ショットキーダイオード

今年の3月頃、このHPから一通のメールをもらいました。アンプにショットキーダイオードを使うと音が良くなるお話の紹介でした。全く意識もせず過ごしていたら、メールをいただいた出川さんが何とMJの5月号で技術解説を書いているではないですか。早速メールをお送りしたところ、詳細な説明やデータを送っていただきました。大変お世話になりました。

これとは別に、JA0KYBさんからショットキーを購入してあるので使ってみないか、との嬉しいお話があり、いくつか送っていただきました。今回はそのレポートです。

1. 半導体アンプの電源回路
MOS-FETコンプリアンプの電源二次ACが16Vなので、ブリッジ型の耐圧(60V)以内に収まると考え、早速入れ替えてみました。日本インターの出川さんからいただいた情報のように、少し音が小さくなったような気がしました。作業部屋の小さなスピーカーでは結構大きな変化に感じたのですが、スワンにつないだところ、それほどの違いはないみたいです。ただ、音が静かになって、低音の迫力が増すと同時に、6BX7-PPで感じた音の大きさに応じた音色の変化が出てきたようです。音楽性豊かになったように思います。真空管アンプに近づいた感じです。しかし、6BX7-PPの方も、その後、結構手を入れてあったので、これを追い越すまでには至っていません。でも、なかなか良い傾向にあると思いました。

2. 300Bフィラメント整流回路
こちらも60V 4Aブリッジを使い、置き換えてみました。シャーシーとの間にシリコングリスを塗りましたが、発熱が結構あります。それまでの ダイオードでは、300Bに4.8Vを供給していたのが、ショットキーでは5.1~5.2Vまで上がりました。電圧ドロップが少ないようです。音に与える影響は、そんなにありませんでした。いくらかおとなしくなったようにも思います。そのせいかどうか、歪が気になりだしました。高域が少し落ちたようにも思えるので、初段12AX7の負荷抵抗を下げてみました。他の真空管アンプ2台は62KΩにしてあるのですが、この300Bアンプは200KΩのままでした。それでも高域の不足がそれまでなかった事を考えると、やはり歪の混じった音を聞いていたのかも しれません。結果は随分高域がすっきりしてきました。しかし、本質的と思われるシングルアンプの歪については、まだ気になる存在です。PPアンプの領域に達することはできませんでした。今回は半導体アンプの電源回路と直熱型真空管アンプへの適用で、特に前者にはかなりの効果が見られたように思います。ただ、メインの6BX7-PPへの応用ができず、残念に思いました。

このアンプの整流管は、先週あたりに5MK9 x2→ 5Y3 GTBに変更しました。少しリップルも減少したように思います(傍熱管にしたのも良かったかな?)。真空管アンプの電源部が、現在でも整流管主体である事を考えると、ショットキー効果をすでに持ち合わせていると言えるのかもしれませんね。