令和7年3月1日掲載 64回生 林 義祐氏寄稿(第五十八回目掲載)
オランダ在住の 林 義祐氏(64回生・岡谷市出身)のご寄稿「オランダの生活・歌日記: 2025年2月 序文」を下記に掲載いたします。林様、ご寄稿いただきありがとうございます。
今月はトランプ米新大統領が打ち出している革命的ともいえる政策や大統領令について解説いただいています。安全保障の観点から米国の影響を大きく受けざるを得ない日本ですが、今後の推移は不透明なので確かな情報が必要です。そのためにも林様の解説や資料にぜひ目を通してくださいますよう。
数日以内に第五十九回目掲載として「オランダの生活・歌日記 2025年2月」を掲載いたします。
同窓の皆様のコメントやご感想をお待ちしています。(名取宛メール: antimarck@yahoo.co.jp)
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2月歌日記 : 序文
目次
[はじめに]
【A】 トランプ始動。スタートダッシュの背景
◆ 爆走? 暴走?
◆ アメリカにおけるシンクタンク
◆ 四つの「政策の中心」
【B】 「プロジェクト 2025」が提言する内容
◆ 連邦政府関連
◆ 中絶と家族
◆ 移民
◆ 気候対策と経済
◆ 教育、テクノロジー、DEI
◆ 「プロジェクト2025」は今後も活用される
【C】 トランプ政権の政策に対する基本姿勢
◆ トランプ政権(第2次)とバイデン政権の主な違い
◆ 象徴的な違い
【D 】トランプ氏が大統領令に続々署名
【補足資料】一目で分かる政策一覧 (別途添付)
◆ 大統領令以外の諸施策(希望表明等含む)
【E】 トランプ氏のガザ「一掃」計画、「国際法違反」とみなされるのは不可避
◆ 主な経緯 / 【BBC調査報道】
◆ 感想
and register them
【F】 ロシア・ウクライナ停戦協議・仲介案
◆ なぜトランプはそれほどプーチンに入れあげるのか?
◆ 感想
1-② 【補足資料】一目で分かる政策一覧 (別途添付)
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[はじめに]
◆ トランプは大統領に就任した日から連日のように大統領令を発して、国の内外を驚かせている。大統領令によるもの以外の政策も、想像していた以上のスピード感で、さらに「改革」ではなく「革命」の様相を呈して突き進んでいる。この大統領令の内容は、ヘリテージ財団が3年もの時間をかけて次代の大統領(トランプ)のために策定した提言書、“プロジェクト2025“をベースにしたもので900ページにも及ぶ大部なものである。トランプは既に準備されたその中身を次から次へと引っ張り出しているようなものであり、まだまだこれからも提言は続けて採り入れられるだろう。
カナダがアメリカの51番目の州になる、とか、グリーンランドやパナマ運河の支配権を獲得する!そのために軍事力や経済力を行使する可能性を否定しない。とか名前を出された国は、直接トランプ政権から正式申し入れをされたわけではなくても、大慌てである。グリーンランドはデンマーク領の自治領で、デンマークはNATOに加盟国なのだ。加盟国同士で軍事力がぶつかるかもしれない、なんて考えても馬鹿げた話だが、トランプはかなり真剣のようであり、驚いてしまう。どういうことだ? トランプの言動に疑問を持ってしまった。
2月になって、ガザをアメリカが引き受けて、復興・立て直し、将来はアメリカのものにして、ガザを中東のリビエラにする。ガザの住民は中東のアラブ諸国に移住してもらう、なんて全く奇想天外なプランを打ち上げ、さらにはロシア・ウクライナ戦争の停戦協議は、プーチンとトランプだけで決めたい、ゼレンスキーも欧州諸国も除外して解決しようとしている、その本心が分かるにつれて、完全にトランプのアメリカ大統領としての資質を疑ってしまった。
MAGAを達成するためには、関連諸国からのリスペクトを得たり、友好的な土壌を涵養したりすることが欠かせない。アメリカ国内だけでMAGAは決して達成されない。世界を混乱と憤激の真っただ中に放り込んで、自分だけはアメリカ第一主義を達成したとは決して言えないのだ。
そしてなぜトランプはそんな非道理、非情なことを進めるのかという観点から調べて、検討してみた。本稿は私の自分なりの結論である。
【A】トランプ始動。スタートダッシュの背景
◆ 爆走? 暴走?
トランプは1月20日の就任式を待てないかのように、先走りして、カナダを51番目の米国の州にしたい、とかメキシコが国境管理を強化しなければ、米国にも考えがある。と強烈なジャブを放っていた。就任式では、通常の大統領のような格調高い演説をぶつどころか、トランプ流の、自分が今後実施したい政策の一覧表のような演説で、最後に、「アメリカは今後黄金時代を迎える」と締めくくった。その日から大統領令を大量に発行して、これまでに100本以上を発布したという。(藤井厳喜氏) 何というスタートダッシュ・・!!まるで一刻も待てない。早く結果を出したい。待ってはいられない、とばかりの爆走ぶりである。
トランプがこのように逸るのも、前年中に、「プロジェクト2025」や「アジェンダ47」等で施政方針や、政策を検討して、準備が出来ていたからそれが一気呵成に迸り出たというわけである。大統領に当選してから考えようという政策集ではなくて、大統領になったとして、考えられる政策を網羅した厖大な提言集なので900ページにもなる大部になっているわけである。
「プロジェクト2025」はそういう「実施したい政策リスト」だ。どうやって大統領権限を拡大し、超保守的な社会観を強行するかという提案なのである。日本ではあまり知られていないが、政策リストはトランプと一緒になって議論・討議して決めたものではなく、ヘリテージ財団(シンクタンク)が主導し、次期大統領(トランプ)に何を望むか、という提言集なのである。従ってトランプから見れば内容的にあまりにも多いので、玉石混交とも言えるものもあるだろう。
トランプは昨年の選挙中、「プロジェクト2025」に含まれるいくつかの過激な考え方に対する反発を受け、繰り返しこの文書を強く否定していた。しかし就任後には、その著者の何人かを政府の主要ポストに指名した。また、就任直後に署名した大統領令の多くは、この文書で示された提案にほぼ沿ったものとなっている。トランプが今後4年間でどのような政策を打ち出すかを示すビジョンは、この「プロジェクト2025を熟読すれば理解できると考えてほぼ間違いない、と言われる。
◆ アメリカにおけるシンクタンク
ヘリテージ財団はワシントンで有数の右派系シンクタンク。1981年にロナルド・レーガン政権が発足する直前に、きたる共和党政権のため政策計画を提示した。同財団はその後も大統領選のたびに、同様の政策提言をまとめてきた。2016年にトランプ候補が初めて大統領選に勝った時も同様だ。
これは特に珍しいことではない。アメリカではありとあらゆる政治的姿勢のシンクタンクが、望む政策を未来の政府に提言するのは普通のことだ。その中でもヘリテージ財団は、共和党政権に影響力をもつことに成功してきた。他にもハドソン研究所なども共和党寄りのシンクタンクとして知られている。
「プロジェクト2025」をまとめたチームには、第1次トランプ政権で大統領顧問を務めた人がずらりと顔を並べていた。政府の人事管理局トップだったポール・ダンス氏も、そのひとりだ。また「プロジェクト2025」の多くの執筆者らは、第2次トランプ政権に参加している。
ラッセル・ヴォートは、「プロジェクト2025」の中核となる重要な章を書いた。同氏は、共和党全国委員会の2024年綱領の政策担当責任者でもある。第一期トランプ政権の関係者だったヴォートは、再び大統領から指名され、6兆7500億ドルの連邦予算を管理する予算管理局(OMB)のトップに就任した。
他にも、中央情報局(CIA)に指名されたジョン・ラトクリフ、ブレンダン・カー(連邦通信委員会の監督に指名)、トム・ホーマン(トランプ大統領の「国境問題担当長官」)、ポール・アトキンス(証券取引委員会の委員長に指名)、貿易顧問のピーター・ナヴァロなどがいる。
ヘリテージ財団によると文書には100件以上の保守派組織が参加した。共和党がホワイトハウスを奪還することで、ワシントンで特に強大な影響力をもつことになる組織も、そこに複数含まれている。
「プロジェクト2025」の執筆は一大事業で、ヘリテージ財団本体からは2200万ドルの予算がついていた。提言の中には、2025年1月の大統領就任から直ちに政策を実行に移すための戦略も詳述されている。その中には、政府ポストに人材(官僚)を確保するため忠実な保守派のデータベース作成、新規採用した人材の訓練なども、項目として含まれている。トランプ陣営から見れば至れり尽くせりの提言集なのである。
「プロジェクト2025」とトランプ政権の間には、明らかな合意点と人員の重複がある。しかし、「プロジェクト2025」のテーマの多くは、トランプ陣営が独自に主張していたものでもある。
トランプ大統領の2期目はまだ始まったばかりで、広範囲に及ぶ連邦政府の再編を、大統領がどこまで進められるかは不明だ。
民主党は、今後もこの提案に反対し、「プロジェクト2025」の影響力を強調・排除していく意向を示している。
また、トランプ氏の大統領令やその他の措置の多くに対しては、政治的に、そして法的に、対抗する動きが今後も続くだろう。
◆四つの「政策の中心」
この「」プロジェクト2025」文書そのものが提言する四つの政策の柱は;
(1) アメリカの生活の中核として、家族の重要性を復権させる、
(2) 行政国家を解体する、
(3) 国家主権と国境を防衛する、
(4) 神によって授けられた個人が自由に生きる権利を確保する――というもの。
この四つの政策の柱は戦略的な理念や目的を大きな括りでまとめたもので、これを見ても抽象的で個々の政策にどのように反映されるかは定かには見えない。その個々の政策提言はすでに、トランプの大統領令の基礎となっているが、多くの場合、それらは共和党綱領やトランプ氏の選挙公約だった「アジェンダ47(AEIの提言)」など、他の政策文書にも記載されている。
その政策提言のいくつかを、主たる対象分野ごとに下記に見てみる。
【B】「プロジェクト 2025」が提言する内容
◆ 連邦政府関連
☆「プロジェクト2025」は、連邦政府の行政機関はすべて、大統領の直接統制下におくべきと提言する。これには司法省など、大統領から独立した権限を持つ省庁も含まれる。行政権一元化論などとも言われ、大統領の独裁につながる危惧があるとする説もある。
この提言が実現されれば、政策決定の手続きが簡素化され、複数の政策分野において大統領が直接、政策を実行できるようになる。
☆ 「プロジェクト2025」はさらに、数万人の連邦政府職員の雇用保障を解除するよう提言。これが実現すれば、キャリア国家公務員の代わりを政党や政治家が任命するスタッフが担うようになる。
☆ 「プロジェクト2025」は連邦捜査局(FBI)を、「肥大化して傲慢で、日に日に無法化が進む組織」と非難。FBIをはじめとする複数の政府機関の大幅な改編を呼びかけるほか、教育省の全面廃止を提言している。
☆ 就任直後、トランプはキャリア公務員の雇用保護を廃止し、連邦支出を凍結する方針を打ち出した。
☆ 側近で富豪のイーロン・マスクが率いる「政府効率化省(DOGE)」を通じて、ホワイトハウスは数十億ドルの連邦支出削減に乗り出したが、削減の詳細やDOGEの法的地位については、不明な点が多い。DOGEは連邦議会ではなくトランプが大統領令でホワイトハウス内に設置したチームで、大統領から幅広い権限を与えられている。
しかし、トランプが連邦政府に現状打破の改革を実行しようとしていることは明らかだ。これは、プロジェクト2025の提案と概ね一致する目標でもある。
◆ 中絶と家族
「プロジェクト2025」は妊娠の人工中絶について約200回、言及している。そしてその内容が特に激しい論争を呼んでいる。
この文書は、全国的な中絶禁止を文字通り求めているわけではないし、そのような禁止法案に自分は署名しないとトランプ候補は述べた。
それでも、経口妊娠中絶薬「ミフェプリストン」の販売禁止を提言するほか、この薬の郵送を禁止するため、ほとんど実際には適用されていない現行法を使うよう呼びかけている。
☆ この文書では、中絶に関する新たなデータ収集の取り組みを提案しているほか、もっと一般的な話として、連邦政府の保健福祉省が「(キリスト教の)聖書を根拠にした、社会科学によって強化された、結婚と家族の定義を維持」すべきだとしている。
☆ これに対し、トランプはこれまで主に、中絶に関する法律は主に各州に委ねるべきだと述べてきた。
☆ しかし、トランプ大統領が保健長官に指名したロバート・F・ケネディ・ジュニアは、承認公聴会の席上、ミフェプリストンの安全性に関する記録を調査するよう大統領から命じられたと述べ、同薬に対する規制強化の可能性を残した。
☆ また、トランプは、連邦政府の資金が中絶に利用されるのを阻止する大統領令に署名したが、この動きは、「プロジェクト2025」内に詳細に説明されている。
◆ 移民
☆ アメリカとメキシコの間に壁を設置するため、予算を増やすというの は、2016年大統領選でトランプ陣営が掲げた目玉公約のひとつだった。これも「プロジェクト2025」に含まれている。
しかし、トランプの移民政策を代表する、数百万人の不法移民を国外追放するという公約は、「プロジェクト2025」では詳細に説明されていない。 この文書には、トランプ氏に「移民法を徹底的に執行する」よう求める文言が含まれている。
☆「プロジェクト2025」はさらに、連邦政府の国土安全保障省をいったん解体し、他の移民規制担当省庁と組み合わせることで、今までよりはるかに大規模で強力な国境取り締まりの組織を作るべきだとしている。
☆ このほか、犯罪被害者や人身売買被害者のための特別ビザ(査証)を廃止し、移民申請費を増額するほか、高額の特別料金を払う移民申請者の審査手続きを迅速化することも提言している。
しかし、トランプが有権者に最も強く訴えたのは、大規模な追放だった。官僚的な配置転換でもビザ(査証)変更でもなく、長くて高い国境の壁でもない。
☆ この問題についてトランプ政権は、「プロジェクト2025」の提案とは若干異なる方向性の、そしてはるかに踏み込んだものになり得る対策を約束している。
◆ 気候対策と経済
エネルギー政策は、トランプ大統領と「プロジェクト2025」の提案の間に幅広い合意がみられる領域だ。これは、大統領選でのスローガン「掘れ、ベイビー、掘れ」に集約されている。
☆ トランプ新政権は化石燃料の生産量を増やしたいと考えており、排出量と地球温暖化の抑制を目指す気候変動に関するパリ協定からアメリカを脱退させた。
☆ 「プロジェクト2025」は、再生可能エネルギーの研究・投資に対する連邦予算を大幅に削減することを提案し、次期大統領に「石油と天然ガスに対する戦争をやめる」よう呼びかけている。これは、トランプ陣営が熱狂的に取り入れた考え方だ。
☆ 関税については、「プロジェクト2025」は二つの異なる考え方を提示しており、次の大統領が自由貿易を推進するべきなのか、輸入品への関税を引き上げるべきなのか、意見が割れている。
☆ トランプは明らかに後者の意見に味方し、すでにカナダ、メキシコ、中国を対象とした関税を発表した。
☆ さらに「プロジェクト2025」の経済政策担当者たちは、第2次トランプ政権に対し、法人税と所得税を削減し、連邦準備制度を廃止し、通貨の金本位制への復帰さえ提言している。
トランプはこうした分野の一部をめぐり、提案にコメントしているが、就任直後の経済に関する話題は、関税に支配されていた。
◆ 教育、テクノロジー、DEI
☆ トランプ大統領は就任直後から連邦政府での「多様性、公平性、包摂性(DEI)」プログラムの廃止に動き、政府機関が認めるジェンダー(性自認)を二つに限定する大統領令に署名した。
こうした動きはいわゆるリベラル派の「ウォーク(woke、社会問題への認識が高いこと)」イデオロギーの一部として、DEIやジェンダー用語を標的にしている「プロジェクト2025」の内容とおおむね一致している。
☆ 「プロジェクト2025」はさらに、公立校の選択範囲拡大を求めている。これは実質的に、宗教系および私立学校への公的助成を求めるものだが、これもトランプが最初に出した大統領令に含まれていた。
☆ 「プロジェクト2025」は教育省の廃止も主張。トランプはこれについても、支持を表明している。
☆ このほか、「プロジェクト2025」は、ポルノ禁止を提言しており、ポルノの閲覧・入手を可能にするIT企業や通信企業は業務停止にすべきだとしている。これは今のことろ、多数の一流テクノロジー企業の経営者から支持を集めている新政府では、重点課題とはされてきていない。トランプのテクノロジー業界に対する見解は頻繁に変化しており、性的コンテンツにはあまり関心がないように見える。
◆ 「プロジェクト2025」は今後も活用される
「プロジェクト2025」の執筆は一大事業で、ヘリテージ財団から2200万ドルの予算がついていた。
「プロジェクト2025」には、2025年1月の大統領就任から直ちに政策を実行に移すための戦略も詳述されている。その中には、政府ポストに人材を確保するため忠実な保守派のデータベース作成、新規採用した人材の訓練なども、項目として含まれている。トランプ陣営から見れば至れり尽くせりの提言集なのである。
「プロジェクト2025」とトランプ政権の間には、明らかな合意点と対象とならない提言とがある。しかし、「プロジェクト2025」のテーマの多くは、トランプ陣営が独自に主張していたものでもある。
トランプ大統領の2期目はまだ始まったばかりで、広範囲に及ぶ連邦政府の再編を、大統領がどこまで進められるかは不明だ。今後もこの提言集は折に触れ、活用されていくだろう。民主党は、今後もこの提案に反対し、「プロジェクト2025」の影響力を強調・排除していく意向を示している。
また、トランプの大統領令やその他の措置の多くに対しては、政治的に、そして法的に、対抗する動きが今後も続くだろう。
【C】 トランプ政権の政策に対する基本姿勢
☆ 政策に対する基本方針を別の観点から見てみると;
◆ 国内優先(アメリカ・ファースト)
エネルギー独立、製造業復活、国境警備強化など、国内経済と安全保障を最優先。
◆ 規制緩和と経済成長
中小企業支援や税制改革を通じて経済活性化を目指す。
◆ 対中・対外政策の強硬姿勢
中国を主要な脅威と位置づけ、貿易・安全保障分野での圧力を強化。
◆ 伝統的価値観と保守的社会政策
教育、家族、労働政策において保守的な方針を推進。
☆ 全体として、経済重視と国家主権の強化を中心に据えた、トランプの理念を色濃く反映した政権になる可能性が高い。
トランプ政権(第2次)とバイデン政権の主な違い
◆ 経済政策の優先順位
☆ バイデン政権:環境保護や気候変動対策を重視(例:脱炭素化政策)。
☆ トランプ政権:化石燃料推進や規制緩和による経済成長を優先。
◆ 外交政策の姿勢
☆ バイデン政権:同盟国との協調重視、国際機関での多国間主義。
☆ トランプ政権:対中強硬路線、アメリカ第一主義で国際協定の再評価。
◆社会政策
☆ バイデン政権:多様性と進歩的価値観の推進(LGBTQ+権利、人種平等)。
☆ トランプ政権:伝統的価値観と保守的政策(教育や家族政策の見直し)。
◆ 象徴的な違い:
☆ バイデン政権は「国際協調」と「社会的多様性」を強調し、トランプ政権は「国家主権」と「経済優先」に重きを置く姿勢が鮮明。
☆ 第二次トランプ政権の発足により、アメリカは再び保守的な価値観と経済優先の政策を軸とした新たな時代を迎える。
これらのリーダーたちがどのように国内外の課題に取り組み、国民の期待に応えるのか、今後の動向に注目が集まる。
【D】 トランプ氏が大統領令に続々署名
一目で分かる政策一覧 2025年2月14日 6時00分 朝日新聞 1月20日 更新
◆米国のトランプ大統領が1月20日に就任し、公約実現のために新たな政策を次々と打ち出している。就任から2週間あまりで、署名した大統領令は早くも50本を超えた。
どのような政策が盛り込まれているのか、主な分野ごとにまとめた。(朝日新聞)
(注)当項目は長いので、別途送付の、『【補足資料】:「トランプ氏の大統領令 一目で分かる政策一覧」』に掲載・説明
◆大統領令以外の諸施策(希望表明等含む)
☆ パナマ運河通行料減額要求
☆ グリーンランド購入希望表明
☆ ロシアの国際政治への復帰提案
☆ ガザの復興案・リヴィエラ化提唱
☆ ロシア・ウクライナ停戦協議・仲介案示唆
上記の内「ガザの復興案・リヴィエラ化提唱」と「ロシア・ウクライナ停戦協議・仲介案」は非常に問題があり、その影響範囲は世界中に及ぶ大きなものなので以下にその内容を記述しておきたい。
【E】トランプ氏のガザ「一掃」計画、「国際法違反」とみなされるのは不可避 <BBC記事より>
◆アメリカのドナルド・トランプ大統領が先月25日に、パレスチナ・ガザ地区を「解体現場」と表現し、「おそらく150万人ほどの人がいる。私たちはすべて一掃する」と語り始めた時は、これがどれほど場当たり的な発言なのかは明らかではなかった。
しかし、どうやらトランプ氏は、ガザをめぐる自身の提案についてかなり真剣なようだ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が訪米するまでの動きや、4日のネタニヤフ氏との会談を前に大統領執務室で話した内容、そしてネタニヤフ氏との共同記者会見での発言を見るかぎり、トランプ氏が本気なのは明らかだ。
この提案は、イスラエルとパレスチナに対するアメリカのこれまでの立場を、近年の紛争の歴史上で最も急進的に覆すに等しい。そして、国際法に反するとみなされるのは避けられないだろう。
◆トランプ氏の発表が、現地の一般住民にどのように受け止められるのかという問題がある。それに、重大な局面を迎えている、現在進行中の停戦と人質解放のためのプロセスにも、多大な影響を与える可能性もある。トランプ氏と政権の担当者らは、すべてのパレスチナ人をガザから永久的に「再定住」させるという同氏の呼びかけを、人道的措置という枠にはめこもうとしている。ガザを「解体現場」だとし、だからパレスチナ人にほかの選択肢はないとしている。
国際法では、住民を強制的に移住させようとする試みは固く禁じられている。パレスチナ人はもちろん、アラブ諸国も、これはパレスチナ人を自らの土地から追放し、民族浄化することを目的とした明確な提案にほかならないと捉えるだろう。だからこそ、アラブ諸国の指導者たちは、トランプ氏の提案を断固拒否しているのだ。トランプ氏はこの10日間、ガザのパレスチナ人をエジプトとヨルダンが「受け入れる」というアイデアについて頻繁に言及していた。 エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、パレスチナ自治政府、そしてアラブ連盟は1日に声明で、アメリカの動きは「地域の安定を脅かし、紛争を拡大させる危険性があり、民族間の平和と共存の展望を損なう」可能性があると述べた。
イスラエルの占領地からパレスチナ人を追放し、代わりにユダヤ人入植地を拡大することは、イスラエルの超国粋主義的な極右勢力が長年、強く願ってきたことだ。2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃して以降、イスラエルの極右勢力はハマスとの戦争を期限を定めずに継続することを要求し、最終的には、ガザにイスラエルの入植地を再び建設することを誓っている。極右勢力の指導者たちは、ネタニヤフ首相率いる連立政権の一員でもある。これらの勢力は、要求を取り下げることはなく、現在発効されているガザ停戦と人質解放をめぐる合意にも反対してきた。
◆ イスラエル首相との会談で突然に!
トランプ氏はこのところ、ガザのパレスチナ人をエジプトやヨルダンに「移住」させるという訴えを強めていた。その後にアメリカがガザを引き取り、再建するとしていた。そして4日には、さらに踏み込んだ発言をした。
ホワイトハウスでネタニヤフ首相と会談した後に開かれた記者会見で、パレスチナ人のガザ帰還は認められるのかと問われると、トランプ氏は「世界の人々」がガザに住むことになる、「国際的で、信じられないような場所」になると自説を展開。あとから、「パレスチナ人も」含まれると付け加えた。トランプ政権の中東特使、スティーヴ・ウィトコフ氏はこれに先立ってこの日、トランプ氏を「不動産に詳しい男だ」と述べ、同氏の提案がどういう性質のものか簡潔に言い表した。トランプ氏は、ガザが「中東のリヴィエラ」になると述べた。リヴィエラは、リゾート地として有名なフランスからイタリアにまたがる地中海沿岸地域の呼称だ。アメリカがガザを「引き取る」との発言については、記者団から、アメリカ軍がこれに関わるのかとの質問が出た。「我々は必要なことをしていく」とトランプ氏は答えた。
トランプ氏の提案は、1948年のイスラエル建国、そして1967年の第3次中東戦争から続く、パレスチナをめぐるアメリカの立場を最も急進的に覆すに等しいものだ。パレスチナのガザとヨルダン川西岸は、第3次中東戦争を経てイスラエルが軍事占領している。ガザは、イスラエル建国をめぐる戦争で故郷を追われるなどしたパレスチナ人が定住した場所だった。それらの人々とその子孫は、今日に至るまで、ガザ人口の大多数を占めている。トランプ氏の提案が実現すれば、現在ガザで暮らす200万人以上が、アラブ諸国のほかの場所、あるいはそれ以外の場所に「永久的に再定住」することを余儀なくされる可能性がある。
さらに、従来の意味での「2国家解決」の可能性を消し去ることになりうる。パレスチナ人やアラブ諸国は、追放計画だとして、かたくなに拒否するだろう。ネタニヤフ氏の政治基盤を形成し、超国粋主義的な入植運動に関わるイスラエルの人々の大半は、トランプ氏の発言を支持している。「ガザが今後、イスラエルにとって脅威にならないよう」にするというネタニヤフ氏の目標を実現するための手段が、現実味を帯びてきたとみている。一方で、パレスチナの一般住民にとっては、集団的懲罰行為に等しいものといえる。
◆ 主な経緯
*アメリカがガザ地区を「引き取る」とトランプ氏が発言、ネタニヤフ氏との会談後 2025年2月5日
*トランプ氏、アメリカがガザを「所有」と パレスチナ人の域外移住を提案 2025年2月5日
*トランプ氏、パレスチナ人の受け入れを周辺諸国に求める ガザを「一掃」と 2025年1月27日
*ガザ北部への住民帰還始まる イスラエル民間人女性の解放受け 2025年1月27日
*ガザ停戦が発効 最初に解放される人質の名前発表 2025年1月19日
*違法な入植がなぜ相次ぐのか……ヨルダン川西岸で「前哨地」急増の仕組み 2024年9月4日
【BBC調査報道】イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で暮らしていたパレスチナ人のアイシャさんは、昨年10月にイスラエルの入植者に銃を突き付けられ、50年間住み慣れた土地を離れるように言われたという。
BBCアイ(調査報道チーム)の取材により、入植者たちが作る「前哨地」が、ここ数年で急増していることが明らかになった。
BBCの分析では、西岸地区には少なくとも196カ所の前哨地が作られており、うち半数が2019年以降に設置されている。
前哨地はイスラエルの国内法でも、国際法でも違法だ。
しかし今回の調査では、イスラエル政府と緊密な関係を持つ「国際シオニスト機構」が、前哨地を作る資金や土地を斡旋(あっせん)していることが明らかになった。
専門家らは、前哨地を作ることにより、入植者らが広大な土地を急速に収用しているほか、パレスチナ人への暴力や脅迫も増えていると指摘している。
BBCは今回、アイシャさん一家を追い出したとされるモシェ・シャルヴィット氏という入植者にも取材を行った。
◆ 感想
☆ 最初このニュースを読んだときは、眼を疑った。ストーリーを読み間違えたかと思ってまた最初から読んでしまった。読み違いではなかった。信じられない思いだった。なぜトランプがそんな非条理な越権行為を冒すことができるのか分からなかった。いくらイスラエルに肩入れしているからと言って、世界中から非難されることが自明の理であるような愚挙をわざわざ実行しようとするのか理解できない。相手がアメリカにとって実際の利害関係国ならまだしも、遠く離れた中東の地で、アメリカにとっては関係のない、単にイスラエルのために何でそんなことをしなければならないのだ・・!? そんなことは誰もトランプのMAGAにもアメリカファーストにも直接関係ないと分かっていることだ。単にイスラエルのためにやっている。しかもイスラエルから頼まれたわけでも期待されていたわけでもない様だ。それは2月4日ホワイトハウスで行われた共同記者会見で、トランプが、「ガザはアメリカが引き取る」、「我々が所有する」と述べたとき、ネタニヤフが、トランプの提案に対して、「注目に値する提案だ」と評価したということからも窺がえる。ネタニヤフとしては満腔の感謝の気持ちでトランプに飛びつきたいぐらいの気持ちではなかっただろうか・・?
☆ こんなシナリオは「プロジェクト2025」にも当然無いことだ(ろう)から、まったくトランプの頭の中にしかなかったと思われる。トランプの発言は他の閣僚たちを驚かせたし、見守っていた共和党指導者たちも不意を衝かれたという。共和党の上級補佐官も「大統領はこの件について一言も言及していない」と言っている。ウィトコフ中東特使も知らされていなかった。しかし、トランプの側近はこの件は去年の10月から計画されていた、と話した。ということはトランプは場当たり的に思いつきを述べたのではなく、ずっと胸にしまっていたことになる。なぜか?それは自分の計画を公にするタイミングを見ていたということだろう。計画を発表して一笑に付されるようではだめだ。たとえ人々を驚かすことはあっても、最大限の受容が期待できなければならない。それは自分が大統領選に勝利して、その後就任後、Executive Orderを連発して、人々をして、トランプは一大改革をしようとしている、世界を180度ひっくり返すような革命的な変革をしようとしている、と考えるようになった時が一番抵抗が少なく受容されるだろうという目論見があったのではないだろうか。つまりトランプもこの計画がいかに破天荒なもので、常識はずれなものかということを十分認識していたということだろう。そう思うのは勿論トランプだけではない。誰が見ても「ハチャメチャ」で、「常識外れ」なものである。トランプの頭の中はどうなっているのか? 全く信じられない計画だ。
☆ アメリカとイスラエル以外の国家はどのような反応を示したかを見てみると、トランプが会見の際、「ヨルダンとエジプトの指導者がパレスチナ人に土地を提供するだろう」と付け加えたが、中東の指導者たちは、地域の不安定化につながるとしてその提案を明確に拒否している。当たり前である。それより以前に、トランプがなぜそんな法外なシナリオを考えたのか不思議に思ったことだろう。いやしくもアメリカ大統領であればこそ、ある程度の敬意を以て見ていても、これではまるで無法者ではないか、と思われても仕方がない。そんな噛み合わない、異次元のトンデモ話を持ち出したことになるからだ。
サウジアラビア外務省は声明で、「パレスチナ国家樹立に関するサウジアラビア王国の立場は、断固として揺るぎない」、「東エルサレムを首都と独立したパレスチナ国家なくして、イスラエルと外交関係を樹立することはない」と表明した。そして「パレスチナ人をその土地から追い出そうとする動き」など、「イスラエル人による、パレスチナの正当な権利に対するあらゆる侵害をきっぱりと拒絶」するとして、「このゆるぎない立場に交渉の余地はなく、譲歩の対象にもならない」と強調した。断固とした決意だ。これが当然の反応だ。
怒りの声はアメリカの野党・民主党からもあがっている。米連邦議会で唯一のパレスチナ系アメリカ人議員、ラシダ・タリーブ下院議員は、トランプが「公然と民族浄化を呼びかけている」と非難した。タリーブ議員はソーシャルメディア「X」に、「トランプ氏は働くアメリカ人への連邦資金をカットする一方で、イスラエル政府への資金提供を続けている」と投稿した。これも全くその通りで、USAIDの削減や停止でアメリカにおける雇用や予算を大幅に減らすと言いながら、イスラエルに対しては莫大な資金を投入している、―これまでばかりでなく今後もさらにー、ガザ一掃計画ではさらにその何十倍もの予算が必要だろう。全く矛盾した話ではある。
同民主党のクリス・マーフィー上院議員(コネチカット州選出)も「X」に、「(トランプは)完全におかしくなった」と書き込み、続けて「お知らせがある。アメリカはガザを支配しない」と投稿した。カリフォルニア州のエリック・スウォルウェル下院議員は「X」に、「ちょっと待って! アメリカがガザを占領するのか?」と投稿した。「終わりのない戦争はもうやらないと約束された。私の数え方では、我々はグリーンランド、カナダ、パナマ運河を占領するつもりで、そして今度はガザもなのか?」と議員は書いた。みんなまともに反応するより、呆れてしまって茶化すことぐらいしかできない様子だ。それだけ憤激と軽蔑が大きいということだろう。
アメリカはこれまで、数十年にわたる外交政策で、パレスチナ国家の創設を支持。ガザがその主要な部分になるとしてきた。
☆ これからどうなるのか?
トランプの第2次政権スタートダッシュは猛烈な地響きを立てるような爆走であったが、就任1ヶ月たってそれは暴走になっている。
アメリカは1948年にイスラエル建国のスタートからイスラエルを支援してきた。そしてアメリカの基本政策は、70余年に渡って、中東にイスラエルとパレスチナの2国家併存であった。世界中がそれを認めている。それがイスラエルによる一方的なパレスチナへの入植拡大で近年軍事力によるイスラエルの侵食によって、パレスチナは風前の灯火になってしまい、ハマスによる2023年10月のイスラエル攻撃で更に墓穴を掘る形になってしまっていた。イスラエルの反撃は苛烈なもので、ハマス・ガザは疲弊しきってしまいとても対抗できる状態にはなくなっていた。そこに第2次トランプ政権が誕生して、更にイスラエルを猛烈に支援することが明らかになり、このままでは、パレスチナの民族浄化に繋がる、パレスチナ国家の消滅の可能性が出てきた。これが、トランプによる中東に「平和」をもたらすと約束したことなのか?
国際社会からの非難は重々承知。「米国がガザを所有する」という衝撃的なアイディアをぶち上げたトランプの真意は一体どこにあるのか? 停戦機運も出て来て、そろそろ収まるかな…と願っていたガザ問題は再度爆発し、そのまま中東各国に広がる可能性もある。そこにイランがハマス・パレスチナを支援するということで絡んできたら、イスラエルが今度は国家存亡の危機ということで、アメリカが出動し、それに伴いシリアに利権を持っているロシアも動くかもしれない。そうなればミニ第3次大戦の様相を呈してくる。核保有国どうしが相対するのはごめんである。トランプからガザ市民の受け入れを迫られるエジプトの国家安全保障問題を深刻化させることにも繋がるため、また大混乱と悲劇の再発が予想される状況が浮上してきた。現時点では全く先行き不透明であり、お手上げである。
【F】 ロシア・ウクライナ停戦協議・仲介案
◆ 【ワシントン共同】トランプ米大統領は21日放送のラジオ番組のインタビューで、ロシアのウクライナ侵攻についてプーチン大統領の責任を認めなかった上、プーチン氏が望めばウクライナの「全土を占領できるだろう」と述べた。ウクライナのゼレンスキー大統領が和平交渉を「難しくしている」と批判し、希少な鉱物資源(レア アース)の米国への供与を改めて迫った。 ゼレンスキー氏には和平交渉のカードがないとし、同氏の交渉参加は「正直言ってそれほど重要ではない」と主張。24日で侵攻3年となるのを前に、ロシア寄りの姿勢を鮮明にした。ウクライナ批判を先鋭化させており、反発が広がりそうだ。
ロイター通信は21日、トランプ政権がウクライナに対し、鉱物資源供与に合意しなければウクライナ軍が通信に使う米衛星インターネット接続サービス「スターリンク」を遮断する可能性があると警告したと報じた。
トランプは「ロシアが攻撃した」としたが、侵攻の責任がプーチン氏にあるとの論調には「うんざりしている」と憤った。
◆ [24日 ロイター] - ロシアのリャブコフ外務次官は、米国が後押しする迅速なウクライナ停戦は早期の戦闘再開につながるとし、ロシアは紛争の根本原因に対処する長期的な和平合意を望むとの立場を示した。米ロがサウジアラビアで先週(2月17日)開いた高官協議については、トランプ米大統領のウクライナ和平計画に関してより明確な情報は得られなかったとした。しかしこのサウジでの停戦調停会議に当事者のウクライナも、将来的にNATOやEUがらみで関連することが避けられない欧州主要国が一つも参加していないのは異様な光景である。
◆ NBCによると、停戦協定の中で、再侵略があった場合はウクライナのNATO加盟に必要な手続きを省略し、即時に加盟できるようにする条項を設けることが検討されている。米当局者はNBCに「ウクライナや同盟国が抱く大きな懸念への対処を狙ったものだ」と説明した。ウクライナはロシアの再侵略を防ぐ「安全の保証」を米欧に求めている。 現時点でのウクライナのNATO加盟についてトランプ大統領は否定的で、ロシアの反発も予想される
◆ ルーベン・ブレーケルマンス オランダ国防相は、オランダのウクライナ支援を改めて表明し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は民主的に選出された大統領であると強調した。 ロシアのウクライナ侵攻から3年を記念する英語のソーシャルメディア投稿で、ブレーケルマンス氏は「ロシアは侵略者」であり、ウクライナは「理由もなく不法に侵略された」と述べた。 プーチン氏は「独裁者だ。ゼレンスキー大統領は民主的に選出された大統領だ。ロシアは戦争犯罪を犯している。ウクライナには自国を守る権利がある。これを繰り返し、必要な限りウクライナを支援しよう!」と述べた。
◆ 感想
◆ これもまた物凄い暴走である。トランプの「ロシア・ウクライナ停戦協議・仲介案」というのが全く異常なのである。何が異常かというと;
① 仲介案といいながら、トランプの仲介案は、プーチンの主張と全く同一で、ゼレンスキーの主張はハナから無視している。
2期目になってもトランプの「プーチン大好き!」は衰えるどころか、それを隠そうともしなくなった。トランプはウクライナ戦争について、
・現在の前線での停戦、
・ウクライナをNATOに入れない、ということで話を進めようとしている。
「現在の前線での停戦」というのは、要するにロシアが2022年9月、一方的に併合した ルガンスク/ドネツク/ザポリージャ/へルソン州を、「事実上ロシアの支配下のままにする」という意味。クリミヤも入っていると思われる。ウクライナはロシアの領有権を認めないが、ロシアが実効支配しつづける。つまり、「北方領土のような状態にする」ことを意味しているのだ。ゼレンスキーは勿論納得しない。
そして、「NATOに加盟させない」というのも、もちろんプーチンの要求なのだ。なんといってもプーチンは、「ウクライナのNATO加盟、NATO拡大を阻止するために」ウクライナ侵略を開始したのだから。要するに、トランプの「停戦案」は、プーチンの「停戦案」と同じなのである。別の言い方をすると、トランプは、事実として「プーチンの指示どおり動いている」。指示どおり、というのは、二人は2月12日に電話会談を行い、1時間半以上話し合っている。会話内容は上記内容が中心としか考えられない。思いっきりプーチンに寄り添った内容が明らかになったからだ。
② 仲介するということは両者の意見を聞いて、その上で話し合いなり、3者会議を行うのが筋だが、トランプはプーチンとはじっくり話し合ったが、ゼレンスキーには一方的に上からの目線で、命令口調で押し付けるだけで、挙句には、納得しないゼレンスキーにとても苛立っていた。トランプは自分が大統領になったら一日で戦争を止めるなどと言っていたが、それはアメリカが支援を止めれば、ウクライナは戦争が継続できなくなって、白旗を上げるしかない、と単純に考えていた節がある。ところがウクライナはバイデン政権ばかりではなく、欧州諸国(EU)やNATO加盟国も陰に陽に支援していたから、3年も持ちこたえているのだ。とても一日で終わるような話ではなかった、ということで、トランプも焦ったのだろう。すぐに半年ぐらいかかると修正した。トランプは戦争が止まりさえすればいいのだ。そこまでは自分が主導して、あとは周辺国や欧州の問題だと考えているのである。バイデン政権が出来なかった停戦を自分が実現したと支持者に訴えたいのだ。功名心の強いトランプは、ウクライナがロシアによって主権を抑制されようが、親ロシア傀儡政権が出来ようが、ウクライナの経済や復興がどうなろうとも、自分が戦争を止めたという勲章が欲しいだけなのだ。
➂ ところが、なんとトランプが、「これからも軍事支援をつづけるかもしれない」という状況が出てきた。それはウクライナにはレアアース資源(希土類)が豊富にあるということが知られたのである。レアアースは希少価値が高く、スマホ、パソコン、家電、自動車などの製造に欠かせない材料で、ウクライナには、レアアースがたっぷりあるというのだ。
トランプはそれが欲しくてたまらない。なぜなら中国の埋蔵量は4400万トンで世界一。アメリカは140万トンで中国の31分の1。グリーンランド(150万トン)には、アメリカ一国に匹敵するレアアースが存在する。しかも、中国は、グリーンランドのレアアース利権も狙っている。ウクライナにも莫大な量のレアアースが存在するといわれている。だから、ゼレンスキーは、「レアアース利権」をエサにして、アメリカの支援を継続させたい。ところがトランプは「今まで支援した分をレアアースで支払え」と要求したから、ゼレンスキーは協定書に署名することは拒否した。トランプは激怒して、ゼレンスキーは独裁者だと罵った。これは言い過ぎだ。仲介者が当事者になってしまっては終わりだ。自分は神の加護を受けていると思っているトランプは、誰でも自分の言うことは聞かねばならないと思っているかのようだ。トランプが一期目大統領だったときの、大統領首席補佐官だったボルトンは、トランプは「アメリカ史上最低の大統領だ」と毒づいた。(ボルトンは任期途中でトランプに更迭されている) トランプはプーチンこそが独裁者で、ゼレンスキーは民主的選挙で選ばれた正統な大統領である、ということを認識していない。いや勿論知っていて言ってることで、要するにバカにしているのだ。以前にゼレンスキーは「そこそこのテレビタレントが大統領になった」などと揶揄した言葉を残している。
④ これが一番問題なのだが、トランプもプーチンも、停戦協定を結ぶための話し合いを、ウクライナ抜きで進めている。プーチン(ロシア)とトランプ(アメリカ)の二人で進めているのだ。ウクライナ抜きばかりでなく、欧州主要国もツンボ桟敷におかれて口を挟むこともできない。これはおかしい。トランプは最初は、ウクライナ支援には反対だ、これはアメリカには関係ない、欧州の問題だ。などと言っていたが今は自分とプーチンとだけで決めてしまいたがっている。二人で決めたとおりにゼレンスキーが署名すればそれで終わり!ということにしたい、ということだ。その後はトランプは「はい、さよなら」で、プーチンの一人勝手な世界になる。ゼレンスキーは勿論大統領の座を追われ、親ロシアの傀儡政権が樹立され、ウクライナに攻め込んだプーチンから逆に戦争犯罪を糾弾され、賠償金を課され、悪ければ監獄入りである。そうなってからではもはや元に戻せれない。今トランプがやろうとしていることは必ず将来に禍根を残すことだと思われる.
◆ 今トランプがプーチンのご機嫌を取っていることは、第2次大戦前に、英国首相のチェンバレンが、ヒットラーに対して宥和政策を取って、チェコスロバキアのズデーテン地方を、ドイツ系人が多く住んでいるからということでドイツに併合を許してしまったことを思い出させる。チェンバレンとしては、ヴェルサイユ条約で法外な賠償金を課され、その上再軍備も禁止されて国家として機能が片輪になったドイツに対する同情と、正義感からドイツを宥めるためにとった政策だった。しかし実際はスターリンの共産主義が西進して来るのを英国との間に立つドイツが防波堤になってくれることを期待してのものだった。この宥和政策で味を占めたヒトラーは経済成長と再軍備に注力し、ドイツは短期間で超軍事国家に変貌を遂げ、1939年には独ソ不可侵条約を結び、同年に独ソによる「ポーランド分割協定」を結んですかさず東西からポーランドに侵攻してポーランドを分割し、自国領として併合してしまった。つまりポーランドは何も知らない間に独ソ2国間により分割され、地図から国が消えてしまったのである。トランプとプーチンと二人で、ウクライナ抜きで話を決めてしまうなんてのは将来歴史家が、今の時代を振り返って論評する時、「あの時代にはロシアのプーチンという恐怖政治・権威主義の独裁者と、トランプというアメリカ、民主主義国家の独裁者がいて、いつも世界中の顰蹙を買っていた。二人は政治上のLGBT 信奉者だった。ということになるだろう・・?!
☆ 1938年のミュンヘン会議でドイツ宥和策を確定したチェンバレンは帰国したときはロンドンで国民による大歓迎を受けたが、翌1939年第2次大戦が勃発して、首相を辞職しその翌年1940年に死亡している。(カズオ・イシグロのThe remain of the day はこの英国のヒトラードイツ宥和政策を推進したダーリントン卿とその執事にまつわる情景を描き出している。)
◆ 英仏独伊首脳は緊急欧州会議を開き、対応を模索した。英国スターマー首相はウクライナへの「揺るぎない支持」を表明し、マクロン フランス大統領は、「対露宥和政策は将来に禍根を残す」と言明、それぞれトランプを説得する予定だが、今のトランプを見ると、果たしてどれだけ効果があるかは疑問にも思える。ドイツショルツ首相は「欧州がウクライナ対応を主導すべきだ」との立場であるが、おりから自身のSPD党が2月23日のドイツ総選挙で惨敗し、第3党となったため言葉にも元気が無い。イタリアのメローニ首相も「平和維持部隊派遣は最も効果が無い」と関心が薄いようである。
◆ なぜトランプはそれほどプーチンに入れあげるのか?
トランプのプーチンに対する “畏敬と親しみ” は信じられないほど、常軌を逸していることが分ってきた。北野氏はそれを “プーチン愛” と呼んでいる。世界の大国のトップ同士が、政治・経済・軍事の乾いた苛烈な戦い・駆け引きに明け暮れている中でそんなウエットな情愛の気持ちを持ち合わせることができるなんて何んとも不思議な気がしてならない。なぜそんな気持ちが、少なくともトランプの方は持つのだろう? プーチンは多分調子を合わせているだけだと思うのだが、それでも、“早くドナルドに会いたい”などとガクっと来るようなコメントを出している。最初からそうだったのか?いやそんな筈は無い。当然トランプが大統領になってからのことで、どこかに何らかの接点なり、トランプが感銘を受けるようなインシデントがあった筈だ。 そう思ったとき、もしかしたら・・と気がついたことがあった。
それは2016年のアメリカ大統領選挙で、ヒラリー・クリントンとトランプが争うことになったとき、ロシアはアメリカ社会の分断を狙って大々的な選挙介入を図った。それは主としてSNSを利用してトランプを応援し、トランプを勝たせて大統領にさせることであった。(故)プリコジンが作り上げた計画・IRA(インターネット リサーチ エージェンシー)に従って、右翼戦線、左翼戦線、黒人戦線工作によって、また軍諜報はハッキングによってヒラリーの選挙対策本部長ポデスタから5万通のメールを盗んでいた。そして、ヒラリーにとって都合の悪い情報をジュリアン・アサンジの「ウィキリークス」にどんどん流していった。追い詰められるヒラリーをみてトランプは、「ウィキリークス!私はウィキリークスが大好きだ」と発言し、喜んでいた。ロシアの情報戦の結果、得た情報の暴露によって、プーチンが嫌うヒラリー・クリントンを落選させ、親プーチンのトランプを勝利させた。当初泡沫候補と思われていたトランプが勝利してしまい、トランプ自身も驚いていたという。それほど投票日まで、ヒラリーの圧倒的勝利が予想されていたものだった。
選挙後、ロシアが選挙に介入したことが疑われ、トランプと共謀したという疑惑で、ムラ―特別検察官率いる調査チームが本格的に時間と金をかけて調べた。だがムラー特別検察官は、「トランプ陣営とロシアの『共謀はなかった』」と結論づけた。しかし、「ロシアがトランプが勝つ工作をした」のは明らかで、ただ「共謀はなかった」という話であった。結果的にトランプの「ロシア疑惑」は公にも無罪となった。
思うにこの時、トランプは調査報告書を読んで、プーチンがトランプを全力で支援したのを知って、大いに感銘を受け、感謝したのではないだろうか。そしてそれまでも親プーチン的であったのがさらなる恩誼と感謝で “プーチン愛” に深化したのではないだろうか? それがトランプの2期目になっても揺るぎの無いものになっているのではないか、と思えるのである。それで、トランプはウクライナ戦争について、・現在の前線での停戦 、・ウクライナをNATOに入れない、とプーチンの希望通りの話を進めようとしていると、私には思われるのである。
トランプはそんな個人的な感情を漏らす筈がないから、単なる想像でしかないが、もし想像通りだとしたら、ゼレンスキーを停戦案協議に入れないで、更には欧州主要国も入れないで、プーチンと二人で決めてしまう、-固定化してしまうー、と進めているのが納得できるのである。
◆ トランプの特徴は、何と言っても有言実行タイプで、大胆な政策をSNSにより閣議とか党内調整とか経ずして、次から次へと打ち出すところにある。外交政策などは相手国が同調しないとすぐ関税をかけると脅し、実際にそうするのだから、Tariff manとか恐喝外交などと呼ばれることがある。そのやり方が、50%とか時には100%の関税をかけるとか打ち出すものだから相手国はビビってしまう。WTOの精神などトランプには眼中にもない。そして交渉の段階で、相手の出方次第で税率を下げたり、始動時期や期間を変更したりして、大概の国は折れてしまう。そうやって落としどころを探して力で捻じ伏せるようなやり方で相手に有無を言わせないのがトランプ流なのだ。中国はトランプ一期目の時、トランプの発表した関税と同額の報復関税をアメリカに課すというやりかたで対抗したが、トランプはその都度対象範囲・額を広げたので最後中国はもう関税をかける対象が無くなってしまいギブアップとなった。アメリカは中国からは大幅な輸入超過なので、中国は報復関税をかけたくてももはやできなかったのである。今思うとこのころが中国のそれまでの日の出のような勢いの経済の伸長に影が射しだした時だと思われる。
◆ トランプは「アメリカ第一主義」で自国のためになることはどんどん取り入れることを旨としている。相手国の事情などに気を遣うことなどなく、同盟国や友好国との条約とか協定は2の次である。ドライなのだ。典型的な例はNATOの分担金(GDPの2%)を加盟国が払っていない、アメリカが大幅に財政上の損失を蒙っているとして、強烈にNATOの会議で主張したことがある。トランプの言い分には道理があるので、加盟国は沈黙せざるを得なかった。いまではこの分担金問題はだいぶ平滑化されてトランプは満足しているかと思ったら、今度は2期目になって、分担金は5%に上げようと主張を始めた。財政的に苦しい国は真っ青である。ルッテNATO事務総長はこれを2%と5%の間を取って、3.5%という試案を出したが、どう決着をつけるのか注目されている。
◆ 私はトランプのやり方は強引で鼻持ちならぬことがあると思う反面、彼はアメリカのためにやっている、決して個人的な理由でやっているのではない。いわゆる国益のために行動していると思い、彼のアメリカ大統領としてのやり方をそれなりに評価していた。世界政治を見る時、トランプのようなビジョンや実行力がないと、とてもアメリカの退勢に歯止めはかけられない。そのような視点でトランプを見ていたのである。しかし今回明らかになった、「パレスチナ一掃計画」と「ウクライナ停戦協議を強引にプーチンと二人で決める」やり方にはショックを受けた。アメリカ第一主義(MAGA)はいいとしても、他国や他民族を犠牲にしてまでやることではない。しかもそのやり方が冷酷非道で、また一般の常識と大きく乖離している。MAGAは自国だけ良ければいいということではない。アメリカを世界的に再びGreatにするためには世界的な視点から判断しなければならない。こんな利己的で非情なやり方では決してアメリカはGreat にはなれないだろう。アメリカ国内が2分化されている現在、社会を一つにまとめるのにはこんな独裁者のようなやり方ではだめだ。アメリカが世界的に評価されなければMAGAは達成されることは無いと思ってしまう。 残念ではあるが、私としてはトランプの画期的な面だけ評価して、その裏に隠された自分(自国)だけ良ければ、あとはかまわないというあまりに利己的な姿勢に目を瞑るわけにはいかない。 (当記事は2月24日時点での記述)
< 終わり >
参考資料:
藤井厳喜・北野幸伯・島田久仁彦・河添恵子・三橋貴明・
高島康司・志田淳二郎・諸氏のメルマガ、動画等
朝日新聞資料・BBC解説等
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オランダ在住の 林 義祐氏(64回生・岡谷市出身)のご寄稿「オランダの生活・歌日記: 2025年2月」を下記に掲載いたします。
ゼレンスキー・トランプ会談は厳しい結果になり、私のような国際情勢に疎い人間でも停戦は容易ではないことが実感されます。欧州の人たちの不安と懸念はいかばかりかと察します。
林様、今月もご寄稿ありがとうございます。同窓の皆様のコメントをお待ちします。
(名取宛メール: antimarck@yahoo.co.jp)
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2025年2月:歌日記
2月1日 (土)<ミルクを流したような霧>
☆ 朝の霧濃い靄の中人見えず 時間と共に更に濃くなる
☆ 午後になり異常な霧が消えてゆき 太陽射してやっと平常に
2月2日 (日)<土葬>
☆ オランダでまだ土葬かと友は訊く 宗教の自由土葬もありて
☆ 土葬では火葬より費用かかりたリ 特別宗派富者の特権
2月3日(月)
☆ 家の中ハイビスカスは陽を浴びて 元気いっぱい蕾百ほども
☆ この花は我が家に来てから半世紀 日蘭共に妻の丹精で
2月4日(火)
☆ 朝明けて陽は射すけれど霜溶けず 刺すような空気冬真っ盛り
☆ 餌台の鳩余りの寒さ薄い陽に 羽膨らませじっと動かず
2月5日(水)
☆ 冬の空澄んだ冷気に星と月 オリオン南クレセント西
☆ オランダの寒空 空気澄みゆきて 息を呑むほど満天の星
2月6日(木)<卓上のアコニーツ>
☆ アコニーツ昼間は蕾陽が薄過ぎる 夜は電灯下満開となり
☆ 外寒しされど家の中花々は 一足先に春を迎える
2月7日(金)
☆ 太陽が朝から強く射しこんで 卓の一隅ミニ花壇となる
☆ 家の中ハイビスカス鉢移動後は 温度が合うのか花一斉に咲く
2月8日(土)<Japanese Wineberry (エビガライチゴ) >
☆ ワインベリー実をつけ終わりし枝を切る 手袋突き刺す棘に悩まされ
☆ このイチゴ毎年豊作嬉しくも 古い枝切る剪定苦労
☆ 棘きつい枝は互いに絡み合う 自縄自縛で樹は固定され
☆ 整枝後の 形夏にはこんもりと 緑の葉覆う小山のごとく
2月9日(日)
☆ 鉄格子一面覆うスイトピー 手作業で除く根気の仕事
☆ パンパスも穂は盛り過ぎ痩せ細り 昔日の面影時と共に去る
2月10日 <フリースランドの州都>
☆ 隣りの州リューバルデン向かう途次 事故渋滞で車動かず
☆ 40キロ遠回りしてやっと着く 半日無駄も終われば良しと
2月11日 <雪景色>
☆ 朝見れば夕べの霙今朝雪に 立春過ぎて雪も弱弱し
☆ 居間からは銀世界望む額縁絵 すぐに溶けそう暫しの鑑賞
☆ チューリップ雪には強く平然と 芽出しといえど楽しむかのよう
☆ 鳥もまた雪の後には忙しく 餌台の周り行ったり来たり
2月12日(水)
☆ 今日もまた霙雪降り銀世界 冬の抵抗春は足踏み
☆ ヘーゼルの花穂めっきり色づいて 遠目にも分かる季節の移ろい
2月13日 (木)<スノームーン>
☆ 昨晩はスノームーン期待ヤキモキと 薄靄空を何回か見上げ
☆ 今日は晴れ一日遅れのスノームーン 輝く月が星座を圧倒
2月14日(金)
☆ 庭師来て庭を隈なく点検し 剪定した枝山盛りとなる
☆ 古木なるリンゴの木まで剪定し 巨大な盆栽庭に出現し
2月15日(土)
☆ シジューカラ寒中水浴びその熱中 延々続き驚かされる
☆ 外気温1度前後の冬さなか 夏にはあらじどうしたことぞ
☆ キツツキはシジューカラの水浴び何思う クルミも食べずに暫し見ており
2月16日 (日)
☆ 敷石と壁の隙間にクロッカス 茎を伸ばして春を告げたり
☆ クロッカス自ずと育ち花までも 自然の力春も全てに
2月17日(月)
☆ アコニーツ年々伸ばす勢力圏 今では以前の倍ほどの長さ
☆ スノードロップ・アコニーツ共に春の使者 先遣隊咲き春は到来
2月18日(火)<Ivy fence>
☆ 庭フェンス金網に絡むアイビーは 20年経ってモンスターとなり
☆ モンスターの伸びた茎枝地を這いて そこで根を張り脅威の繁茂
☆ ヘッドライト点けて夜まで作業する あまりの量にあとはまた明日
*フェンス上部を這いまわった枝はその後地面まで届いてそこで根を張る。
フェンス際の地面は全部地中に根が張り巡らされている。
*作業翌日の写真。芝の切れ目の地面が見える。
2月19日(水) <>
☆ 切り取ったアイビーの量多すぎて ゴミの日に出せず次回まわしとし
☆ 20年アイビーの面倒放置して フェンスも傷み今罰を受け
2月20日(木)
☆ 妻の膝手術か否か決めるため グローニンゲンヘ2時間ドライブ
☆ 五年間悪化無しとの診断で 手術せぬとの結論に至り
☆ 二人して何はともあれ良かったと ささやかなれどコーヒーで乾杯
☆ 帰路もまた2時間ほどのドライブも 気持ちは晴れて快適なもの
2月21日(金)
☆ 南風吹いたと知るやクロッカス 一斉に咲きだし春を迎える
☆ アコニーツもスノードロップも満開で 待ちにし春は到来したり
2月23日(日)
☆ オランダの三寒四温回り来て 今日は霜も見え日の出清冽
☆ 寒い中それでも春は来たからに 空気も何気にやさしく感じ
2月24日(月)
☆ ドイツ選挙メルツ勝利も世界の眼 ゼレンスキーに注がれており
☆ ウクライナ停戦協定プーチンと 決めたいトランプ大暴走し
☆ ゼレンスキー自国の運命トランプ次第 世界の世論背に必死の抵抗
☆ チェンバレンの宥和政策そのままに トランプ世界を大混乱に
☆ トランプは米国がガザを引き受けて 住人追い出すと 狂気の提案
☆ 神からの加護を受けたとトランプは 自信満々爆走が暴走に
2月25日(火)
☆ 雨上がり花壇の土は黒々と 陽を受け匂う大地の息吹き
☆ スイセンの芽が出て蕾膨らみぬ 主役の春を迎える準備
2月26日(水)
☆ 未明にて「春はあけぼの」実感す コーヒー飲みつ部屋の仄明かり
☆ 冬至頃午後4時半には暗くなり 今は6時まで庭仕事出来
2月27日(木)
☆ 未明に起きメール見たれば飛び込んだ友の訃報に呆然となり
☆ 我絶句なんということ涙出る多くの釣行走馬灯走る
☆ ご冥福祈りますとしか言えぬ今 心中涙の合掌!合掌!
2月28日(金) <日本行きフライト>
☆ NATOが6月アムスで大会議 フライトの乱れ10万人に
☆ 影響は予約キャンセル起こるとの 通知を受けて嫌な予感あり
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(以上)
【Note】 今月は「庭・花の写真」は、花が少なくお休みします。
掲載(了)