上の写真が完成したものですが、10kHzクロスオーバー、スーパーツィータは PANASONICの5HH10を新調しました。フォステクスのT90Aを狙っていたのですが、デジタルアンプをつないで、いきなり壊れるのが心配なので、ステップを踏む事にしました。
音を一言で表現すると、モヤの無い澄み切った音でしょうか。Vnソロの音は今までの良さを残したままで、大編成の管弦楽が凄いです。トライアングルの音が俄然クリアになりました。ブラスも張り裂けるような響きです。従来アンプのストリングスが、もどかしく感じられます。試しにジャズを聞いてみたら、これがまた素晴らしいです。キースジャレットのミュンヘンライブでは、まさにそこへ参加しているような錯覚になりました。ドラムスのシンバルと言うのか、ハイハットと言うべきなのか、素晴らしい高音です。レベルを上げても耳障りになりません。
SPケーブルは40~50cmになりました。これも効いているかもしれません。フルレンジSPの高域をストンと落とした事で、弦楽器などの歪みを取り除き、完全分離されたスーパーツィータで、さらに超高域が再現できているものと思います。全体に柔らかめの音ですが、時折りビックリするような高音がでてきます。ブラスが強烈に響きます。低音はシマリが出てきて、むしろレンジが広がっています。どんなジャンルの音楽でも余裕を持って再生できる環境に大きく一歩前進したと感じます。スーパーツィータ 5HH10は能率が高いので、高音用のボリュームは2/3くらいで使っています。
音はさらに柔らかく、ワイドレンジになりました。T90Aに換える気がしなくなりました。PANASONICのユニットは、高音域のインピーダンス上昇が少ないため、デジタルアンプにはモッテコイのユニットだったせいかも知れません。いろいろなソースを聴いていると、特にコンサートホールのざわめきが、とても良い雰囲気で伝わってきます。ブラスも一段とシャープになりました。狙い通りの効果が出ると、嬉しいものですね。
【製作編】
ケースは、ICMの古い外付けHDDユニットを使いました。35WのSW電源をそのまま流用します。TA2020一個を2wayアンプとして使います。山根式の10kHz 12dB/OCTデバイダ内蔵です。苦労したのは入力ケーブルを通じての回り込みが起き、発振気味でしたが、これはフェライトビーズ一個で直りました。電源ポップノイズがかなり大きくなりました。TA2020入力のボリューム開放状態のところに、デバイダから直付けされたコンデンサが入っているからです。しかし、これも解決しました。500Ωの抵抗と3900uFのケミコンで、TA2020アンプ部とデバイダ電源部に時間差を作り、まずまずのレベルになりました。