2024.04.16|Tue

【ゼミ活動報告】山谷地域でフィールド体験学習を
おこないました 

 社会福祉学科二年生の秋学期の「社会福祉学総合演習Ⅱ」のフィールド活動で、
私たちのチームはNPO法人自立支援センターふるさとの会の実習活動に参加しました。

 具体的な実習活動に向けて、私たちは1ヶ月半の時間をかけて活動地域である
「山谷」の歴史や環境、利用者の状況について調査・把握し、理解を深めました。

 

 フィールド活動では、私たちは3つのグループに分かれました。
Aグループは女性専用の施設を訪問し、利用者と対話し、施設の状況と利用者ご自身の
生活状況を理解しました。Bグループは地域で独居生活をしている3人の利用者宅を訪問し、
インタビューさせて頂き、彼らの日常生活を理解しました。Cグループは男性専用の施設を訪問し、
そこで業務体験をしました。


 Aチームの活動では、利用者の方より日々の生活が充実しているということ、
また利用者ご自身の過去の思い出などを話してくださいました。
一人一人様々な過去がありましたがどれも私たちにとっては貴重な経験で、
特に今までの旅行の話や私たちの修学旅行などの話に興味を持って頂きました。
普段、福祉施設の利用者の方と関わることがほとんどなく、また山谷地域ということもあり、
初めは緊張と不安がありましたが、話してみると皆さんフレンドリーで、
持っていた不安などは全くなくなり、私たちにとっても大きな経験となり、知識になりました。

 

 Bグループが訪問させて頂いた利用者の中で印象に残っている方を紹介します。

利用者のCさんは認知症を患っており、日常の通信手段もありません。

そのため、介護者による定期訪問は非常に重要です。そして、認知症のため、

Cさんはしばしば自分の想像の世界に生きており、実際の隣人との交流は非常に少ないです。

Bグループはインタビューを通して、認知症や歩行困難があっても適切な支援を受けることで、

地域でその人らしい独居生活が可能であること、そのためには専門の介護が重要であることを学びました。

  

 そして、Cチームが実習に行った施設は、現在は65名の利用者がいる男性専用の施設です。

利用者の方からお話を聞いたり、業務体験を行ったりしました。

 

 私たちは、今回の活動を通して山谷地域への元々持っていた考えが一変し、

親切でとてもいい街だと感じました。学んだことの例として、相手をリスペクトする言葉選び、

対話を重ねていくことの重要さ、その方の持っている力を潰さずに支援を行うことの大切さなど多くありました。

その中で全てのチームに共通した点として、コミュニケーションの難しさがありました。

私たちは普段スマートフォンを利用していますが、利用者の方々全員がスマートフォンを利用している訳ではありません。

学生同士の会話の中では、スマートフォンを使ってやり取りすることに慣れている為、

伝えたい内容の理解が難しかったり、お互いにどのような話を展開すれば分かってもらえるかなど、

スマートフォンを介さない「素の状態」での会話はとても難しく感じました。

また、利用者の方の過去にどこまで踏み込んでよいのかも難しい点であり、

聞かれたくない過去や思い出したくないことなどある中で、注意を払いながら質問や話をすることはとても難しいと感じました。

しかし、このような経験は他では出来ない経験であり、「ふるさとの会」だからこそ学べた知識だと考えています。

 

 来年3年生となる私たちは、今回の体験を活かして今後の活動に取り組んでいきたいと思いました。


記事作成:社会学部社会福祉学科2年 郭城雨、 西口雄琉