2024.06.28Fri

「社会福祉学専門演習I・III(佐藤ゼミ)」にて日本盲導犬協会、盲導犬ユーザー、盲導犬による講演が行われました

 2024年6月10日(月)に東洋大学赤羽台キャンパスで行われた
「社会福祉学専門演習I・III(佐藤ゼミ)」の授業に、日本盲導犬協会の奥澤優花さん、
盲導犬ユーザーの野上由美子さん、盲導犬のミーナちゃんをお招きし、
「人間の幸福と盲導犬」についてお話を伺いました。
奥澤さんからは、盲導犬(補助犬)に関する基礎知識や関連法についてお話を伺い、
誰もが暮らしやすい社会の実現についての学びを深めました。野上さんには、白杖や盲導犬との歩行を実演して頂きました。
盲導犬ユーザーの生活や盲導犬のお仕事について学びました。
学生たちは、今回の講義を通しての学びを以下のように振り返りました。


・アルバイト先や街で盲目の方や盲導犬ユーザーに会った際、
 今回学んだ声の掛け方や情報提供の方法を活用し、サポートしたい


・野上さんの話を通じて、「気遣い」と「特別扱い」の違いを考え、
 相手の意見や希望を尊重する姿勢の重要性を感じた


・盲導犬ユーザーの具体的なエピソードを初めて聞き、非常に貴重な経験となった


・野上さんとミーナの関係がパートナーであり友達のようで、盲導犬に対する価値観が変わった。
 街中での盲導犬ユーザーへの見方が変わった


                              (文:三溝音葉、写真:木原靖貴・中村心咲)

盲導犬ユーザーの野上さんからは、講義終了後、以下のコメント(抜粋)を頂きました。


先日は限られた時間でしたので「人間の幸福と動物」というテーマでの
私の考え方にはあまり触れる事が出来なかったので、ここで少し書いてみたいと思います。 

障がいがあるかないかで人の幸せは決まらないと感じています。
障がいそのものは不幸ではないからです。取り巻く周囲の環境によって不幸に感じる事はあります。
障がいがあってもなくても、自分の事を良く知って理解する事・自分自身を受け入れる事も
幸せにつながると思います。
それなりの努力と前向きな気持ちは必要になりますが、この上ない幸せを得る事は出来ます。

私は視覚に障がいがあっても幸せを感じながら生きてきました。
盲導犬ミーナが来てからは更にこの上なく幸せです!
私はもし生まれ変わったら勿論健常者として生まれ変わりたいです。
でも今のように幸せになる自信があるかと問われたら、その自信はありません。
他の盲導犬ユーザーで良く見えていた頃よりも盲導犬ユーザーになってから
未だかつてない幸せを感じているという方もいます。 

障がいはない方が良いです!でも障がいがあってもなくてもその人本人の気持ちとその周りの環境によって
人の幸せは左右されるのではないかと思います。
電車で席を譲る時は「席が空きました。どうぞ座ってぐださい。」よりは
「席が空きましたが座りますか?」の方が相手のニーズを尊重出来るので良いと思われます。
もし街中で視覚障がい者を見かけた時に「大丈夫ですか?」と聞いてしまうと大丈夫でなくても「大丈夫です。」と何故か言ってしまうので、「何かお手伝いする事はありますか?」の方が良いと思います。 

伝えたい事はまだまだ沢山ありますので、またいつか皆さんとお話しする機会があれば嬉しいです。
ありがとうございました!

                                          野上由美子&ミーナ