ISO 19128:2005 Geographic information/Geomatics — Web map server interface
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対応OGC標準: OpenGIS Web Map Service (WMS) Implementation Specification 1.3.0, 06-042
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:32546:en
Web地図サービス(WMS)は、地理情報から、空間参照データの地図を動的に作成する。この国際標準では、「地図」を、コンピュータ画面での表示に適したデジタル画像ファイルとして地理情報を表現したものと定義している。地図はデータそのものではない。WMSで作成された地図は、通常、PNG、GIF、JPEGなどの画像形式で描画されるが、Scalable Vector Graphics(SVG)又はWeb Computer Graphics Metafile (WebCGM) 形式のベクターベースのグラフィック要素として描画されることもある。
この国際標準では、三つの操作が定義されている。一つはサービス レベルのメタデータを返す操作、もう一つは地理及び次元パラメータが明確に定義された地図を返す操作、オプションになる三つ目の操作は地図上に表示される特定の地物に関する情報を返す操作である。Web地図サービスの操作は、標準のWebブラウザを使用して、Uniform Resource Locator (URL) 形式で要求を送信することで呼び出すことができる。このようなURLの内容は、要求される操作によって異なる。特に、地図を要求する場合、URLは地図上に表示される情報、図化される地球の部分、必要な座標参照系、及び、出力画像の幅と高さを示す。同じ地理パラメータと出力サイズで二つ以上の地図を作成すると、結果を正確に重ね合わせて合成地図を作成できる。透明な背景が利用可能になる画像形式(GIFやPNGなど)を使用すると、下にある地図を表示することができる。さらに、個別の地図を異なるサーバーから要求できる。Web地図サービスでは、分散地図サーバーのネットワークを作成し、クライアントは、そこからカスタマイズされた地図を作成できる。地図要求URLとその結果の地図の実例を付録 G に示す。
この国際標準は、特定のデータ保有庫にアクセスする機能ではなく、地図を作成する機能を公開するWeb地図サービスのインスタンス1)に適用される。基本的なWMSは、地理情報の保有庫を「レイヤー」に分類し、それらのレイヤーを表示するための定義済みの「スタイル」を限られた数提供する。この国際標準は、名前付きレイヤーとスタイルのみを利用可能にするが、地物データのユーザー定義による記号化のメカニズムは含まない。
注記:Open Geospatial Consortium(OGC)のStyled Layer Descriptor(SLD)仕様[6]は、名前付きのレイヤー及びスタイルの代わりに、地物データのユーザー定義の記号化のメカニズムを定義する。簡単に言うと、SLD対応のWMSはWeb Feature Service [7]を通じて地物データを取得し、ユーザーが提供する明示的なスタイル情報を適用して地図を描画する。
備考1)「Web地図サービスのインスタンス」とは、複数あるサービス機能の中にある特定の機能の実装を指す。4.13 serviceの備考2)を参照のこと。
この国際規格は、地理情報から空間参照が可能な地図を動的に生成するサービスの動作を規定する。地図を取得するためにサーバーが提供する地図の説明を取得する操作と、地図上に表示される地物についてサーバーに問い合わせる操作を規定する。この国際規格は、グラフィカルな形式での地図の描画に適用されるが、実際の地物データ又は被覆データ値の取得には適用されない。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 8601:2004, Data elements and interchange formats — Information interchange — Representation of dates and times
ISO 19111, Geographic information — Spatial referencing by coordinates
ISO 19115:2003, Geographic information — Metadata
EPSG (February 2003), European Petroleum Survey Group Geodesy Parameters, Lott, R., Ravanas, B., Cain, J., Simonson, G, and Nicolai, R., eds., available at <http://www.epsg.org/>
IETF RFC 2045 (November 1996), Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME) Part One: Format of Internet Message Bodies, Freed, N. and Borenstein, N., eds., available at <http://www.ietf.org/rfc/rfc2045.txt>
IETF RFC 2396 (August 1998), Uniform Resource Identifiers (URI): Generic Syntax, Berners-Lee, T., Fielding, N., and Masinter, L., eds., available at <http://www.ietf.org/rfc/rfc2396.txt>
IETF RFC 2616 (June 1999), Hypertext Transfer Protocol — HTTP/1.1, Gettys, J., Mogul, J., Frystyk, H., Masinter, L., Leach, P., and Berners-Lee, T., eds., available at <http://www.ietf.org/rfc/rfc2616.txt>
UCUM, Unified Code for Units of Measure, Schadow, G. and McDonald, C.J. (eds.), version 1.5 <http://aurora.regenstrief.org/UCUM/ucum.html>
XML 1.0, Extensible Markup Language (XML) 1.0, World Wide Web Consortium Recommendation, Bray, T., Paoli, J., Sperberg-McQueen, C.M., and Maler, E., eds., available at <http://www.w3.org/TR/>
XML Schema, XML Schema Part 1: Structures, World Wide Web Consortium Recommendation, Thompson, H.S., Beech, D., Maloney, M., and Mendelsohn, N., eds., available at <http://www.w3.org/TR/>
この規格の目的のために、次の用語及び定義を適用する。
4.1
client
クライアント
サーバーからの操作を起動させることができるソフトウェア部品
4.2
coordinate reference system
座標参照系
原子によってオブジェクトに関連付けられた座標系
[ISO 19111を引用]
4.3
coordinate system
座標系
点にどのように座標を割り当てるかを規定する数学的規則の集合
[ISO 19111を引用]
4.4
geographic information
地理情報
地球に関係する場所に暗示的又は明示的に関連づく現象に関する情報
[ISO 19101を引用]
4.5
interface
インタフェース
実体の振る舞いを特徴付ける、名前の付いた操作の集まり
[ISO 19119を引用]
4.6
layer
レイヤー
サーバーから地図として要求される可能性のある地理情報の基本単位
4.7
map
地図
地理情報の、コンピュータ画面に表示するのに適したデジタル画像ファイルとしての描画表現
4.8
operation
操作
オブジェクトが変換や問い合わせを実行できるようにするための仕様
[ISO 19119を引用]
4.9
portrayal
描画、描画法
人間に情報を提示すること
[ISO 19117を引用]
4.10
request
要求
クライアントによって、操作を起動させること
4.11
response
応答
サーバーからクライアントに返される操作の結果
4.12
server
サーバー
サービスをする特定のインスタンス
備考1)ここで「特定のインスタンス」とは、さまざまな地理情報サービスの中の特定のサービスを実現する機能の実装を指す。4.13 service の備考2)を参照のこと。
4.13
service
サービス
インタフェースを通じて、実体によって提供される機能の個別の部分
[ISO 14252を引用]
備考1)ISO/IEC 14252:1996 Information technology - Guide to the POSIX Open System Environment (OSE)はすでに廃止されている。ただし、ISO/ TC 211には、ISO 19119:2016 Geographic information - Servicesにおいて、同じ定義が与えられている。
備考2)ISO 19119:2016 Geographic information - Services 10.7.2によれば、地理情報サービスは、6つのグループに分類できるとされている。それは、対話サービス(Human interaction services)、モデル管理サービス(Model management services)、ワークフロー/タスクサービス(Workflow/task services)、情報処理サービス(Processing services)、そして情報交換サービス(Communication services)である。
4.14
service metadata
サービスメタデータ
サーバーで利用可能な操作及び地理情報を記述するメタデータ
[1] FGDC-STD-001-1998, Content Standard for Digital Geospatial Metadata (version 2), US Federal Geographic Data Committee. Available at: <http://www.fgdc.gov/metadata/contstan.html>
[2] Internet Assigned Numbers Authority, MIME Media Types. from World Wide Web: <http://www.iana.org/assignments/media-types/>
[3] ISO 19117:2005, Geographic information — Portrayal
[4] ISO 19119:2005, Geographic information — Services
[5] ISO 19125-1:2004, Geographic information — Simple feature access — Part 1: Common architecture
[6] Lalonde, W. (ed.), Styled Layer Descriptor Implementation Specification 1.0.0, OGC Document #02-070, August 2002. Available at <http://www.opengis.org/techno/specs/>
[7] Vretanos, P. (ed.), Web Feature Service Implementation Specification 1.0.0, OGC Document #02-058, September 2003. Available from World Wide Web: <http://www.opengis.org/techno/specs/>
[8] XML Schema (May 2001), XML Schema Part 2: Datatypes, World Wide Web Consortium Recommendation, Biron, P. and Malhotra, A., eds., Available at <http://www.w3.org/TR/>
[9] ISO 6709:1983, Standard representation of latitude, longitude and altitude for geographic point locations
[10] ISO/IEC 8632 (all parts), Information technology — Computer graphics — Metafile for the storage and transfer of picture description information
[11] ISO/IEC TR 14252:1996, Information technology — Guide to the POSIX Open System Environment (OSE)
(2024-09-16)