ISO/TS 19130-2:2014 Geographic information/Geomatics — Imagery sensor models for geopositioning — Part 2: SAR, InSAR, lidar and sonar
現行
履歴
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:ts:19130:-2:ed-1:v1:en
この技術仕様の目的は、合成開口レーダー (SAR)、ライダー (LIDAR)、ソナー(SONAR) の詳細な物理的センサーモデルを使用して、ユーザーがデータの地球上の位置を見つけられるように、画像データプロバイダーが提供する地理的位置情報を仕様化することである。その目的は、センサーの記述法を標準化し、データプロバイダー及び地理的位置画像システム用の地理的位置情報メタデータの最小要件を示すことである。この規格中で見解(observation)が示されるが、これは、この言葉の一般的な意味であり、ISO 19156 における観測の意味ではない。
政府の地図作成機関やリモートセンシング機関、商用データベンダーは、画像システムから膨大な量のデータを収集、処理、配布している。このデータを地理情報の抽出に役立てるには、さらに処理する必要がある。画像座標からオブジェクトの地上座標を決定する地理測位は、基本的な処理ステップである。センサーの種類が多様で、共通のセンサーモデル標準がないため、異なるメーカーのデータには異なるパラメーター情報が含まれていたり、データを生成するセンサーを説明するために必要なパラメーターが欠けていたり、地理測位及びデータの分析に必要な補助情報が欠けていたりすることがある。その結果、個々のセンサー又はデータ生成者からのデータを処理するために、別々のソフトウェアパッケージを開発しなければならないことが多い。標準センサーモデルと地理的位置情報メタデータにより、機関やベンダーは、複数のデータ生成者又は複数のセンサーからのデータに適用できる汎用ソフトウェア製品を開発できるようになる。このような標準があれば、異なる生成者がデータの地理的位置情報を同じ方法で記述できるため、応用システム間のデータの相互運用性が促進され、データ交換が容易になる。
第1部では、すべてのセンサーに関連する位置モデル及びメタデータの仕様を示した。また、ウィスブルームセンサー、プッシュブルームセンサー、フレームセンサーに固有のメタデータ、及び合成開口レーダー (SAR) センサーのメタデータもいくつか含まれていた。さらに、機能が対応モデルの一部であるか、真置換モデルであるかに関係なく、機能適合する地理位置測定のメタデータを示した。また、これらのメタデータ要素のスキーマも示した。しかし第1部のコメントにおいて、追加のセンサーのメタデータを指定する必要があることが言及されていた。このようなセンサーの技術は現在、十分に成熟しており、標準化が可能になっている。この技術仕様では、ライダー (lidar) 及びソナー(sonar) の物理的センサーモデルを示すことで、地理測位に必要なメタデータ要素の集まりの仕様を拡張し、SAR のより詳細な要素の集まりを提示する。この技術仕様では、航空機及び宇宙船からの画像の空中三角測量に必要なメタデータも定義する。この技術仕様では、これらすべてのメタデータ要素のスキーマも示す。
この技術仕様は、リモートセンシング画像の利用を支援する。合成開口レーダー (SAR)、干渉合成開口レーダー(InSAR)、ライダー(lidar)、ソナー (sonar)センサーによってリモートセンシングされた地理的位置画像のセンサーモデル及びメタデータを示す。この仕様では、航空機画像及び宇宙船画像の空中三角測量に必要なメタデータも定義する。
この技術仕様は、SAR、InSAR、ライダー、ソナーセンサーのセンサー記述に示されるべき詳細情報を、物理的センサーモデルを厳密に構築するために必要な関連する物理的及び幾何学的情報とともに規定する。正確な地理的位置情報が必要な場合のために、この技術仕様は、2次元画像空間を3次元地上空間に関連付ける物理的センサーモデルを厳密に構築するための数式と、関連する伝播誤差の計算法を示す。
この技術仕様では、ユーザーが地理的位置データを取得する方法や、ユーザーが生成するデータの形式又はその内容は規定しない。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO/TS 19103:2005, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19107:2003, Geographic information — Spatial schema
ISO 19108:2002, Geographic information — Temporal schema
ISO 19111:2007, Geographic information — Spatial referencing by coordinates
ISO 19115-1:2014, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
ISO 19115-2:2009, Geographic information — Metadata — Part 2: Extensions for imagery and gridded data
ISO 19123:2005, Geographic information — Schema for coverage geometry and functions
ISO 19157:2013, Geographic information — Data quality
ISO/TS 19130:2010, Geographic information — Imagery sensor models for geopositioning
この規格の目的のために、次の用語及び定義を適用する。
4.1
active sensor
能動型センサー、アクティブセンサー
センシングを実行するために使われるエネルギーを自ら発生させるセンサー
4.2
active sonar
能動型ソナー、アクティブソナー
水中に音波を送信し、水中のオブジェクトから反射された返波を受信する能動型センサー(4.1)の一種
4.3
adjustable model parameters
調整可能なモデルパラメータ
地上制御点(3.42)などの利用可能な追加情報を使用して改良できるモデルパラメータ。これにより、モデリング修正を改善又は強化できる。
[ISO/TS 19130:2010 4.2を引用]
4.4
ARP
aperture reference point
ARP
開口基準点
合成開口の中心の3D位置
注1:通常はECEF座標(3.11)で、メートル単位で表される。
[ISO/TS 19130:2010 4.4を引用]
備考1)原文では用語が略語の下にあるが、逆にすべきである。
4.5
area recording
領域録画
画像データを1フレーム(4.22)に瞬時に録画すること
4.6
attitude
姿勢
物体の向き。物体の座標系の軸と外部座標系の軸の間の角度で表される。
[ISO 19116:2004 4.2を引用]
4.7
attribute
属性
実体の、名前付きの特性
[ISO/IEC 2382‑17:1999 17.02.12を引用]
4.8
azimuth resolution
方位分解能
<SAR> クロスレンジ方向の分解能
注記1:これは通常、SAR (3.76) センサー (3.79)及び処理システムのインパルス応答 (3.56) に基づいて測定される。これは合成開口のサイズ、または滞留時間の関数である(つまり、開口が大きいほど滞留時間が長くなり、分解能が向上する)。
[ISO/TS 19130:2010 4.7を引用]
4.9
beam width
ビーム幅
<SAR> 電磁エネルギービームの有効角度幅
注記1:SARの場合、ビーム幅は通常ラジアンで測定され、ビームの中心の 1/2 (3 dB 下) の電力を持つ2点間の角度幅である。これはアンテナの特性である。この角度の外側に放射される電力は、使用可能なリターン (4.62) を提供するには小さすぎる。
注記2:エネルギービームの強度 (4.37) が軸上の値の指定された割合まで低下する、軸の両側の方向間の角度。これは水平面で測定される。
[ISO/TS 19130:2010 4.8 を参照 — 注記1、2を追加した。]
4.10
broadside
舷側、ブロードサイド
<SAR> 速度ベクトルに直交し、ARP(3.4)の最下点における地球の楕円体 (3.21) に接する平面に平行な方向
[ISO/TS 19130:2010 4.9を引用]
4.11
complex image
複合画像データ
SARの位相履歴データ(4.48)を処理して生成された最初のレベルの製品
4.12
datum
原子
座標系の原点の位置、スケール、及び軸の向きを定義するパラメータ又はパラメータの集合
[ISO 19111:2007 4.14を引用]
4.13
depression angle
俯角
プラットフォームの水平面から斜めレンジ方向(4.56)までの垂直角度。通常はARP(4.4)で測定される。
注記1:おおむね、視線角(4.42)の余角。
4.14
Differential Global Navigational Satellite System
ディファレンシャル全地球航法衛星システム
衛星システムによって示された位置と既知の固定位置の差を送信するために、GNSS及びDGNSSを使用する、全地球測位衛星システムの拡張版
備考1)この定義には「DGNSS」という用語が含まれており、定義が循環的になっている可能性がある。また、DGNSSには複数の方式があると言われている。したがって、より明確な定義を示すべきである。
たとえば、次の説明が有用ではないか。
https://gssc.esa.int/navipedia/index.php/Differential_GNSS
備考2)定義中に"DGNSS"という略語を含んでいる以上、略語として用語の下に表記すべきではないか。
4.15
Doppler angle
ドップラー角
<SAR> 速度ベクトル(4.81)及びレンジベクトル(4.58)の間の角度
[ISO/TS 19130:2010 4.19を引用]
4.16
Doppler shift
ドップラーシフト
光源と検出器の相対運動によって生じる波長の変化
注記1:SARの環境下では、送信機(4.79)と照射される物体間の相対運動によってレーダー信号に課される周波数シフトのことである。
[ISO/TS 19130:2010 4.20を引用]
4.17
draught
喫水
船の任意の部分における水面から竜骨の底までの垂直距離
[IHO Hydrographic Dictionary, S-32, Fifth Edition(参考文献[5])を引用]
4.18
easting
E
東距
E
座標系における南北基準線からの東方向 (正) または西方向 (負) の距離
[ISO 19111:2007 4.16を引用]
4.19
field of regard
注視可能野
視野(FOV)(4.20)を設定できる全角度範囲
注記1:注視可能野とは、ある瞬間にシステムが見ることができる可能性のある領域である。これは、システムのFOVと、システムが指し示すことができる方向の範囲(4.54)によって決まる。
[Manual of Photogrammetry(参考文献[6])を引用]
備考1)この用語の、適当な訳語が発見できなかったので、編集者が独自に翻訳した。
備考2)"Manual of Photogrammetry"はAmerican Society for Photogrammetry and Remote Sensing (ASPRS)が1940年の第1版以来、改訂を続けてきた、この分野の包括的なテキストである。2024年現在、最新版は2013年発行の第6版と見られる。参考文献[6]を参照。
4.20
field of view
視野
FOV
センサー(4.66)が見る瞬間の領域。角度で示される。
注記1:航空機搭載の場合、これは線形配列を作るための計測帯の(4.75)幅、エリアアレイの場合は地上フットプリント、ウィスクブルームスキャナの場合は計測帯の幅を指す。
[Manual of Photogrammetry(参考文献[6])を引用]
4.21
first return
先端リターン
特定のサンプリング位置と特定の放出パルスに対して、飛行時間 (TOF) 型の3Dイメージング システムによって検出された最初の反射信号
[ASTM E2544参考文献[2] から引用]
備考1)原文では引用文献の名前は"STM E2544"になっているが、正しくは"ASTM E2544"である。
4.22
frame
フレーム
<LIDAR> 単一の放出パルスからのすべてのリターン (4.62) の結果として受信機 (4.59) によって収集されたデータ
注記1:特定の時間、場所、方向で取得された、ライダー (4.40) によって生成された実世界の完全な 3D データ サンプル。単一の ライダーフレームは、レンジ(4.54) 画像とも呼ばれる。
[NISTIR 7117(参考文献[12])を引用]
4.23
geiger mode
ガイガーモード
ライダー(4.40)システムの光子計数モード。検出器に偏りを与えることで、個々の光子に対して敏感になる。
注記1:これらの検出器は配列の形で存在し、電子回路と結合されている。電子回路は、電流が生成された時間に対応する測定値を生成し、直接的な飛行時間測定を実現する。この検出器技術を採用するライダーは、通常、単一のパルスで大きなシーンを照らす。次に、直接飛行時間測定は、プラットフォームの位置/姿勢(4.6)データとポインティング情報と組み合わされ、照明された対象のシーンの 3 次元製品が生成される。データに存在する既存のノイズを除去する追加の処理が適用され、視覚的に利用可能なデータ集合が生成される。
[Albota 2002を引用]
備考1)"Albota 2002"に関する参考文献は示されていない。
4.24
geodetic coordinate system
測地座標系
測地緯度、測地経度、及び(3次元の場合)楕円体高で位置を指定する座標系
[ISO 19111:2007 4.18を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.18を引用]
4.25
geodetic datum
測地原子
2次元又は3次元座標系(3.13)と地球との関係を記述する原子(3.17)
注記1:ほとんどの場合、測地原子には楕円体(3.21)の記述が含まれる。(ISO/TS 19130:2010)
注記2:この用語及びこの技術仕様は、他の天体にも適用される場合がある。
[ISO 19111:2007 4.24を参照 — 注記1及び2が追加された。]
4.26
geographic coordinates
地理座標
地上又は高い位置にある点の経度、緯度、高さ
注記 1: 地理座標は、座標参照系又は複合座標参照系に関連付けられる。深さは負の高さに等しくなる。
4.27
geographic information
地理情報
地球に関係する場所に暗示的又は明示的に関連づく現象に関する情報
[ISO 19101:2002 4.16を引用]
4.28
geolocating
ジオロケーティング
物理的センサーモデル(4.68)又は真置換モデルを使用してオブジェクトの地理測位を行うこと
[ISO/TS 19130:2010 4.34を引用]
4.29
grazing angle
傾斜角度
<SAR> 曲面の局所的な接平面から、傾斜レンジ方向(4.56)への垂直角
注記1: 通常はGRPで測定され、入射角(4.35)の余角とほぼ等しくなる。
[ISO/TS 19130:2010 4.39を参照 —注記1が追加された。]
備考1)GRPは"Ground Reference Point"、つまり地上基準点のことである。
4.30
hydrophone
ハイドロフォン
<sonar> 音波の反響を受信して電気信号に変換するソナーシステムの部品
備考1) "hydrophone"は"hydrographic swath"の次に移動すべきである。
4.31
heave
ヒーブ
船全体が海の力によって持ち上げられることにより船が上下に振動すること
[IHO Hydrographic Dictionary S-32, Fifth Edition(参考文献[5])を引用]
4.32
hydrographic swath
水路スワス
<ソナー> 調査船が航路に沿って進むときにマルチビーム音響測深機によってスキャンされる水底のストリップまたはレーン
[IHO Hydrographic Dictionary S-32, Fifth Edition(参考文献[5])を引用]
備考1)ストリップ(strip)は「細長い区画」の意味である。例えば空中三角測量の手法の一つとして、"strip adjustment"がある。レーンは(lane)は「車線」の意味で用いられることがあるが、この場合は「航路」の意味をもつ。
4.33
image coordinates
画像座標
画像の直交座標系に従う座標
注1:画像座標はピクセル単位または長さの測定値 (線形測定値) で表すことができる。
4.34
image formation
画像形成
<SAR> SARシステムにおいて、収集された位相履歴データ(4.48)から画像データを生成する処理過程
[ISO/TS 19130:2010 4.51を引用]
4.35
incident angle
入射角
検出要素からセンサー(4.66)までの線及び局所曲面法線(接平面法線)の間の垂直角
注記1: これは、傾斜角度(4.29)の、ほぼ余角である。
[ISO/TS 19130:2010 4.57を参照 —注記1が追加された。]
4.36
instantaneous field of view
瞬間視野
角度空間で測定された、単一の検出器要素によって見られる瞬間的な領域
[Manual of Photogrammetry(参考文献[6])を引用]
4.37
intensity
強度
点光源から特定の方向への単位立体角あたりの信号パワー
注記1:通常、ライダー (4.40) の場合、絶対強度を計算するのに十分な較正が行われていないため、通常は相対強度が報告される。線形モード (4.41) システムでは、この値は通常、リターン(4.62) の信号パワーをルックアップ テーブルを介して整数値にマッピングした結果、整数として提供される。
備考1)立体角(solid angle)とは、単位半径の球の中心から見た、この球面上の面積であり、単位はステラジアン(sr))
4.38
last return
終端リターン
指定されたサンプリング位置と指定された放出パルスに対して、飛行時間 (TOF) タイプの3D イメージング システムによって検出された最後の反射信号
[ASTM E2544(参考文献[2])から引用]
4.39
layover
レイオーバー
SAR 画像データにおいて、同じ範囲ドップラー時間ビンに含まれるさまざまな高さをもつ散乱体からのリターン(4.62) 間のあいまいさの視覚効果
注記 1:この効果により、建物がセンサー (4.66) 速度ベクトル (4.81) に向かって地面に「レイオーバー」し、投影画像の透視図に似た効果が現れる。
4.40
lidar
light detection and ranging
ライダー
光検出測距装置
1) 光子源 (多くの場合、レーザーだが、必ずしもそうとは限らない)、2) 光子検出システム、3) タイミング回路、および 4) 送信機及び受信機 (4.59) の両方の光学系で構成され、放出されたレーザー光を使用して、大気中の固体、ガス、または微粒子までの距離 (4.54) 及び/又はそれらの特性を測定するシステム
注記 1:飛行時間 (TOF) ライダーは、短いレーザー パルスを使用し、各レーザー パルスが放出された時間と各反射リターン(4.62) が受信された時間を正確に記録して、放出されたパルスが遭遇した散乱体までの距離を計算する。地形ライダー (4.80) の場合は、これらの飛行時間測定は、正確なプラットフォームの位置/姿勢 (4.6) データとポインティング データと組み合わされ、照明された対象のシーンの 3 次元製品が生成される。
備考1)"lidar"は"light detection and ranging"の略語であるが、一つの用語として流布している現状を考慮すると、両者は同義語扱いになる。
4.41
linear mode
線形モード
出力光電流が入力光入射強度 (4.37) に比例するライダー (4.40) システム
注記1:この技術を採用するライダー システムでは、通常、処理技術を使用して、照射された対象シーン内のターゲットから反射された全波形によって飛行時間測定値を作り出す。これらの飛行時間測定値は、その後、正確なプラットフォームの位置/姿勢 (4.6) データ及びポインティング データが組み合わされて、照射された対象シーンの 3 次元製品が作成される。
[Aull et al., 2002(参考文献[4])を引用]
4.42
look angle
視線角
プラットフォームの下方向(4.50)からスラントレンジ方向(4.56)への鉛直角。通常は開口基準点(ARP)(4.4)で測定される。
注記1:俯角(4.13)のほぼ余角になる。
4.43
mean sea level
MSL
平均海面
MSL
19年間のあらゆる潮位における、潮位観測所の海面の平均高さ。通常は、あらかじめ定められた固定基準面から1時間ごとに測定された高さの測定値から決定される。
[IHO Hydrographic Dictionary S-32, Fifth Edition(参考文献[5])を引用]
4.44
multibeam sonar
マルチビームソナー
マルチビーム原理を使用して海底地図作成及び調査に使用する、幅広いスワス(4.75)をもつ音響測深機
注記1:深さは、船舶の航跡の真下および航跡を横切る方向に測定されます。スワスの幅は、ビームの数とそれらの開口の関数である。
4.45
multiple returns
マルチリターン
特定の放出パルスに対して反射され、検出された複数の信号。たとえばレンジ(4.54)が、離れた複数の物体に当たって、レーザービームが分割された場合など
[ASTM E2544(参考文献[2])より引用]
4.46
objective
対物レンズ
物体からの光を受けて光学系の最初の画像又は一次画像を形成する光学部品
4.47
passive sonar
受動型ソナー、パッシブソナー
外部からの音波のみを受信し、音波を送信しない受動型センサー(4.66)の一種
4.48
phase history data
PHD
video phase history data
位相履歴データ
PHD
ビデオ位相履歴データ
復調後の生のレーダーリターン (4.62) 信号情報
注記1:通常、一連のレンジ(4.54)ラインとして保存され、各ラインには特定のレンジビン(4.55)の情報が含まれる。PHDは、同相信号、直交信号、レンジ(4.54)、ドップラー角(4.15)、及び時間の5つの列の表と考えることができる。
備考1)この場合の「位相(phase)」とは、振動や波動のような周期的現象において、ある時刻・ある場所で、振動や波動の過程がどの段階にあるかを示す変数である。
4.49
platform coordinate reference system
プラットフォーム座標参照系
収集プラットフォーム上の位置を定義する、収集プラットフォームに固定された施工基準座標参照系(3.12)
[ISO/TS 19130:2010 4.65を引用]
4.50
platform down direction
プラットフォームの下方向
プラットフォームの水平面に対して下向きの法線
4.51
point cloud
点群、ポイントクラウド
3D 空間内のデータ点の集まり
注記1:点間の距離は一般に不均一であるため、各点の三つの座標成分(直交座標又は球面座標)すべてを具体的に符号化する必要がある。
4.52
projection centre
perspective centre
投影中心
透視中心
オブジェクト点と像点の間のすべての光線が幾何学的に通過するように見える3次元空間上の点
注記1: これは、結像レンズ系の後方の結像点によって表される。
[ISO/TS 19130:2010 4.62を参照 — 注記1が追加された。]
4.53
pulse repetition frequency
パルス繰り返し周波数
システム(例:LIDAR [4.40])が一定時間内にパルスを発射する回数。通常はキロヘルツ(kHz)で表される。
4.54
range
レンジ
<SAR> アンテナと遠くのオブジェクトの間の距離。斜距離と同義
4.55
range bin
レンジビン
<SAR> すべて同じ範囲を持つレーダーリターンのグループ
備考1)ビン(bin)とは、英語ではものを貯蔵する「置き場」やゴミ箱のことであり、この場合は、同じ範囲を持つレーダーリターンの束、もしくはその入れ物という意味と考えられる。
4.56
range direction
slant range direction
レンジ方向
射距離方向
<SAR> レンジベクトル(4.58)の方向
注記1:これは通常、レーダーアンテナからオブジェクトへの方向であり、SARの場合はARP(4.4)からGRPへのベクトルで表される。
[ISO/TS 19130:2010 4.70を参照 — 注記1を追加した。]
4.57
range resolution
レンジ分解能
レンジ方向(4.56)の空間分解能(4.60)
注記1:SARセンサー(4.66)の場合、通常はセンサーと処理システムのインパルス応答で測定される。これはパルスの帯域幅の関数である。
[ISO/TS 19130:2010 4.71を引用]
4.58
range vector
レンジベクトル
アンテナからシーン内の点までのベクトル
[ISO/TS 19130:2010 4.72を引用]
4.59
receiver
受信機
信号を検出して記録するために使用されるハードウェア
注記1:ライダー(4.40)およびソナーシステムでは、受信機は反射されたパルスリターン(4.62)を検出して記録する。
4.60
resolution (of a sensor)
(センサーの)分解能
センサーが意味のある識別ができる、センサーの示度間の最小の差
[ISO/TS 19101‑2:2008 4.34を引用]
4.61
resolution (of imagery)
(画像の)分解能
画像内で別々に解像できる、均一に照らし出された二つのオブジェクト間の最小距離
4.62
return
リターン
<lidar> 照射されたレーザーパルスが、対象となる照明シーンから反射し、それを感知して得られる信号
注記1:特定の照射されたレーザーパルスに対してマルチリターン(4.45) がある場合がある。
4.63
scan
スキャン、走査
機械式スキャナの1サイクル中に収集された連続フレーム(4.22)のセット。これは、注視可能野(4.19)の片側から反対側へ行き来するクロストラック移動を表す。
4.64
scan mode
スキャンモード
アンテナ ビームを操縦して、収集中、飛行経路に対してさまざまな角度で地面の計測帯(4.75)を照射する、SARの方式
注記1:アンテナを操縦することによって、滞留時間も長くなり、飛行方向と平行でない角度でストリップを収集する機能が与えられるため、ストリップ マップ モードよりも高い解像度(4.60)が得られる。
[ISO/TS 19130:2010 4.77を引用]
4.65
ScanSAR mode
ScanSARモード
ストリップマップモードの特殊なケースで、電子的に操作可能なアンテナを使用して、収集中に画像化する計測帯をすばやく変更し、1回のパスで複数の平行計測帯を収集する方法。
[ISO/TS 19130:2010 4.78を引用]
4.66
sensor
センサー
測定対象の量を運ぶ現象、物体または物質によって直接影響を受ける、測定システムの部品
[ISO/IEC GUIDE 99:2007 3.8を引用][翻訳はJIS Z 8103:2019 618を引用]
4.67
settlement
沈下
船舶が移動する水面の局所的な低下により、船舶が静止している場合に比べて船舶の水位が全体的に下がること
注記1:沈下は排水量の増加ではない。
注記2:沈下は船舶の重心を中心とした角度の傾きとして測定される。
4.68
sensor model
センサーモデル
< geopositioning> 3次元オブジェクト空間及び、センサー(4.66)によって生成された関連する画像データの2次元平面との関係の、数学的な記述
備考1)「2次元平面」は原文では"the two-dimensional plane"であるが、引用元のISO/TS 19130:2010, 4.80では、"2D plane"である。
備考2)"sensor model"は"settlement"と順序が入れ替わるべきである。
4.69
sidescan sonar
サイドスキャンソナー
トウフィッシュ(towfish)の側面から音エネルギーを送信し、両側に扇状のビームを作り、海底を掃引し、リターン(4.62)信号を継続的に記録して、海底とその他の物体の「画像」を作成するソナーのタイプ
注記1:サイドスキャンソナーは、さまざまな水深の海底の特徴とターゲットを画像化するために使用される。
注記2:これには合成開口サイドスキャンソナーが含まれている。
備考1)トウフィッシュとは、水面を移動する船舶に曳航される水中移動体の一種。
4.70
single beam sonar
シングルビームソナー
変換器(4.78)/受信機(4.59)の真下に1本の狭いソナービームを生成し、最も近いオブジェクトからのリターン(4.62)エコーを受信するソナーのタイプ
注1:シングルビームソナーは、一般にシングルビームエコーサウンダー(略称:SBES)と呼ばれる。
4.71
sonar processing system
ソナー処理システム
ソナー信号を処理し、ソナーセンサー(4.66)によって感知された物体の地理的位置を決定するシステム
4.72
Sound Navigation And Ranging
sonar
音響航法測距装置
ソナー
音響航法と測距技術を使用してセンシングを行うセンサー(4.66)
4.73
squat
スクワット
水中を航行する船舶の底部に低圧領域を作り、有効喫水 (4.17) を増加させる (つまり、船舶を水中に沈める) 効果
注記1:この効果は、ベルヌーイの流体力学の原理の結果起きるものである。スクワットは有効喫水の増加を表す。
注記2:航行中の船舶の場合、船首と船尾の波動システムによって生じる船体周囲の水位の上昇と下降に応じて、船首と船尾のレベルが静水状態から変化すること。
[Implementation Specification — a Draught Information System for the St. Lawrence Seaway(参考文献[7]) 4.18を参照 -注記2が追加された。]
4.74
stare
ステア
階段状のパターンからなるスキャンモード
注記1:これは、体積位相ホログラフィック光学素子に基づくHARLIEトランシーバーに適用される。
備考1)ステア(stare)とは、もともと「じっと見ること」を意味する。「軽く混ぜる」という意味の"stir"とは異なる。
備考2)"HARLIE"は "Holographic Airborne Rotating Lidar Instrument Experiment"の略称である。
4.75
swath
スワス
<lidar> 航空機搭載ライダー(4.40)の連続運用中にリターン(4.62)データが収集される地上エリア
注記1:典型的なマッピングミッションは、ある程度の重複を伴う複数の隣接するスワスで構成され、航空機が次のスワスに向けられている間、オペレーターはレーザーをオフにする。この用語はパスと呼ばれることもある。
4.76
sweep sonar
スイープソナー
ブームに複数のシングルビームトランスデューサー(4.78)/受信機(4.59)が取り付けられたソナーの一種で、水面と平行に、船舶の進行方向と直交するように操作される。
注記1:スイープサウンディングは、一般にマルチチャンネルエコーサウンディング(MCES)と呼ばれる。
4.77
swipe
スワイプ
注視可能野(4.19)の一方の側からもう一方の側へのクロストラック移動を表す、機械式スキャナの半サイクル中に収集された連続フレーム(4.22)のセット
備考1)定義中の「移動」は原文では"excursion"である。
4.78
transducer
変換器、トランスデューサー
ある種類のエネルギーを別の種類のエネルギーに変換する装置
4.79
transmitter
送信機
電気インパルスを音波に変換し、その波を水中に送るソナーの部品
注記1:送信機は、マルチビームエコーサウンディングではプロジェクターとも呼ばれる。
4.80
topographic lidar
地形ライダー
地表の地形を測定するために使用されるライダー(4.40)システム
注記1:一般に航空機搭載ライダーシステムを指す。
備考1)この用語と、"transmitter"の順序は、逆にすべきである。
4.81
velocity vector
速度ベクトル
<Radar> アンテナの位置ベクトルの一次導関数
[1] Admiralty Chart Availability List. The United Kingdom Hydrographic Office, Available at <http://www.ukho.gov.uk/PRODUCTSANDSERVICES/Pages/ChartAvailabilityList.aspx>
[2] ASTM E2544-11a, Standard Terminology for Three-Dimensional (3-D) Imaging Systems. ASTM International, Available at <http://www.astm.org/Standards/E2544.htm>
[3] Atmospheric Refraction Error and its Compensation for Passive Optical Sensors, Lincoln Laboratory, Massachusetts, Institute of Technology, Lexington, Massachusetts, Technical Report 686 1984
[4] Aull B., Loomis A., Young D., Heinrichs R., Felton B., Daniels P. et al., Geiger-Mode Avalanche Photodiodes for Three-Dimensional Imaging. Lincoln Laboratory Journal, 13(2):335-350, 2002. Available at <http://www.ll.mit.edu/publications/journal/pdf/vol13_no2/13_2geigermode3d.pdf>
[5] Hydrographic Dictionary, S-32, Fifth Edition, International Hydrographic Organization, Monaco, 1994. Available at < http://www.iho.int/iho_pubs/IHO_Download.htm>
[6] IHO Standards for Hydrographic Surveys, 5th Edition, International Hydrographic Organization, February 2008. Available at <http://www.iho.int/iho_pubs/IHO_Download.htm>
[7] Implementation Specification — a Draught Information System for the St. Lawrence Seaway, St. Lawrence Seaway Management Corporation, 2011. Available at <http://greatlakes-seaway.ca/en/pdf/Draught_Info_Sys_En.pdf>
[8] Manual of Hydrography, C-13, International Hydrographic Organization, 2012. Available at <http://www.iho.int/iho_pubs/IHO_Download.htm>
[9] McGlone J.C., Manual of Photogrammetry, American Society for Photogrammetry and Remote Sensing, Available at <http://www.asprs.org/Publications-Other/Bookstore.html>
[10] Minzner R., Chanpion K.S.W., The ARDC Model Atmosphere, Airforce Cambridge Research Centre (US), Geophysics Research Directorate, Bedford, Massachusetts, (ARDC) US Airforce, 1959
[11] NGA Standardization Document, Light Detection and Ranging (LIDAR) Model, Supporting Precise Geopositioning, NGA.SIG.004_1.1, National Geospatial-Intelligence Agency, 2011. Available at <http://www.gwg.nga.mil/focus_groups/csmwg/LIDAR_Formulation_Paper_Version_1.1_110801.pdf>
[12] NISTIR 7117, Performance Analysis of Next-Generation LADAR for Manufacturing, Construction, and Mobility. Building and Fire Research Laboratory, Manufacturing Engineering Laboratory, National Institute of Standards and Technology, United States Department of Commerce. Available at http://www.stoneaerospace.com/about-us/NISTIR_7117_Final_Complete2.pdf
[13] Rosen P., Hensley S., Joughin I., Li F., Madsen S., Rodríguez E. et al., Synthetic Aperture Radar Interferometry. Proc. IEEE. 2000, 88 (3) pp. 333–338
(2024-10-15)