令和7年6月2日掲載 64回生 林 義祐氏寄稿(第六十四回目掲載)
オランダ在住の 林 義祐氏(64回生・岡谷市出身)のご寄稿「オランダの生活・歌日記: 2025年5月 序文」を下記に掲載いたします。林様、今月もご寄稿いただきありがとうございます。
ウクライナ-ロシア戦争に対するトランプ大統領の和平調停に関する林様の論考は多くの情報と示唆を与えてくださっています。ぜひお目通しをお願いいたします。
数日以内に第六十五回目掲載として「オランダの生活・歌日記 2025年5月」を掲載いたします。
同窓の皆様のコメントやご感想をお待ちしています。(名取宛メール: antimarck@yahoo.co.jp)
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2025年5月 歌日記:序文
はじめに
◆ ウクライナと米国は、4 月 30 日にウクライナ国内の鉱物資源開発を共同で行う経済連携協定に署名した。しかしその 2ヶ月ほど前の 2 月 28 日にはトランプとゼレンスキーはホワイトハウスで、同件関連案件であれほどの激論・口論をしたことを知っている人たちは、「えー、本当? ? 」と思ったのではなかろうか。
2月末の口論とは、大統領執務室で記者団を前にした両首脳と政権関係者らは、外交姿勢などをめぐって激しく口論する事態になった。トランプはゼレンスキーに「感謝する」よう注文し、「第 3 次世界大戦を起こしかねない」と非難。ゼレンスキーは、ロシアのプーチンへの「譲歩」はあってはならないと強調したものの、トランプはロシアと合意するにはウクライナ政府が
譲る必要があると告げた。予定されていた共同記者会見と、鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名式は中止になり、トランプ政権はゼレンスキーにホワイトハウスを立ち去るよう告げた。
そういった、世界中を驚かせた、前代未聞の事件が起こったばかりなのに、鉱物資源開発の経済連携協定が署名されたという。一体その 2 ヶ月間で何があったのか? トランプは 2 月の会談では本気になって怒り狂っていたように見えたが、どうしてあの世界中を驚かせた大喧嘩が落着したのか?
そしてその経済連携協定締結は両国においてどのような意味合いがあるのか? またロシア・プーチンにとってはどういうことになるのか、等について考えてみたい。更にまたこの協定締結は日本にとって何を示唆するのか・・? といった内容にも踏み込んで考えてみたい。
◆ トランプは 1 月、大統領に就任した。彼は、「私が大統領になったらロシア・ウクライナの戦争は 1 日で止めてみせる」と言っていた。しかしどのようにして? とか、その内容については明言を避けていた。欧米のメディアも半信半疑ながら、その内容を詮索したりしていた。
しかし今になって分かることだが、トランプはプーチンの主張を丸呑みにして、それをウクライナに強圧的に押し付けることで、停戦を実現し、そのあと平和交渉にもっていこうとしていただけであった。つまりトランプはプーチンが難敵なのは分かっているので、ゼレンスキーを押さえつけて言うことを聞かせようとし、そしてそれは簡単だと考えていたということになる。そもそも、トランプはゼレンスキーのことを単なるコメディアン上がりの、偶然ラッキーにも大統領になっただけの男と見てハナからバカにしていたということであろう。そしてそれが簡単に実現すると見込んでいたため、ゼレンスキーが頑として受け付けず、猛烈 に反対したので、あてが外れたトランプは頭に血が上って怒り狂ったとしか言いようがない。
◆ いつも強気のトランプが、プーチンの言う要求をそのままゼレンスキーに伝えるだけであった。停戦や和平の仲介者は双方の言い分を聞いて、両者が最低限受け入れられる条件で仲介するという、世界の常識を全く無視するやり方であったので、世界中から非難と顰蹙を買う有様であった。私も当時全く憤慨して、トランプの大統領としての姿勢に大きな疑問を持った。
◆ 米国の駐ウクライナ大使を約3年間務め、4月に辞任したブリジット・ブリンク氏が 5月16日、トランプ大統領の外交政策が辞任の理由だったことを明らかにした。。「私はもはや政権の政策を誠実に実行できなくなり、辞任することが義務だと感じた」と地元ミシガン州・デトロイト紙に寄稿した。外交官としての 30 年近くのキャリアを踏まえて
「米国の国益を守る唯一の道は、民主主義のために立ち上がり、独裁者に立ち向かうことだ」と強調。「あらゆる代償を払ってでも平和をというのは、本当の平和ではない」と指摘し、「純粋なる悪」であるロシアによる戦争をどう扱うかは
「私たち自身が何者かという問題だ」と訴えた。 全く彼女の主張は正しいと思わざるを得ない。
トランプが余りにもプーチンの要求をそのままゼレンスキーに押し付けるので、米国内でも騒ぎになり、 3 月 4 日の上院軍事委員会で民主党のマークリー上院議員は、「トランプ氏はロシアの工作員ではないか? 」と爆弾発言をしている。「工作員なら、今の彼の行動に納得できる」とまで言っている。動画では共和党議員は必死になって打消しをしていた。
◆ プーチンの要求をここでまとめてみると :
☆ プーチン・ロシアが 2014 年 3 月にウクライナから奪ったクリミアと、2022 年 9 月に強制併合した 4 州(ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、へルソン州)を実効支配しつづけることを認める
☆ ウクライナをNATO に加盟させない、ということである。
ゼレンスキーは、バイデン時代は、「クリミアと 4 州を絶対取り戻す ! 」と強気であった。
しかし、トランプが、完全にプーチン寄りなので、一時的には譲ってプーチンの要求をそのまま呑むことにしたのである。ゼレンスキー、唯一の要求は、「停戦後の安全を保証してくれ」である。
これは、どういうことかというと、次のようなことが考えられる :
☆ 停戦期間にロシア軍は、十分休みをとれる。
☆ ロシアの経済は復活し、再侵攻に十分な武器弾薬を確保できる。
☆ 停戦期間が終わったので、再侵攻して、ウクライナ全土を征服する。
☆ ウクライナに親ロシアの傀儡政権を作って、ゼレンスキーを逮捕し、裁判の結果有罪となりシベリア送りとなる。
(一例)
こうなったら困るわけである。 それで、「NATO 加盟がムリなのは仕方ないが、再侵攻されないよう、なんらかの方法で安全を保証してくれ」と。まさに、「最低限の要求」といえるものである。
しかし、“プーチンのポチ” 的に行動するトランプは、これを受け入れる気はない。 彼は、「ウクライナの安全は、アメリカではなく、欧州が保証するのだ」として、今後米国は関与をしないことを宣言したのだった。(2 月 26 日)
これは全く一方的な酷い話、としか言いようがない。トランプは戦っている両者に、ある時点を以て、「ストップ、そこでストップ ! 」と戦線を凍結させ(停戦させ)、その後の和平交渉はプーチンの要求に沿ってまとめ、それで世界に向かって、自分がロシア・ウクライナ戦争を停止させた ! と喧伝したいだけなのである。その後のウクライナの安全保障は、米国ではなく欧州が保証する、と勝手に決めつけてそれで済むと思っているのが全く理解できない。平和交渉がプーチンの要求に従って纏まるものならそれでよし、というのではウクライナは全くコケにされたもので、誰が考えてもウクライナが納得する筈がない、と思うだろう。しかしトランプは、自分がゼレンスキーを押さえつければそれで上手くいくと思っていたようだ。それでゼレンスキーを丸め込もうとしてヴァンスらと筋書きを描いていてのだと思われる。即ちゼレンスキーには切るカードが無い、とか自分(トランプ)がまとめるから言うことを聞け、というような高圧的な態度であったわけである。バンスも彼が正式に副大統領に就任する以前から、ロシア・ウクライナ戦争の終結はウクライナが、ロシアのルガンスク州、ドネツク州をロシアに譲渡するべきだと漏らしていたから、政権としては大筋既定の内容だったわけであろう。一方ゼレンスキーはトランプが余りにもプーチン寄りなのを分かっていても、米国の支援が無ければ将来の見通しがつかないことから、とにかくロシアが実効支配しているクリミヤやドンバスは、一時的にそれを認めるとしても、和平後外交的に取り戻すしかないと考えていたようである。それでトランプとの会談では、ウクライナの天然資源をカードにして交渉しようと思っていたのである。
ロイターが 2 月 27 日付で、「ウクライナの安全保障、米国ではなく欧州が保証」と報道し、その翌日の 2 月 28 日、トランプとゼレンスキーは、首脳会談の席で大ゲンカになり、全世界が驚愕したのであった。(プーチンだけは大喜びをしたに違いない。なんといっても、米国が支援しないウクライナではプーチンはやりたい放題ということだから。)
【B】その後の進展
◆ 4 月 20 日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ政権がロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を米政府がロシア領として承認することなどを含む戦争終結に向けた提案を行ったと報じた。
米国政府がクリミヤ半島をロシア領として承認するという。何ということだ。歴史を捻じ曲げるのも甚だしい。歴史上クリミヤ半島はどう扱われていたか。(以下)
☆ 1783 年、エカテリーナ2世時代の、ロシア帝国は、クリミア・ハン国を併合した。
☆ 1917 年、ロシア革命。
☆ 1922 年、ソ連誕生。
☆ 1954 年、クリミアは、フルシチョフ主導で、ソ連ロシア共和国からソ連ウクライナ共和国に移管された。
☆ 1991 年 12 月、ソ連崩壊。クリミアは、【独立ウクライナ】の領土になり、【ロシアもそれを認めた】。
☆ 2008 年、プーチンは、「ロシアは(クリミアも含む)ウクライナの領土を認めており、クリミア侵攻はありえない ! 」と語っていた。(証拠映像あり・ロシア語 : 北野氏)
☆ しかし、2014 年 3 月、プーチンは約束を破ってクリミアを併合した。そして今、トランプは、「クリミアがロシア領である」ことを認めるという。
◆ ウクライナは、クリミア、4州奪還も、NATO 加盟もあきらめた。しかし、プーチンは、さらに要求を出してきた。
☆ ウクライナの非武装化
☆ 政権交代である。
要するに、「ゼレンスキーを失脚させて、丸腰になれば停戦してやる」と。丸腰にさせて、その後どうするのか? 当然、停戦期間が終わったら、再侵攻してウクライナ全土を併合するつもりだろう。このよう に、「高めの要求」を出しているのは、プーチンだけである。
トランプは、「クリミア、4州の実効支配」も「ウクライナの NATO 非加盟」も受け入れた。そして今回は、「クリミアをロシア領と米国が認めるから、停戦に合意してくれないか? 」と、プーチンにお伺いを立てている。 どうなっているのだ ?
あまりにもトランプの「ポチ化」がひどいので、一部の米国上院議員は、前述のように、「トランプは、ロシアの工作員だ」と確信しはじめている。さすがに主要国の大手メディアは黙殺を決め込むだけである。論評のしようがないのとまともに取り上げる気も起きないのであろう。
◆ プーチンのさらなる要求
トランプは、ウクライナへの支援を停止し、プーチンの要求を受け入れさせれば、「アッ」という間にウクライナ戦争を終わらせることができると考えていた。そして、ゼレンスキーは、プーチンの要求を受け入れざるを得なかった。仕方がないことだった。天下のアメリカ合衆国の大統領は、プーチンに一言もいいかえせない男なのだったから。
ところが、これで停戦とはならなかったのである。トランプが、100%従順であることを理解したプーチンは、さらに高めの要求を出してきた。曰く、「危機の根本原因を除去しなければならない」。「危機の根本原因除去」とは何か? それは :
☆ ネオナチ・ゼレンスキーは大統領を辞めなければならない
☆ ネオナチ国家ウクライナを非武装化しなければならない
☆ アメリカだけでなく、欧州もウクライナへの支援を止めなければならない
要するに、「ウクライナを丸腰にしたら停戦してやる ! 」と。では、停戦期間終了後、プーチンは丸腰のウクライナをどうするつもりなのか? 当然、楽々とウクライナ全土を制圧するつもりであろう。
停戦交渉は⾧引き、プーチンの「ポチ」的行動をつづけるトランプも苛立ってきた。
テレ朝ニュース・4月 26 日付。『トランプ氏「戦争止める気なく私をうまくあしらっているだけか」とプーチン氏を批判』(以下)
◆ トランプ・ゼレンスキーのヴァチカン会談
〈アメリカのトランプ大統領はロシアのプーチン大統領が戦争をやめたいと考えているのか疑問だとし、ロシアへの追加制裁の可能性を示唆した。
フランシスコ教皇の葬儀に参列するためバチカンを訪れていたトランプ大統領は 4 月 26 日、ウクライナのゼレンスキー大統領と短時間の会談を行った。会談の内容は明らかにされていないが、もしかしたら、米・宇の資源協定締結の話が出たのかもしれない。
トランプは会談後、自身の SNS に投稿し、ロシアがこの数日間にわたってウクライナの都市をミサイルで攻撃していることに「正当な理由はない」としたうえで、プーチンについても「戦争を止める気がなく、私をうまくあしらっているだけではないか」と批判した。〉』 というのである。
トランプは「プーチンは戦争を止める気がなく、私をうまくあしらっているだけ・・・」と言い、そして、大ゲンカしたはずのゼレンスキーと、バチカンで仲良く会談した。何かこれまでと違った考えがトランプの頭中に湧きおこり、何かが変わりつつあったようだ。
4月 30 日、それまで 2 か月間ほどの断絶があった米国・ロシア鉱物資源協定について、米財務省は声明を通じて鉱物協定の合意を発表し、「今回の経済パートナーシップにより、両国の資産、人材、能力を活用してウクライナの経済回復を加速させるための協力と共同投資が可能になった」と述べた。また、「ロシアの全面侵攻以来、米国民がウクライナ防衛に提供した重要な財政的・物質的支援が認められた」と強調した。これまで停戦交渉を理由にロシアのウクライナ侵攻の認定を避けてきたトランプ政権が、ロシアの侵攻を公式に言及したことになる。プーチンは焦ったことだろう。トランプがこれまでのロシア寄りの態度を変えればロシアも交渉方針にも影響が出ることだろう。
◆ 執念のゼレンスキー
ゼレンスキーは5月 10 日、ウクライナの首都キーウで、イギリス、フランス、ドイツ、ポーランドの首脳と会談。5か国の首脳は、
「30 日間の無条件の停戦」を5月 12 日から始めることで合意した。そして、ロシア側にも 30 日間の停戦に応じるよう強く求めた。この話には、三つの重要ポイントがある。
☆ ポイント 1、ロシアがが停戦に応じない場合、大規模な制裁を科す
☆ ポイント 2、ロシアが停戦に応じない場合、ウクライナへの軍事支援を強化する
☆ 最重要のポイント 3 は、5 か国の首脳はトランプと電話会談し、トランプもこの案を承認したということである。
困ってしまったのはプーチンであった。トランプが反対側についてしまったのだ。形勢逆転である。
トランプに本性を悟られてしまったプーチンは、焦った。彼が一番恐れているのは、制裁強化ではない。制裁にはこれまで十分耐えてきている。それは米国がウクライナへの大規模支援を再開してしまうことである。で、どうしたか ?
4 月 11 日、プーチンは、「ウクライナとの直接交渉を再開する」「いかなる前提条件もつけない」
「5月 15 日、トルコのイスタンブールで直接交渉をはじめよう」と提案した。
これは、何を意味するか ? プーチンは、戦場ではロシアが有利なので、30 日の停戦をしたくない。しかし、ただ拒否すれば、欧米は大規模な追加制裁を科し、ウクライナへの軍事援助を増やす。これも困る。そこで、別の「大胆な提案」をしたのだ。
それが、「(停戦はせずに)ウクライナとの直接交渉再開」である。プーチンは、ゼレンスキーが、「まず 30 日の停戦をすることが大事だ。30 日の停戦期間中に直接交渉を再開しよう」ということを期待していたわけである。すると、「やはりゼレンスキーは、真の停戦を望んでいない。だから直接交渉を拒否した」とアリバイ作りができる。ところがゼレンスキーは、「今週木曜日、トルコでプーチンを待つ ! 」と宣言したのである。困ったことになってしまった。
プーチンは、非常に暗殺を恐れている。そのため彼は、外国に行くとき、いつも「マイ水筒」「マイカップ」を持ち歩いている。 2019 年 6 月に大阪で行われた G20 首脳会議(サミット)の夕食会の映像で、プーチンが自分専用のマグカップを持参して飲み物を飲んでいる姿が確認され、ソーシャルメディア上では、20 年近く政権を握っているプーチン大統領が被害妄想にとらわれているのではないかとのジョークや臆測が飛び交った。
プーチンにとって、ゼレンスキーに会うことは、「ものすごい恐怖」である。なんといっても、プーチンのせいで、数えきれないほどのウクライナ国民が亡くなっているのだから。それで、トルコに行かない可能性が高い。そもそもトルコに対して、会議の場を提供してほしいなどとも頼んでもいないのである。自分で提案しておきながら行かなければ、大恥をかくことになってしまう。
しかし、国内では恥をかかない。ロシア国内では、「プーチンさまはあまりに偉大なので、ネオナチのコメディアン・ゼレンスキーと会うことは許されない」とプロパガンダできるからである。という感じで、プーチンとゼレンスキーの「緊迫したライアー(嘘つき)ゲーム」 がつづいていた。
プーチンは、そもそも「ウソをつくのが仕事」の KGB エージェントだった。そして、KGB の後継機関 FSB の⾧官まで昇りつめた、「筋金入りのウソつき」なのである。
そのことは、安倍総理を 8 年間見事にだましつづけ、北方領土を返還せずに、日本から 8 項目の協力プランを
勝ち取ったことで証明されている。最後には「2 島返還してほしかったら日米安保条約を破棄せよ」と言いたい放題の限りであった。
一方ゼレンスキーは、お笑い芸人出身だから、プーチンから見たら、「ナイーブな子供」のような男だっただろう。しかし、彼
は、3 年間の戦争で、ウソと裏切りだらけのこの世の現実を理解していた。「勝つまで支援しつづける」と約束したアメリカは、大統領が代わるとあっさり裏切る。鍛えられたゼレンスキーは、プロの嘘つきプーチンと渡り合うことができるのだろうかか?
◆ 予想通り、プーチンはトルコに行かなかった。 その代わり、5 月 16 日 トルコのイスタンブール で、ロシア・ウクライナ高官級会議が開かれた。ロシア代表団トップのメジンスキー大統領補佐官は、協議後の国営テレビのインタビューで、今後も協議には応じるが、ウクライナが求める一時停戦には否定的で、戦闘は継続されるとの見通しを示した。
ウクライナとロシアの高官たちは、何を話したのか?
『時事』5月 17 日。〈ウクライナのメディアは 16 日、英ジャーナリストが関係筋から得たという情報を報じた。それによれば、ロシア代表団は「停戦の条件」として、ロシアが一部を占領する東・南部 4 州からのウクライナ軍撤退を要求した。さらに北東部ハルキウ、スムイ 2 州も軍事制圧すると脅した。〉4州だけでは満足せず、後2州を制圧するという。
そもそも、親プーチン派の人たちは、「プーチンはルガンスク州、ドネツク州のロシア系住民を救いたいだけだ ! 」と主張していた。では、なぜプーチンは、全然関係のないザポリージャ州、ヘルソン州を併合したのか? なぜ、全然関係ないハルキウ州、スムイ州を併合すると脅すのか?
〈ロシア代表団を率いるメジンスキー大統領補佐官は「われわれは戦争を欲しないが、1~3 年でも必要なだけ戦える」とも強調。「(18 世紀の大北方戦争で)スウェーデンと 21 年間も戦った。(ウクライナは)どれだけ戦えるのか」と威嚇したという。〉
これが、メジンスキーの個人的意見なはずはありえない。当然プーチンの考えを代弁しているわけだ。私たちが理解しなければならないこと。北方領土が戻ってこないのは、プーチンがそれを望んでいないからである。彼は 2018 年、「4島返還」をあきらめ、「2島返還」に譲歩した安倍総理に対し、【2島返して欲しければ、日米安保を破棄しろ ! 】と突っぱねた男なのだ。
同じようにウクライナ戦争が終わらないのは、プーチンがそれを望んでいないからである。ナイーブなトランプは、「プーチンの要求を丸のみすれば、24 時間でウクライナ戦争は終わる ! 」と考えていた。しかし、プーチンは、安倍総理を侮辱したように、トランプを侮辱し、呑めない要求を出してきた。私たちが知らなければならないのは、プーチンの本質なのである。
◆ 5 月 18 日 ゼレンスキー、米バンス副大統領らと会談。 2 月の口論以来初めて。
新しいローマ教皇の就任を祝うミサに出席するため、バチカンを訪れていたゼレンスキーが、5 月 18日ローマで、米国のバンス副大統領やルビオ国務⾧官らと会談を行ったと明らかにした。バンス副大統領との会談は、2 月にホワイトハウスで激しく口論となって以来で、ゼレンスキーは「良い会談だった」と評価した。また、16 日にトルコで行われたロシアとの直接交渉について、「ロシアが提示した停戦条件は非現実的だ」としたうえで、「完全で無条件の停戦に合意させるには圧力が必要だ」と述べて、ロシアへの制裁強化を求めたという。
ウクライナとアメリカとの経済連携協定についても議論し、防衛と貿易分野での新たな協力を提案する書簡をトランプ大統領宛てに送ったと明らかにした。
19 日には、トランプがロシアのプーチンと電話会談を行うほか、ゼレンスキーとの電話会談も予定されている。
◆ ローマ教皇レオ 14 世は 5 月 18 日、バチカンでウクライナのゼレンスキー大統領と面会した。ウクライナ大統領府によると、ゼレンスキーは教皇就任を祝福した上で、ロシアのウクライナ侵攻を巡り「教皇庁が戦争終結に重要な役割を果たせる」と期待を示した。ゼレンスキーは教皇庁が両国の直接協議を仲介する意向を示していることに謝意を伝えた。教皇は可能な限りの支援を約束したという。
◆ 5 月 19 日 トランプとプーチンが電話会談。トランプとロシアのプーチンが日本時間 19 日深夜、電話で会談した。ホワイトハウス関係者が明らかにした。ロシアとウクライナの直接協議が不調に終わった中、トランプには早期停戦に向けた糸口を探る狙いがある。プーチンが譲歩する可能性は低く、米露首脳の直談判が局面打開につながるかどうかは不透明だ。
米CNNによると、トランプは2か月ぶりとなる米露首脳の電話会談に先立ち、ゼレンスキーとも電話で会談した。トランプは、プーチンとの会談後にゼレンスキーと話すと説明していたが、まずはウクライナ側の主張を改めて確認した上で、プーチンとの直接協議に臨んだ形となった。
トランプは、プーチンとの会談について、「ロシアとウクライナの兵士が命を落としている『流血の惨劇』を止める」ことが目的だと強調していた。対露制裁強化も示唆しつつ、早期停戦を改めて呼びかける、とみられる。キャロライン・レビット大統領報道官は19日、会談直前の記者会見で、「トランプ氏は、(ロシアとウクライナの)双方に疲れ果て、いら立ちを募らせている」と語った。
ロシアとウクライナは16日にトルコで3年ぶりに高官級協議を開き、1000 人規模の捕虜交換に合意したが、停戦に向けた進展はなかった。露側は一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州などの領土に固執する姿勢を崩していない。
タス通信などによると、露大統領府の報道官は19日、電話会談に先立ち、ウクライナ侵略の露側の呼称「特別軍事作戦」について、「ロシアは目標を達成する」と記者団に述べた。「もし米国の仲介で平和的手段が目標達成に役立つなら、ロシアはそれを望む」とも語った。露側の主張は変わらず、譲歩の余地が少ないことを示唆した。
トランプの17日のSNS投稿によると、トランプは19日、ゼレンスキーを交えて北大西洋条約機構(NATO)諸国の首脳らとも電話で協議する予定だ。
◆ トランプは 19 日、ロシアのプーチンとウクライナ戦争停戦について電話協議した。「1 日で戦争を終わらせる」と自信満々だったトランプ。なぜ、トランプでもウクライナ戦争を止められないのか? プーチンは協議後に「重要なことは危機の根本原因を取り除くこと」と改めて主張し、現状の案を否定した。
プーチンは「全体として非常に有益な協議だった」、トランプは、「非常にうまくいった」、と交渉が進展したように語っていたが、具体的な進展は見られていない...
3月に行われた協議でプーチンは、アメリカの停戦案をあっさり拒否している。先日(5月19日)に行われたプーチンとの電話会談でも停戦の合意はできず...当初のトランプの威勢と期待感とは裏腹に、就任から 3 ヶ月以上経っても、まだウクライナ戦争が停戦する様子はない。
「電話 1 本で終わらせる」「就任前に終わらせる」と、あれほど自信満々だったトランプも、今では「6ヶ月はほしい」、「アメリカは手をひく」と弱気になってしまっている… なぜ、あのトランプでもここまで停戦に苦戦しているのか?
関税の見直し、政府機関の解体、移民政策の強行など、”めちゃくちゃだ”と言われる改革は猛スピードで進めているトランプ…にもかかわらず、なぜ“ウクライナ戦争”だけが、止められないのか?
◆ 2025年5月21日
【西側パニック ! 】ロシア制裁チラつかせたトランプ、まさかの「手のひら返し」...極秘電話会談後立場大転換 ! ロシアへ制裁圧力をかけると思いきや、突如プーチンに譲歩の姿勢!「一歩前進して十歩後退」欧州各国が落胆・・ 「一歩前進したかと思えば、二歩、いや十歩も後退したようなものだ」ある欧州外交官は語った。
19 日(現地時間)、アメリカのトランプとロシアのプーチンが行った電話会談が、ウクライナと西側諸国に大きな失望感をもたらしたと報じられている。
わずか数週間前、トランプはロシアに対して「30 日間の停戦に応じなければ強力な制裁を科す」と強く警告し、ウクライナ側に期待を抱かせていた。しかし、プーチンとの約 2 時間にわたる電話会談後、そうした強硬姿勢は影をひそめ、むしろ「戦争が終結すれば経済協力を進める」と、ロシアに歩み寄る発言を見せた。
さらに、トランプは「交渉が進展しなければ自分は身を引く」とも述べ、中立的な仲介役からの後退を示唆。これがウクライナや西側諸国の不安をさらに煽る結果となった。
◆ プーチンの口車に乗せられた」との批判も
今回の電話会談は、⾧らく停滞していた和平交渉における転機になるとの期待があった。先月にはウクライナが米国との友好関係の下で鉱物協定を結び、さらに今月にはウクライナとロシアの代表団がイスタンブールで約 3 年ぶりに直接会談するなど、対話ムードが高まっていた。
しかし、今回の会談を受けて、その希望が消えたとの見方が広がっている。欧州の外交官はロイターの取材に対し、「トランプは欧州首脳との会話では無条件の停戦と制裁強化に同意していたが、プーチン大統領との通話後には明らかに立場を変えた」とし、「彼を一日以上信頼するのは無理だ。ウクライナに関心があるようには見えない」と本音を漏らした。欧州連合(EU)や英国はこの結果に失望し、新たな対ロ制裁を発表したものの、米国の足並みが揃わなければ効果は限定的であるという指摘もある。
◆ プーチン、実質的譲歩なしで時間稼ぎに成功
専門家の間では「プーチンが実質的な譲歩をすることなく、時間を稼ぐことに成功した」と分析されている。
英シンクタンク「チャタム・ハウス」のウクライナ専門家、オリシア・ルツェヴィッチ氏はロイターの取材に対 し、「プーチンは外交的引き延ばし戦術を使って戦場で優位に立ち、欧州諸国の結束を妨げている」と指摘した。
プーチンは電話会談後、「将来の平和協定に向けた覚書の作成をウクライナと共に進める準備ができている」と発言したが、具体的な停戦合意には至っておらず、単なるポーズだとの批判が出ている。覚書では何とでも書けるし、拘束力に欠けるのだ。プーチンに停戦の覚書を作る用意があると逃げられた今日、ある川柳子がさっそく一首を発表していた。
『<仲介座礁 : 「トランプ氏停戦仲介匙投げる」>
<注釈>: プーチン氏に停戦の覚書を作る用意があると逃げられた。制裁強化にも踏み切れず露ウ折衝に丸投げだ。 トランプ氏の力及ばずだな。』 全く言い得て妙だ、と思わずにはいられない。
◆ ロシアの政治アナリスト、セリーヒ・ソロドキー氏はドイツの公共放送 DW に対し『トランプ大統領がクレムリンに圧力をかける意思がないことが明らかになった」と語った。また「ロシアはトランプ大統領の弱点を見抜いている」との分析も出ている。キーウ国立大学のイーホル・レイテロヴィチ教授は DW に対し、「トランプ大統領は核保有国ロシアに対して非合理的な恐怖心を抱いており、ロシアの情報機関は彼の心理を徹底的に分析し、彼の心理を巧みに操っている」と語った。』
◆ 再逆転
トランプ・アメリカは、ウクライナ戦争の仲介役を事実上放棄するということであるから、プーチンは、大喜びだ。 なぜ ?
5 月 10 日、プーチンは、追い詰められていた。というのも、ウクライナ、イギリス、フランス、ドイツ、ポーランドが、「5 月 12 日から無条件で停戦しろ ! 」と要求してきていた。
そしてロシアが停戦しない場合、
☆ ロシアに大規模追加制裁を科す !
☆ ウクライナへの軍事支援を強化する !
☆ そして、トランプ・アメリカも、この案に同意していた。
ところが 5 月 19 日、プーチンは、トランプと電話で会談し、「平和条約に関する覚書を提案し、協力する用意がある」といった。つまり、「何もしないよ」と。これを聞いたトランプは、「これからはロシアとウクライナでやってくれ」と。
えー?
「30 日の無条件停戦は? 」
「ロシアに対する大規模追加制裁は? 」
「ウクライナに対する軍事支援は? 」
これらすべてうやむやにされてしまった。再逆転である。一体どうなってるん
だ・・・ ! ?
トランプは、ナイーブな大統領なのか? それとも、オレゴン州選出のジェフ・マークリー上院議員が断言しているように、「ロシアの工作員」なのか?
もう全く分からない。しかし、はっきりわかるのは、偉大なアメリカ合衆国の大統領・トランプは、プーチンの「ポチ」のごとく、行動しているということは確かなのだ。まるで何か、プーチンに弱味を握られているかのように・・である。
(ちなみに、トランプは 185 か国に相互関税を課した。しかし、プーチンのロシアには、相互関税を課していない。)
「制裁で、そもそも取引がないのでは? 」という人もいる。しかし、2024 年、米ロの貿易額は、35 億 3,400 万ドルだった。制裁下でも、貿易は行われているのである。
◆ ロシアとウクライナが来週バチカンで実務者協議か フィンランド大統領が明らかに。
テレ朝 news 5 月 22 日 ウクライナでの戦闘停止に向けたロシアとウクライナによる実務者協議が来週(5月最終週)にもバチカンで行われる可能性があるとフィンランドの大統領が明らかにした。
フィンランドのストゥブ大統領は 21 日、地元メディアの取材にロシアとウクライナの実務者による協議が来週、バチカンで続く可能性が高いと述べた。
また、ストゥブ大統領は、アメリカは事態を解決するための仲介者としての役割を放棄しておらず、欧州も停戦と和平に関する協議に前向きな姿勢を示していて、状況は好転しているとの見方を示した。
一方、ロイター通信は停戦協議についてバチカンは沈黙していて、交渉の見通しは不透明だと報じている。
ロシアとウクライナは先週、トルコで 3 年ぶりに直接協議を行ったが、隔たりが大きく、大きな進展にはつながっていない。
【E】 感想
◆ 大統領就任以来、トランプ政権は猛スピードで突き進んでいるが、それはもう爆走というより、暴走に見える。その打ち出す政策の数・量の多さ、実施のスピードの速さ、政策が米国や世界にもたらす影響の大きさ、メディアや関連組織による非難・反対の大合唱、などから、制御不能になった大クルーズ船のような感じである。「アメリカファースト」を掲げ、MAGA をスローガンに革命的な改革を成し遂げようとしているが、世の中は政権側に都合よく押しつぶされるグループだけで成っているばかりではない。反対側、抵抗グループも巨大で数多いのだから、当然の軋轢が生じている。そこのところを過小評価して、大統領令を連発して、力で捻じ伏せようとしてもかえって相手側に猛烈な反発力を生み出してしまうことも多い。
手近な例では、ハーバード大学への干渉で、留学生締め出しを図ろうとしているが大学や社会の猛烈な抵抗に遭っている。中国(中共)が覇権を握ることは絶対許さないとして、中国にプラスなことは米国にとってはマイナスとばかりに、中国留学生を締め出すのが目的のようであるが、学問というものには国境がないと言われるほど知的世界の営みであり、学問の自由というのはどこの民主主義国家でも原則として共有しているから、トランプの世界観とは馴染まない。
トランプの世界観というものは、文字どおりアメリカファーストであり、他者には構っていられない、(=どうでもよい)また
MAGA 実現のためには、力(軍事力、金権力、覇権力による権威主義)等で捻じ伏せてでも実行する、というものである。つまり全くの自己中心的、利己的な世界観である。そんな考え、やり方で世界に対して Executive Order(E/O,大統領令)を発出するものだから、世界中が悲鳴を上げ、非難し、抵抗している。なぜ米国(トランプ)だけが国際秩序を逸脱してそんなことができるのか? 他の国はなぜそんなことを許すのか? それは米国が世界一のマーケットを持っていること、世界一の強力な軍事力を持っていること、世界一のハイテク技術を持っていること、世界一(に近い)エネルギー資源を持っていること、で要するに世界の覇権を握っているからできることなのである。つまり米国に逆らう国は惨めな状況に追い込まれて国家運営が苦しくなることが自明であることから、逆らうよりは協調してうまくやって行こうということになり、妥協せざるを得ないのである。トランプにとっては全くカタルシスであろうが、強制される方はたまらない。
その中でも世界に対して一番大きな影響を与えたのは、各国に対して相互関税をかけたことであろう。トランプには、
「関税は米国経済を活性化させる上での有効手段だ」という信念がある。そして今、大統領の座を賭けて、それが正しいと示そうとしている。4 月 2 日に世界 185 ヶ国への相互関税をかけるということで世界中の各国首脳や金融界、企業経営者は、完全にトランプに振り回された。一率 10%の関税をかけ、更に国ごとに、米国との貿易収支の内容によって 40~50%、中には中国のように 145%前後の追加関税をかけるというものであった。しかしその内容は二転三転し、課税対象項目が変更になったり、課税開始時期も 90 日間の延⾧になったりと、トランプ陣営の場当たり的な動きが世界をさらに混乱に陥れた。それに伴い株式市場の乱高下も激しく、連日にわたってニューストップを占めていた。
この問題は現在でも進行中で、日本も赤沢経済再生担当大臣が、3 回も渡米して日本の立場を説明している。関税対象から外してくれという内容や、個々によっては承諾せざるを得ないというものもあるだろうが、そういったことを185 ヶ国に対して行うのでは、そのコストも莫大なものになるだろう。しかしトランプはコストの方には一言も触れない。米国にとって良い面だけを強調しているだけである。それは DOGE による諸政府関連機関解体についても同じで、節約される人数や金額には触れても、解雇される何千人の人がどうなるかは触れていない。この大量の人たちが、中国に再就職先を得て、トランプ憎さのあまり機密書類とか情報を漏らしたらどうなるだろうか ? コスト云々どころではなくなってしまうだろう。香港では早くもハーバード大学のスタッフや学生を受け入れたいと言っている。
しかしながらトランプのやり方で不思議に思うことが一つある。それは、関税の見直し、政府機関の解体、移民政策の強行など、”めちゃくちゃだ”と言われる改革は、他人の思惑などは無視して猛スピードで進めているトランプ…にもかかわらず、なぜ“ロシア・ウクライナ戦争”だけが、止められないのか? トランプは三つの段階を経て、露・宇戦争の仲介を放り出してしまった。
◆ 2月28日にホワイトハウスでゼレンスキーとの会談で、ゼレンスキーに全面的にロシアよりの仲介案で承諾するよう強要したが、ゼレンスキーが承諾せず大喧嘩になった。挙句、ゼレンスキーが持ってきた鉱物資源協定案も署名されず、会談は決裂し、ゼレンスキーは追い返された。
◆ 4月26日バチカンを訪れていたトランプは、大喧嘩したはずのゼレンスキーと短時間の会談を行った。トランプは会談後、自身の SNS で、ロシアがこの数日間にわたってウクライナの都市をミサイルで攻撃していることに「正当な理由はない」としたうえで、プーチンについても「戦争を止める気がなく、私をうまくあしらっているだけではないか」と批判した。トランプにもプーチンに対する疑惑が大きくなってきたようであった。そして、そんな中 4 月 30 日には米財務省は声明を通じて鉱物協定の合意を発表し、「今回の経済パートナーシップにより、両国の資産、人材、能力を活用してウクライナの経済回復を加速させるための協力と共同投資が可能になった」と述べた。
◆ 5月10日、プーチンは、ウクライナ、イギリス、フランス、ドイツ、ポーランドから、「5 月 12 日から無条件で停戦しろ ! 」と要求され、追い詰められていた。そしてロシアが停戦しない場合、
☆ ロシアに大規模追加制裁を科す !
☆ ウクライナへの軍事支援を強化する !
☆ そして、トランプ・アメリカも、この案に同意していたことを知らされていた。。
◆そして5月19日のトランプ・プーチン電話会談後、トランプは「もう米国は関与しない。後はロシア・ウクライナで決めてくれ」と丸投げしてしまった。その上に前記 4 ヶ国と同意していた、「ロシアに大規模追加制裁を科す ! もウクライナへの軍事支援を強化する」 もうやむやになってしまった。奇怪なことである。
◆ 5月20日 「停戦を信じたのに…」 ゼレンスキー大統領がトランプ大統領の“変節”に深く失望、ロシアとの和平は霧の中へ (ウオール・ストリート・ジャーナル)
『トランプ大統領は 19 日にプーチン大統領と 2 時間の電話会談を行った後、ロシアの主張に理解を示すような発言を行い、当初掲げていた「無条件停戦」から一歩後退した。バチカンの仲介参加を示唆する一方、当事者同士が合意に達しなければ介入は控える考えも明らかにした。』
また、『ロシアが停戦案を拒否したにもかかわらず、トランプ大統領は制裁に踏み切らず、「今は制裁よりも対話の余地を与えるべきだ」と周辺国に伝えていたと「ロイター」は報じた』。
米国が一歩引いたことで、ウクライナは欧州に対し対ロ追加制裁の要請に舵を切った。ゼレンスキーは 20 日から 21 日にかけて EU 主要国の首脳と連続して電話協議を行い、資産凍結の拡大やロシア産原油の購入者に対する二次制裁の導入を提案している。
近頃こんなに後味の悪いニュースは聞いたことがない。プーチンとの電話会談で何が話し合われ、トランプは仲介を丸投げしてしまったのだろう・・? でも本当に丸投げしてしまったのだろうか・・?
フィンランドのストゥブ大統領は「アメリカは事態を解決するための仲介者としての役割を放棄しておらず、欧州も停戦と和平に関する協議に前向きな姿勢を示していて、状況は好転している」と、と言ってるのは何を根拠にしているのだろうか ?
私は 4 月の「序文」でも触れたが、トランプの各種施策のうち、経済、外交(安全保障)、組織、科学、医学(公衆衛生)、インフラ構築等幾つもある中で、露・宇停戦交渉の仲介ではトランプは被害者のウクライナに圧力をかけるばかりで、加害者のロシアには圧力をかけないばかりか迎合している上に、ゼレンスキーを口汚く罵るのが不思議でならなかった。辞任したブリジット・ブリンク氏が、『「米国の国益を守る唯一の道は、民主主義のために立ち上がり、独裁者に立ち向かうことだ」と強調し、「あらゆる代償を払ってでも力による平和を、というのは、本当の平和ではない」と指摘。「米国の国益を守る唯一の道は、民主主義のために立ち上がり、独裁者に立ち向かうことだ」』 と強調したのが強く心に残った。
◆ もしトランプがウクライナはどうなっても良い。どんなに多くのウクライナ人がロシアのミサイルで爆撃され、無辜の市民が死んでも、また主権国家が滅びてロシアに併合されても、米国は関係ない。そもそも米国はヨーロッパからは遠い。欧州各国がウクライナの面倒を看るならそれで構わない。と思うなら完全に、トランプは米国大統領として失格である。アメリカファーストは良い。しかし世界に冠たる覇権国家アメリカでなければならない。米国だけが栄えて同盟国や友好国が衰退する世界は MAGA とは程遠い。基軸通貨を守り、正統な政策で貿易赤字を減らし、世界にリスペクトされるアメリカでなくてはならない。さもなくば MAGA は M.A. Greedy、Always! (いつも自分だけ良ければそれでよい ! )ということになろう。そうなったらそれは大統領・トランプのせいである。
◆ 私がトランプの行動原理や大統領としての資質に疑問を持ったのは、一つはこれまで述べてきた上記ロシア・ウクライナ戦争の仲介の仕方が全くプーチン寄りで、ウクライナ国家に対しても、同国民に対しても一片の正義の発露や、人間(大統領)としての理解・寄り添いがないことである。単純に言えば、ウクライナのことはどうでもいいと思っているとしか考えられない。米国からは遠いし、これまで米国との国家的紐帯は殆どないし、全く他人事としか思っていないようである。戦争が嫌いな大統領とよく言われるが、それは罪のない市民が大量に殺されるから、とか国民生活が破壊され、社会・国が崩壊 するからと所謂人道的な面から戦争を否定しているわけでは決してない、ということがよく分かった。単純に言えば戦争は莫大な出費がかかり、米国民が大量に死ぬ(可能性がある)。帝国主義時代と違って戦争に勝っても米国領土が増えるわけでもない。儲からないのだ。その観点から自国が絡む戦争はしたくないということだろう。他国同士の戦争なら仲介はしてやろう。成功すれば 「さすがトランプ ! 」と自分の評価が上がるからだ。しかし仲介の内容は一番簡単な方法が良い。それにはどちらか、戦局を有利に進めている方、或いは将来米国にとって重要な国の方の主張・条件で進めるに限る、ということではないだろうか ? 米国にとって重要ではない国或いは、力関係で弱い方なんか支援しても意味がない、とでも思っているかのようである。そんな国の方はどうでもよいというわけである。これがアメリカファースト、MAGA の裏の面(実体)なのだ。要するに自分だけ、米国だけが良ければそれでいいのだ。
もう一つの、トランプに対して疑念を持ったことはガザを米国が取得して、そこに中東のリビエラ並みのリゾートを開発したいと考えていることだ。今でもこの考えはトランプ一流の大風呂敷を広げたもので、実現の可能性は殆どないのでは・・? と
思いたいのだが、どうもそうではなく本気で思っているようである。この中東のリビエラ計画は住民全員をガザから追い出してしまうというもので、100 万人ほどの住民は周辺国に移住させるというもの。リビエラ計画の何が問題なのかと言うと、イスラエルはパレスチナ全域で、2 国家共存という国連決議でも支持されている決定をハナから無視して、この地域全体を自国領として、大イスラエル国家を作り上げたいという野望を持っているので、ハマス殲滅をこの機に乗じて完了するべく病院、学校、住宅、難民キャンプなどを徹底的に攻撃破壊してきた。ネタニヤフ首相はその先頭に立って、世界の非難・反対にも頑として引かず、トランプも黙認に近い状態でこれまで来ている。イスラエル軍は、ハマス(の兵士)は住民の中に隠れていると喧伝して病院でも住宅でも情け容赦なく破壊して、多数の死傷者を出しているのだ。まるで民族浄化を図っているかのごときである。トランプはなぜこれを止めないのだ。彼がその気になれば、ネタニヤフを止めることはできるのにである。トランプが確とした意思があれば、とっくにネタニヤフを止めていた筈だ。思うにトランプもネタニヤフに同意しているのではないか? トランプにとってはパレスチナ人が大量に虐殺されようがどうでもいいのではないか? トランプにとっては、米国と特別な関係にあるイスラエルの方がよほど大事で、イスラエルを支援することで、中東における橋頭保としてアメリカのプレゼンスを維持したいのであろう。
イスラエルの「100 万人入植」計画によれば、過去保留されていた数千ヶ所の入植地が承認されることになり、将来もそのような侵食を続けることだろうから、いずれはパレスチナ国家存亡の危機に陥ることだろう。これまたトランプがパレスチナ国家、国民などどうでもよいと考えている証左ではなかろうか ?
これら 2 点の問題(露・宇停戦調停とガザの人権問題)の深刻さは、トランプの米国だけが良ければあとは(儲からない限りは)どうでもよい、というのでは米国大統領も地に堕ちたものである。トランプの大統領としての資質、人間性が明からさまに出ていて、全く情けない。
◆ 今後の見通しはどのように進むのだろうか? フィンランドのストゥブ大統領の言うように、トランプはまだ仲介の役割を放棄していないのだろうか? 英・独・仏・ポーランド・ウクライナは米国抜きでもまだやり抜こうという気概を持っているだろうか? 英国・スターマー首相がトランプをどのように説得するか、それができるか、説得出来なければそれで一巻の終わりだろう。プーチンの完勝である。
◆ またさらに 5月22日、とんでもないニュースが飛び込んできた。時事通信によると、ドイツは、リトアニアに独軍 5000 人規模を派遣するという。4 月から既に 200 人が常駐しているという。独軍が単独で国外に大規模部隊を常駐させるのは第2次大戦後初めて。NATO と連携し、脅威を増しているロシアに対する抑止力を高めるという。同日リトアニア首都ビリニュスで、同国に常駐する旅団の発足式典を行った。メルツ独首相は式典で「いかなる侵略者からも欧州の自由を守る。NATO はドイツを頼ることができる」と強調した。リトアニアのナウセーダ大統領が立ち会った、とのことである。
NATO 事務総⾧のルッテ氏にとっては NATO 拡充の心強い味方が現れたというころう。しかしメルツ首相の真意はどこにあるのだろう。プーチンはウクライナを骨抜きにした後は、バルト 3国に侵攻するというのは大方の予想であるからして、もしそうなった場合、ロシアとドイツの衝突が起きるのは大いに可能性がある。そうなれば第 3 次大戦は仮定の話ではなくなってくる。
ドイツのリトアニア常駐はすごいニュースであるが、何か胸に一抹の危惧・不安がよぎる。なぜか ? それはロシアとドイツの関係は、メルケル時代は積極的にロシアと関係深化を図って何事も無かったが、本来ロシアとドイツは第二次大戦以来緊張した関係なのである。大祖国戦争(独ソ戦)でロシアはドイツを退け、ドイツはその後スターリングラードの戦いで破れて、敗戦に繋がっていくのだがこの大祖国戦争は世界で最も悲惨な戦争とまで言われ、共産主義とナチズム(ファシズム)のイデオロギー戦争ともいわれた。共産主義が勝ってその優位性を示したものとして、両国の間には今も「不倶戴天の敵」という意識があると言われる。胸がざわつくのは当然のことだろう。
リトアニアは EU にも NATO にも加盟していて、地勢的にはベラルーシを挟んでロシアと対峙している。ロシアから見れば、たとえウクライナにロシアの領土を獲得しても目と鼻の先の NATO加盟国・リトアニアに独軍が常駐していては全く気が抜けないであろう。何事も起こらないよう願うばかりだが、いつまでそんな状態が続くのだろうか・・?
そんなことを考えると、益々もって混迷の度合いは大きくなるばかりである。
大国のエゴに振り回され、国際政治の中で鍛えられたゼレンスキーは、プロの嘘つきプーチンと渡り合うことができるのだろうか ? 目が離せない。
◆ 4月30日、トランプはウクライナとの間で、同国の天然資源の特別な権益を米国に認める協定に署名した。2 月 28 日のホワイトハウスでの会談ではトランプの強圧的な態度と一方的なプーチン寄りの停戦条件のため、最後は大喧嘩となり世界中を驚かせたものだった。その時にゼレンスキーが拒否した米ウ鉱物協定の初期案は、今までアメリカが行ってきた搾取と比較しても、とりわけ露骨な資源略奪だった。同案では、ロシアの攻撃から守る見返りとして、アメリカにウクライナの領土と資源に関する主権を譲渡することが求められていたのだ。その案はウクライナに対して極めて搾取的で、かつ天然資源の所有権は自国民にあると規定するウクライナ憲法に違反していた。この案をゼレンスキーが受け入れれば、国民からの強烈な反発は避けられなかっただろう。
しかし新協定は、初期案と比較すればウクライナの戦略的および(将来の)商業的な勝利と見なすことができる。
まず、この新協定は初期案より公正で、ウクライナの短期的・中期的な利益と合致している。実際、ゼレンスキーは新協定を「対等なパートナーシップ」で、ウクライナの近代化を推進するものとしている。
米ウ両国が管理する復興投資基金も設立される予定だ。この基金に、ウクライナは将来的な重要鉱物や石油・ガス資源の開発による収入の 50%を拠出する。一方、アメリカは軍事支援や技術移転といった形で基金に「出資」することが想定されている。
他にも、ウクライナは自国の天然資源および国営企業の所有権を保持できる。開発に関わるライセンス契約も、ウクライナの国内法に大幅な改正を求めるものではなく、将来的な欧州統合にも支障をきたさない。
◆ そして協定の中でもとりわけ重要なのは、これまでアメリカから受けた軍事支援に対し、ウクライナが過去にさかのぼって債務を負うとの言及が一切ない点である。もしそのような条項が盛り込まれていれば、他国も同様の請求をウクライナに行う可能性があり、非常に危険な前例となっただろう。
何より、この協定では安全保障上の保証がなされなかったとはいえ、トランプ政権が「自由で、主権を持ち、繁栄するウクライナ」への支持を表明するものであったことも重要なポイントだ。
◆ トランプが協定に署名したと聞いたとき、私はゼレンスキーがトランプに屈して大幅な譲歩をしたのかと思った。しかし内容を知るにつれ、どうしてどうして、これはゼレンスキーが真の勝利者だと思うようになった。ゼレンスキーはトランプに貶められたにも拘らずウクライナのためを思えばこそ、忍の一字で捲土重来、トランプに再アプローチし、ヴァチカンでの会談を経て、トランプ説得に成功したのではないかと思えた。(尤もその時トランプは、プーチンにこけにされているのではないか? と疑っていたこともあって、ゼレンスキーに真剣に向き合ったのだろう。)私にはこの結果はゼレンスキーの真摯なアプローチと巧妙な交渉の成果だと思える。
他にも、ウクライナは自国の天然資源および国営企業の所有権を保持できる。開発に関わるライセンス契約も、ウクライナの国内法に大幅な改正を求めるものではなく、将来的な欧州統合にも支障をきたさない。
◆ そして協定の中でもとりわけ重要なのは、これまでアメリカから受けた軍事支援に対し、ウクライナが過去にさかのぼって債務を負うとの言及が一切ない点である。もしそのような条項が盛り込まれていれば、他国も同様の請求をウクライナに行う可能性があり、非常に危険な前例となっただろう。何より、この協定では安全保障上の保証がなされなかったとはいえ、トランプ政権が「自由で、主権を持ち、繁栄するウクライナ」への支持を表明するものであったことも重要なポイントだ。逆に言えば、ウクライナから手を引いたはずの米国が、実質上ウクライナに関与するということになり、プーチンにとってはこれは大問題である。新しいヴァージョンの米・宇鉱物資源協定は、ゼレンスキーが最初から望んでいた最低限のウクライナに対する、米国の安全保障を担保することと同じくらいの価値があり、プーチンとしては迂闊なことはやりにくい。確かに安全保障上の文書による保証は無かったが、米国企業がウクライナにきて調査を始めたり、事業計画をウクライナと組んで始めたりすれば、それはもうそれだけで米国の大きなプレゼンスであり、プーチンに対する大きな抑止力を持つことになる。2 月 28 日の大喧嘩を知って大喜びをしたプーチンだったがそれは糠喜びだったということになりそうだ。
とそこまで考えたときふっと、「これって尖閣にも当てはまらないかな・・? 」という気がした。尖閣で日米合同の海洋資源開発協定を結ぶのだ。でもすぐそれはちょっと無理がある、と思った。即ち日米で尖閣に上陸して、資源調査や居住地設営など始めたら、すぐに中国海警と衝突が始まり、海警は日本人が上陸したと思い、ドンパチが始まり、あっという間に尖閣有事になってしまうかもしれない、と思えたのだった。
◆ しかしまた、待てよ、何も協定を結んですぐ尖閣に上陸する必要はない。中国に積極的に知らせる必要はないじゃないか。まずは米国と水面下で接触し、協定の趣旨を説明する。どのように進めるか戦略的プランを作るのだ。その上で開発協定を結び、中国を始め主要国が知ることになるようニュースにする。その上で、日米合同で尖閣の領海内に米国の軍艦、日本の保安庁の巡視船などと合同パトロールを始める。中国海警はそれを見ても発砲できない。米海軍船舶が一緒だからだ。中国海警はその頃には日米海洋資源協定のことを勿論知っている。この海洋パトロールを定期的に何回か繰り返す。そして徐々に規模を大きくし、調査船、資材運搬船などもそのうち加える。その上で様子を見て上陸を始めるのだ。中国はどうするだろうか ? 米国が一緒では攻撃できないだろう。上陸は無理して実行しなくても良い。パトロールを続けて睨みあいをしていれば十分なのだ。その一方で尖閣の EEZ あたりで小規模の海洋調査を始めればよい。中国が尖閣有事を起こす気分を削げればそれでよい。それを続ければ中国が台湾進攻を始めたいと思っても、尖閣に米海兵隊がいると知っているかぎり、簡単には侵攻できないだろう。つまり台湾進攻に対しても抑止力を持つことになる、なんて思ってしまった。しかし問題は誰がこの計画を推進するかだ。中国寄りの石破首相ではもちろん駄目だ。こういう時に故安倍首相がいたらなーとだれもが思うだろう。トランプを説得するには最適な人だが、残念なことだ。次に安倍さんの後を継いでトランプとやり取りできる人が現れてほしいと切に思う。
<以上>
林義祐
As of 2025年5月26日
*文中敬称略
*参考資料北野幸伯・藤井厳喜・川添恵子・三橋貴明 中村繁夫 各氏メルマガ
BBC・Jetro・Wedge Online 解説日経・江南タイムス 各紙
YouTube 他
* お知らせ : 私は 6 月半ばから 8 月にかけて日本へ帰省するため 6~8 月の歌日記はお休みです。ご了承ください。
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オランダ在住の 林 義祐氏(64回生・岡谷市出身)のご寄稿「オランダの生活・歌日記: 2025年5月」を下記に掲載いたします。
5/11の右側写真の「Pas OP !!」はアフリカーンス語で「気を付けて!!」の意味のようです。→ https://x.gd/ASlg1 アフリカーンス語とは「主に南アフリカ共和国やナミビアで話される言語です。オランダ語を基に、ヨーロッパからの入植者の言語や先住民の言語などが混ざり合い、独自の発展を遂げた言語」とのこと。→ https://x.gd/hNDj3
林様、今月もご寄稿ありがとうございます。同窓の皆様のコメントをお待ちします。
(名取宛メール: antimarck@yahoo.co.jp)
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2025 年 5 月:歌日記
5 月 2 日(金)<リラと Geum(ジーアム)>
☆ 見事なり均整とれたリラの木は 20年ものヘンクの丹精
☆ Geum 花散歩の途中で見つけては 同定難しネット首ったけ
5 月 3 日 (土)<Foster の森の Gorse(ハリエニシダ) >
☆ Vosterboss(*)ゴース咲き乱れ異国情緒 スコットランドの旅駆け巡る
☆ 彼の地では丘陵一面ゴース帯 12 年前にタイムスリップし
(*) 隣り町にある森の名前
5 月 4 日(日)<桐の花とライラックの花>
☆ 桐の花きれいなままに地に落ちる未練残さず名利を捨てて
☆ 下草に落ちた大きな桐の花 拾い上げるは未練の心
5 月 5 日(月)
☆ チフチャフが終日囀るオランダの 春は終章に差し掛かりおり
☆ カササギとジャックドウとが庭に来る 直ぐ吠えるよう犬を訓練し
5 月 6 日(火)
☆ シジュウカラ今年も巣箱利用して いるのを知って胸に灯り点く
☆ ひと時は今年の利用ないものと 諦めて巣箱ウオッチも途絶えしが
L. 雛のフンを運び出す親鳥 R. 雛は何羽くらいいるのかしらん・・・?
5 月 7 日(水)
☆ コンポスト折れたポールを取り換える 穴開けツールとスコップ頼りに
☆ ハローウィン終わりて捨てたカボチャから 若芽が伸びて育てることに
L. スコップの前にあるポールが取り換えたもの。地中の部分も十分ペンキを塗った。
R.作業スタート時。壁板外す。
5 月 8 日 (木)
☆ 二軒隣りゴールデンシャワー満開で 豪華な姿活力くれる
☆ 代変わり今は無人の更地なり 主なしとてこの木が主なり
5 月 9 日(金)<ハンギング バスケット>
☆ ペチュニアの花に春風そよぎたり バスケット共にやさしく揺れる
☆ ナメクジにからきし弱いペチュニアも ここなら安心天国なれば
5 月 10 日(土)
☆ マロニエの花は高き木の上に在り 世の中照らすカンテラのよう
☆ 無数の花無数の栗は艶やかも 食べられぬ栗は悲しからずや
5 月 11 日(日)
☆ 納屋扉補強した上ペンキ塗る 扉裏表これで万全に
☆ “Wet Paint”通告貼ってみたけれど 天気良き日でペンキ直ぐ乾き
5 月 12 日(月)
☆ ルバーブはごつい感じの武骨もの されど咲きたて白花優し
☆ チャイブまた花壇の花と呼べねども 気にせず咲いて仲間入りや良し
5 月 13 日(火)<Silver weed>
☆ ミニパンジー一味違うプランターで のびのび咲いて勢いのあり
☆ ボーダーの一等席にてポッテンティラ シルバーの名より“ゴールド”が似合う
5 月 14 日(水)<English Garden>
☆ 5 月の庭花々競い賑やかに 我が家の庭は英国流にして
☆ 遅れじとオリエンタルポピー咲きだして 今後狂乱景色が変わる
5 月 15 日(木)
☆ ハナマメは豆より大事紅い花 居間から見える鉢仕立てにし
☆ 昨年は地面に下ろしナメクジに 食べられたゆえ二の轍踏まじ
L.アンテナ付き支援棒? →花豆の弦が頂上に達した時のエスケープ棒
5 月 16 日(金)<オダマキ全開>
☆ オダマキは寒さ暑さに負けずして 毎年戻る不死鳥のごとく
☆ 今年また立ち返る皐月のオダマキは 庭のあちこち百花繚乱
5 月 17 日(土)
☆ ヒョウモン系蝶の初物現れる 初夏の陽の中喜びの舞い
☆ この蝶は小振りながらも色強し 同定難ししばしの宿題
5 月 18 日(日)<小さなニュート(イモリ)>
☆ 池掃除小さなニュート網に入る 突然捕まりパニックの様に
☆ オランダでニュートの呼び名サラマンダー ミニサンショウウオ愛嬌のあり
5 月 19 日(月)
☆ ポーチ端レンガ傾き積み直す モグラがトンネル掘ったがために
☆ 片手ではレンガ重くて耐えられず 両手で持ってゆっくり作業
*作業中と作業後の写真
5 月 20 日(火)<カラー咲く>
☆ 咲きだしのカラーはすっくと背筋立て 辺りに放つカラーのオーラ
☆ しっとりと重みのある花弁白い花 鶴が舞い降りた言葉のように
5 月 21 日(水)
☆ 先月にスパニッシュマーガレット買い求め 2 回目の花また咲き出しホッと
☆ ディアスシアも去年の鉢からカムバック 多年草なれど寒さに弱く
L.咲き終えた最初の花を全部摘み取ったあと、蕾がたくさん付き、それが咲きだした。
R.ディアスシアは多年草でも冬の寒さに弱く、無事に咲いてこれもホッとする。
5 月 22 日(木)
☆ 今日咲くか明日咲くだろかヤマシャクの 赤い蕾にじりじり待つ日々
☆ トーチリリー今年はきれい乾いた日が 続きナメクジ少なきゆえに
L.ヤマシャクは蕾の期間のが⾧い。咲いても2~3日で終わる。 R.トーチリリイ(後方)
5月23日(金)
☆ ヴァーベナの3種混植艶やかで ハンギングせず目の前に置く
☆ 群青色サルビアセージよく目立つ 居間から見える一等地に植え
L.ヴァーベナ・タピアンの3種類 R.サルビア セージ
5月24日(土)
☆ マロニエの園芸種3本揃い咲き 皐月の庭は今がピークか
☆ ペルシャの星クリストフィーが咲きだして あちこちに増え庭狭く見え
5月25日(日)
☆ ジキタリス6月花の主役なり 早くも咲いてオダマキと同居
☆ 6月はカンパニュラまた主役なり ジキタリス先駆⿁の居ぬ間に
5月26 日(月)
☆ 温室のブドウ小さな実をつける 無事に成れよ大きな房に
☆ 居間の隅ハイビスカスが乱れ咲き まるでボタニカルガーデンの様
5 月 27 日(火)
☆ 池の中アイリス揃って咲き誇る バランス良くて暫し見惚れる
☆ アリウムの花は近年小さめなり パンパスの陰で申しわけなく
5 月 28 日(水)
☆ ルバーブの花は強烈曲々し この庭にちと似合わぬかもと
☆ 行く春を惜しむかトンボよこの我も 季節の速さに翻弄されて
5 月 29 日(木)
☆ ハンギングバスケットとカラーよく似合う ぺルゴㇻポーチは憩いの場なり
☆ 乾いた春アイスランドポピー気にせずに 水遣りせずも今盛りなり
5 月 30 日(金)
☆ この春は雨の降らない新記録 芝は斑で地割れもできる
☆ 雨無くて良い事ナメクジ少なかり 悪い事花が悲鳴を上げる
5 月 31 日(土)
☆ 日本では必ず梅雨があるからに 干害恐れ無きを羨む
☆ 一年で一番良いとき 5月だと 思いしこの国豈はからんや
<以上>
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◆ 5 月の庭の花等の写真(64 枚) /スライドショー
URL → https://img.gg/N7Ak39y
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◆ 写真 No.とタイトルの一覧表
【お知らせ】
私は 6 月半ば~8 月半ばにかけて、日本に帰省します。
従ってその間の歌日記はお休みとなります。ご了承ください。