本ページで検証したサイトはいずれも実在する金融機関の偽サイト、なりすましサイトであり、当該金融機関の公式サイトの多くではなりすましによる投資詐欺について警告が出ています。なりすましの対象となっているのは以下のサイトです。
▼レオス・キャピタルワークス (https://www.rheos.jp/) [日本・資産運用会社]
▼Unicorn (ユニコーン https://unicorn-cf.co.jp/) [日本・クラウドファンディング]
▼明治安田アセットマネジメント (https://www.myam.co.jp/) [日本・資産運用会社]
▼Wells Fargo (ウェルズ・ファーゴ https://www.wellsfargo.com/) [アメリカ・銀行]
▼Charles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.schwab.com/client-home) [アメリカ・ネット証券]
▼Barclays (バークレイズ https://home.barclays/) [イギリス・銀行、証券]
▼FIRM BOND (ファームボンド https://firmbond.co.jp/) [日本・投資教育、不動産投資など]
▼THE CARLYLE GROUP (カーライル・グループ https://www.carlyle.com/ja) [アメリカ・投資ファンド]
▼Citi Group (シティグループ https://www.citigroup.com/global) [アメリカ・銀行]
▼三晃証券 (SANKO SECURITIES Co., Ltd https://sanko-sec.co.jp/) [日本・証券会社]
▼Virtu Financial (Virtuファイナンシャル https://www.virtu.com/) [アメリカ・高頻度取引業者]
「検証80」、さらに「検証90」、「検証91」で検証している一連のなりすましサイトとも共通点が認められ、極めて危険なサイトと考えられるので厳重な警戒が必要です。
本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。そして実際に日本人に対して勧誘が行われているサイトが確認されています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
「検証13」、「検証14」、「検証15」、「検証16」、「検証17」、「検証18」、「検証19」、「検証20」、「検証21」、「検証22」、「検証23」、「検証24」、「検証25」、「検証26」、「検証27」、「検証28」、「検証29」、「検証30」、「検証31」、「検証32」、「検証33」、「検証34」、「検証35」、「検証36」、「検証37」、「検証38」、「検証39」、「検証40」、「検証41」、「検証42」、「検証43」、「検証44」、「検証45」、「検証46」、「検証47」、「検証48」、「検証49」、「検証50」、「検証51」、「検証52」、「検証53」、「検証54」、「検証55」、「検証56」、「検証57」、「検証58」、「検証59」、「検証60」、「検証61」、「検証62」、「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」、「検証77」、「検証78」、「検証79」、「検証80」、「検証81」、「検証86」に続いて中国系と思われる詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証70ページ目です。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭、さらにLINEのグループを利用する勧誘については「雑記2」あるいは姉妹サイトの「雑記2」を参照してください。このページで検証するのは「検証80」で検証した一連のサイトと同じで実在する金融機関の名称やロゴを盗用した偽サイト、なりすましサイトです。多くの場合はLINEのグループに招待され、そうしたなりすましサイトで「機関投資家向け」などと称する特別な口座を開設すれば上場が決まっている未公開株を購入できるとか市場価格よりも安く株式を買うことが出来て市場価格で売ることが出来るので確実に儲かるなどという有り得ない説明をされるようです。こうした手口で勧誘が行われていた詐欺の被害事例に関すると思われる最近のニュース記事を幾つか紹介しておきます。投資に関心のある、それなりに資産を持っている人を標的にしているということで億単位といった非常に大きな被害の事例が珍しくないようです。
▼有名人をかたる「SNS型投資詐欺」の巧妙な手口とは? ニセ桐谷さんのLINEグループでの投資講座に参加し、300万円だまし取られた男性がその一部始終を語る! (2024年7月29日 ダイヤモンド・オンライン)
▼「機関投資家の口座を作って株の売買をすれば、安定的に利益を確保できる」裾野市の男性(60代)がSNS型投資詐欺で約790万円の被害 (2025年4月22日 静岡朝日テレビ/Yahooニュース)
▼「特別枠で株式を購入できる」40代の会社役員の男性がSNSで知り合った投資研究会を名乗るグループに投資を勧められ3000万円をだまし取られる 【SNS型投資詐欺】静岡・沼津市 (2025年4月29日 静岡朝日テレビ/Yahooニュース)
【“怪しい広告”クリックしてみたら… 】「損失はない」勧誘された記者の記録 急増するSNS型投資詐欺 (中京テレビNEWS 2025年2月14日)
このニュース動画では記者がAIによる株価予想と銘柄診断を受け付けるといったネット広告からLINEグループに誘導され、アメリカの実在する金融機関に所属すると自称する吉田先生、田中と名乗るアシスタント役などに必ず儲かる株式のブロックトレードを勧められたという経緯が報告されています。
さらにサイト名やURLアドレスが不明なもののLINEグループで「機関投資家向け」「プライマリー市場取引口座」などと称する特別な口座を開設して株式を取引すれば必ず儲かるといった勧誘を受けたといった質問投稿がYahoo知恵袋に特に2025年になったぐらいからかなりの数出ています。幾つかの例を引用します。
▼2025年1月28日投稿 (米国 E*TRADE証券の機関口座)
▼2025年6月22日投稿 (リテラクレア証券の偽サイト)
▼2025年7月20日投稿 (OINT72傘下のcubist AIシステム POINT72)
既にこうした実在する金融機関の名称を騙った偽サイトで株式投資を勧誘される、特別な口座を開設すれば確実に儲かるといった勧誘が行われている事例については「検証80」で検証してきましたが、その後も同様の事例が次々と確認されており、本ページではそうした事例について検証していくことにします。
本ページでは以下のサイトを検証していきます。検証対象は順次追加の予定です。
●Rheos Caopital Works (レオス・キャピタルワークス https://trade.rheos.me/)
●J-Unicorn (J-ユニコーン https://trade.j-unicorn.org/)
●明治安田アセットマネジメント (https://www.ktudny.com/#/)
●明治安田アセットマネジメント (https://www.sclnxj.com/#/)
●Wells Fargo Securities (ウェルズ・ファーゴ証券 https://wfsjit.co/main.html#/)
●Charles Schwab (チャールズ・シュワブ https://scharwables.com/)
●Charles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.chswab.cc/#/home)
●Charles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.chswab.vip/#/home)
●ASIABARCLAYS (アジアバークレイズ https://asiabcys.com/#/home)
●ASIABARCLAYS (アジアバークレイズ https://asiabcys.cc/#/home)
●FIRM BOND (ファームボンド https://firmbond.co/#/home)
●CARLYLE (カーライル・グループ https://app.ymjzy.top/#/)
●Citi Group (シティグループ https://www.obvjckb.com/#/)
●東方証券 (TOHO SECURITIES CO. , LTD https://sanko-sec.jp/)
●東方証券 (TOHO SECURITIES CO. , LTD https://toho-securities.com/index.html)
●Virtu Financial (Virtuファイナンシャル https://www.virtuskd.com/#/)
まず以下のサイトを検証します。
●Rheos Caopital Works (レオス・キャピタルワークス https://trade.rheos.me/)
Yahoo知恵袋に出てきた質問で知ったサイトでレオス・キャピタルワークス (https://www.rheos.jp/) というSBIグループ傘下の資産運用会社のサイトからサイト名やロゴを盗用したなりすましサイトと思われます。まずこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
Instagramで「いい銘柄を教えてくれるという人」と知り合いLINEで連絡しあうようになり、添付画像のレオ酢キャピタルというサイトで「機関口座」を開設することを勧められて口座を開設してしまったようです。この質問の添付画像を以下のように拡大してみると口座開設したサイトのURLアドレスを読みとることが出来ました。
上で検証してきた一連のサイトとは違ってLINEグループに招待されて集団で投資を勧誘されるというパターンではなく、SNSで知り合った人物から個人的に投資を勧誘されたというパターンですが、「機関口座」と称する実在するのか疑わしい口座を開設するように誘導されたという点では「検証80」で検証してきた事例と一致しています。とにかくこの添付画像から読みとったURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。以下にトップページとログイン画面 (https://trade.rheos.me/pages/user/login) の画像を示します。
「新規公開株」「投資信託」「PTS」といった項目が確認出来ます。「PTS」はProprietary Trading System (私設取引システム) を意味すると思われます。このサイトはログインしない状況ではこれらトップページとログイン画面、「ニュースのページ」以下で示す「マイページ」ぐらいしか見ることが出来ません。連絡先情報とか金融ライセンス情報も見当たりません。この時点で明らかに情報開示が不充分、不適切ということになります。そしてこのサイトのログイン画面の画像の下にあるロゴの部分を拡大して以下に示します。
このロゴは以下にサイト冒頭部の画像を示したレオス・キャピタルワークス (https://www.rheos.jp/) のサイトのロゴと酷似しています。
このサイト冒頭部の左上に見えるロゴの部分を拡大して以下に示します。
本項の検証対象であるレオス・キャピタルワークス (https://trade.rheos.me/) というサイトのログイン画面で確認されたロゴと酷似しています。そしてこのレオス・キャピタルワークス (https://www.rheos.jp/) のサイトには以下の警告文へのリンクが示されています。
▼【重要】レオス・キャピタルワークスや当社役職員を装った 偽アカウント、偽広告などの勧誘にご注意ください(2025/4/9更新)
一部抜粋します。
>レオス・キャピタルワークスや、当社役職員を装ったSNSアカウントや偽広告など、詐欺的な勧誘行為が引き続き確認されております。
>特に、当社代表の藤野英人を装ったLINEやFacebook、X(旧Twitter)などのSNS偽アカウントや偽広告を複数確認しております。SNSを通じた投資情報の提供や、LINEグループへの勧誘・情報提供、藤野英人の著書をプレゼントするという内容等が散見されておりますが、当社および藤野英人とは一切関係がございません。藤野から直接個人のお客様にLINEでご連絡したり、投資に関する情報の提供や人の紹介、書籍送付等を行なうことはございません。
レオスキャピタルワークスの名称や代表の名前を盗用したSNSアカウントや偽広告が複数確認されていて投資詐欺に悪用されている可能性が高いので注意して下さいという内容になっています。レオスキャピタルワークスの偽サイトに関する警告ではないので本項で検証しているようなサイトとは異なりますが、SNSの偽アカウントや偽サイトが立ち上がっていることは間違いないようです。
またレオスキャピタルワークスの公式サイトにある「事業紹介」のページを見ると「投資信託委託業務」と「投資顧問業務」を行っているとあります。「ひふみ投信」という投資信託の運用、販売が主力事業のようで個別株の売買は扱っていないはずです。「企業概要」のページに記されているライセンス情報を見ても
>事業内容 投資運用業
投資助言・代理業
第二種金融商品取引業
となっていて個別株など有価証券の売買業務に必要な第一種金融商品取引業の登録は得ていません。しかし上で示したようにトップページには「投資信託」という項目に並んで「新規公開株」とか「PTS (私設取引システム)」といった項目がありますし、以下の「マイページ」というサブページ (https://trade.rheos.me/pages/trade/index/index) の画像にも「IPO申込」といった項目が確認出来ます。
さらに以下は本項の敬称対象であるレオス・キャピタルワークスのサイト (https://trade.rheos.me/) のWho Is 情報を調べた結果です。
重要なのは黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日です。2025年6月2日に開設されたばかりです。最初に引用したこのサイトに関するYahoo知恵袋への質問投稿が2025年6月8日付ですからサイトが開設されてからわずか6日後に質問が出たことになります。
赤枠で囲った部分に示されている登録者の情報は殆どの項目が非開示となっており、わずかに登録者の所在地が東京であることだけ示されていますが、この情報が信頼できるかどうかは疑問でしょう。
あらゆる状況から考えてこのサイトはレオスキャピタルワークスの名称やロゴを盗用した偽サイト、なりすましサイトで間違いありません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記
本項で検証したレオス・キャピタルワークスのなりすましサイト、偽サイトと非常によく似たJ-ユニコーンというサイトが見つかってきました。同じグループによるなりすましサイトで間違いないものと思われます。以下で検証しているので参照してください。
●J-Unicorn (J-ユニコーン https://trade.j-unicorn.org/)
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでUnicorn (ユニコーン https://unicorn-cf.co.jp/) というクラウドファンディングのサイトの名称を模倣している疑いが濃厚です。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
「Instagramで知り合った日本人」から「機関投資口座」の開設を勧められているということでURLアドレスが示されています。ネットで知り合っただけの人物に「機関投資口座」の開設を勧められたという時点で「検証80」や本ページで検証してきた案件との関連が疑われました。とにかくこの質問に出てきたURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。左下に示したのがトップページ、右下に示したのがログイン画面 () の画像です。
このトップページとログイン画面は上で検証したレオス・キャピタルワークスのサイトのトップページ (https://trade.rheos.me/)とログイン画面 (https://trade.rheos.me/pages/user/login) に非常によく似ています。以下に比較の為にレオス・キャピタルワークスのサイトのトップページとログイン画面の画像を再掲します。
さらに以下ではニュースのページを比較します。左下が上で検証したレオスキャピタルワークスのサイトのニュースのページ (https://trade.rheos.me/pages/cms/cms)、右下が本項の検証対象であるJ-ユニコーンのサイトのニュースのページ (https://trade.j-unicorn.org/pages/cms/cms) の画像です。
これらニュースのページも互いに非常によく似ています。これら2つのサイトは明らかに同じテンプレートのコピペで作られたサイトでしょう。
そして上で検証したレオス・キャピタルワークスの場合と同じでJ-ユニコーンのサイトでも連絡先情報とか金融ライセンスに関する情報は何も開示されていません。そこでサイトのWho Is 情報も確認しました (以下の画像参照)。
黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日は2025年3月6日、赤枠で囲った部分に示されている登録者の情報は殆どが非開示で所在地が東京都であることだけです。明らかに情報開示は不充分、不適切です。
そしてレオス・キャピタルワークスの場合と同様にJ-ユニコーンというサイト名が盗用である可能性を考えて検索してみるとUnicorn (ユニコーン https://unicorn-cf.co.jp/) というクラウドファンディングのサイトが見つかってきて以下の様な警告が出ていることが確認されました。
本項の検証対象であるJ-ユニコーンというサイトを見てもサイト名が似ていること以外にはユニコーン (https://unicorn-cf.co.jp/) との関連を示唆するような部分はありません。しかしこの警告によればJ-Unicorn (J-ユニコーン) という組織がユニコーン社を母体としていると称し、ユニコーン社の金融ライセンスの番号 (関東財務局長 (金商) 第3110号 ) を掲げて投資を勧誘しているということです。これは本項で検証しているサイトを指しているものとしか思われません。
そもそも上で検証したレオスキャピタルワークスのサイトと並んで互いに非常によく似たサイトが少なくとも2つ存在しているという時点で極めて危険と思われますし、このサイトでの投資は到底推奨できません。投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●明治安田アセットマネジメント (https://www.ktudny.com/#/)
●明治安田アセットマネジメント (https://www.sclnxj.com/#/)
最初のサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、2番目のサイトは同一IPアドレス上のサイトとして見つかってきたサイトで互いに非常によく似ており、資産運用会社である明治安田アセットマネジメント (https://www.myam.co.jp/) のなりすましサイトと考えられます。
質問はこれだけで何の情報もありません。従ってこのサイトが上で検証したレオス・キャピタルワークスのなりすましサイトや「検証80」で検証した一連の実在するあるいは実在していた金融機関のなりすましサイトと同じグループによるサイトかどうかは現時点で不明です。しかし調べてみると同じグループによるサイトである可能性も充分に考えられるということでここで検証することにしました。
まずはとにかくこの質問投稿に出てきたURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。
▼明治安田アセットマネジメント (https://www.ktudny.com/#/)
このサイトにアクセスしてみるとまず左上のスタート画面 (https://www.ktudny.com/#/login/start) に一瞬繋がり、その後、登録あるいはログインを要求する右上の画面 (https://www.ktudny.com/#/login/logon) に転送されます。この画面から「アカウント登録」を選択すると左下の登録画面 (https://www.ktudny.com/#/login/register)、「ログイン」を選択すると右下のログイン画面 (https://www.ktudny.com/#/login/login) に繋がります。
このサイトで登録、ログインせずに見ることが出来る画面はこの4つだけで連絡先情報とか金融ライセンス情報、取引対象や取引条件に関する情報といった基本的な情報は見当たりません。
さらに同じIPアドレス (13.212.224.4) 上のサイトとして見つかってきた表題2番目のサイトについて同様に画像を示します。まずスタート画面 (https://www.sclnxj.com/#/login/start) を左下に、スタート画面からリダイレクトされる登録あるいはログインを要求する画面 (https://www.sclnxj.com/#/login/logon) を右下に示します。
▼明治安田アセットマネジメント (https://www.sclnxj.com/#/)
さらにアカウント登録の画面 (https://www.sclnxj.com/#/login/register) を左下に、ログイン画面 (https://www.sclnxj.com/#/login/login) を右下に示します。
確認出来る4つの画面の全てが表題の2つの明治安田アセットマネジメントのサイトで全く同じに見えます。互いに全く同じに見えるサイトが2つ存在している、しかも2つのサイトがIPアドレスを共有しているという時点で非常に違和感があります。
連絡先情報が何もないので例によって各サイトのWho Is 情報も確認しましたが、開示されている情報はわずかな上に信頼性も疑わしいです。まず表題最初の明治安田アセットマネジメント (https://www.ktudny.com/#/) のWho Is 情報を以下に示します。
まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2025年6月1日となっています。本項の最初で引用したこのサイトに関するYahoo知恵袋への質問投稿が2025年6月15日付ですからサイトの開設からわずか2週間後ということになります。そして赤枠で囲った登録者に関する情報の部分ですが、所在地が「tw」となっていてこれは台湾を意味しています。
同様に表題2番目の明治安田アセットマネジメント (https://www.sclnxj.com/#/) のWho Is 情報も以下に示します。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2025年5月9日となっています。表題最初の明治安田アセットマネジメント (https://www.ktudny.com/#/) の場合よりは1ヵ月弱古いサイトということになりますが、やはり非常に新しいサイトであることは同じです。何しろこれら2つのサイトは見かけが互いに非常に似ている上に同じIPアドレスを共有しているのですから同じグループによるサイトで間違いないでしょう。しかし赤枠で囲った部分に記されている登録者に関する情報では登録者の所在地がカンボジアを意味する「KH」となっています。2つの互いに非常によく似たサイトで登録者の所在地が台湾とカンボジアとなっていて異なるというのは2つのサイトが同じグループによるサイトでしかもいずれも非常に新しいサイトであることを考えると所在地に関する情報は信頼出来ないものと考えざるを得ません。
次にこれら2つのサイトのサイト名となっている「明治安田アセットマネジメント」についてですが、これは実在する日本の資産運用会社です。検索して見つけてきた公式サイト (https://www.myam.co.jp/) の冒頭部の画像を以下に示します。
上の画像の左上に見えるロゴの部分を拡大した画像を以下に示しますが、このロゴは本項で検証している2つの「明治安田アセットマネジメント」のスタート画面に確認出来るロゴと区別出来ません。
そしてこの公式サイト (https://www.myam.co.jp/) には「当社を名乗る勧誘、 当社を装う偽サイトや不審なメールにご注意ください」と題された警告が2025年6月9日付で出ています。以下にその警告の前半部分の画像を示します。
公式サイトのURLアドレスには「myam.co.jp」が含まれていると書いてあります。つまりサイトのURLアドレスに「myam.co.jp」が含まれていなければ明治安田アセットマネジメントの公式サイトではないということです。本項で検証対象としている2つのサイト
▼明治安田アセットマネジメント (https://www.ktudny.com/#/)
▼明治安田アセットマネジメント (https://www.sclnxj.com/#/)
のURLアドレスに「myam.co.jp」は含まれていませんから公式サイトではない、つまり偽サイト、なりすましサイトであるということになります。
尚、明治安田アセットマネジメントの公式サイト (https://www.myam.co.jp/) の会社概要には
>事業内容 投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業
と記されています。投資信託の運用や投資助言を行っている会社ですが、個別株など有価証券の売買業務に必要な第一種金融商品取引業の登録は得ていません。仮に明治安田アセットマネジメントという名称のサイトで個別株投資とかIPO (新規株式公開) に投資できるという勧誘を受けたら偽サイト、なりすましサイトである可能性が非常高いです。
いずれにしろ本項で検証した明治安田アセットマネジメントを名乗るサイトでの投資は推奨できません、投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●Wells Fargo Securities (ウェルズ・ファーゴ証券 https://wfsjit.co/main.html#/)
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでアメリカの金融機関であるWells Fargo (ウェルズ・ファーゴ https://www.wellsfargo.com/) の名称を盗用したなりすましサイトと考えられます。ウェルズ・ファーゴは日本語サイトによれば日本でも機関投資家向けの事業は行っているようで第一種および第二種金融商品取引業の登録 (登録番号:関東財務局長(金商)第1655号) を取得していることも金融庁のサイトで公開されている金融商品取引業者の登録業者リストで確認することが出来ますが、個人向けのリテール業務は行っていないようです。つまり日本の個人投資家がウェルズ・ファーゴで口座開設して株式投資できるとは思えません。
まずはこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
3つの質問を投稿しているのは同じ投稿者です。3つの質問の情報をまとめるとLINEの「JPX投資クラブ」というグループに招待され、グループを取り仕切る八坂宗一、国田彰、アシスタントの五十嵐凛子などと名乗る人物、さらにウェルズ・ファーゴの社員を名乗る人物も登場してアプリをダウンロードしてウェルズ・ファーゴ証券の機関口座を開設して投資するように勧められ、IPO (新規株式公開) に申し込んでしまったようです。既に1000万円ものお金を入金してしまい、さらに1500万円の追加入金を要求されて応じなければ違約金を請求する訴訟を起こすなどと脅かされているようです。こういう状況で詐欺の可能性を疑い、この質問を投稿しているようです。IPOに申し込んで当選しても辞退ということは普通にあるはずで応じなかったら訴えられるなどということがあるとは全く思えません。また「機関口座」という実在が疑わしい名称の口座が登場していますが、「機関口座」を開設すれば相場よりも安く株を買えるとか、IPO株 (新規株式公開株) の優先的な割り当てを受けられるという勧誘は「検証80」や本ページで検証してきた一連のなりすましサイトの多くで報告されています。この時点で詐欺を強く疑わざるを得ません。
そして紹介された「機関口座サイト」のURLアドレスが示されているので早速アクセスしてみました。まず以下にサイト冒頭部の画像を示します。
▼ウェルズ・ファーゴ証券 (https://wfsjit.co/main.html#/) [表示言語:日本語、英語、韓国語、ベトナム語、スペイン語、ドイツ語、ウルドゥー語、シンハラ語、ベンガル語、ポルトガル語、フランス語、オランダ語、スウェーデン語、イタリア語、トルコ語、ヒンディー語、香港語、アラビア語]
この冒頭部の範囲ではWells Fargo Securities (ウェルズ・ファーゴ証券) というサイト名、機関名は見当たりません。左上に「WFSJ」というロゴが見えますが、これはWells Fargo Securities Japanの頭文字でしょうか?仮に「WFSJ」が「Wells Fargo Securities Japan」を意味するなら違和感があります。このサイトは右端に見える言語選択メニューから判断して日本専用のサイトではないと思われるのにサイト名に「Japan」が含まれているとしたら矛盾しているように思われるのです。
そして
>運用資産残高 3.12兆ドル 機関投資家顧客における運用資産残高
>34,200,520+ ユーザー数
>2,144,896,547 成約件数
といった記述があり、3420万人以上の顧客を抱える大手の金融機関であることを誇っているようです。
そしてこのサイトは日本語、英語などだけでなく、かなりマイナーな言語も含めて18もの言語に対応しているのですが、日本語以外の表示言語を選択するとおかしな部分が存在することが分かりました。例えば以下は英語表示を選択した場合のサイト冒頭部の画像です。
上に示した日本語版、英語版サイトの画像の左下の部分を切り出して拡大してみます。日本語版 → 英語版の順で画像を示します。
日本語版で「ここで市場を検索」と書かれている部分は英語版で「Search the market here」と英語になっているのですが、奇妙なのはその下に見える株価情報の部分です。「ソニーグループ」「キーエンス」「日本電信電話」という3銘柄の名称が日本語で示されており、株価も円単位で示されています。また各社のロゴが添えられていますが、株価情報ならここで示されているべきは証券コードでしょうし、キーエンスは日本の株式市場でしか取引されていない銘柄のはずです。日本電信電話もアメリカで取引されているのは流動性が低いOTC市場です。英語版のサイトでこうした銘柄の株価情報がデフォルトで示されていることはまず考えられません。
また日本語、英語以外の表示言語、例えば韓国語やベトナム語を選択してもこの部分には同じ3銘柄の株価情報が日本語、円建てで示されています。明らかにおかしいです。
さらにおかしいのは「ニュース」と題された部分です。いかにやはり日本語版 → 英語版という順で画像を示します。
メニューバーの部分は日本語版では日本語、英語版では英語での表示になっていますが各ニュースの記事が全て日本語の記事になっているのです。これも韓国語、ベトナム語など他の表示言語を選択しても同じです。
さらに以下は脚注部分にある金融ライセンス関係の記述です。ここでも日本語版 → 英語版という順で2枚の画像を示します。
▼日本語版の記述
>日本証券業協会
>一般社団法人金融先物取引業協会
>一般社団法人第二種金融商品取引業協会
>金融商品取引業者(第1種金融商品取引業)
>関東財務局長(金商)第1655号:ウェルズ・ファーゴ証券株式会社
▼英語版の記述
>Japan Securities Dealers Association
>General Incorporated Association Financial Futures Association
>General Incorporated Association Type II Financial Instruments Business Association
>Financial Instruments Business Operator (Type 1 Financial Instruments Business)
>Kanto Regional Financial Bureau (Financial Instruments Business) No. 1655: Wells Fargo Securities Co., Ltd.
日本語版には「ウェルズ・ファーゴ証券株式会社」というサイトの冒頭部には見当たらなかった社名が明記されています。また日本証券業協会に加盟し、「一般社団法人」という部分が意味不明ですが第一種、第二種の金融商品取引業者の登録を得ていて登録番号が「関東財務局長(金商)第1655号」であるということが書いてあります。そして英語版にはこの日本のライセンスに関する文章がそのまま英訳されたと思われる記述が書いてあるのです。さらに韓国語、ベトナム語など他の表示言語を選択してみると英語版と同様に日本の金融ライセンスに関する英語の記述が示されています。そしてこのサイトで金融ライセンスに関する記述はあるのに連絡先情報は全く見当たりません。これも明らかに異様です。このサイトは18の言語に対応していても日本人以外に見られることを考えていないようなサイトであるとしか思われないのです。
一方でWells Fargo Securities (ウェルズ・ファーゴ証券) を検索すると以下の画像に示した日本におけるウェルズ・ファーゴ証券の活動に関して説明するページ (https://www.wellsfargo.com/cib/global-services/asia-pacific/japan-jpn/) が見つかってきました。これはアメリカの金融機関であるWells Fargo (ウェルズ・ファーゴ) のサイト (https://www.wellsfargo.com/) のサブページです。
活字が小さいですがまず「会社所在地」の項目を以下に書き出します。
>会社所在地
>ウェルズ・ファーゴ証券株式会社
>菊地 友視
>代表取締役社長
>〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館24階
本項で検証しているウェルズ・ファーゴ証券のサイトには見当たらない住所が示されています。そしてこの連絡先情報の下に「詐欺にご注意ください (PDF)」と書かれたリンクがあります。このリンクから繋がっているPDFファイルについては後述します。
さらに「日本における沿革」の項目の記述を以下に書き出します。
>2015年 4月 ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズLLC及びウェルズ・ファーゴ銀行と取引一任契約
>2013年 12月 店頭デリバティブ取引の認可取得
>2013年 5月 貸金業登録(東京都)
>2009年 7月 ウェルズ・ファーゴ証券株式会社へ名称変更
>2007年 9月 証券取引業者登録(関東財務局)
金融商品取引法の施行により、第一種金融商品取引業・第二種金融商品取引業登録
>2007年 8月 米国本社より10億円の資本金注入
>2007年 5月 ワコビア証券株式会社設立
この沿革によればアメリカの銀行・ワコビアの系列だったようですが、ワコビアがリーマンショックで経営破綻したことによって同業のウェルズ・ファーゴの系列になったという歴史があるようです。2007年9月に第一種金融商品取引業・第二種金融商品取引業の登録を得たとなっています。本項で検証しているサイトにも同様の第一種、第二種の金融商品取引業者の登録を得ていて登録番号が「関東財務局長(金商)第1655号」であるという記述があることは既に示しました。そこで金融庁のサイトで公開されている金融商品取引業者の登録リストを確認すると確かに ウェルズ・ファーゴ証券の登録が見つかりました。登録情報を以下に書き出します。
登録番号: 関東財務局長(金商)第1655号
登録年月日: 平成19年9月30日
金融商品取引業者名: ウェルズ・ファーゴ証券株式会社
法人番号: 2010001109218
郵便番号: 100-0005
本店等所在地: 東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館24階
代表等電話番号: 03-6870-7500
業務の種別: 第一種、第二種、有価証券関連業
加入金融商品取引業協会: 日本証券業協会、第二種金融商品取引業協会
確かにウェルズ・ファーゴ証券株式会社が平成19年 (2007年) 9月30日付で第一種金融商品取引業・第二種金融商品取引業の登録を得ていて登録番号が「関東財務局長(金商)第1655号」であることが確認されます。しかし本項で検証しているウェルズ・ファーゴ証券のサイトがこの登録を得ているウェルズ・ファーゴ証券によって運営されているサイトとは思えません。まず本項で検証しているウェルズ・ファーゴ証券のサイト (https://wfsjit.co/main.html#/) のWho Is 情報を以下に示します。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2025年4月24日となっており、この検証を書いている2025年6月下旬時点でちょうど2ヶ月しか経過していない新しいサイトであることが分かります。赤枠で囲った部分に記されている登録者の情報は殆ど非開示になっていて、登録者の所在地がシンガポールでることだけ示されています。これに対してWells Fargo (ウェルズ・ファーゴ) のサイト (https://www.wellsfargo.com/) のWho Is 情報を調べてみると画像は省略しますが、登録・開設日は1993年4月28日となっており、32年も前に開設されたサイトであることが分かります。
また以下は本項で検証しているウェルズ・ファーゴ証券のサイト (https://wfsjit.co/main.html#/) へのアクセス状況を調べた結果です。
1日当たりの独立訪問者数、月間のアクセス数などが検出限界以下となっています。とてもではありませんが、サイト冒頭部にあった
>運用資産残高 3.12兆ドル 機関投資家顧客における運用資産残高
>34,200,520+ ユーザー数
>2,144,896,547 成約件数
といった記述に見合うアクセス状況ではありません。
そして決定的なのは日本におけるウェルズ・ファーゴ証券の活動に関して説明するページ (https://www.wellsfargo.com/cib/global-services/asia-pacific/japan-jpn/) の連絡先情報の下にある「詐欺にご注意ください (PDF)」と書かれたリンク先にある警告文のPDFファイルです。以下に画像を示します。
一部抜粋します。
>ウェルズ・ファーゴは日本において個人向けの業務を行っておらず、当社の社員が日本の個人 の方にコンタクトを取り、このような勧誘行為や送金を促すような行為を行うことは一切あり ません。このような行為は、ウェルズ・ファーゴとはまったく関係がありません。
「日本では個人向けの業務を行っていない」「当社の社員が日本の個人の方にコンタクトを取ることもない」と明記されていますが、本項の最初に引用したYahoo知恵袋への質問投稿によればLINEグループに誘導された人たちが「ウェルズ・ファーゴ証券」と称する本項の検証対象であるサイトでの口座開設を勧められた、LINEグループを取り仕切る勧誘側には「ウェルズ・ファーゴの社員」を名乗る人物も登場していたようです。
本項で検証したサイトは多言語に対応したサイトなのに日本語以外の表示言語を選んでも部分的に日本語の記述が残るといった異様な部分があることなども考え合わせると「検証80」や本ページで検証したサイトと同様に実在する金融機関の名称を盗用した詐欺目的のサイトとしか思われません。そしてLINEグループに招待し、先生役、アシスタント役などが登場し、怪しげなサイトでの投資を勧めてくるという手口は本サイトの「雑記2」や姉妹サイトの「雑記2」で説明した中国系の詐欺グループによる詐欺の手口と合致します。特にこのサイトは日本人を標的に開設されたサイトである可能性が濃厚です。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●Charles Schwab (チャールズ・シュワブ https://scharwables.com/)
これもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトでアメリカのネット証券会社であるCharles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.schwab.com/client-home) の名称やロゴを盗用したなりすましサイト、偽サイトと思われます。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
Instagram経由で知り合った日本語が片言レベルで自称・日本人と台湾人のハーフという人物から紹介されたチャールズ・シュワブという名称のサイトで取引しているが本物のチャールズ・シュワブのサイトかどうか疑問を感じてこの質問を投稿したようです。添付画像に見えるLINEでのやり取りを見ると本物のチャールズ・シュワブのサイトにログインできないことの説明を求めたようですが、日本のユーザーに特化した支社のサイトを紹介していてアメリカ本社のサイトとは別個であるという主張をされたようです。そしてこの質問の投稿者はこの質問の投稿前に既に入金してしまっていたようで詐欺サイトであることを指摘する回答を見て出金を試みたものの出金出来なくなってしまったようです。被害額は30万円ということです。
尚、入金方法はOKJ (https://www.okcoin.jp/) という仮想通貨交換業者から仮想通貨建ての入金を指定されたようです。勧誘してきた人物が日本人と台湾人のハーフを自称し、日本語が不自然であったという時点で「検証13」や姉妹サイトの「検証63」の冒頭で検証した中国系の詐欺グループによる詐欺の可能性が疑われました。
さらにこの検証を書いた後ですが、同じサイトについて以下の質問が出てきました。
インスタグラム経由で接触してきた台湾と日本のハーフで2歳から台湾に住んでいるので日本語が下手と自称する人物が表題のチャールズ・シュワブでの投資を勧めてくるが「チャールズ・シュワブ」を検索して見つかってくるサイトとはURLアドレスが異なっていてチャールズ・シュワブの偽サイトではないかと疑ってこの質問を投稿しているようです。こうした経緯もまさに「検証13」や姉妹サイトの「検証63」の冒頭で検証した中国系の詐欺グループによる詐欺の手口に合致します。
そしてとにかくこの質問に出てきたURLアドレスにアクセスしてみました。
まず左下が表題に示したトップページ (https://scharwables.com/) の画像、右下が表示言語の選択画面 (https://scharwables.com/language/index.html) の画像です。
表示言語の選択肢は英語、日本語、ベトナム語、ヒンディー語、インドネシア語、韓国語、マレー語、ドイツ語、タイ語、ポルトガル語、フランス語、ロシア語、スペイン語、香港語の14言語になっています。
さらに左下はログイン画面 (https://scharwables.com/login/login.html)、右下は登録画面 (https://scharwables.com/login/register.html) の画像です。
トップページからログインせずに見ることが出来るページはこれで全部です。登録+ログインしない状態では連絡先情報、金融ライセンス情報、取引対象などなど基本的な情報は何も見ることが出来ません。明らかに異様です。これだけしか情報の開示がないのに口座を開設する人がいるとは思えません。
またこのサイトには一見すると「SCHW」と書いてあるだけでCharles Schwab (チャールズ・シュワブ)とは書かれていないように見えるのですが、ロゴの部分の画像を拡大してみると左下のようになっていることが判明しました。このロゴは右下に示したアメリカのネット証券会社であるCharles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.schwab.com/client-home) のロゴと一致していて全く区別出来ません。
最初に引用したYahoo知恵袋への投稿によればこのサイトでの投資を勧誘してきた勧誘役は日本のユーザーに特化したチャールズ・シュワブの支社のサイトであると主張していたようですが、本物のチャールズ・シュワブのサイト(https://www.schwab.com/client-home) を見ても「支社のサイト」に関する記述は見つかりません。
さらに連絡先情報が何もないということで例によってサイトのWho Is 情報を確認してみました。以下に画像を示します。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2025年4月17日となっています。最初に引用したYahoo知恵袋への質問投稿が2025年7月1日付ですからサイトの登録・開設日から2ヵ月半未満という非常に新しいサイトであるということになります。このサイトは勧誘の経緯などから被害者多い中国系の詐欺グループによる詐欺サイトの疑いが濃いですが、その詐欺グループは短期間で詐欺サイトを使い捨てにすることが多く、サイトが新しいことはこのサイトが問題の中国系の詐欺グループによる詐欺サイトである可能性と矛盾しません。
また赤枠で囲った部分に記されているサイトの登録者情報は殆どの項目が非開示でわずかに登録者の所在地がアメリカであるということだけが示されています。但しこの情報の信頼性は疑わしいです。
このサイトはYahoo知恵袋への質問投稿でネットで知り合った人物に勧誘されて入金したところ出金出来なくなったという報告が出ていることからも非常に危険なサイトと思われます。アメリカのネット証券会社であるCharles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.schwab.com/client-home) の名称やロゴを使用していますが、「検証80」や本ページで検証してきた一連のサイトと同様でチャールズ・シュワブのなりすましサイト、偽サイトとしか思われません。当然ですがこのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記
本項で検証したサイトと見かけは異なりますが、チャールズ・シュワブのなりすましサイトと思われるサイトがさらに2つ見つかってきました。以下で検証しているので参照してください。
●Charles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.chswab.cc/#/home)
●Charles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.chswab.vip/#/home)
●ASIABARCLAYS (アジアバークレイズ https://asiabcys.com/#/home)
●ASIABARCLAYS (アジアバークレイズ https://asiabcys.cc/#/home)
●FIRM BOND (ファームボンド https://firmbond.co/#/home)
1つ目のサイトはYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイト、2つ目のサイトは同じIPアドレス上のサイトとして見つかってきたサイトでURLアドレス以外は全く同じに見えるサイトです。さらに3番目以降の3つのサイトは画像検索や同じIPアドレス上のサイトの検索で見つかってきたサイトで、これら5つのサイトは互いに明らかに似ており、同じテンプレートからコピペで量産されたサイトと思われます。そしてこれら5つのサイトの名称やロゴはいずれも既存の金融機関などの名称やロゴを盗用したものと考えられます。
まず1つ目のチャールズ・シュワブというサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
元日銀総裁の白川方明氏の名前を盗用したネット広告からLINEグループに招待され、チャールズ・シュワブの国際機関投資口座を開設して投資することを勧められているという状況のようです。元日銀総裁の白川氏がネットで怪しげな口座の開設+投資を勧めるなど有り得るとは思えませんし、有名人の名前や画像を盗用してLINEグループに誘導して投資を勧めてくるというのは「雑記2」や姉妹サイトの「雑記2」で説明した中国系の詐欺グループの勧誘の手口に合致します。
さらにこの検証を書いた後ですが、同じサイトについてやはりYahoo知恵袋に以下の質問が出てきました。
詳しい状況は分かりませんが、この質問の投稿者も10%のサービス料 (?)をとる条件でLINEで同じサイトでの口座開設を勧められたようです。
とにかくこの質問投稿に出てきたURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。左下がトップページ (https://www.chswab.cc/#/home)、右下がログイン画面 (https://www.chswab.cc/#/login) の画像です。
表示言語の選択肢は英語と日本語のみ。殆どの項目は口座開設してログインしないと見ることが出来ない設定になっているようです。
さらに表題2番目以降の4つのサイトについても同様にトップページとログイン画面の画像を順に示していきます。
▼チャールズ・シュワブ (https://www.chswab.vip/#/home) [表示言語:英語、日本語]
▼アジアバークレイズ (https://asiabcys.com/#/home) [表示言語:英語、日本語]
▼アジアバークレイズ (https://asiabcys.cc/#/home) [表示言語:英語、日本語]
▼ファームボンド (https://firmbond.co/#/home) [表示言語:英語、日本語]
これら計5つのサイトは特にトップページで互いにかなり似ています。特に「クレジット」「(OTC)取引」「IPO」「(PMT)板寄せ取引」「株式配当」「委託取引」という6つの項目が簡単なイラストとともに並んでいる部分や意味がよく分かりませんが、「注目セクター」と題されて「新エネルギー」などと書かれた6つの円が並んでいる部分は明らかに似ています。また表示言語はいずれも英語と日本語の二択になっています。
そしてこれらのサイトで非常に気になるのはサイト名やロゴの部分です。
まずチャールズ・シュワブという2つのサイトですが、上に示したトップページの画像で左上と中央部分に2種類のロゴがあります。以下の左と中央に表題最初のチャールズ・シュワブ (https://www.chswab.cc/#/home) のサイトの2種類のロゴの画像を示します。さらに右下がサイト名やロゴの盗用元と思われるアメリカのネット証券会社であるCharles Schwab (チャールズ・シュワブ https://www.schwab.com/client-home) のロゴの画像です。
3つのロゴを比較すると特にチャールズ・シュワブ (https://www.chswab.cc/#/home) の2番目のロゴがアメリカのネット証券会社であるチャールズ・シュワブ (https://www.schwab.com/client-home) のロゴに非常によく似ています。
次は表題3番目、4番目のASIABARCLAYS (アジアバークレイズ) というサイトについてですが、バークレイズと言えばイギリスの大手金融機関であるBarclays (https://home.barclays/) が思い浮かびます。左下が表題3番目のアジアバークレイズ (https://asiabcys.com/#/home) のロゴで右下がイギリスのBarclays (https://home.barclays/) のロゴです。
「ASIA」が付いているかいないかの違いはあっても使われているフォントは似ているように思われます。イギリスの大手金融機関であるBarclaysのアジア地域を管轄するサイトだろうと考える人がいても不思議ではないでしょう。
表題5番目のFIRM BOND (ファームボンド) については検索してみるとFIRM BOND (ファームボンド https://firmbond.co.jp/) というサイトが見つかってきました。投資教育事業、不動産事業、スポーツ振興を事業内容としている会社となっているようです。このファームボンドというサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
この画像は表題5番目のファームボンド (https://firmbond.co/#/home)のトップページに掲載されている画像と明らかに似ています。画像の部分だけ切り出して以下に示します。
画像が盗用されていることは間違いないと判断します。
ここで検証している5つのサイトには連絡先情報など何も開示されていないので各サイトのWho Is 情報を確認してみました。
サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日 登録者機関 登録者所在地
チャールズ・シュワブ (www.chswab.cc) 2025年7月10日 記載なし 日本
チャールズ・シュワブ (www.chswab.vip) 2025年7月10日 記載なし 日本
アジアバークレイズ (asiabcys.com) 2025年6月20日 記載なし 日本
アジアバークレイズ (asiabcys.cc) 2025年6月20日 記載なし 記載なし
ファームボンド (firmbond.co) 2025年5月22日 Sun Lun Dun Ld 日本・東京
いずれもこの検証を書いている2025年7月下旬時点でサイトの開設から2カ月以下という新しいサイトであることが分かりました。特に2つのチャールズ・シュワブというサイトは開設から半月未満という非常に新しいサイトです。
これらのサイトは既存の金融機関のサイトなどの名称やロゴを盗用したなりすましサイト、偽サイトとしか思われません。これらのサイトでの投資は言うまでもなく絶対にオススメ出来ません。
●CARLYLE (カーライル・グループ https://app.ymjzy.top/#/)
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでアメリカに本拠がある投資ファンドのTHE CARLYLE GROUP (カーライル・グループ https://www.carlyle.com/ja) の偽サイト、なりすましサイトと思われます。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
80人ほどが参加しているLINEのグループに参加してグループを取り仕切る先生役やアシスタント役が推奨銘柄を教えるなどしていたようですが、「カーライルグループのAIアルゴリズムプログラム」という株式投資に参加することを勧められたようです。こうした経緯は「雑記2」や姉妹サイトの「雑記2」で説明しているLINEグループを勧誘の場として利用する手口に合致しています。
そしてこの質問に出てきたURLアドレス(https://app.ymjzy.top/#/) にアクセスしてみました。このURLアドレスにアクセスすると出てくるのは以下に画像を示したスタート画面 (https://app.ymjzy.top/#/start) です。このスタート画面はイラスト部分がスライドショー形式で入れ替わる設定になっており、5つのイラストのパターンが存在します。以下に示したのは左下が最初のイラストパターン、右下が2番目のイラストパターンの画像です
そしてこのイラスト部分を見て気が付きましたが、これらのイラストには見覚えがあります。「検証80」に書いたMS MUFG証券というサイトの検証の付記で引用しましたが、日本のネット証券である松井証券 (https://www.matsui.co.jp/) のサイトの「各種犯罪手口とその対策」というページで松井証券の偽サイト、なりすましサイトに関する警告が出ており、「実際に確認されている偽サイト」として以下のような画像が掲載されています。
4つの松井証券の偽サイトの画像が示されていますが、左2枚の画像と上に示したばかりのスタート画面 (https://app.ymjzy.top/#/start) と明らかに似ています。2枚のイラストは全く同じものでしょう。松井証券が警告している松井証券の偽サイトと本項で検証しているカーライル・グループと称するサイトは同じグループによるサイトである疑いが濃厚と考えます。
さらに検証対象のカーライル・グループのサイトのログイン画面 (https://app.ymjzy.top/#/login) の画像を左下に、登録画面 (https://app.ymjzy.top/#/register) の画像を右下に示します。
右上の登録画面で使われているイラストはスタート画面で使われていたイラスト、松井証券が警告している松井証券の偽サイトで使われているイラストと同じです。左上のログイン画面のイラストも作風から同じ人物の作品でしょう。また「検証80」で検証したMS MUFG証券などのなりすましサイトでも同じ作風のイラストが使われています。
そしてこのサイトは登録・ログインしないと既に示したスタート画面、登録画面、ログイン画面の3つしか見ることが出来ません。当然、連絡先情報、金融ライセンス情報、取引対象などなど基本的な情報は何も開示されていません。明らかにおかしいです。また「カーライルグループ」というサイト名については本項の冒頭で書きましたが、アメリカに本拠がある投資ファンドのTHE CARLYLE GROUP (カーライル・グループ https://www.carlyle.com/ja) からの盗用と思われます。以下は本物のカーライル・グループの日本語サイトの冒頭部の画像です。
そして上の画像で一番上に小さな活字で以下の様な記述があります。
>カーライル社員または関係者に不正になりすまし、金銭や情報を詐取する詐欺にご注意ください。詳しくはこちら をクリックしてください。
「こちら」のリンク先のサブページの記述の画像を以下に示します。
カーライル・グループを騙り、SNSや個人あてのメールで投資を勧誘するようなことはないという警告です。カーライル・グループのなりすまし詐欺が行われていることを認識してこの警告を出しているものと考えられます。本項の最初に引用したYahoo知恵袋への投稿によればLINEグループを勧誘の場として利用する手口で勧誘が行われていたということですからカーライル・グループのなりすましで確定でしょう。そもそもカーライル・グループは個人投資家向けのリテール事業、証券業務は行っていないはずです。
尚、以下は本項の検証対象のサイトのWho Is 情報です。
赤枠で囲った部分に記されているサイトの登録者情報は殆どの項目が非開示となっていますが、所在地情報が「CN, jiang xi」となっています。これは中国の江西省を意味するようです。この所在地情報の信頼性は疑問ですが、このサイトが中国系のグループによる偽サイトである疑いと矛盾はしません。
改めて結論するまでもなく、このサイトでの投資は絶対に避けるべきです。
●Citi Group (シティグループ https://www.obvjckb.com/#/)
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで、アメリカの大手銀行であるCiti Group (シティグループ https://www.citigroup.com/global) の名称やロゴを盗用した偽サイトです。まずYahoo知恵袋に出てきた3件の質問投稿を引用します。
4件の投稿は同じサイトに関するものと思われ、石田幸助と名乗る先生役、小林美雪と名乗るアシスタント役が登場するLINEグループに招待され、「シティグループのプライマリー市場向け口座」を開設して投資するよう勧誘されたようです。そして3件目、4件目の質問の投稿者は既に出金しようとしたら10%の手数料、税金などの名目で追加入金を要求されて出金出来ないという事態に陥っているようです。4件目の投稿には自分も被害に遭ったといった回答が複数寄せられています。
LINEグループに招待され、先生役やアシスタント役が登場して投資先を紹介されたという経緯は「雑記2」や姉妹サイトの「雑記2」で説明しているLINEグループを勧誘の場として利用する手口に合致しています。
そしてこの3番目の投稿に出てきたURLアドレスのサイトが本項の検証対象のサイトです。アクセスしてみると以下に画像を示したスタート画面 (https://www.obvjckb.com/#/login/logon2) にリダイレクトされます。このスタート画面には見ての通り、何の情報もありません。
このスタート画面の「すでにアカウントを持っています」と書いてある部分をクリックしてみると左下に画像を示したログイン画面 (https://www.obvjckb.com/#/login/login) と右下に画像を示した登録画面 (https://www.obvjckb.com/#/login/register) が出てきます。
このサイトで見ることが出来るのはこれら3つの画面のみで連絡先情報、金融ライセンス情報、取引対象といった基本的な情報は何も示されていません。登録してログインすればそうした情報も出てくるのかもしれませんが、明らかに情報開示は不充分、不適切です。尚、このサイトには表示言語の選択肢は用意されておらず、日本語表示のみのようです。
そしてこれらログイン画面、登録画面には「Citi」と書かれたロゴが確認出来ます。左下にこのロゴの部分の拡大画像を示します。さらに右下に示したのはCiti Groupの公式サイト (https://www.citigroup.com/global) で確認したCitiのロゴの画像です。
2つのロゴを横並びで比べてみると「t」のフォントで横棒部分が短くなっているなど微妙に異なっているように見えますが一見しただけでは分からないほどに酷似しています。そしてCiti Groupの日本語のページ (https://www.citigroup.com/global/about-us/global-presence/ja-JP/japan) には以下に示したなりすましサイトに関する警告が出ていました。
この警告文を以下に書き出します。
>ご注意下さい:「シティ」の名称を騙る詐欺行為について
>最近、「シティグループ証券」、「シティバンク」またはその関係者(以下「当社」)の名称やロゴを不正に使用し、当社従業員を騙りソーシャルメディア等で取引や口座開設の勧誘を行う詐欺行為が確認されています。
>特に、「米銀シティグループ、プライマリー市場口座の機関投資家枠を個人でも利用できる」「シティグループのプライマリー市場口座を個人でも開設できる」等と言って勧誘し、入金させる詐欺被害が報告されています。
>当社では日本国内で個人のお客様向けのお取引を行っておりません。また、ソーシャルメディア等でお客様を勧誘する行為も行っておりません。
>このようななりすまし行為や不審な連絡・広告・ウェブサイト等は当社とは一切関係がございませんので、当社ロゴが使用されていたとしても十分にご注意ください。
太字で強調した部分などまさに本項の最初で引用したYahoo知恵袋への4つの投稿に書かれていた内容と完全に一致します。本項で検証したサイトはなりすましサイト、偽サイトで間違いないと考えます。当然、このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●東方証券 (TOHO SECURITIES CO. , LTD https://sanko-sec.jp/)
●東方証券 (TOHO SECURITIES CO. , LTD https://toho-securities.com/index.html)
1つ目のサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで三晃証券 (SANKO SECURITIES Co., Ltd https://sanko-sec.co.jp/) という証券会社のサイトと酷似しており、デザインや文章を盗用したサイトと考えられます。URLアドレスも
東方証券: https://sanko-sec.jp/
三晃証券: https://sanko-sec.co.jp/
となっていて明らかに似ています。サイト開設時には三晃証券というサイト名も盗用するつもりだったのかもしれません。2つ目のサイトはこの検証を書いた後で「東方証券」を検索して見つかったサイトで1つ目のサイトと殆ど同じに見えます。
まず1つ目のサイトについてYahoo知恵袋の出てきた質問を引用します。
質問の投稿者の友人という人が「投資クラブ?」に加入して富裕層の人しか知らない投資先として東方証券というサイトを教えてくれたようですが、詐欺を疑っているという状況のようです。示されているURLアドレスは表題1つ目の東方証券のサイトに繋がっています。この質問だけでは「投資クラブ?」の実態は不明ですがさらに以下の質問が出てきました。
この質問の投稿者は加入することになった経緯は不明ですが「富の秘密クラブ」と称するLINEグループに加入しており、グループを取り仕切る先生役の高見芳雄、アシスタント役の鈴木千尋、それ以外にも古株の参加者を自称していると思われる大原忠也といった人物から「東方証券」での投資を勧められているようで信用出来るかどうか質問しています。
さらに投資先の情報がないのですが、高見芳雄と名乗る人物が主催するLINEグループで投資を勧められているという質問がこれらの質問に先立って出ていることに気が付きました。
この質問への回答投稿ではLINEグループでの推奨に従って株式投資したところ100万円ほどの損失を被るような事態になったが7月1日に補填対応を実施することを決定しているという回答を得たようです。しかし実際に損失補填が受けられたかどうかは情報がありません。LINEグループでの投資勧誘の経緯は「雑記2」や姉妹サイトの「雑記2」で説明しているLINEグループを勧誘の場として利用する手口に合致しています。
さらにこの検証を書いた後ですが、Yahoo知恵袋に出てきた以下の質問投稿も東方証券に関する質問となっています。
上で引用した2025年7月7日付の質問投稿を見て詐欺の可能性に気が付いてこの投稿をしているようです。森ふゆこと名乗るYoutuberとネットを介して知り合ったことから高見と名乗る先生役、鈴木と名乗るアシスタント役、大原と名乗るサクラ役などが登場するLINEのグループに招待されて東方証券での投資を勧められて既に入金してしまったようです。
ともかく「東方証券」を検索して後から見つかってきた表題2番目のサイトも含めて2つのサイトの画像を以下に順に示します。
▼東方証券 (https://sanko-sec.jp/)
そしてこの東方証券のサイトについて調べてみると既に本項の冒頭で書きましたが、三晃証券 (SANKO SECURITIES Co., Ltd https://sanko-sec.co.jp/) という証券会社のサイトと酷似していることが判明しました。以下に三晃証券のサイトの画像を比較の為に示します。
▼三晃証券 (https://sanko-sec.co.jp/)
2つのサイトを比べると上の画像の範囲での違いは社名と「お客様相談・苦情窓口」の電話番号の部分だけのようです。電話番号は以下のようになっています。
東方証券 (https://sanko-sec.jp/): 080-8921-6186
東方証券 (https://toho-securities.com/): 090-7113-5068
三晃証券: 03-5614-0766
2つの東方証券のサイトの電話番号は080あるいは090から始まる携帯電話の電話番号になっています。カスタマーサービスの電話番号として携帯電話の電話番号が使われているというのはかなり異様です。さらに以下は脚注部分の画像です。ここでも東方証券 (https://sanko-sec.jp/) → 東方証券 (https://toho-securities.com/) → 三晃証券という順で画像を示します。
2番目の東方証券のサイトの脚注部分、他のサイトでは連絡先情報が記されている部分は空白になっています。
さらにいずれのサイトでも「会社概要」というサブページがあって連絡先情報や金融ライセンス情報が示されているのでやはり画像を東方証券 (https://sanko-sec.jp/) → 東方証券 (https://toho-securities.com/) → 三晃証券という順で示します。
2つの東方証券の会社概要の記述は電話番号が違うぐらいでほぼ同じです。さらに三晃証券の会社概要との比較でも項目の並び順や「主な取引銀行」「事業内容」といった項目の記述は計3つのサイトで全く同じです。脚注と会社概要にある記述の一部を抜粋して以下で比較してみます。
▼東方証券株式会社 (https://sanko-sec.jp/)
電話: 080-8921-6186 (代表)
本社: 北海道札幌市中央区北一条西3丁目2-14-7 〒060-0001
トレーディングセンター: 東京都中央区八丁堀4-104 オーキッドプレイス八丁堀ビル
▼東方証券株式会社 (https://toho-securities.com/)
電話: 090-7113-5068 (代表)
本社: 北海道札幌市中央区北一条西3丁目2-14-7 〒060-0001
トレーディングセンター: 東京都中央区八丁堀4-104 オーキッドプレイス八丁堀ビル
▼三晃証券株式会社
電話: 03-5614-0700 (代表)
本社: 東京都中央区日本橋茅場町3-2-2
西荻久保支店: 東京都杉並区西荻北3-42-2
トレーディングセンター: 東京都中央区八丁堀4-104 オーキッドプレイス八丁堀ビル
トレーディングセンターの住所は3つのサイトで同じです。三晃証券の方は本社を含む3つの拠点がいずれも東京都内なのに2つの東方証券のサイトではトレーディングセンター以外には北海道札幌市に本社があるだけとなっています。電話番号はここでも080あるいは090から始まる携帯電話の番号です。携帯電話の番号に「(代表)」と記載されていることには違和感があります。携帯電話から他の部局の電話番号に転送されるなんていうことは想像が難しいです。
次に法人登録の確認を試みました。国税庁の法人番号公表サイト (https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/index.html) で探してみると三晃証券の法人登録 (法人番号 011001017097) は簡単に見つかりますが、東方証券の法人登録を社名で検索しても該当なしという結果になります。また東方証券の本社の札幌の住所で法人登録を探してみても以下に示したように既に閉鎖されている1件を含めて当該の札幌の住所に5件の法人登録が見つかってきますが、それらの中に東方証券の法人登録と思われるものはありません。
連絡先情報以外の項目についても幾つか抜粋して以下で比較してみます。
▼東方証券 (2つのサイトで共通)
創業日: 1982年(昭和57年) 8月23日
資本金: 300億円 (2025年3月末現在)
加入取引所等: 金融商品取引業者 北海道財務局長(金商)第52号
加入協会:日本証券業協会
取引参加資格:東京証券取引所
主な事業:金融商品取引業
▼三晃証券
創業日: 1953年 (昭和28年) 10月23日
資本金: 3億円 (2025年3月末現在)
加入取引所等: 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第72号
加入協会:日本証券業協会
取引参加資格:東京証券取引所
主な事業:金融商品取引業
まず東方証券は1982年に創業となっていますが以下に示した表題1つ目の東方証券のサイト (https://sanko-sec.jp/) のWho Is 情報を見ると黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2025年6月24日になっています。
表題2番目の東方証券 (https://toho-securities.com/) のWho Is 情報についても以下に画像を示しますが、登録・開設日は2025年7月18日とさらに新しくなっています。
本項の最初で引用したYahoo知恵袋への質問投稿の日付が2025年7月6日と7月7日付ですから2つ目の東方証券のサイトはそれらの質問が出た後で開設されたことになります。
さらに1つ目の東方証券の場合のみですがWho Is 情報で赤枠で囲った部分には登録者の情報が記されています。記されている内容を日本語にして以下に書き出してみます。
登録者名: Lauren Abigail
登録者所在地: 〒861-3547 熊本県上益城郡山都町山田141-1258
電話番号: +81.474216828
この登録者の連絡先情報はデタラメとしか思えません。熊本県の住所は「熊本県上益城郡山都町山田」までは実在するようですが、141という番地は実在しないようです。「熊本県上益城郡山都町山田」で実在する番地は238、242、248、249、250、255、257、270、274、885、911、926、936、937、977、982だけで100番台の番地は存在しないことになっています。また電話番号も日本の国番号でる[+81]に続いて「47」となっていますが、これは「047」という市外局番を意味すると思われ、調べてみると千葉県の市川市、浦安市などに割り当てられている市外局番のようです。熊本県の住所と全く対応していません。
次に2つの東方証券のサイトに共通する
>金融商品取引業者 北海道財務局長(金商)第52号
という金融ライセンスの記述ですが金融庁のサイトで公開されている金融商品取引業者の登録リストを確認してみると「北海道財務局長(金商)第XX号」という登録番号は令和5年 (2023年) 11月28日付で登録されている北海道アセットマネジメント株式会社に出された「北海道財務局長(金商)第51号」が最後で「第52号」という登録番号の登録はありません。金融商品取引業者の登録を得ているという主張もデタラメです。
そして三晃証券のサイトには2025年7月7日付で以下に示した警告が出ていました。
ここで警告対象になっている「当社のホームページを模倣した実在しない証券会社の偽装ホームページ」はここで検証している東方証券のサイトを指しているとしか思われません。さらにこの警告が出た直後の2025年7月中旬に何の告知もなく表題1つ目の東方証券のサイト (https://sanko-sec.jp/) はアクセス出来なくなっているようです。代わりに2つ目の東方証券のサイト (https://toho-securities.com/) が立ち上げられたことになると思われます。
さらに東方証券について検索していて気が付きましたが、以下に示した日本経済新聞のサイト (https://www.nikkei.com/) を模倣した偽サイト (https://www.ltntw.com/) が見つかってきました。
見た目は日本経済新聞社のサイトで東方証券の会社概要が示されていますが、URLアドレスは示されていません。そしてこのサイトのURLアドレスは日本経済新聞社のサイトのURLアドレスと全く異なるし、本物の日経新聞社のサイトで「東方証券」に関する記事を検索しても該当がありません。明らかにニセ記事であり、おそらく詐欺グループが「東方証券」がまともな金融機関であるように見せかけるために用意したサイトと思われます。
2つの東方証券のサイトはいずれも日本語にしか対応していませんから日本人を標的とした詐欺目的で用意された詐欺サイトと考えざるを得ません。東方証券のサイトが復活した場合、あるいは同様のサイトが発見された場合、投資は絶対に避けるべきです。
※付記1
2025年8月8日付で北海道財務局から東方証券について違法な無登録業者であるという警告が出てきました。「北海道財務局長(金商)第52号」の登録が存在しないことが指摘されています。
※付記2
HTB北海道ニュース/Yahooニュースに東方証券での被害事例についての記事が出ていました。
▼道財務局が警告 「東方証券」の実態は 口座から出金できない…被害相次ぐ 記者が会社を直撃 (2025年8月15日付 HTB北海道ニュース/Yahooニュース)
東方証券に155万円入金してしまい、出金出来なくなった被害者に取材してInstagramの広告から加入したLINEグループで東方証券での投資を勧誘されたこと、さらに記者が東方証券の北海道の住所を訪問してみたものの東方証券が入居していないことを確認したといった内容になっています。YoutubeにもHTB北海道ニュースのアカウントからニュース動画が出ています。
▼道財務局が警告 「東方証券」の実態は 口座から出金できない…被害相次ぐ 記者が会社を直撃 (2025年8月15日付 HTB北海道ニュース)
●Virtu Financial (Virtuファイナンシャル https://www.virtuskd.com/#/)
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでアメリカの高頻度 (高速) 取引業者である同名の業者、Virtu Financial (Virtuファイナンシャル https://www.virtu.com/) のサイト名やロゴを盗用したなりすましサイト、偽サイトと思われます。盗用元と思われるアメリカのVirtuファイナンシャルや高頻度 (高速) 取引、英語ではHigh Frequency Trading (HFT)についてはWikipediaの記事を参照して下さい。
▼Virtu Financial (Wikipedia 英語版)
まずこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
経緯が分かりませんが、どうやら松本修と名乗る先生役、五十嵐久美と名乗るアシスタント役などが登場するLINEのグループに招待されてApp StoreやGoogle Playにアップされていたアプリをダウンロードするように指示されたようです。そしてアプリをダウンロードすることによって紐づけされている表題のVirtuファイナンシャルのサイトに誘導されることになるものと考えられます。尚、問題のアプリはApp StoreやGoogle Playから短期間で削除されたようです。
さらにこの投稿で「ニュース記事 (?)」があるという指摘がリンク付きで出ていますが、そのリンク先の記事の冒頭部を以下に示します。
▼未来貯金プロジェクトがまもなく始動 (2025年8月5日付)
記事の文章を書き出します。
>ニューヨークに本社を置く、世界有数の電子取引および流動性プロバイダーであるVIRTU Financial Inc.は本日、日本市場において個人投資家向けの新たなインテリジェント戦略プロジェクト「未来貯蓄プロジェクト」を正式に開始することを発表しました。
>本プロジェクトは、テクノロジーと金融の深い融合を通じて、日本の個人投資家が長期的かつ安定的に資産を増やすことを支援することを目的としています。
>この計画はすでに日本の金融庁(FSA)より認可を受けており、日本の規制制度に準拠した形で運営されます。
これと全く同じ内容の「ニュース記事 (?)」はゴゴ通信 (https://gogotsu.com/) というサイトでも確認されました。
▼未来貯金プロジェクトがまもなく始動 (2025年8月4日)
2つの「ニュース記事 (?)」はいずれも経済ニュースを掲載しているようなニュースサイトではないサイトに掲載されています。一体誰がこうした記事を投稿しているのか全く分かりませんが、内容はかなり疑わしいです。「ニュース記事 (?)」に使われている画像をよく見ると中央のテーブルに「NASDAQ」と書いてあります。この画像はVirtuファイナンシャルのInstagramのアカウント (https://www.instagram.com/virtu.financial/) に投稿されているVirtuファイナンシャルがアメリカのNASDAQ株式市場に新規上場後10周年の記念にオープニングベルを鳴らすセレモニーに招かれた際の記念写真のようです。以下にそのInstagramへの投稿 (2025年4月16日付)の画像を示します。要はこの画像は「ニュース記事 (?)」に書かれている「未来貯金 (貯蓄) プロジェクト」に関するものではないということです。
既に書いたようにVIRTU Financialはアメリカに実在するアメリカの高頻度 (高速) 取引業者であり、日本においても金融庁のサイトで公表されている「高速取引行為者登録一覧」というファイルで認められている54の業者の中にVIRTU Financialのシンガポール法人と思われる「Virtu Financial Singapore Pte. Ltd.」が含まれており、「関東財務局長(高速)第2号」で登録されていることが確認出来ます。以下はその「高速取引行為者登録一覧」というファイルの一部の画像です。
赤枠で囲った部分にVIRTU Financialのシンガポール法人と思われる業者の登録が示されています。しかしこのファイルの冒頭には以下の様な警告も記されています。
>高速取引行為者を詐称する者に注意!
>高速取引行為者が日本国内の一般の方へ投資勧誘を行うことは、法令上認められていません。
>金融庁や財務局が個別の金融商品取引業者や高速取引行為者と業務提携することはありません!
「高速取引行為者」が自己資金で「高速取引」を行うことは認められているが「高速取引行為者」としての登録があっても日本国内で投資勧誘を行うことは違法であるということです。「未来貯金 (貯蓄) プロジェクト」が日本の金融庁(FSA)より認可を受けているという主張について上で示した2つの怪しげな「ニュース記事 (?)」以外に情報は見つかりませんし、アメリカのVirtuファイナンシャルのサイト (https://www.virtu.com/) やVirtuファイナンシャルのInstagramのアカウント (https://www.instagram.com/virtu.financial/) にもそれらしい情報は見つかりません。
そして表題にURLアドレスを示したサイトですが、「VIRTU Financial」を検索して見つかってきたサイトです。このサイトの画像を以下に示します。左下が登録画面 (https://www.virtuskd.com/#/subPackages/register/register)、右下がログイン画面 (https://www.virtuskd.com/#/subPackages/login/login) の画像です。
このサイトは口座を開設しないとこの登録 (口座開設) 画面とログイン画面しか見ることが出来ないサイトになっています。表示言語は日本語のみのようです。上で検証してきた幾つかのサイト、明治安田アセットマネジメント、チャールズ・シュワブ、カーライル・グループ、シティグループといったなりすましサイトでも口座開設画面とログイン画面ぐらいしか見ることが出来ないサイトであり、共通性を感じます。取引対象とか取引条件、連絡先情報、金融ライセンス情報など利用者が求める取引条件やサイトの信頼性を判断するのに重要な情報が登録しない状況では一切見ることが出来ないというのは有り得ないことでしょう。誰がそうした基本情報を見ることも出来ずに口座開設するのでしょうか?
そしてこのサイトのWho Is 情報を確認すると登録・開設日が2025年7月16日となっています。ここまでで説明したように最初に引用したYahoo知恵袋への質問投稿に出てきたLINEグループでダウンロードするように指示されたアプリから誘導されると思われるVirtuファイナンシャルのサイトがここに示したVirtuファイナンシャルのサイトであるかどうかについて決定的な証拠はありません。しかし
サイトの登録・開設日: 2025年7月16日
ニュース記事 (?)の投稿日: 2025年8月4日、5日
Yahoo知恵袋への質問投稿の日付: 2025年8月7日
という時系列で並べてみるとこのVirtuファイナンシャルのサイトがLINEグループで推奨されている投資先である可能性はかなり高いものと考えます。あるいはこうしたサイトが複数存在しているという可能性もこれまでのパターンからすればかなり可能性があるかもしれません。
それからこのサイトの名称などの盗用元と思われるアメリカの高頻度 (高速) 取引業者であるVirtuファイナンシャルのサイト (https://www.virtu.com/) の冒頭部の画像を以下に示します。
サイト名だけでなく、上の画像の中央上部に見えるロゴも盗用の対象になっていて登録画面やログイン画面に転載されているようです。
結論として本項で検証したサイトは少なくともアメリカの高頻度 (高速) 取引業者であるVirtuファイナンシャルのサイト (https://www.virtu.com/) の名称やロゴを盗用したなりすましサイト、偽サイトであることは間違いないものと考えます。さらにLINEグループを勧誘の場として利用する手口でこのなりすましサイトでの投資勧誘が行われている疑いが極めて濃いです。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを推奨します。