投稿日: Apr 09, 2012 12:18:9 PM
今回新しい人が二人。そのうちのおひとりが家族でした。話は「家族ががん患者になったら」に終始しました。私がそういう話に持っていたこともありますが。
たとえ同じ身内でも、がん(他の病気も同じだと思うけど)にかかった人の気持ちはなかなかわからない。患者の気持ちとしては「自分はこんなに辛く苦しんでいるのに」とか「そこまで気を遣うことないのに。今まで通り接してくれればいいのに」等、様々に思う。
家族は「自分が替ってやりたい」「どうしたらいい、こうしたらいいのか」患者にはわからない悩みがある。同じ家族でありながら、どうしても溶け合わない部分がある。だからこそ同じ仲間を求めて、患者会や家族会へ出かけて、同じ仲間がいることに共感し、感謝して安らぎを得る。勿論違う人はいることを忘れてはいけない。
以前「ここにおいでよ」にこういうことを書いた。
自分ががんになったことを高校生の娘に話したら、その時は「あ、そう」で済んだがその後。友達のところに行って号泣したそうである。
そのことを母親は友達から聞いた。彼はそのことを知り「もう娘には、がんのことは話さない」と言ったが、私はそれに反対した。「子供と言えども家族の一員なのだから話すべきだ」と。
現在の私は「話さない」の方に少し傾いている。
実は一昨年母が(84歳になる)上京した時「骨に転移した細胞は依然より拡がっている。直腸の手術した部分も少し盛り上がって来ているが、もうこの部分は手術できない。とはっきり言われた」と話した。
母は「そうね」と言ったきりだった。
故郷に帰ってから手紙が来て「あの話はショックだった」と書いてあった。
それを見て、「もうあまり話せないな」と思ったのだ。
年老いた母に「余計な心配はさせたくない」この気持ちがある限りは、がんの話をするのは難しいのかも知れない。
それぞれの家庭で事情は違うだろうが、患者としてのあなたは、また家族としてのあなたはどう考えるのだろうか。
本村幸広