6月のがんサロン報告 ピアサポートのチカラ

投稿日: Jun 14, 2012 2:33:12 AM

6月11日は、新規が2名で、計16名の参加で開催されました。

最初に世話人の本村さんから、前回取材のあった朝日新聞記事の紹介がありました。「次回は、みんなで話を聴きあっている写真を載せたいね」という意見も出て、座る席を工夫することにしました。

今回の話題の中心は、「余命告知」と「ピアサポート」でした。

余命告知は、病気がわかった時に転移があり、「2年半」とか「2年」と言われた人がいました。「最初はびっくりして、何も耳に入らなかったけど、このサロンに来ていろいろな話を聴いて、くよくよしていても始まらないと思うようになった」「普段はがんだと思わないことにした」「余命3カ月と言われて生き延びている人もいる。医師が死ぬ時を決めるわけでない」「毎日ワクワクして生きていたい」とたくさんの意見が出ました。

がんに生活を奪われないことが、一番大事なんだと思います。

また、がんになったら、他の病気にならないと思っていたら、脳疾患や心疾患になったという話があって、考えさせられました。

特に治療で入院した時に、脳疾患で右麻痺になった人がいて、人生を前向きに明るく生きているというお話に、どれだけの涙、どれだけの苦労があったのかと胸がかきむしられる思いでした。

また、障害者として仕事をして、同じ病の人の役に立ちたいとピアサポートを学んだという話に、同じ病をした人だけが持つ役割やピアサポートの意義を強く感じました。

ピアサポートは、アルコール依存症の人や障害者の世界では当たり前になっていますが、がんの世界では始まったばかりです。この方は、障害者のピアサポートを5年かけて学んだと言われてました。

サロンの中で「友人」として接するのと、「ピアサポート」として「相談支援者」になるのでは、やはり違うのだと思います。専門職もその技能を一定水準に保つために、仕事に就いた後も、絶えず、レベルアップのための研修を受け続けています。ピアサポーターになることは、そのくらいの覚悟が必要なのでしょう。いつか、がんのピアサポートも確立されるといいですね。

他には、食の話や不眠についても話が出ました。がんだけでなく、HIV感染症の患者さんも来られ、その方が集える場を探したりもしました。

たった1時間半のサロンだけど、人と人が出会うことで生まれる、魂が響き合う、とても有意義な時間でした。

次回は7月9日(月)第6・7集会室、その次は8月13日(月)第9集会室です。

藤田敦子