令和7年11月1日掲載 64回生 林 義祐氏寄稿(第六十八回目掲載)
オランダ在住の 林 義祐氏(64回生・岡谷市出身)のご寄稿「オランダの生活・歌日記: 2025 年 10 月 歌日記序文」を下記に掲載いたします。林様、今月もご寄稿いただきありがとうございます。
今月は米国トランプ政権の足跡を月ごとにリストアップし、現在の状況を分析いただいています。大変勉強になるとともに興味深い内容です。皆様のお目通しをお願いします。
数日以内に第六十九回目掲載として「オランダの生活・歌日記 2025年10月」を掲載いたします。
同窓の皆様のコメントやご感想をお待ちしています。(名取宛メール: antimarck@yahoo.co.jp)
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2025 年 10 月:歌日記・序文
「はじめに」
トランプ大統領が再就任してから約 10 ヶ月が経過しましたが、その間に世界は大きな混乱に見舞われております。まず、貿易関税を各国に一方的に課し、従わない場合にはさらに引き上げるなど、威圧的な姿勢を見せています。なぜアメリカの大統領がこれほどの権限を持つのか不思議に思う方もいるかもしれませんが、これはアメリカ大統領の国際的な影響力の大きさを象徴しているとも言えるでしょう。
トランプ氏は国内外の問題に積極的に関与し、多くの大統領令を発出するなど、反対勢力との対立も激化しています。分断されたアメリカが再び一つにまとまるのかどうか、先行きは不透明です。
一方で、トランプ政権が将来に向けて打ち出している各種政策も動き始めています。たとえば、イーロン・マスク氏による第 2 次 AI 革命、世界的な第 3 次産業革命、サウジアラビアとの密約による巨額の投資、そして「Genuine プロジェクト」などが挙げられます。これらが軌道に乗れば、アメリカは再び世界の覇権を確立する可能性があると考えられます。
しかし、それ以上に現在進行中のウクライナとロシアの戦争やガザの問題などが、トランプ政権にとって致命的な影響を及ぼすのではないかという懸念もあります。私はこの 1 年弱の間に起こったトランプ政権の動きを調査し、現時点での事実を整理したいと考えました。トランプ氏は発言を覆すこともあり、何が本当なのか分からなくなることがあります。そこで、将来の予測ではなく、今分かっている事実に焦点を当てることが重要だと考えました。
トランプ氏の強硬な姿勢の背景には、確固たる自信があるのか、それとも虚勢なのか。米政府やトランプ氏に関連する出来事を時系列で整理し、現状を把握することを目的としています。たとえば、プーチン氏との関係において、ある時期には親ロシア的な交渉を行っていたものの、後に制裁を課す方針に転じ、さらにそれが元に戻るなど、目まぐるしい変化が見られます。私自身、情報の洪水に圧倒されることもありました。
現時点での事実を整理することで、アメリカの現状がより明確に見えてくるのではないかと考えています。将来を予測できる項目があれば、私見ながらも考察を加えてみたいと思います。
以上のような目的から、トランプ政権の足跡を月ごとにリストアップし、現在の状況を分析することにしました。月をまたぐ事案も多くありますが、重要なプロジェクトや複数分野にまたがるものについては、最後に項目別に整理しております。
2025 年のトランプ政権の足跡 (月ごとに時系列で整理)
このリストは、トランプが再就任した 2025 年 1 月から現在(10 月)までの政策・外交・国内動向を中心にまとめたものである。特に大統領令、外交交渉、経済政策、社会的対立などを網羅している。
第 2 期トランプ政権の足跡
2025 年 1 月
• 1 月 20 日:トランプ、第 47 代米国大統領として再就任
• 1 月 22 日:前政権で停止されていたインフラプロジェクト再開を指示
• 1 月 25 日:強硬派中心の閣僚人事を発表
• 1 月 28 日:カナダ首相と会談、NAFTA 見直しを協議
2025 年 2 月
• 2 月 1 日:国境管理強化とワクチン開発加速の大統領令
• 2 月 5 日:一般教書演説で「雇用創出と経済成長」を最優先課題に
• 2 月 10 日:中東和平に向けた新イニシアチブ発表
• 2 月 15 日:パリ協定からの再離脱を表明
• 2 月 20 日:金融市場安定化策を発表、FRB との連携強化
2025 年 3 月
• 3 月 1 日:移民政策の厳格化を盛り込んだ大統領令
• 3 月 5 日:貿易不均衡是正に向けた交渉開始
• 3 月 10 日:教育改革政策発表、職業訓練重視
• 3 月 15 日:サイバーセキュリティ強化の大統領令
2025 年 4 月
4 月中旬:Project 2025 始動、省庁の再編と政治化が進む。DOGE 発足。Elon Musk が長官に。
2025 年のトランプ政権とイーロン・マスクの関係は、当初は協力的も、夏以降に急速に悪化した。
4 月下旬:対中関税の再強化と EU への追加関税発表
2025 年 5 月
• 5 月 10 日:トランプ関税と日本経済に関するオンラインサロン開催
• 5 月下旬:サウジアラビアとの大型投資協定が報道される。900 兆円規模の国家プロジェクトが動かす秘密の産業。アメリカが国家を挙げて進める“経済革命”の中核を担う新産業。サウジは「脱石油」で全面的にアメリカと一体化して進める。すでに予算が動き、政策が実行に移されている。
2025 年 6 月
第 2 次 AI 革命ではイーロンマスクの 120 億ドルを超える投資(次世代の超大規模 AI 基盤構築のためのコロッサス 2.0 プロジェクト)が今年からスタートしている、同じく MS は 887 億ドル投資予定で、さらにアマゾンは 1185 億ドル、アルファベットやメタも 700~800 億ドルの投資計画ということで、4 社だけで 3600 億ドルを超える投資計画だということである。
・イーロン・マスクとの AI 政策を巡る対立が表面化。6 月以降:対立と契約打ち切り
• 6 月初旬:マスクが政権の大型減税法案を批判。トランプはマスクの企業との政府契約打ち切りを示唆。
• 6 月 6 日:ブルームバーグは「両者の対立が米国の技術的優位を危険にさらす」と分析。テスラ株は 14%急落。
背景と影響
• マスクは過去に民主党支持者だったが、トランプ政権下で急接近。DOGE 設立は「Project
2025」の一環とも言われる。
• しかし、マスクの強引な手法と情報アクセスの懸念が政権内で孤立を招き、最終的にトランプに
「梯子を外された」形に。
• このように、トランプとマスクの関係は 2025 年の前半に急接近し、後半に急激に悪化した。
DOGE の設立と崩壊は、今後の米国政治と技術政策に大きな影響を与える可能性がある。
• 6 月中旬:国内製造業支援策を発表、経済ナショナリズム強化
2025 年 7 月
トランプ政権のステーブルコイン政策
• 2025 年 7 月、トランプ大統領は「GENIUS 法案」に署名し、ステーブルコインの規制枠組みを整備。
• この法案は、ドルに裏付けられたステーブルコインの発行と流通を促進するもの。
• トランプは「ドルの地位を守るための大きな一歩」と位置づけ、BRICS 諸国のデジタル通貨構想への対抗策ともしている。
• 7 月 2 日:福祉支出削減と国防・警察予算強化を明言
• 7 月中旬:文化戦争的政策(教育・メディア規制)を強化
2025 年 8 月
• 8 月上旬:ロシアとの関係に関して制裁緩和の報道
• 8 月下旬:ウクライナ支援の再検討を表明、共和党内で議論
2025 年 9 月
9 月中旬:Genuine プロジェクトの第 1 段階が始動。アメリカ内部の地下資源探査・掘削(Genuine Project)で 130 兆ドルの投資をトランプは署名した。これは大変なものである。130 兆ドル(1.82 京円)が全て米国の資産になる、政府が自由に使えるということは大きな意味がある。桁が大き過ぎて想像できない。ほかの Project が全部小さなものに見える。これら AI 革命、産業革命が軌道に乗ったら、世界には大進化が起こり、世界の経済や安全保障に大きな変革が起こり、それが理由で世界のパワーバランスも変わり、アメリカの基軸通貨は今よりもっと盤石なものになるだろう。
トランプにはアメリカの将来がバラ色に輝いて見えるのだろう。そういうことを頭に入れると、トランプの今の強気な姿勢も理解できるというものである。(それらが実現するまでには紆余曲折があるとしても)
• 9 月下旬:ガザ情勢に関してイスラエル寄りの声明を発表
2025 年 10 月(現時点)
• 10 月 6 日〜14 日:外交関連の大統領令が複数発令
• 10 月中旬:国内分断に関する演説で「秩序と忠誠」を強調。頻発する反トランプ デモ「王様は要らない」に対する要請と警鐘。
このように、トランプ政権は「アメリカ第一主義(政治)」「強い国家(軍事)」「経済ナショナリズム(経済)」「文化的右傾化(社会」を軸に、内政・外交ともに大きな転換を進めている。今後も月ごとの動向を追いながら、事実ベースで認識を整理していくことが重要だと思う。
◆ 他の分野をまたぐ或いは将来も継続的に活動が続く案件の事実認識
(以下には、これまでの事実認識と重なる部分もあり)
【掲載プロジェクト等】
1) ステーブル コイン法案
2) ゴールデン・ドーム プロジェクト
3) イーロンマスクとの確執
4) 大学への締め付けとその変化
5) 反トランプ デモンストレーション
6) トランプ政権はイスラエル支援
7) Genuine Project
◆-1 ステーブル コイン法案
・導入
ステーブルコインとは価格が安定した仮想通貨のこと。通常、米ドルやユーロなどの法定通貨、 あるいは金などの資産を裏付けにして発行される。
• 代表例:USDT(テザー)、USDC(サークル社)、DAI(分散型)など。
トランプ政権のステーブルコイン政策
• 2025 年 7 月、トランプ大統領は「GENIUS 法案」に署名し、ステーブルコインの規制枠組みを整備。
この法案は、ドルに裏付けられたステーブルコインの発行と流通を促進するもの。
• トランプは「ドルの地位を守るための大きな一歩」と位置づけ、BRICS 諸国のデジタル通貨構想への対抗策ともしている。トランプ政権が支援する「USD1」というステーブルコインは、
BNB チェーン(バイナンス系)を中心に発行され、急成長している。
なぜステーブルコインなのか?
• 中央銀行デジタル通貨(CBDC)には否定的で、代わりに民間主導のステーブルコインを推進。
• 中国や EU の CBDC 開発に対抗し、米国の金融覇権を維持する狙い。
• 「ドルを基軸通貨として守ることは、世界大戦に勝つことと同じくらい重要」とトランプは発言。
利益相反の懸念も
• トランプ一族が関与する暗号資産プラットフォーム「WLF」が USD1 を発行しており、政権による支援が私的利益につながっているとの批判もあります。
このように、ステーブルコイン政策は単なる仮想通貨の話ではなく、地政学・金融覇権・技術戦略が絡む国家プロジェクトとなっている。
◆-2 ゴールデン・ドーム プロジェクト
「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」はトランプが 2025 年に発表した実在の国家防衛プロジェクト。これは「次世代ミサイル防衛構想」であり、分野としては「統合防空・ミサイル防衛 IAMD)」に属する国家防衛産業プロジェクトである。
ゴールデン・ドームとは何か?
• イスラエルの「アイアンドーム」構想を参考にしつつ、遥かに広域・多層的な防衛網を構築する計画。
• 対象は米国本土全域で、弾道ミサイル、極超音速兵器、巡航ミサイル、さらには宇宙からの攻撃にも対応。
• 宇宙配備型の迎撃システムを含む多層防衛網で、衛星・地上・海上のセンサーと迎撃ミサイルを統合。
規模と予算
• 総費用は約 1750 億ドル(約 26 兆円)とされ、今後 20 年で最大 5420 億ドルに達する可能性もあると米議会予算局(CBO)が試算。
• 米国防省は詳細を非公開としつつも、主要防衛企業(ロッキード・マーチン、RTX など)が関与。
スケジュールと進捗
2025 年 5 月に正式発表。宇宙軍副司令官マイケル・グートライン将軍がプロジェクト責任者に任命。
• 2029 年 1 月までに完全運用開始を目指すとトランプ は明言。
• カナダなど同盟国との連携も視野に入れており、NORAD との協調も進行中。
分野としての位置づけ
• 主分類:統合防空・ミサイル防衛(IAMD)
o 従来の弾道ミサイル防衛(BMD)を超え、極超音速兵器や AI 搭載ドローン群など多様な「経空脅威」に対応。
• 技術的には「第 2 次 AI 革命」とも連動:AI による早期探知・迎撃判断、衛星ネットワークの自律運用などが含まれる。
• 産業的には「国家防衛産業」:軍需企業と IT 企業の連携による「オープンアーキテクチャー」型の開発体制。
この計画は、冷戦期の「スターウォーズ計画」や「アポロ計画」に匹敵する国家的事業とされ、米国の安全保障政策の大転換を象徴している。
◆-3 イーロンマスクとの確執
イーロン・マスクは 2025 年のトランプ政権による大型減税法案「One Big Beautiful Bill Act」を強く批判した。彼はこの法案が財政赤字を拡大し、国民に過度な債務を負わせると警告した。
マスクの批判内容と背景
2025 年 6 月 3 日、マスクは自身の SNS「X」でこの法案を「吐き気を催す忌まわしいもの」と表現し、「利益誘導の塊」と非難した。
法案は、法人税の引き下げや低所得層への減税を含むもので、共和党の主要政策として推進された。
マスクは「この法案は連邦赤字を 2.4 兆ドル以上増やす可能性がある」とし、米国民に耐え難い債務を負わせると警告した。
◆-4 大学への締め付けとその変化
トランプ政権による大学への締め付けは一部で軟化の兆しを見せているが、基本方針は維持されている。また、反イスラエルデモに対しては州兵派遣を強行し、トランプは一歩も引いていない。
• 2025 年初頭、トランプ政権は「左派的イデオロギーの排除」を掲げ、大学への連邦資金援助を削減。特にハーバード大学には約 22 億ドルの助成金凍結を通達。
• DEI(多様性・公平性・包摂性)政策の見直しや、学生の言動監視体制の強化を要求。これに対し大学側は「学問の自由の侵害」と反発。
• 10 月現在、一部大学では人種や性自認に関する出願課題の削除など、政権方針に沿う動きも見られる。ただし、大学側の自主性を尊重する声も強く、全面的な従属には至っていない。資金援助の再開や条件緩和の兆しはあるものの、政権の基本姿勢は変わっていない。
◆-5 反トランプ デモンストレーション(王様は要らないデモ) 反イスラエル・移民関連デモと州兵派遣
• 2025 年 6 月、ロサンゼルスで移民取り締まりに対する抗議デモが激化。パレスチナ国旗や反イスラエルのスローガンが目立ち、暴徒化する場面も。
• トランプ大統領は州知事の許可なしに州兵 2000 人を派遣。さらに海兵隊の投入まで命じ、憲法解釈を巡る論争に発展。
• ニューサム州知事は「違法な派遣」として撤回を要求。しかしトランプ氏は「急進左派の暴動は容認できない」と強硬姿勢を崩さず。
• SNS では「ロサンゼルスは不法移民と犯罪者に占領されている」と投稿し、治安維持を名目に軍事的対応を正当化。
このように、大学政策では部分的な妥協が見られる一方、治安・デモ対応では強硬路線を貫いているのがトランプ政権の特徴。特に反イスラエル・移民関連の抗議活動に対しては、州兵派遣や連邦権限の強化を通じて「秩序の回復」を最優先している。
◆-6 トランプ政権はイスラエル支援を継続する姿勢を明確に。2 国家解決案には消極的。
トランプ政権のイスラエル支援と 2 国家解決への姿勢
• イスラエル支援は継続方針:2025 年 10 月現在、トランプ政権はイスラエルとの連携を強化しており、ガザ地区に「民間軍事調整センター(CMCC)」を設置し、米兵約 200 人を派遣している。
• ハマスへの強硬姿勢:副大統領 J.D.バンスは「ハマスが協力しなければ壊滅させる」と発言し、イスラエル寄りの立場を鮮明にしている。
• 2 国家解決案には否定的:2025 年 3 月の報道では「2 国家共存は風前の灯」とされ、トランプ政権はイスラエル偏重の中東政策を継続していると分析されている。
• 外交的背景:トランプは第一次政権時からネタニヤフ首相との関係が深く、宗教保守層や親イスラエルロビー(AIPAC など)の支持を受けているため、政策的にもイスラエル支援が軸となっている。この規模は日本の国家予算(約 110 兆円)の 160 倍以上に相当し、世界経済においても前例のない超巨大投資である。
◆-7 Genuine Project
・概要
• AI・半導体・インフラ・軍事技術を含む国家再産業化計画
• サウジアラビアや UAE など中東諸国からの資金流入が含まれており、地政学的にも重要
• 米国内の雇用創出と技術覇権の奪還を目的とし、AGI(汎用人工知能)開発も視野に入れている。
・Genuine プロジェクトの 130 兆ドル=1.82 京円の計算/
ドル円換算:130 兆ドル × 140 円 = 18,200 兆円 =1.82 京円
このように、トランプ政権はイスラエル支援を外交の柱としつつ、Genuine プロジェクトを通じて経済・技術面でも世界覇権の再構築を目指している。パレスチナ問題の解決よりも、秩序と同盟重視の姿勢が強く出ている。
【補足】 Genuine Project(Project 2025)の広範な分野
このプロジェクトは、保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」が策定した政策設計図に基づき、トランプ政権が推進する国家再編計画。主な目的は以下の通り:
• 行政機構の再構築:省庁の政治化、一部廃止、権限集中による「単一行政理論」の実現。
• 移民政策の強化:強制送還の急増、職場・学校・自宅での拘束、忠誠心重視の人事。
• ディープステートの再編:政権に忠誠を誓う職員以外の大量解雇(12 万人以上)、DOGE プラットフォームを活用。
• 文化戦争の激化:教育省改革、司法省の政治化、保守的価値観の制度化。
規模と影響
• 連邦政府の構造改革:FEMA(緊急事態管理庁)機能の縮小、教育・医療・福祉支出の削減。
• 経済政策:石炭産業の復活・鉱物資源の探鉱掘削、規制緩和、対中・対 EU 関税強化による国内製造業の回帰。
• 社会構造の変化:自由と平等から「忠誠と秩序」へ、民主主義の形骸化と権威主義的統治への移行。 スケジュールと進捗
• 2025 年 1 月:トランプが 2 期目就任、大統領令による政策実行が加速。
• 2025 年 4 月以降:移民政策・行政再編・経済ナショナリズムが本格化。
現在(2025 年 10 月):初期目標は達成段階にあり、社会分断や行政の中立性喪失への懸念も浮上。
・アメリカの計画と日本、EU の立場
日本は「ゴールデン・ドーム」構想に技術協力を進めており、EU は AI・鉱物資源・防衛分野で独自路線を模索中。両者とも米国との連携を強化しつつ、地域安全保障と産業競争力の確保を目指している。
日本の対応:技術協力と迎撃網の共同構築
• ゴールデン・ドーム構想に協力:2025 年 5 月、石破首相とトランプ大統領が電話会談で協力を確認。日本は迎撃システムに必要な固体燃料技術やセンサー技術の提供を検討。
• 宇宙センサー・早期警戒レーダーの共同開発:日本の防衛産業が持つ電子情報処理技術が米国に評価され、共同研究が進行中。
• 地域抑止力の強化:中国・北朝鮮の極超音速兵器に対抗するため、日米共同の迎撃網構築が進められている。
EU の対応:戦略的自立と米国との連携の両立
• AI・鉱物資源分野での独自戦略:
o EU は「重要原材料法(Critical Raw Materials Act)」を施行し、レアアース・リチウムの自給体制を強化。
o フランス・ドイツは AI 研究機関を拡充し、米中に依存しない技術基盤を構築中。
• 防衛分野では慎重な姿勢:
o NATO 枠組み内での協力は継続するものの、「ゴールデン・ドーム」への直接参加は現時点では未定。
o 一部加盟国(ポーランド、バルト三国)は米国との防衛連携を強化する動きあり。
• 地政学的バランスの模索:
o EU は米国との連携を維持しつつ、中国・ロシアとの経済関係も維持しようとする
「戦略的曖昧性」を採用。
共通の課題と展望
• 技術主権の確保:AI・鉱物・防衛技術の自立性が国家戦略の核心に。
• 米国との連携強化:安全保障・経済両面での協力が不可欠。
• 中国・ロシアとの距離感:経済依存と安全保障リスクの間で揺れる外交姿勢。
このように、日本は米国の構想に積極的に協力し、EU は独自路線を模索しながらも連携を強化するという「二極的対応」が見られる。
「感想」
◆ トランプ流では先が危うい?
第 2 次トランプ政権の発足以降、MAGA(Make America Great Again)のスローガンのもと、「アメリカ・ファースト」政策が強く打ち出されました。主要国への関税の一方的な課税、
WHO からの脱退、NATO や同盟国の軽視、さらには脱炭素方針からの離脱など、国際社会に対して強硬な姿勢を貫いている印象があります。ロシア・ウクライナ戦争やガザ紛争では、多くの民間人が犠牲となっており、深い憂慮を禁じ得ません。政策に関しては、トランプ氏の信念に基づくものであり、賛否が分かれるのは当然のことです。MAGA の達成可能性についても注目しておりましたが、最近では政策以外の分野においても、人道的な配慮を欠いた行動が目立ち、ロシアやイスラエルへの偏った支持など、力による平和の実現を目指す姿勢には疑問を感じております。ノーベル平和賞を求めるような言動も、現状との乖離が大きく、違和感を覚えます。
私はトランプ氏の一期目には、大きな期待を寄せておりました。歴史に残る偉大な大統領になる可能性もあると考えていたからです。しかし現在では、彼の存在が世界の平和を遠ざけているのではないかと感じるようになりました。それでも、彼の自信には何らかの勝算があるのではないかという思いも消えず、複雑な感情を抱いております。
たとえば、Genuine Project においては、130 兆ドル(約 1.8 京円)という巨額の投資が署名されており、アメリカの資産として政府が自由に活用できる規模は想像を超えています。AI 革命や産業革命が軌道に乗れば、世界経済や安全保障に大きな変革が起こり、アメリカの基軸通貨としての地位もさらに強固なものになるでしょう。
ただし、これらの成果に至るまでの道のりは決して平坦ではありません。トランプ氏は大胆な決断力とスピード感を持ち、直観を信じて行動するタイプですが、貿易関税のような政策では、国際的な公正・平等の理念を損なう場面も見受けられます。その強硬な手法は、アメリ
カ大統領としての品格に疑問を抱かせるものであり、国民の分断を招いているのも事実です。
また、トランプ氏の弱点は、人権やヒューマニズムに関する事案に対する理解の浅さではないかと感じております。ロシア・ウクライナ戦争では、民間人の犠牲に対する配慮が見られず、プーチン寄りの和平案を提示するなど、当事国の声を軽視する姿勢が目立ちました。ガザ紛争においても、イスラエルの行動に対する抑制を促すことなく、むしろ加担するような態度を取っていることに深い懸念を抱いております。
このような人道的な視点の欠如が、トランプ政権の足元をすくう要因になるのではないかと危惧しております。国内では、数百万人規模の反対デモが各地で発生しており、内戦状態に近い状況とも言えるでしょう。ロシアによる戦術核の使用の可能性も示唆されており、世界は極めて不安定な局面にあります。
2026 年の中間選挙に向けて、共和党内でもトランプ路線への賛否が分かれており、分断の深まりが懸念されます。
◆ トランプに期待されること
トランプ政権は依然として「アメリカ・ファースト」路線を堅持しており、国内では保守派とリベラル派の対立が激化しています。人工知能、資源開発、外交政策などでは経済的成果が期待される一方、移民政策や人権問題では批判が強まっています。ロシア・ウクライナ戦争の解決については、交渉による段階的な進展の可能性があるものの、 10 月のブダペスト首脳会議が不調に終わったことから、長期化のリスクも依然として高いと専門家は分析しています。
ガザ紛争とパレスチナ国家建設に関しては、国連総会で「ニューヨーク宣言」に基づく支持が表明され、イスラエル軍の行動は国連人権理事会により「ジェノサイド」と認定されました。今後は統治・安全保障・復興支援を含む「第二段階」の交渉が焦点となり、国家建設の可能性が現実味を帯びてきています。
これらの動向から考えると、世界はトランプ氏の想定以上に、漸進的かつオーソドックスな解決に向かって進んでいるように思われます。そうであってほしいと願っております。
◆ 事実認識の結論は?
トランプ氏には、アメリカの未来が輝かしいものに映っているのでしょう。その視点に立てば、現在の強気な姿勢も理解できる部分があります。“ホワイトハウスによる独裁”との批判にも動じず、自らの方針に強い信念を持っているようです。
私が現状認識に取り組んだ結果、いくつかのプロジェクトはすでに予算が確保され、実行段階に入っていることが分かりました。サウジアラビアとの共同プロジェクトでは、非石油部門の成長率が 2024 年に+4.3%、2025 年には+5.3%に加速すると予測されており、S&P も安定成長を見込んでいます。
イーロン・マスク氏が関与する第 2 次 AI 革命のプロジェクト「コロッサス 2.0」も、2025 年中に成果が一部現れるとされています。日本ではあまり報道されていないようですが、私自身、事実を確認して驚きを禁じ得ませんでした。
特に Genuine Project の規模には圧倒されました。130 兆ドルから 150 兆ドル、さらには
160 兆ドルとの予測もあり、まさに天文学的な数字です。「ゴールデン・ドーム」などの構想も含め、アメリカの未来像を大胆に描く政策が着実に進行していることが理解できました。
これらを踏まえると、トランプ氏は従来の独裁者とは異なり、民主主義の選挙で選ばれた指導者であり、国益と国民の利益を最優先に考えていることが分かります。ただし、他国の人命や人権に対する無関心な姿勢は容認できません。アメリカが黄金時代を迎える可能性があるからこそ、より多くの支持を得るために、反対派にも配慮した政策運営が望まれます。
以上のような考察を通じて、今回も明確な結論には至らなかったかもしれませんが、現状を把握する一助となったことは確かです。
林義祐
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オランダ在住の 林 義祐氏(64回生・岡谷市出身)のご寄稿「オランダの生活・歌日記: 2025年10月」を下記に掲載いたします。
林様、今月もご寄稿ありがとうございます。同窓の皆様のコメントをお待ちします。
(名取宛メール: antimarck@yahoo.co.jp)
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2025 年 10月:歌日記
10 月 1 日(水)
☆ 徒⾧枝が伸び放題の古木リンゴ 放っておけずと重い腰上げ
☆ 頂上は梯子使えず木に昇る 超スローモーで万全の注意
10 月 2 日(木)
☆ 二日目に何とか剪定終わりたリ 庭の真ん中スペース広し
☆ 大量に切られし枝は地に落ちて 片付け作業疲れて明日
10 月 3 日(金)
☆ 剪定したリンゴの枝は 100 本余 庭仕事用今後の資材
☆ 葉の方は花壇内外無数に落ち レーキ使えず最後はギブアップ
10 月 4 日(土)
☆ 今日もまた剪定続くサクランボ リンゴ若木と一気呵成に
☆ リンゴ若木あまり伸びては届かぬと 高い幹と枝思い切り切る
10 月 5 日(日)
☆ 2 回目の秋のストーム襲い来る クルミ ドタドタ屋根の狂騒曲
☆ びっしょりと濡れた犬たちタオルにて 拭けば目細め気持ちよさそう
10 月 6 日(月)
☆ 一茎のグラジオラスは真紅に燃え フラメンコダンサー朱いドレス揺れ
☆ マジェラニカ負けじとばかり燃え盛り 行く秋惜しむ競演の庭
10 月 7 日(火)
☆ 暗い空黙々剪定ヒメリンゴ 枝を払えば満艦飾に
☆ 大量の赤い実びっしり午後の空 その一隅だけ明るく見える
10 月 8 日(水)
☆ アブダビの投資庁ファンドマネージャー 日本人にして痛快スト―リー
☆ 誰でもが株で儲かる話だが 奇異なる話その気になれぬ
10 月 9 日(木)
☆ まだ続く剪定今日はライラック ハナミズキ共に夕方までも
☆ 作業中ヘンク犬連れやってくる 話が弾みあっと言う間に暗く
☆ 暗くては整枝の形見えぬゆえ 今日はこれまで続きは明日
10 月 10 日(金)
☆ 二人して 80 歳超えこの先は 広大な庭重荷にならむ
☆ 将来はどうあるべきか額寄せ 話すこと多き最近の我ら☆
10 月 11 日(土)
☆ 便利なりクルミ拾い器贈られる 試してみれば感嘆したり
☆ この器具を購入せし人クルミ好き お返し期待の贈り物なるか
10 月 12 日(日)
☆ 実の熟れたコトネアスターもうすぐに ミーロ、ライスターのレストランなり
☆ コシキブもきれいな紫輝いて これは近所の人に喜ばれ
10 月 13 日(月)
☆ 最近はハリネズミよく庭に来て 妻は猫の餌あげ飼ってる気分
☆ 大分慣れ離れていれば逃げないが 暗闇ゆえに良い写真撮れぬ
10 月 14 日(火)
☆ 真夜中にボイラー配管水漏れし 鋭く細き水噴き出しぬ
☆ 高所にて応急処理もままならぬ 壁はびっしょり床は水溜まり
☆ ボイラー室パジャマの上にカッパ着て 帽子と靴つけ水害対策
☆ 深夜0時メンテ会社の人いなく 大バケツにて水受けるのみ
☆ ボイラー室各種雑貨の物置で 廊下に出せばまるでノミの市
10 月 15 日(水)
☆ 朝 5 時に大バケツから水汲みし 会社の始まりひたすら待ちぬ
☆ 朝7時メンテ会社と連絡とれ すぐに向かうと言われ大安堵
☆ 作業員床下に入り水栓止め 管の補修アッというまに
☆ 床下のボイラー水栓止めること 知らぬ異国の初体験なり
☆ 朝 10 時作業員帰り一段落 ドッと一日が終わったかのよう
☆ 今日の日はキッコ-マンの見学日(*) 楽しみの日が無念の日となり
(*)キッコーマン醤油のオランダ工場の見学会に招待されていたもの。
10 月 16 日(木)
☆ 新しき隣人引っ越し一月余 初の顔見せお茶飲みながら
☆ 隣人は 50 代カップル子供あり 世代交代時の流れ知る
☆ 庭整備独力でやり園芸が 趣味と分かり何かしろ安堵
10 月 17 日(金)
☆ ヘーゼルの高い木に登り枝を切る 80 歳越えよくまあやるよ
☆ 直径 3 センチ枝5・6本 樹上片手切り気力と忍耐
☆ 大量の枝を手ノコで切り終えて 地上に立てば感懐の大
10 月 18 日(土)
☆ リンゴの木強く揺すれば実が落ちる 毎朝揺する手間省くため
☆ 柿の実も色づき始めサワシ柿 今年も「神の河」(⋆)出番を待てり
10 月 19 日(日)
☆ スピンドル今年は紅葉の色薄き 夏の酷暑が影響したか
☆ バーベナは今年は蝶がやって来ぬ 群れて咲いても何か寂しい
10 月 20 日(月)
☆ 晩秋の空気めっきり冷え込んで コスモス最後の気力ふり絞る
☆ 冬の花オウバイちらほら咲きだして 行く花来る花人の世に似て
10 月 21 日(火)
☆ トリカブト禁断の花の園芸種 勢いありて辺りを睥睨
☆ 青セージこちらの色は柔らかで 小さな花が寄り添いて咲き
10 月 21 日(火)
☆ 娘今日誕生日なり東京で 一人でどうする親はヤキモキ
☆ 帰り来なばまずはレストラン食事会 娘の犬たち一緒に連れて
10 月 22 日(水)
☆ 厚い雲暗い空の下剪定続く 合羽⾧靴重装備にて
☆ 犬二匹連れて散歩はもどかしき 脚力維持の運動にならず
10 月 23 日(木)
☆ 雁渡り朝夕冷えるこの頃は 庭も寂寥秋色深し
☆ 晩秋に咲く花徐々に減りゆきて 庭は備える来る日の寒さに
10 月 24 日(金)
☆ このごろまたキツツキ繁くやって来る クルミの季節嬉しき季節
☆ キツツキは環境悪しきに住まずして 自然のシンボルこの田舎町で
10 月 25 日(土)
☆ 夏時間今日で終われば朝起きて 真っ暗な中コーヒー湧かす
☆ 日本との時差今日から 8 時間 家じゅうの時計 1 時間戻す
☆ 時に頭混乱しその度に スマートフォン上の時刻を見ることに
10 月 26 日(日)
☆ ストームが次々発生刻々と 状況変わり振り回される
☆ 今週は降ったりやんだり雨模様 仕掛かりジョブ再開できず
10 月 27 日(月)
☆ 雨の日は何も無理して庭仕事 せずともよしと MLB を観る
☆ MLB 日本人選手続々と 大活躍メジャーとの差は消え
10 月 28 日(火)
☆ 久しぶりスネイク病院訪ねれば 空は青空ドライブ日和
☆ Biopsy ガンの治療と変わらずに 経過観察今後も予感
10 月 29 日(水)
☆ 真夜中にトイレに起きて音立てず 暗闇の中そろそろ歩く
☆ 午前 4 時勝手知ったるルーチンで 灯りもつけず息詰め歩く
10 月 30 日(木)
☆ 雨にても小鳥は元気早くから 餌を求めて飛び回りており
☆ 陰鬱な秋雨の中唯一の 楽しみコーヒー飲みつバードウォッチング
10 月 31 日(金)
☆ 温室の天井ガラスで上の木が ストームで折れれば惨事免れず
☆ 庭師来て重機で大幹切ることの 結論出ずに継続事項へ
右の写真のように部分的には剪定したが、温室の屋根上を覆う大枝の方は、枝がガラスの上に 落ちたら終わりである。庭師の経験と重機でこのヘーゼルの木の左半分くらいを切ろうという相談。 ◆ 今月の写真・2 枚
=以上=