — Services
[9] ISO 19123:— 3) , Geographic information — Schema for coverage geometry and functions
[10] ISO/IEC TR 10000-2:1998, Information technology — Framework and taxonomy of International Standardized Profiles — Part 2: Principles and Taxonomy for OSI profiles
[11] ISO/IEC Directives, Part 1, Procedures for the technical work, Annex H, Registration Authorities, 2001
[12] ISO/IEC Directives, Procedures for the technical work of ISO/IEC JTC 1 on Information Technology (5th Edition)
[13] ISO/TR 19120:2001, Geographic information — Functional standards
[14] CEN ENV 12160:1997, Geographic Information — Data description — Spatial schema
[15] IHO S-57 Transfer standard for Digital Hydrpgraphic Data, Edition 3.1, Nov. 2000
3) 近日公開の予定
備考1)上述3)の「近日」とは、この標準の公開日を基準とした近日という意味である。
(2024-08-21)