2024.07.19Fri

URまちとくらしのミュージアム・ツアー(ソーシャルワーク演習III・ソーシャルワーク特論VIIA)から学んだこと 
~集合団地が住民の幸福に及ぼす影響~

2024年7月9日に佐藤亜樹先生の授業の一貫として、
大学近くにある「URまちとくらしのミュージアム」にて行われているツアーに参加してきました。
ツアーは90分間で行われ、スタッフの方がURの歴史や建築に関わった建築士の思い、
といった様々なことについて分かりやすく教えてくださいました。
また、ミュージアム内は当時の団地の部屋の復元や現物といった貴重な資料も多く展示されていました。

 

 今回参加した学生は建築学科の学生ではなく、「社会福祉」を学ぶ学生でした。しかし、URが築いてきた「団地」は、
関東大震災後の復興から開発が始まっており、社会課題への取組も行ってきたことが分かりました。
つまり、URはただ住居を建築してきたのではなく、人々の生活や社会事情の変遷とともに住居をつくってきたといえます。
この考え方は、社会福祉で大切にしている「ウェルビーイング」にもつながるのではないか、と感じ、社会福祉を学ぶ学生にこそ、
URや団地について学ぶことの意義を感じることができました。

 

 ツアーの中で特に印象的だったことは、「晴海高層アパート」と呼ばれる1958年に建築された高層集合住宅です。
このアパートの廊下が現代の集合住宅の廊下よりもかなり広いのが印象的でした。
この広さは、このアパートを建築された前川氏の考えに基づいているそうで、
住民が廊下で井戸端会議をすることを想定されており、住民同士のコミュニティの形成に力を入れていたそうです。
集合住宅内での住民同士のコミュニティの形成に力を入れていた取り組みは、
現代の地域福祉で注目を集めている「居場所支援」にも通ずるのでは、と思いました。


文:古藤田温子 写真:古藤田温子ほか