2026.05.11|Mon
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福祉社会デザイン学部社会福祉学科2年次の社会福祉学総合演習の授業で、私たちは認定NPO法人 シャプラニール=市民による海外協力の会に受け入れていただき、実習としてさまざまな活動を行いました。
10月18日、シャプラニールの事務所にて、寄付として届けられた切手の仕分けボランティアに参加させていただきました。事務所には仕分け方法のマニュアルが用意されており、それに沿って作業を進めました。寄付される切手の多くは、すでに切手部分だけが切り取られた状態で届いており、そこからさらに余分な紙を丁寧にカットしたり、未使用の切手と使用済みの切手を分けたりしました。
ひとつひとつ確認しながら進める作業は、見た目以上に細かく、集中力が必要でした。また、仕分けの中で、破れや欠けがある切手は寄付として使用できないことを知り、廃棄せざるを得ない切手が意外と多いことにも気づきました。
(ボランティアの様子)
11月2日、3日に開催された赤羽台祭では、ネパール研修に参加した学生たちとともに、シャプラニールの活動を紹介するブースを出展しました。ブースでは、ネパール研修で撮影された写真の展示に加え、シャプラニールが取り組む「ステナイ生活」の活動として、書き損じはがきや古本、DVDなどを回収するボックスを設置しました。また、バングラデシュやネパールの伝統文化を生かした雑貨や食品を販売するフェアトレード事業「クラフトリンク」の商品の販売も行いました。
私たちは主に、寄付物品を回収するための回収ボックスの作成や、フェアトレード商品の会計補助、教室外での呼び込みを担当しました。回収ボックスの作成では、見た目や構造の工夫が十分ではなかった点もあり、寄付しやすいデザインについて改善の余地があると感じました。一方で、自分たちが担当した作業の一つひとつが活動全体を支えていることを実感することができました。
活動の成果として、フェアトレード商品のコーヒー類は完売し、雑貨もほぼ売り切れるなど、多くの来場者が関心を寄せてくださいました。赤羽台祭での出展は、フェアトレードやシャプラニールの取り組みを広く知ってもらう良い機会となりました。
(赤羽台祭でのブース出展)
こうした活動に加えて、私たちは、シャプラニールさんが行う「ステナイ生活」活動をお手伝いするべく、学内で寄付品を募る取り組みを行いました。「ステナイ生活」とは、家庭で不要になった切手・はがき・書籍・CD・DVD・テレフォンカードなどを寄付として集め、それらを換金・活用することで、バングラデシュやネパールにおける女性支援や児童労働問題の解決に繋がる活動です。
主な活動内容は、寄付ボックスの作成・設置、ポスター掲示、学内放送による呼びかけを行い、学内で人の往来が多い場所を中心に寄付協力をお願いしました。また、赤羽台祭と連動した展示や声かけも実施し、より多くの学生・教職員の方々に活動を知ってもらう機会を設けました。約3週間の実施期間で、古本10冊以上、CD・DVD・Blu-ray10点以上、はがき66枚、切手262.5g、テレフォンカード3枚、図書カード・Quoカード計6,000円分、おもちゃ類など、非常に多様な寄付をお預かりすることができました。これらの寄付品はシャプラニールを通じて現地の支援活動に活かされ、私たちの身近な行動が国際協力に繋がっていきます。
こうした成果があった一方で、寄付や国際協力への関心を集める難しさも強く感じました。ポスターを掲示しても立ち止まってもらえないことや、寄付ボックスを見ても実際に寄付品を持参するまでの心理的ハードルの高さなど、参加につながりにくい場面も多かったと感じています。そこで、寄付ボックスのデザインを工夫したり、掲示物の見せ方を改善したりするなど、関心を持つ「きっかけ」をつくるための取り組みを重ねました。この活動を通して、福祉や国際協力は「特別なもの」ではなく、日常にある一つの行動から始まること、そして支援には内容だけでなく“伝え方・見せ方・参加しやすい環境づくり”が重要であることを学びました。私たちの小さな取り組みが、社会課題の解決に向けた一歩になることを願っています。
(学内に設置した「ステナイ生活」寄付ボックス)
(学内に設置した「ステナイ生活」ポスター/チラシ)
半年間の活動を通して、国際的な福祉課題は決して「遠い国の問題」ではなく、私たちの日常生活と密接に結びついた身近な課題であることを実感しました。切手の仕分けや寄付ボックスの設置といった一見小さな作業であっても、その先にはバングラデシュやネパールに暮らす子どもや女性たちの教育機会や収入向上といった大きな支援に繋がる過程が確かに存在しており、「自分の行動が誰かの生活を支えている」という実感を得ることができました。国際協力は“海外支援”という枠にとどまらず、福祉が目指す「誰かの生活の向上を支える」という営みの延長線上にあることも強く感じられました。
その一方で、寄付や国際協力への関心を高め、実際の行動へと繋げてもらうことの難しさにも直面しました。今年度の活動先であるシャプラニールさんは、学内ではまだあまり知られておらず、寄付ボックスの作成から設置場所や周知方法の検討など、どのやり方が効果的なのか明確な正解がない中で進める必要がありました。ステナイ生活について、寄付が集まりづらかったことや支援の必要性が十分に伝わっていない現状から、「自分とは関係のないもの」と捉えられがちな寄付に至るまでの心理的ハードルの存在を強く意識させられました。
この経験から、福祉活動においては活動内容そのものだけでなく、「伝え方」「見せ方」「関わり方」が参加のしやすさを大きく左右する学びを得ました。若者が関心を持ちにくい背景を理解しながら、興味を持つきっかけそのものを生み出す工夫の必要性を感じました。どのような“伝え方”が興味を引くことにつながるのか、自分たちにできる工夫は何か、を話し合いながら改善策を模索した経験は、福祉実践における企画力や柔軟性の大切さを学ぶ貴重な機会となりました。また、活動を進める中で、福祉や国際協力は「特別な誰かが行うもの」ではなく、私たちの日常生活の延長線上にあるものとして自然に関わることができるという気づきを得ました。寄付品を仕分けする・渡すといった小さな行動の積み重ねが、誰かの生活や権利を確かに支える力になることを理解できたことは、福祉を学ぶ者として大きな意義があったと感じています。
記事作成:福祉社会デザイン学部社会福祉学科2年 馬場麻祐子、半田一葉